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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第十二章 〈ダン活〉Cランク〈決闘戦〉!

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#646 上級職ランクアップ! シズ編!




 リーナの〈上級転職(ランクアップ)〉も終わり、少し余韻を味わった後、俺はシズに向き直る。


「お待たせしたなシズ。じゃあ、始めようか?」


「はい。お願いいたします」


 すでに準備万端といった様子のシズが前に出る。


「シズの上級職だが、やはりギルドバトルに強い【戦場冥王(せんじょうめいおう)】に就いてもらいたい」


 ―――【戦場冥王】。

「分家」カテゴリーで最強の一角と呼ばれた職業(ジョブ)の一つだ。

 普段はメイド、戦場では冥土(メイド)王。ギルドバトルに君臨し大活躍する職業(ジョブ)であり、単純な対人戦闘力はもちろん、対人専用の罠や索敵、隠密、工作、奇襲から殲滅まで何でもござれな強職業(ジョブ)だ。


 攻城戦もイケるため、〈城取り〉もイケイケだ。対城(たいじょう)スキルがあるため、1人で突っ込ませ敵を殲滅して本拠地を落とした例もあるほどである。俺もゲーム時代何度もお世話になった。


「はい。おそらくゼフィルス殿ならそう来ると思っていました」


「じゃあ就いてもらえるのか!」


「そうですね、王族のラナ様を差し置いて王の名をいただくのは些か抵抗がありますが、これもラナ様をお守りするためです。お受けしましょう」


「別に王は地位を指す言葉じゃなくてあくまで職業(ジョブ)の名前だからな。気にしなくてもいいと思うぞ。上級職にはそれこそ王とか帝やら皇、果ては神と付いているものもあるんだから」


 職業(ジョブ)とはあくまで格のことを指す。地位ではないのだ。王と付いているから王様になれる、なんてことは無い。

 また格とはいえ王だからランクが高の上、というわけでもない。王と名の付いている【戦場冥王】は上級職、高の中だしな。まあ王イコール高位職は確定しているのだが。

 え? 王より姫のほうが強いんじゃないかって? こほんこほん、そこはそっとしておいてほしい。


「でも受けてもらえてよかったよ。じゃあこれ、〈氷の結晶〉な」


「……なぜ氷なのですか?」


「それは俺も分からないな」


 うむ、【戦場冥王】は上級職、高の中だ。故にカルアの時にも使った〈結晶〉アイテムが必要となる。〈氷の結晶〉が必要だ。氷である理由は不明。

 メイドや冥界は氷っぽいイメージがあるからだとか〈ダン活〉プレイヤーの間で囁かれていたが、定かではない。別に氷のメイドさんに何をしてほしいとかそういうことではないのだ。


「では、貰い受けます」


「どうぞどうぞ」


 手渡した〈氷の結晶〉を受け取ると、シズはジッとそれを見つめる。


「〈氷の結晶〉というわりに冷たくはないのですね」


「それな。俺も最初知ったときビックリしたよ。でも考えてみるともし冷たかったりしたら、〈火の結晶〉なんか触れなくなりそうだけどな」


「なるほど……」


 実は〈結晶〉アイテムは特性の色合いはしているが、その特性を持っているわけではないみたいなのだ。俺もリアル世界に来るまで、てっきり〈氷の結晶〉は冷たいもんだと思っていたのだが、実際は普通の石と同じ感触だった。

 まあ考えてみれば特性を持っていたら〈火の結晶〉とかやばいもんな。熱くて触れないどころか下手に保管したら火事になりそうだ。


「では使います。――ふう。それで、ほかに何をすればよろしいですか?」


「あっさり終わったな。後は『隠蔽工作』にSPを振ってLV5にしてくれ」


「……分かりました」


 シズの残りSPはちょうど4だ。

 これで『ティー作製』をLV5にすると【ヴィクトリアンメイド長】が発現するが、そっちには行かないので【戦場冥王】に就くために『隠蔽工作』をLV5にする。

『隠蔽工作』は補助スキルだ。かなり役に立つので【戦場冥王】になったらLV10に上げないとな。


「完了しました」


「それで発現しているはずだ。〈竜の像〉に触ってみな」


「はい。――確かに発現していますね。なるほど、これが勇者の力……」


 うむ、俺の、というより〈ダン活〉プレイヤーの努力の結晶だ。

 そういえばシズは最初採用したときから【戦場メイド】に就いていたんだったな。

 俺が職業(ジョブ)に就かせてないメンバーの1人だ。


「……【冥土(メイド)長】も発現しているようですが、こっちは行かなくていいのですね?」


「【冥土長】はアサシンスタイルになっちゃうからな。それに中位職だ。ギルドバトルで活躍するなら【戦場冥王】に就いたほうがいい。できることが段違いだからな」


「はい。了解しました」


 ジョブ一覧が表示され、それを見て少し思案している様な雰囲気を見せていたシズだったが、意を決したように【戦場冥王】にタッチした。


「――【戦場冥王】へ」


 そうして【戦場冥王】以外の選択肢はブラックアウトされ、【戦場冥王】だけが残る。

 今回演出は無い。残念だ。

 しかし、これでシズも上級職だ。


「おめでとうシズ」


「ギルドバトルでは頼りにしているぞ。〈上級転職(ランクアップ)〉おめでとう」


「おめでとうございますシズさん!」


「皆さま、ありがとうございます」


 みんなで拍手で祝うと、シズはキレイな動作で一礼した。



 これで今持っている〈上級転職チケット〉はニーコの物を残して全部使いきった。


 またニーコを派遣しないといけないな。


 遠くの空の下でニーコがこの時寒気を覚えていたのを、俺は知らない。





【戦場冥王】をこっそり【洗浄メイキング】と呼んでるのは内緒。


神と名の付く職業(ジョブ)、それだけ聞くと強そうに思えるのに、【神官】さんのせいでイメージがピンチ。

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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[気になる点] 改めて思いますが... この世界はジョブがあることそのものは知られてるんですね、あくまで取得方法が確立してないだけで。 大体のキャラがそれは伝説の!とかそうだと思ってました、それが夢…
[一言] きっと、中二病の上級職あたりに「暗黒神皇王帝」って全部入った職業があるのかもしれないw
[一言] シズ「チリ一つ残さず、消滅させてやる…!」 天プラセイバー「!!!」
感想一覧
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