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ある国の秘密  作者: 藤咲 乃々
第1章
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ルイ


俺は“今日”という日が来るのを待ってた

夢にまで見たこの日


俺たちはずっと昔から家族だった


なぜわかるか、って?


“俺たちが普通じゃないから”


仕方ない

これが俺たちの運命だから…



まず、俺の話をしよう


17年前

俺は“オルレアン”という国に生まれた



両親から

ルイ=オスマン

という名をもらった


そこそこの貴族だった俺は充実した毎日を送っていた


しかし、俺は両親とは全く似ていなかった

肌の色こそ同じだが、両親は金髪で顔は薄く、凹凸の少ない顔


一方、俺の髪は白に近い金。金髪と白金の違いは一目瞭然だった


顔は濃いめで、彫りが深い「アンジェ」と呼ばれた


この国のほとんどは薄い顔の人達が占めていて、アンジェは珍しかった


オルレアンには国王がアンジェの者に手紙で招集をかけ、17歳になると城に住まわせるという噂があった



俺の17歳の誕生日、2週間前

噂通り国王から手紙が届いた


両親と2つ下の妹は泣いていたが、俺は特に何とも思わなかった


手紙の噂は元々聞いていたし、死ぬわけではない

寧ろ俺は、他のアンジェと会えるのが楽しみだった


貴族と言え、噂には聞くが今までアンジェに会ったことがない


手紙をもらった日、ワクワクし過ぎて眠れなかったのを覚えている


誕生日、当日

国王からの使いの馬車がやってきた

家族への別れの挨拶もそこそこに、俺は急いで馬車へ乗り込んだ


馬車の中で国王からの手紙を俺と同じ髪色の人から貰った


中には

『やあ、ルイ 君は新しい家族だ。しばらく会えないけど、兄弟たちと仲良くね。 国王』


家族...

その言葉だけで十分だ

歓迎してくれてると感じた




あっという間に城に着いた

家から城まではあまり離れていなかったが、街の景観はガラリと変わった


使いの人の後ろについて城に入ると、長い廊下を進むと1つの扉の前に出た


扉を開けると広い部屋に繋がっていた


部屋の中心には大人数用のディナーテーブルと背もたれの長い椅子



「リトだ〜。てことは、そいつが新入り?」

椅子に座り、頬杖をついてこちらを見てくる8歳くらいの少女がいた


「そうだよ。正装って疲れる」

ここまで一緒に来た同じ髪色の人が返事をした

リトと言う名前らしい


「ふ〜ん」

少女が全身を見回すように俺を見てくる

と思ったら、パッと目の前に現れた


「君、名前は?」

「ルイ...ルイ=オスマン」


「「⁉︎」」

聞かれたから名前を言っただけなのに、リトと少女は驚いた顔をした


「ハハッ、私はローザ。おかえり、ルイ」

おかえり...?


「あ、ああ。なんで笑ってんだ?」

「ごめんごめん。でも、ここに来たからにはオスマンの名は捨てたと思った方がいいよ」


「なに?」

「ルイ、これは忠告だよ」


「...わかった」

俺より年下なのにすごい圧



「これだと他のことも知らないね。ったく、ちゃんと説明しとけよな〜。リト、バルドは?」


「逃げた」


バルド...?


「はぁ...バルドは本当に国王って自覚ある〜?」


「は?国王⁉︎」


国王を呼び捨てにしてるのか⁉︎


「さすがに国王を呼び捨てはダメだろ...」


ローザは大きな溜息をついて

「こうなるから嫌だったんだよ。みんな〜集合!」

と叫んだ


その場の空気が変わった

一言で表せば、重圧



「あ?んだよ」

「どうしたの?」

「リトが正装してる!じゃあ、新入り?」


3人?


「おい、静かにしろ」


いや、音も無く4人がそれぞれ椅子に座っていた


4人目の言葉で騒がしかった周りが静かになる


「レオン、ありがとう♪」

レオンと呼ばれた4人目の男は他の3人とはオーラが違う


「ああ。ローザ、そいつは?」

レオンが俺を指して言った


「ルイだよ♪」


「そうか...おかえり、ルイ」

「...ただいま?」



「「「「⁉︎」」」」



「おい!ローザ!どういうことだ⁉︎」

ツーブロが椅子を倒しながら叫ぶ


「ディッキー、うるさい〜」


「バルドの奴、言ってないのか?」

「さすがレオン!大正解〜」


「みんながいた方が説明しやすいからね〜。今いるの私とリトいれて6人?」


「ああ、他は仕事だ」


ローザは少し考えて「まあ、6人いれば十分かな?」と俺の方を向き話し始めた


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