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ある国の秘密  作者: 藤咲 乃々
第5章
36/61

門前での戦い

連れて来られたのは馬小屋

といっても“馬小屋”と呼べないくらいの広さ


「私、後ろに人乗せたことなくて困ってたんだよね〜」

カレンが上機嫌で馬に飛び乗る

後ろにはかなりの量の荷物が乗っていた


「てことで、ルイはエマ乗せて」

俺が乗る馬の準備も済まされていた


「分かった...って、どこ行くんだよ?」

馬に跨り、手を引いてエマを俺の前に乗せる


「まあまあ、小さいことは気にしな〜い!」

「着いてからのお楽しみね」

カレンは分かっていたが、エマまで教えてくれない


「ちょっと急ぎの用だから、飛ばすよ?」

「ああ」

どうやらカレンに着いていくしかなさそうだ




門を目指して馬を走らせているとカレンが急停止した

「急いでるんだけど、退いてくれない?」

カレンの前に誰かが立ち塞がっている


人物の顔を確認すると、正体は家庭教師

俺が逃げたからここまで追いかけてきたのか...


「カレン様とエマ様は通って頂いて構いません。ですが、ルイ様はまだ勉強が残っているのでお戻り下さい」


「それは無理よ。ルイは私達との先約があるの」

カレンが言い返した

俺は勉強なんてしたくないから心の中でカレンを応援する


「申し訳ありませんが、こちらの方が大事なことですので」

貼り付けたような笑顔の家庭教師に恐怖さえ覚える

表情を崩さず一歩も引かない家庭教師にカレンはイラつき始めている


「そう...じゃあ、言い方を変えるわ」

「?」


「邪魔だ。そこを退け」

カレンは今までに聞いたこともない低い声で家庭教師に言い放った


一言で家庭教師の笑顔が崩れ、ガタガタと震え出した

カレンは家庭教師の前ではいい子にしていたのだろう


まるでそこに何も存在しないかのように家庭教師の横を通る


真の王族というものを見た気がした



門まで来るとカレンは上を向き叫んだ

「エリックー!門開けてー!」

「カレン様⁉︎また外出ですか?気をつけてくださいよー」

「分かってるー!」


カレンは何度も脱走?をしているようで衛兵とも顔馴染みだ

この前なんて、たくさんいる衛兵の中から新人を言い当てていた


馬が通れるくらいの隙間が開きそこを抜け、城下とは反対の森へ入った

森へ入るとカレンが猛スピードで走るので、その背を追った

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