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#433 〈菱形〉フィールド、ギルドバトル開始。




 さてさてやって来ました。ギルドバトルです!


 今回はなんと〈アークアルカディア〉と〈エデン〉のメンバーがバトります!

 まあ、実際は〈アークアルカディア〉のEランク試験なので、そこまでガチなものではなく、いや〈アークアルカディア〉にしてみればガチだが、〈エデン〉から見れば手加減推奨のギルドバトルです。


 何しろ〈アークアルカディア〉にはまだギルドバトルのことについて育成してないからな。

〈エデン〉のメンバーになるのならギルドバトルは必須である。いつかは教えるつもりだが、今回だけはまっさらな状態でギルドバトルに挑んでもらいたい。


 さて、控え室に消えた〈アークアルカディア〉がどんな作戦を練ってくるのか、楽しみである。


「ゼフィルス、顔がニヤけてるわよ」


「楽しみなのはすごく伝わってくるが、もう少し威厳が欲しいな」


「なぬ!?」


 なにやらシエラとリカが俺の顔を見て注意してくる。

 思わず手でペタペタ顔を触る。

 た、確かに、リカの言うとおり威厳がなかったかもしれない。

 ここはギルドマスターとして威厳ある風格を醸し出したいところだ。

 キリッ!


「……う、ちょっとゼフィルス、いきなり真剣な顔を作るのはやめて」


 なんかマジな勇者顔を作ったらシエラから抗議が上がった。

 どないせいと?


「うむ。先ほどよりだいぶ男らしくなったぞ」


 リカからはお褒めの言葉を貰った。よかった。


 そんなやり取りをしていると後ろから声を掛けられる。


「ゼフィルスさーん、作戦は、何をするデスか?」


「もう15分くらいで始まるかな。こっちは準備はできてるよ」


 パメラとミサトだ。

 しっかりいつもの装備に身を包み、準備万端といった様子だ。

 俺も威厳あるギルドマスターだと示すためにもしっかりしなくては。

 俺は用意しておいたペーパーをみんなに配る。


「まずはこれを受け取ってくれ、ここに大体のルールが書いてある。まずは今回のEランク試験ギルドバトルのルールのおさらいだ。〈城取り〉〈8対5〉〈菱形(ひしがた)〉フィールド。時間は30分。俺らは今回赤チーム。南東側の本拠地からスタートだ。今回〈エデン〉は試験官側に立っているんだから全力で勝ちに行くなよ?」


 一応注意喚起を行いながら説明していく。


「ふむふむ。対人戦はしないのデース?」


「むしろそれをするとアウトだな。〈エデン〉の方が格上なんだから対人戦は挑んじゃダメだ。俺たちも、対人戦を仕向けるよう動くのは禁止な。これ、Eランク試験官のルール。対人戦をしていいのは相手が無謀にも挑んできたときだけだ」


「前回の時と同じね。わかったわ」


 パメラの問いに答えるとEランク試験経験者のシエラが頷く。

 まあ、勝算ありきで挑んできたらそれは褒められることだが、単純にただ対人戦を挑んだのでは無謀以外の何物でもないからな。大きく減点が基本だ。

 Dランクの試験になると、相手とのLV差はなくなっているからむしろ対人戦がメインになるんだけどな。


「手加減するのはわかったよ。でも具体的にどうするの? 巨城2つ狙う?」


「ああ。そこは狙って良いぞミサト。初動はいつも通り、全員で〈北巨城〉を狙うからな。ただ〈ジャストタイムアタック〉は封印だ」


「了解だよ」


 ミサトからの質問にもどう動くかを答えていくと、あっという間に時間になる。


「じゃあ、会場に行くか」


「うむ、楽しみだな」


 俺が声を掛けるとリカを初め全員が頷く。

 時間になったのでフィールドの中央に向かうと、すでに〈アークアルカディア〉の面々とムカイ先生、ラダベナ先生がいた。少し遅れてしまったか?


「お待たせしました」


「…………」


 ムカイ先生に礼を取ると「時間ぴったりだよ」とでも言う感じに手を振ってくれる。

 相変わらず、無口な人だ。


 隣にいるラダベナ先生が審判の位置につき、Eランク試験の開始を宣言する。


「揃ったので始めようかね、これより〈アークアルカディア〉のEランク試験を始めるよ。全員、気をつけ! 礼!」


「「「「よろしくお願いします!」」」」


 互いのチームが頭を下げる礼を取って、それぞれ本拠地へと向かっていく。

 ムカイ先生がタブレットを操作すると上空の巨大スクリーンにカウントダウンが表示された。


〈アークアルカディア〉のサブメンバーたちはここから見ても緊張していると分かる。

 それに比べ〈エデン〉は気楽なものだ。

 これは慣れだな。踏んでいる場数が違う。


 お、〈アークアルカディア〉ではアイギス先輩とレグラムが中心となってサブメンバーを落ち着かせているようだ。

 さすが、アイギス先輩。

 アイギス先輩だけ2年生だからな、ギルドバトルも何度か経験しているだろう。

 レグラムはいつも冷静沈着で緊張とは無縁のイメージだが、イメージどおりだったらしい。

〈アークアルカディア〉の面々が奮い立つのが見える。


「いいリーダーしているな」


「そうね。それでこっちのリーダーは何かないのかしら?」


 おっと、シエラから威厳の催促が。

 うん。俺も言っておこう。


「みんな、いよいよ〈アークアルカディア〉のEランク試験だ。俺たちは初めての試験官という立場だがやることはいつもとそんなに変わらない、少し手加減するのと対人戦を仕掛けないくらいだ。気を張りすぎる必要はないが、気を抜き過ぎないようにも気をつけてくれよ」


 これでも学園からの依頼が掛かっている。良いところはアピールしておきたい。


「作戦はさっき伝えたとおりだ。何か質問がある人? いないか? よし、今回も楽しみながら頑張ろう! やるぞ!」


「おー!」


「おおーデス!」


 俺の宣言にミサトとパメラが声と手を挙げて応えてくれる。

 シエラとリカも手を挙げてやる気十分。


 準備が万端、スクリーンからブザーが鳴り響いた。


 ギルドバトル、開始である。


〈アークアルカディア〉の白本拠地から8人が一斉に飛び出した。

 狙いは全員が中央の天王山。

 良い狙いだ。


 俺たちも天王山めがけ5人全員で走り出した。




イメージ図を作製しました!


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] ん!? 【ストック100万字を突破】だって? ・・・すごいなぁ
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