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ボーイッシュだけど、美少女な幼馴染はつまり、あれだ、とんでもねぇ、ツンデレ女子だったわw

やがて、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。


俺もマヒロも林ユーコも同じクラスだが、

俺だけ教室に入らなかった。


幼馴染がノーパンでいるなんて、

可哀想過ぎたから。


俺はコンビニに走った。


とりあえず、MサイズかLサイズか、

迷ったが、大は小を兼ねると思い、

Lにした。



恥ずかしかったが、

会計を済ませ、俺はまた走った。


結局、授業に遅刻した。


「おまえな、あと、俺の授業に何回

遅刻したら気が済むんだ!?

評定1がつくことも、覚悟しとけよ!」


「すみません!!」


普段なら、つっぱって、

頭を下げないところだが、

今日だけは別。


俺は深々と頭を下げてみせた。


「ふん...!」




授業後、

俺はマヒロの席に向かった。

そして、


「これ、履けよ...」とコンビニで買ってきたものを手渡した。


「何これ?」


ビニール袋ごと手渡したから、

中身を見なきゃ何なのか分からない。


「ショーツだよ...」


俺は誰にも聞こえないような声で、

膝を屈め、腰掛けている

マヒロの耳元で呟いた。


「え、嘘...買ってきてくれたの?わざわざ?」


「ま、まーな!」


「サイズ、でかいのにしといたから」


「あ、ありがとう...」


いつになく、しゅんとしてた。


普段のマヒロはもっと、

こんなんいらないよ!とか、

余計なことしないで!と

言う感じなのだが。



「トイレで、履いてくる...」


「本当にありがとう...」


「どーいたしまして!」



時流れて。


お昼休みになった。


恥ずかしい話だが。財布にはろくに

金が入ってなくて。


俺、マヒロに下着を買ってあげたせいで、

財布の中の金が無くなり35円しかなかった。

いつも買うコンビニ飯、買えなかった。


今日は昼飯抜きでいいや、と、

机に突っ伏して寝ていたら。


マヒロに起こされた。


「これ!あげる!!」


「ん?」


「おにぎり!焼き鮭だよ!

美味しいんだから!食べなさいっ!」


「あ、ありがとう...」



俺がおにぎりをかじってたら、

評定を1にしてやる!と宣言した

強面の先生が俺を呼んだ。


「食べたらでいい。

職員室に来てくれないか?」


「は、はい!!」


俺は何を言われるんだろうとドキドキしながら

おにぎりを食べてた。



その後。


職員室で、色々と聞かれた。


「コンビニに買い物に行ってたんだってな。

それで遅れたって、真島が教えてくれたよ。

私の為に買ってきてくれたんだって」


「あ、まぁ、そうですね」


「彼女に言われたよ。

評定1をつけたら問答無用で留年になっちゃうからやめてくださいって」


「そ、そーなんですか...」


「水泳の時間、女子更衣室で下着を取られたみたいなんだが、ついさっき犯人が分かってね..」


「応接室で校長先生と話をしているが、

相当な処分が下ると思う...」


「気の弱い女子生徒に命令して、

盗らせていたんだ。直接手を下してはいないけど、首謀者だから許すことはできないな」


「そうですか...」


誰ですか?とは問わなかった。

なんとなく、目星はついてた。


「真島も、誰かに取られたこと言おうか言わまいか迷ってたみたいなんだ。

恥ずかしいし、言いにくい内容だよな...」


「強気な女子が泣きながら話してくれてさ、

泣きながらお願いされたよ。

彼を留年させるのはやめてくださいって」


「....」


マヒロのやつ、俺の記憶上では

泣いたことなんて一切ないのに。


「俺の話はそれだけだ。

もう行ってよし!」


「はい!ありがとうございます」


「真島に御礼言っとけよ!」


「はい!」



教室に戻った俺は、

マヒロに御礼を言った。


窓際の一番後ろに座る、マヒロは。


「おにぎりうまかったよ、

それから...」


「留年の危機、おまえのおかげで

回避できたっぽい...」


「か、勘違いしないでよ!!

留年はね、あんたの家がそんなにお金持ちじゃない、だから、ダブりは可哀想だと

思って、先生に言ってやったのよ!!」



これだよ、これ。


待ってたよ、塩対応の真島マヒロ。


俺は苦笑した。


そしたら、どうだ。


もう一人の俺の幼馴染であり、

マヒロの親友である、ポニーテール女子のミドリが、マヒロのすぐ前の席で振り返って言った。


「バカね...!マヒロ!!

いい加減に素直になりなさいよ?

あんた、シンジのことが物心ついた頃から好きじゃんね!だから、一緒に二学年に進級したいのよね?」




「こ、こら...!ミドリ!!」


「どーして、私の許可なく、勝手に話すのよっ!!」


「いいじゃん、別に!

既製品の義理チョコだとか言って渡したシンジへのチョコも実は手作りだしね。

私の父親に一日弟子入りして

がんばって作ったもんね!」


「やめて、やめてよ!!

バラし過ぎでしょ!」


パティシエを父親に持つミドリ。


有名な洋菓子屋に、弟子入りして

作ったチョコは、思い返してみれば、

確かに撃ウマだった。



「俺のこと、好きだった??」



俺がにやけながら聞くと。


「好きじゃないっ、バカ!!」


と怒鳴られた。



ミドリはニヤニヤして、


「ほんっと、素直じゃないわー!」


とマヒロの頭を右手でポンポンしてた。


「じれじれの恋模様、見せられてる

こっちの身にもなれってんだ!

あー、これでよーやくスッキリしたっ!」


ミドリは、んー!とストレッチみたく

腕を伸ばし、開放感に浸ってる。



さて。


この事件後。


林ユーコは停学処分になったと噂で聞いた。

マヒロのこと、学校から追放しようと躍起になってたみたいだけど、逆にユーコが追い出されてしまった感がある。


結局、学校に出てくることはなく。


自主退学した、と担任の先生が話してくれたのでした。


さて。


校内に平和が訪れたわけだが。


マヒロは相変わらず素直じゃない。

でも可愛い。


「一緒に帰ってあげるわよ!

ありがたく思いなさい!!」


「つまりそれは、俺とおまえ、

付き合ってるってこと?」


「違うわよ!!

ただ、シンジと手を繋いで帰ってるだけだよ!


俺はただただ、苦笑してた。


まぁでも。何はともあれ。


昔から想いを寄せてた、ボーイッシュとは

いえ、美少女な幼馴染みと一緒に登下校できるってのはいいもんだな。



評価もしよかったらお願い致します。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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