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#055 〈魔力草〉大量ゲット。ハンナ錬金を開始します




「あ、ゼフィルスくん! あそこも、採取ポイントじゃない?」


「お、ラッキー、この辺結構穴場だな、採取ポイントがたくさん残ってる」


 現在〈野草の草原ダンジョン〉の8層で、俺たちは〈採集〉に精を出していた。

 今日は〈採集〉がメインの日にした。もちろん本命はボスを倒し、ギルドを作る事だが、慌てなくていい。どうせ今日中に叶う。なら〈採集〉に力を入れようぜ、と言うわけだな。


 〈野草の草原ダンジョン〉は採取が可能なダンジョンで、MPポーションの材料になる〈魔力草〉が採取できるという事もあって人気なダンジョンだ。


 この8層まで多くの採取ポイントに寄ったが結果は芳しくなく、あまり取れなかったが、ここに来て大穴スポットを発見したらしい。

 あちこちに採取ポイントが点在していて、マリー先輩から100万ミールで購入した〈優しいスコップ〉が大いに活躍した。


「あ~。やっぱ『量倍』が良いわ。すごい良い仕事してる」


 採取は普通ゲット出来る素材は1つだが、〈優しいスコップ〉の『量倍』の効果で採取量が2倍になる。

 つまり、2個。一度に2個ずつ採取出来る。しかも『品質上昇(大)LV4』も手伝って「高品質」な〈魔力草〉がいくつも取れているのだ。嬉しいね!

 マジでマリー先輩には感謝だぜ。良いタイミングで良い物を売ってくれたぜ!


 良質な回復薬は回復量がアップする。そのためなるべく品質の良い物を確保したいのだ。


 全部の採取ポイントを回ると〈魔力草〉は全部で84個だった。

 他の採取素材もかなりの数確保出来た。


 ハンナも素材を眺めてニヤニヤしている。

 きっとこれらの素材を『錬金』するところを想像しているのだろう。

 ハンナは幼い頃から【錬金術師】になるための修業をしていたが、ミール(お金)の関係で満足に素材を扱えなかったらしく、最近はその鬱憤を晴らすかのように〈魔石(小)〉や〈回復薬(ポーション)下級〉を楽しそうに作りまくっている。


 ま、好きなだけ使って『錬金』してほしい。

 でも優先すべきはMPポーションな。



 その後の階層では武器持ちゴブリンが登場するようになったが〈天空シリーズ〉を装備した俺の敵ではなく、ガンガン倒して進んだ。


 13層からは最大で4体のゴブリンが一斉にエンカウントするようになったが、俺の新魔法『シャインライトニング』で一掃して通過する。

 『シャインライトニング』は広範囲攻撃系の魔法なので狙う必要があまりなくて助かるな。


 所々にある採取ポイントに寄りつつ最下層を目指し、いつもより時間が掛かったが15時には救済場所(セーフティエリア)まで着く事ができた。


 この時点で俺は【勇者LV21】、ハンナは【錬金術師LV22】になっている。

 ちなみに〈魔力草〉は集めに集めて368個だ。いっぱいあるように思えるが、本音を言えばもっと欲しい。


 他の素材も大量なので〈空間収納鞄(アイテムバッグ)(容量:大)〉でも底が見えてきてしまい、仕方なしに切り上げてきたんだ。




「じゃ、ハンナ頼む」


「うん。わかったよ」


 救済場所(セーフティエリア)にて、ハンナには一つ仕事を頼んだ。

 ズバリ、MPポーションの作製である。


 〈空間収納鞄(アイテムバッグ)(容量:大)〉から〈錬金セット〉と〈魔力薬(MPポーション)のレシピ〉、〈魔力草〉〈スライムゼリー〉〈魔石(小)〉を取り出して並べるハンナ。

 ちなみに〈魔力薬(MPポーション)のレシピ〉はハンナが〈学園の大図書館〉からメモってきたものだ。


 ハンナは『錬金』も『調合』もDEX値も高く、まず下級素材では失敗はしないだろう。

 〈錬金セット〉を手に取ったハンナが作業を開始する。


「えっと、〈魔力草〉を煎じて、〈水素材〉を加える。〈水素材〉は〈スライムゼリー〉が水系素材だから、これを混ぜてから『調合』!」


 ハンナがレシピを確認しながら『調合』し、緑色の液体を作る。

 ちなみに中間素材に〈スライムゼリー〉を使ったのはただの〈水〉より品質が良くなりやすいからだ。これマメな。

 出来上がるのは同じMPポーションなんだけどなぁ。ゲームだぜ。


「次に、ここに〈小〉以上の〈魔石〉を投入して、混ぜてから――『錬金』!」


 小さい壺のような錬金釜をくるくる混ぜてからハンナがスキルを発動すると、ピカッと中身が光ったかと思ったら、どこから来たのか錬金釜の中に小瓶が入っていた。

 緑色の液体はどこかに消えてしまっている。


「やった! ちゃんとアイテムできたよー!」


「おっしゃ! おめでとうハンナ」


 ハンナが全身で喜びを表しているのでとりあえず俺も一緒になってハイタッチを交わした。


 錬金釜に入っていたこの小瓶がMPポーション、正確には〈魔力薬(MPポーション)(下級)〉である。


 本当に、ゲームと同じだったな。

 ゲームも、『錬金』すると素材からアイテムがそのまま完成する仕様だった。

 ブーメランとか剣とか、モンスターとか。お前らどっから来たの? って感じで完成品が出来る、ゲーム特有の不思議現象だ。


 まさかリアルでも起こるとは、そしてハンナがそれを一切不思議がっていない。

 ファンタジーだぜ。


 やっぱりここは〈ダン活〉の世界なんだなぁと改めて実感した。


「じゃあハンナ、その調子でできるだけ〈MPポーション〉作っちゃってくれ」


「まかせて!」


 MPポーションを受け取ると、ハンナはそう言って楽しそうに『錬金』作業に戻っていった。


「お、このMPポーションちゃんと高品質になってる!」


 ハンナが初めて作ったMPポーションをぐいっと飲み干すと、俺のMPが30回復した。

 (下級)なら通常回復値が20なので、ちゃんと高品質になっていたようだ。


 高品質に成れるか否かはキャラクターの腕次第。さすがハンナだぜ。






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