表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第十六章 学園新組織発足と迷宮学園祭!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

925/2117

#820 セオリー通りに、まずは敵の黒衣を倒せ!




「ノエル、オリヒメさん、リーナ、頼む!」


「まっかせてー♪ いくよオリヒメちゃん! 『プリンセスアイドルライブ』♪ 応援行くよー♪」


「はい! ノエルさんとデュエットです♪ ――『テノール』! 『バリトン』! 『バス』! 『呪歌』!」


「みなさん、行きますわよ! ――『全軍一斉攻撃ですわ』!」


「カイリ! 全員を守ってくれ!」


「もちろんさ! 『インストラクター』! 『パーティインビジブル』!」


 初手はバフ、デバフ。

 レイドボスは強い。もう圧倒的に強い。常にバフで自身を強化し、敵をデバフで弱体化するのがセオリーだ。

 とはいえ、今回は5000人規模。デバフに関しては〈ヘカトンケイル〉に与えてもすぐに誰かに上書きされてしまうため、俺たちの狙いは黒衣の敵さんだ。


 まずはノエルが全体バフ、オリヒメさんがデバフとサポートをしつつユニーク準備、リーナにはいつも通り全体のスキル威力を上げてもらう。

 マスの減退はしないとはいえ全体系はマス内限定というシステムは変わらない、リーナと同じマスにいる人員しかバフは掛からない。

 同様に5000人いても次々訳の分からないバフを受けて上書きされることが無いのはありがたいところだ。


 さらにはカイリにパーティ引率スキル『インストラクター』を使ってもらい、ユニークスキルの『パーティインビジブル』を発動して俺たちの姿を隠した。

 これで〈ヘカトンケイル〉から狙われない。


 とはいえ対人は別だ。音でバレる。


「姿は隠せても歌は隠せないからな。もう攻撃が飛んできたぞ。ご丁寧に状態異常系ばっかりだ。ラクリッテ!」


「ポン! 来たれ幻影の巨人――『ミラージュ大狸様』!」


「今のうちにマスを移動する、北北東に24マス先だ! 行くぞ!」


「「「おおー!」」」


 顕現した大狸様が攻撃を引き寄せて貫かれている間に俺たちは移動を開始する。

 ノエルとオリヒメさんの歌は相変わらず奏でっぱなしだが問題ない。


 さぁて、まずは良いポジション確保からだ。

 集団戦での戦いは地の利が有利を決めると言っていい。

 開始直後は〈ヘカトンケイル〉側と選手側で分かれていたため、俺たちはまず〈ヘカトンケイル〉側へと進入する。


 状況を見れば黒衣が〈ヘカトンケイル〉を盾に状態異常系の魔法やらスキルを放ち選手側を翻弄、〈ヘカトンケイル〉がその大量の腕を伸ばし、『多連弾ヘカトンパンチ』を放って選手たちをぶっ飛ばしていた。

 ありゃ、ばか正直に突っ込んだ人が少なからずいたらしいな。


 しかし黒衣側もなかなかだ。自分たちが何をすべきかよく分かってやがる。火力は〈ヘカトンケイル〉がいるんだから黒衣はサポートと嫌がらせに徹するのがセオリーだ。


 黒衣は人数が少ないのだから〈ヘカトンケイル〉に守ってもらわなければあっという間に殲滅される。バラけて行動するとか各個撃破してくれと言っているようなものだ。

 まあ、遊撃が有効な展開も無数にあるため一概に間違いとは言えないんだけどな。


 とはいえ選手側もこのレイド戦に慣れている人も多い様子。壁を召喚したり、〈防壁〉を建てたりして陣地を作製して攻撃している選手なんかがそれだ。素晴らしい手だな。


 しかしそれは一部の選手だ。ほとんどの選手は〈ヘカトンケイル〉の攻撃が強力過ぎて反撃がままならず、黒衣に好き勝手されている様子が目立つ。

 烏合の衆の弊害だ。包囲することすらままならない。


 ま、ここは俺たちがなんとかしようか。


「もうすぐポジションに到着します!」


「狙いは敵黒衣! 俺たちは敵からはよく見えていない遊撃だ! 〈ヘカトンケイル〉の背後に隠れて攻撃している、頭のいい戦法を繰り広げて後ろが疎かになっているあそこに向かってぶっ放す!」


「「はい!」」


 アイギスの言葉に改めて全員に狙いを通達する。

 俺たちは〈ヘカトンケイル〉の側面、そのやや後方に大きく回りこむ形で陣取った。

 まだ距離はかなりあるが問題ない。

 ここから一気に突っ込む。


 後衛メンバーと前衛メンバーで分かれ、後衛はリーナが指揮を、前衛は俺が指揮を取る。

 未だ、黒衣の人たちは俺たちに気が付いていない。

 他のギルドの対処で忙しいと見える。人数が違うからな、最初はこうなるんだ。

 最初は選手が正面にしかいないため、後ろから攻撃されるとは思ってもいないだろう。


 チラリと上空のスクリーンを見れば5000いた選手がすでに4500人に減っていた。ここまで開始3分経っていない。早いな!?

 まあ、〈ヘカトンケイル〉の攻撃を受ければ防御力の低い人は一撃で退場するだろうし仕方ないのか。


 ちなみに〈ヘカトンケイル〉のHPはまだ5%ほどしか削れていない。

 わー、大変だなぁー。

 これでも〈ヘカトンケイル〉のHPは本来の4分の1に設定されてるんだけどな。本当だったら1%ちょっとか。無理だね。時間切れになるわ!


「ゼフィルスさん、準備が整いましたわ!」


「よっしゃ前衛は乗り込め! 行くぞ!」


 ここで登場するのは我らが〈馬車〉。

 最大強化で8人乗車できる〈サンダージャベリン号〉〈シャインブレイカー号〉〈シーストリーム号〉に前衛陣、俺、シエラ、エステル、カルア、リカ、セレスタン、ルル、パメラ、レグラム、アイギス、タバサ先輩、シャロン、サチ、カイリ、トモヨ、ロゼッタ、フラーミナ、フィナの計18名が乗り込み一気に突っ込む。


 ――電撃戦だ!


「一気に敵を崩して立ち去るぞ! 黒衣側だけじゃなく選手側からのフレンドリーファイアが確実に来るからシエラ、トモヨ、シャロン、カイリは出来る限り防いでくれ! 時間との勝負だ! エステル、出してくれ!」


 馬車に乗りながら全員に指示を出して即出発。


「『ゼフィルスさん聞こえますか?』」


「良好だリーナ! タイミングを計ってくれ! 出来る限り〈ジャストタイムアタック〉だ!」


「『はい! 10秒後に着弾させますわ!』」


「オーケーだ!」


 俺たちは突っ込むだけでいい。後はリーナがあわせてくれる。


「お、おい、なんだあれは!?」


「ちょっと待て、あの馬車は!」


「いきなり現れたぞ!? っというか馬車だと!?」


「え? 馬車って〈エデン〉の十八番……」


「敵襲! 敵襲! 7時の方角から遠距離攻撃が、ギャー!?」


「後ろからだと!? 防げ!」


「くっ、盾の人員はほとんど前列に行っちまってていない、まずいぞ!」


「ぎゃああああ!?」


「げ、迎撃するん―――」


「一番槍行くぜ! 『シャインライトニング』!」


「ぐおおお!?」


「全員続け!」


「え、〈エデン〉だ! 〈エデン〉の襲撃だ!!」


「ば、バカな!? どこから、いや、そもそもこんなスキルと魔法が飛び交う戦場に突っ込んで来るだと!?」


「ん、遅い。『64フォース』!」


「おんぎゃああ!?」


「やばいやばい!? マジでヤバイ!?」


「逃がさん――『紫電一閃』!」


「殲滅戦なら任せてくれ――『二刀斬・氷雪月下(ひょうせつげっか)』!」


「ルルも行くのですよ! とう! 『ローリングソード』! なのです!」


「続くのデース――『必殺忍法・分身の術』デース!」


「悪く思わないで頂戴ね――『式神ノ参』!」


「ゼフィルス君の指示に全面協力だよー『魔装暴走』! からのー『魔剣・光剣』だー!!」


「チーちゃんいっくよー! 『ファーストモンスターGO』!」


「『大天使フォーム』! みなさん、上ががら空きです。『エルライトブレイカー』!」


「ほびゃあああああ!?」


 組織的な行動をしていた黒衣の集団に後ろから総攻撃。

 馬車から飛び出した盾メンバーがフレンドリーファイアを防ぎつつ、リーナたち後衛の遠距離攻撃で浮き足立った黒衣たちを俺たち前衛が仕留めていく。

 中にはこの乱戦の中反撃してくる腕のいい人物もいたが、そっちはリカか俺、セレスタンが討ち取って、逃げた黒衣は放置、〈ヘカトンケイル〉から離れた敵は簡単に各個撃破されてしまうからな。他は全て殲滅だ。


〈ヘカトンケイル〉の背後と足元で行なわれた激突は僅か3分。

〈エデン〉は好き勝手暴れたあと〈馬車〉に乗って撤収し。


 戦いの後には黒衣側がすっかり壊滅していたのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] セレスタンやっぱり性能おかしい。 なに普通に上級職に混ざってんの?
[良い点] カルアちゃんかわいい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ