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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第十二章 〈ダン活〉Cランク〈決闘戦〉!

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#630 戦闘開始、タバサ先輩のジョブ系統とは!





「ジャアァァァァァ!!」


「出たぞ〈狂いの邪花〉だ! 戦闘開始!」


「『オーラポイント』!」


 歩いて数分と掛からずに本日の目的、〈狂いの邪花〉が2体組まれたモンスターの群れと遭遇した。他には〈枯れ木ウッズ〉という魔法を使う樹木モンスターと、〈イガイガマル〉という毬栗(いがぐり)型の防御系モンスターが2体、計5体の敵だな。

 意外にバランスがいい。


「〈イガイガマル〉は素手などで攻撃するとダメージ食らうから、しっかり武器で攻撃するんだぞ~」


「素手で戦う子なんていないでしょ」


 おお、俺が冗談めかしてマイナー知識を披露したらシエラがツッコミを入れてくれたぞ。

 反応があるって嬉しいよな。


「〈枯れ木ウッズ〉はその場から動けない魔法攻撃特化だ。近づいてしまえばどうと言うことは無いぞ、レグラム」


「任せるがいい、遠距離魔法型は優先的に倒そう」


 うむ。さすがレグラムだ。この戦闘の趣旨をしっかり理解している。

 レグラムの言葉通りなら、最初に倒すべきは〈枯れ木ウッズ〉ではない。〈即死〉という厄介な攻撃をしてくる〈狂いの邪花〉だ。

 しかし、レグラムは〈枯れ木ウッズ〉の元へ向かう。


「ジャアァァァァァ!!」


 案の定、相手にされていなかった〈狂いの邪花〉は蔓をくねくねさせながら『病魔の花粉』というスキルを使ってきた。

 これが〈カウントダウン即死(デス)〉のスキルだ。散布された花粉が前衛の前に漂い、『状態異常耐性』や『即死耐性』を持たないレグラムとアイギスに、〈残り30秒〉と書かれたドクロアイコンが付いた。


 時間が経つにつれてドクロに書かれた秒数が減っていく形だな。


「では、私の番ね」


 そう言って俺の横にいたタバサ先輩が一歩前に出た。

 その手には長さ1mちょっともある、薄い青色を基調とし、先っちょに球体状の玉を浮かばせ、玉の周りに(つい)になった翼のような物を浮かべた両手杖を持っている。

 これは〈天の陽光杖〉か。これも上級装備の一つだ。タバサ先輩の装備が豪華すぎる件。


 しかし杖か。シスターだし、てっきりラナみたいにタリスマン系かと思ったが、これはこれで似合っているな。神々しい。

 タバサ先輩は杖を振るうと、魔法を発動する。


「――『聖水の儀式』!」


「おお! これがリアル儀式系!」


 タバサ先輩が振るった杖から煌く粒子が溢れ足元に魔法陣が現れると、レグラムとアイギスも続いて光り、付いていたドクロのアイコンが消えた。

 状態異常解除の魔法だな。


 ――儀式系。

 ラナの【聖女】が祈り系、ミサトの【セージ】が魔法使い系という風に系統が分かれるように、一息に回復職と言っても様々な回復の(すべ)が存在する。


 そして儀式系は【巫女】系統の回復職だ。


「シエラさんを回復するわ。――『回復の儀式』!」


 タバサ先輩が言うと同時に杖を二度振るう動作をして魔法を発動すると、タンクのシエラが光に包まれて回復する。ラナの祈りにも通じるところがある、誤射の心配が無い回復系統だ。強いぞ。


「続いて、援護を呼びます――『式神ノ参』!」


 さらに何やら人型の紙を取り出すと、それを放りスキルを使う、すると紙が膨れ上がって召喚獣へと変化した。呼び出したのは小さな四頭身くらいの女鬼のチビキャラ。手には金棒を持っているが、見た目が可愛すぎて物騒という言葉はまったく似合わないキャラだ。


 これが【巫女】の召喚術の一つ、『式神』だな。『(さん)』と言っていたので三段階目ツリーのスキルだ。


「お願いね」


「――――!」


 タバサ先輩の言葉に頷くと、チビ鬼がダッシュで〈狂いの邪花〉に襲い掛かった。

 体に似合わぬ大きな棍棒をブンッと回し、〈狂いの邪花〉にダメージを与えていく。


「おお、なんだあれは?」


「その子は援護の子よ。攻撃と防御を担当してくれるわ」


「ほう。こんな魔法もあるのだな」


 レグラムが感心したようにチビ鬼の戦い方を見る。

 式神は人型の戦闘召喚獣だ。モンスターからの攻撃の身代わりになったり、攻撃してダメージを稼いだりしてくれる。ただ自動戦闘(オート)なので扱いづらいのが少し欠点といえば欠点か。


「は、『プレシャススラスト』!」


「ぐりり~」


 おっと、アイギスは〈イガイガマル〉を相手に鋭い突きを繰り出したな。

 防御型の〈イガイガマル〉は攻撃力こそ低いが、割とタフなのでMP的にあまり遭遇したくない敵だ。あまりスキルを使いすぎると、MPの消費がマッハだからな。


「アイギス、サポートしますね。――『口寄せの術・弐』!」


 おお~。さすがは【巫女】系統だ。口寄せも立派な【巫女】の魔法である。

 口寄せは無機物系の入れ物、〈依り代〉カテゴリーのアイテムに一定時間魂を降ろす魔法で、降りたアイテムの等級が高いほど強力になる魔法だった。


 タバサ先輩が折鶴(オリヅル)を掌に乗せ、もう片方の手で杖を振るうと、それが光って小鳥へと変化する。ファンタジー! ちなみに小鳥はツルではない。

 これは二段階目ツリーの『口寄せ』で召喚できるサポート召喚獣だ。


「キュークルクルー」


 独特な鳴き声をしながら空を飛ぶと、アイギスに攻撃力と防御力の上がるバフアイコンが付いた。

 さらにシエラのところ、続いてレグラムの真上でも鳴くと、2人にもバフのアイコンが付く。


 これが二段階目ツリーのサポート系『口寄せ』召喚術。

 単体であり、効果時間も少ないが、召喚獣がバフを掛けて回り、戦闘をサポートしてくれる魔法だ。


 これが【巫女】の戦闘術、儀式系統にて、ヒーラー、援護、サポート、の出来る優良職。

 役割(ポジション)――ヒーラー召喚術士。

「貴人」カテゴリーの高の中に当たる職業(ジョブ)だ。


 うーむ、まだまだ余裕過ぎて【メサイア】の職業(ジョブ)を使うまでもなさそうだな。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] >キュークルクルー キューティクルクルーに空目して、何だ?と思った
[良い点] なるほど、これだけ芸達者なら(ヒーラー不足とはいえ)他メンバーより短い付き合いになるで有ろうタバサ先輩を加入させたくなる気持ちも分かりますね。 長い目で見るなら『タバサ先輩がいる間に彼女を…
[一言] >「素手で戦う子なんていないでしょ」 筋肉マッスル軍団「せやろか あいつらは武器防具なしなイメージw あと拳士系もいたような この人らはナックルはつけるのかな
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