次男
中に入ると、ゴリラのような衛兵2人が1つの扉を守るようにいた
2人は俺に気づくと斬りかかって来たが、剣を柄に入れたまま峰打ちし気絶させる
扉を少し開け、中の様子を伺う
エマの背中越しに次男の顔が見える
何か喋っている次男
すると、エマの頬に手を伸ばした
俺は突入すると手が触れる寸前、エマを後ろから引き寄せ次男から距離を置く
「「⁉︎」」
何が起きたのか驚いているエマと、俺がいきなり現れて驚いている次男
「エマは返してもらう」
「お前、何者だ⁉︎」
「オルレアン、と言えば分かるか?」
「オルレアンだと⁉︎」
オルレアンという言葉に次男は更に驚き、エマはピクリと反応した
「エマを取り返すついでに、お前の命も貰いに来た」
「奪われてたまるか!おい、お前ら!」
叫んだはいいものの、何も起きない
「なぜ来ない⁉︎」
焦り出す次男
「外にいるゴリラなら呼んでも無駄だ」
俺が気絶させたからな
「何をした?」
「別に。眠かったみたいだから、夢の国へ招待してやったよ」
「あの2人は国内2,3位の手練れだぞ⁉︎」
段々、次男はヒステリックになってきた
「キーキーうるせぇな。じゃあ、1位は誰だよ?」
ブリオスタが戦士の国って、サラの情報間違ってんじゃないか?
「1位は俺だ」
「お前...さすがに嘘は良くないと思う」
「嘘じゃねぇし!本当だし!俺の実力見せてやるよ」
怪しい反応を見せる次男
「やってみろよ」
煽ると剣を抜いて、斬りかかってきた
俺も剣を出し、次男の剣を受け止める
ガチンと金属のぶつかる音が部屋に響き渡る
かなりいい筋だ
「なかなかやるねぇ」
「お前は口程でもないな!」
防戦一方の俺に、調子に乗って斬りかかってくる
攻撃を防ぐ度に左腕の中にいるエマから小さな悲鳴が聞こえてくる
「目瞑ってろ」
エマはコクリと頷いた
その間も次男の攻撃は止まらず、エマに当たらないように受け流す
「1位なのは認めてやるよ。ブリオスタでの話だけどな!」
次男の剣を弾き飛ばし、次男の喉元に剣を向ける
「何か言い残すことは?」
「そうだな...1人で死んでたまるか!」
次男は隠し持っていたスイッチを押した
カチッカチッと音が鳴り始める
「これでお前らも30秒後に道連れだ。ちなみに、この部屋の窓は強化されてるから割れないぞ!」
爆弾か、くそ!
レオン達は既に屋敷の外に出たとピアスで言っていた
廊下の窓は小さくて出られない
一体どこから...
脳裏に浮かんだのは、バルコニー
あそこしかない
「エマ、ごめん」
「え、きゃ!」
エマを抱えて、次男の部屋を飛び出す
残り約20秒...
爆弾の威力がどれくらいかわからない
バルコニーまで全力疾走