初の試み
「おいおい、今回は女勢が総出じゃねぇか!」
ディックが不思議な事を言った
「サラとカレンは分かるけど、セツは出ないじゃん〜」
ローザは指示出し、ルーシーは服装を用意するのだろう
俺もセツは出ないと思う...
「いや、セツは2つ目に出るよ」
計画を立てるリトが言うなら、決定事項だ
2つ目は、オアシスか...
「リッくん、なんでセッちゃん出るの?」
ルーシーがリトを『リッくん』呼びするのには驚いたが、俺も同じことを疑問に思っていた
「今回、3つのグループに分散する。初めての事で何が起こるか分からない。だから、ペアで動く事にした」
リトが決まりつつある計画を話し始める
王女の護衛は、カレンと俺
レオンの銃だと室内の物を無駄に壊すし、ディックは殺す目的で来ている相手に素手で挑むのは無謀
だから、剣で小回りのきく俺が選ばれた
「カレンはなんで選ばれた?」
「あれ、言わなかった?私の能力“演舞”なの。パーティーがあるから、リトは私を選んだんでしょ?」
カレンが全て説明した
「うん。正解」
砂漠の殺人鬼は、サラとレオン
サラは言うまでもなく、歌が上手いから
レオンは遠距離の殺害が可能だから
「で、問題はオアシス。ディックはほぼ消去法だけど、セツは別」
「...」
レオンが静かに考え込んでいる
流石のレオンもまだ理由が分かっていないみたいだ
「もしみんなが盗賊だとして、ディックを襲いたいと思う?」
「「「思わない」」」
「ディックなんか誰も襲いたいとも、話したいとも思わない」
「その言い方は俺に恨みでもあんだろ!」
みんなスルーしているが、確かにディックの見た目は怖い
「そこでセツがオアシスに行き、盗賊が油断したところをディックが叩く」
さすが、リト
成功率の高そうな作戦だ
「それだけじゃない。オアシスには水がある」
「なるほど」
リトの一言でレオンの謎は解決したようで、薄く微笑んでいる
「じゃあ、“あの”ハープ持って行くか」
セツは伸びをしながら部屋を出て行く
「“あの”ハープって?」
「水の精に貰ったやつ。あいつの演奏、人外にも好かれてんだ」
カレンの舞は火の精、サラの歌は風の精に好かれていると、ディックが説明してくれた
「エマは?」
「私は...好かれてないの」
なんか意外
「エマこそ好かれそうな能力なのに、不思議だよな!」
エマの能力は治癒
大体の傷は治してしまう
妖精達に好かれていないなんて、本当に不思議だ
「ディックは逆に逃げられそうだよね〜」
ローザの言葉で笑いが起こった
エマも笑っていたので、少し安心した
「盛り上がってるとこ悪いけど、3日後が本番ってバルドが言ってたから。各自必要な物、準備しといて」
笑い声がピタリと止んだ
ここにいる誰もが思ったはずだ
まじかよ、と...
リトは細かい計画を立てるために、ルーシーとザックの3人で話し合いを行っていた




