表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある国の秘密  作者: 藤咲 乃々
第3章
19/61

傷痕


朝食を終えると、予告通りレオンの訓練漬け

訓練場は王城内にあり、城の中からしか辿り着かないところにあった


レオンの能力は“銃術”とローザは言っていたが、飛び道具全般という事を身をもって知った


俺自身も“剣術”と言われたが、斧や鎌などの手持ちの武器を使えることが分かった



「レオンー、ルイー、バルド帰って来たからご飯だってー!」


「分かった。エマ、ルイの傷治してやれ」

「はーい!」

エマが呼びに来て、訓練がやっと終了した


「はぁ...ってぇ...」

地面に倒れ込む

全身が痛過ぎて、もう立てない


「先帰るぞ」

「あーい」


エマが来るとレオンは先に帰ってしまった


「痛そう...何したらこんな傷だらけになるの⁉︎」

「レオンの相手を9時間くらいしたら...だな」

ボロボロな姿を見られるのが恥ずかしいので、せめてもの抵抗として手で目元を隠す


朝9時から始めて昼を挟み、13時から今までずっとレオンの相手

正直、生きてるのが不思議なくらいだ...


「ねぇ」

「ん?」

手を少しずらしてエマを見る


「ルイが全身傷だらけだから、治すのに時間がかかるの」

「うん」


「だから、裏技使っていい?」

裏技が何か分からないが、みんなを待たせているので早く終わるに越した事はない


「お願いします...」

「じゃあ、目閉じて」

言われた通り、目を閉じる


「手退かすよ?」

「ああ」

手が顔の上から地面に移動し、ひんやりとした土の感触がした



チュッ

唇に柔らかいものが当たった

驚いて目を開けると、エマの顔が目の前にあった


本気で驚いた時、固まるって聞いたことがある

迷信かと思っていたが、本当だった...


エマの顔が離れる

どんな顔をしてるかと思ったら、ザ・真顔


「私の顔に何かついてる?」

終いには、顔を見過ぎて勘違いされるほどエマは普通



「いや、別に」

「そう?早く行こう、みんな待ってる」


「まだ傷が...え、治ってる?」

さっきまで血だらけだった腕が傷一つなくなってる


「なんでだ⁉︎」

「私にも分からないけど、昔からルイの傷はこれですぐに治るの」


傷がない......!

シャツの裾をめくる


「残ってる...か...」

俺にはいつ、どこで、どうやって出来たのか分からない傷痕がある


丁度、心臓の真上に刺された様な傷痕


「どうしたの?」

俺がいきなりシャツをめくったので、手で顔を覆っているエマ


「傷痕があるんだ。今ので消えたかと思ったけど、消えねぇな」

「え、消えてない?」

エマは打って変わって、傷痕を見てきた



「うそ...なんで消えないの?」

「まあ、いいんだけどな。それより!早く帰ろう、腹減った」

かなり渋っていたけれど「分かった...」と言って、2人で城に戻った

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ