仕事
ローザが言い合いを止めに入ったと思ったら、俺のこともしっかり見てたらしい
「ルイ、私達には仕事があるんだよ」
セツが言ってた気がする
「どんな?」
「仕事という名の『暗殺』。依頼はバルドが他国の貴族や王族から貰ったり、バルド自身が持ってきたり〜」
暗殺...
そんなの簡単に出来る訳ない
「『簡単に出来る訳ない』って思ってる?」
「ああ」
「ルイが思ってることは正しいよ〜?でも、それは『普通の人間』ならの話」
今まで普通に生きてきた
が、俺達アンジェは普通ではないということか
「私達はオルレアンの王族であると同時に暗殺者としてもやって行く必要があるんだよ」
「暗殺をする理由は...?」
「他国の家族が国民を陥れていると言ったら、お前はどうする?」
ローザではなくレオンが答えた
「え?」
「オルレアンは治安のいい国。それは国王がきちんとした法を定め、貴族がそれを理解してくれているから」
今度はセツが言った
「けど、他国は王族や貴族が国民から金を巻き上げてる。それを見てバルドが世界を変えるために『手伝って欲しい』って言ったんだよ」
今まで静かだったリトも懐かしそうに言った
「バルドはな、国のこと、貴族のこと、ほぼ1人で抱えてんだ。そんなバルドが家族を頼ってきた。助けねぇ訳にはいかねぇだろ。だから、お前も手貸せ」
ディックが肩を組んできた
バルドは全部1人で背負ってきたんだな...
「ディッキーがまともな事言ってる〜」
ローザがディックをからかう
「うるせぇな!俺だって感謝くらいすんだよ!で、どうすんだ?」
いきなりディックに話を振られた
「俺もやるよ。みんなに会えたのもバルドのおかげだしな」
これが俺と家族との出会いまでの話
これから何があるのか楽しみだ
『ルイで10人目。あと4人か...』
『あと少しの辛抱よ』
レオンとサラが話していた事を俺は知る由もなかった




