＃319.5話 学園・情報発信端末・誰でもチャット掲示板22
２６８、名無しの神官２年生
いやぁ、壮観、だ……。
日に日に筋肉が増えていっている。
もうこの道は使えない。
２６９、名無しの魔法使い２年生
ああ、あの最近有名な筋肉ロードね。
筋肉になりたい希望者が殺到していると聞くのだわ。
２７０、名無しの大槍１年生
筋肉ロード、実は俺、参加してるんだぜ！
２７１、名無しの闘士１年生
参加者いたー！
かくゆう俺も参加者だ。
筋肉は素晴らしいぜ。
２７２、名無しの筋肉１年生
そうだ！ 筋肉は素晴らしい。
筋肉を育てれば全ての悩みは解決される。
筋肉に不安や悩みを抱える者たちよ、筋肉ロードに来るのだ、一緒に筋肉を育てよう！
２７３、名無しの神官２年生
布教してる！？
やばい、筋肉の汚染が止まらないぞ、誰か押さえられる奴はいないのか！？
２７４、名無し剣士２年生
し、質問っす！
筋肉ロードってなんすか！？
筋肉になりたいってどういうことっすか！？
２７５、名無しの筋肉１年生
ふはははははは、教えよう！
筋肉ロードっていうのは学園の南にある、とある脇道のことだ。
そこは山状の起伏になっていてな。
筋肉をいじめたい俺たちにぴったりな地形なんだ。
一緒に筋肉を育てようぜ？
２７６、名無しの剣士２年生
ひっ！
え、遠慮しておくっす！
２７７、名無しの神官２年生
流れるような勧誘にビックリしたわ！
まあ補足するとだな。
ダンジョン週間に突入してからというもの、
その場所で筋肉を育てる者が急増したんだ。
今では道も通れないほど筋肉に溢れていてな、
いつの間にか筋肉ロードと呼ばれるようになっていたんだ。
なんでこうなったんだろうな？
２７８、名無しの魔法使い２年生
〈デブブ〉に勝てなかった時にも行われた兎跳びの集団を思い出すのだわ。
あれ、今でもたまに夢に見るのよ。
２７９、名無しの支援３年生
起因となったのは勇者による授業。
〈転職〉についてが語られてからだな。
２８０、名無しの剣士２年生
あ、支援の先輩っす！
〈転職〉と筋肉に因果があったんすか！？
２８１、名無しの支援３年生
考えてみてほしい。
もし〈転職〉したら何になりたいかを。
もし例の実験を受け、それでも高位職が発現しなかった場合、
中位職にしか〈転職〉できない者たちが何になりたいかを。
２８２、名無しの神官２年生
あ（察し）。
２８３、名無しの魔法使い２年生
納得したのだわ。
それで今、空前の筋肉ブームが到来しているのね。
〈マッスラーズ〉と〈マッチョーズ〉が中心となって熱心に指導していると聞くわ。
２８４、名無しの支援３年生
そういうことだ。
【筋肉戦士】の発現条件はすでに判明している。
ただ一つ〈マッチョで有れ〉、これだけだ。
そのため筋肉に走る者は多い。
２８５、名無しの筋肉１年生
筋肉はいいぞ。
鍛えれば鍛えるだけ着いてくる。
さあ、君たちも俺と筋肉を育てよう！
みんなで【筋肉戦士】になろう！
２８６、名無しの神官２年生
ぐ！ ちょっといいかもと思ってしまう自分がいる！
２８７、名無しの筋肉１年生
筋肉は全てを拒まない。
筋肉を育てたかったら筋肉ロードまで来るがいいぞ。
いつでも歓迎だ！
２８８、名無しの神官２年生
お、おう。考えておくぜ。
２８９、名無しの魔法使い２年生
また１人、汚染されたのだわ。
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５００、名無しの神官２年生
最近、至る所で不穏な動きがあるな。
５０１、名無しの剣士２年生
ちょ、どうしたっすか神官さん。
もしかして、厨二っすか？
５０２、名無しの神官２年生
違うわ！ 誰が厨二か！
勇者の周りのことだよ、なんか変な輩がいないか、って話だ！
５０３、名無しの剣士２年生
す、すみませんっす！
えっと、勇者の周りに不審者っすか？
なんか心当たりがあるような気がするのは気のせいっすか？
５０４、名無しの錬金２年生
え！？
ちょっと剣士、心当たりがあるの？
さっさと教えなさいよ！
勇者君の危機なのよ！
５０５、名無しの剣士２年生
あ、ご本人来たっす。
５０６、名無しの神官２年生
あ（察し）。
５０７、名無しの錬金２年生
察してんじゃないわよ！
違うから。私は勇者君のギルドに入りたいだけの善良な一般人だから！
５０８、名無しの神官２年生
普段の行ないがとても一般人とは……。
まあ、冗談はここまでにしよう。
俺が言っているのは錬金の事じゃ無いんだ。
なんか変な集団が勇者を監視しているのを最近よく見るんだよ。
あれは調査先輩の同業者なのか？
５０９、名無しの調査３年生
いいえ。まったく違う集団ね。
実は私も気になって調べていたのよ。
５１０、名無しの剣士２年生
調査先輩こんにちはっす！
さすがのタイミングっす！
５１１、名無しの錬金２年生
調査先輩！
勇者をストーカーする不審者って誰なの！？
５１２、名無しの調査３年生
……そうね。
５１３、名無しの剣士２年生
調査先輩が話に詰まってるっす！？
５１４、名無しの調査３年生
まずは最近の勇者君の動向から話しましょうか。
不審者の話はその後でも。
５１５、名無しの盾士１年生
待ってました！
５１６、名無しの商人１年生
勇者君の話、是非聞きたいです！
お恵みください！
５１７、名無しの女兵１年生
ダンジョン週間中の勇者君、
もう1週間も勇者君成分を取れていないの。
早く、早く聞かせて調査先輩。
５１８、名無しの剣士２年生
一気に勇者ファンが湧いて出たっす！？
５１９、名無しの錬金２年生
ちょっと剣士、大人しくしていなさい！
調査先輩のありがたいお話が聞けないじゃない！
５２０、名無しの調査３年生
どうどう。少し落ち着いてみんな。
それではダンジョン週間中の勇者君の動きを説明していくわね。
まず初日、【姫軍師】という希有な高位職を所持するメンバー（女子）と2人でダンジョンに潜ったみたいね。
５２１、名無しの盾士1年生
ふ、2人で！？
５２２、名無しの商人1年生
ちょっと、そんなこと許されるの！？
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中略
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５３３、名無しの調査３年生
二日目はギルドメンバー全員でエクストラダンジョン〈食材と畜産ダンジョン〉、通称〈食ダン〉に行ったみたいよ。
目的は慰労との事だけど。
実際はピクニックね。
前日、勇者君はBBQセットをたくさんレンタルした記録が残っているわ。
きっと楽しんだのでしょうね。
５３４、名無しの女兵１年生
う、うらやましい！
そ、そんなリア充なこと、
私は訓練三昧だったのに！
５３５、名無しの錬金２年生
お、落ち着きなさい。
勇者君とリア充にBBQだなんてうらやましいのはよく分かるけど落ち着きなさい。
わ、私だって勇者君とBBQがしたいわ！
５３６、名無しの剣士２年生
落ち着きなさいと言った本人が全然落ち着いていないっす！？
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中略
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６８５、名無しの調査３年生
と、こんなところかしらね。
６８６、名無しの剣士２年生
長いっす！
スレの数字を見るっす！
６８７、名無しの盾士１年生
うう、〈エデン〉の女子が羨ましい。
羨ましすぎて前が見えない。
６８８、名無しの商人１年生
私も、ちょっと目にゴミが入ったようだわ。
勇者君のリアルが充実し過ぎている気がするの。
６８９、名無しの神官２年生
お、終わったのか？
な、なあ、話戻ってもいいか？
勇者に付きまとう不審者の話なんだが……。
６９０、名無しの調査３年生
そういえば、あったわねそんな話。
６９１、名無しの神官２年生
忘れないで調査先輩！？
いや、途中から絶対忘れているだろと思っていたけども！？
むっちゃノリノリで語ってたし！
６９２、名無しの調査３年生
忘れたわけじゃないわ、勘違いしないでよね。
冗談は置いといて、本題よ。
６９３、名無しの神官２年生
なぜツンデレ風に！？
６９４、名無しの剣士２年生
やっと続きが聞けるんっすね。
そういえば錬金さんはどこに行ったっすか？
６９５、名無しの盾士１年生
〈エデン〉のメンバーのあまりのうらやましさに、話の途中で突撃していったわ。
６９６、名無しの商人１年生
いつものあれよ。
きっと強制送還されてそのうち戻ってくるわ。
調査先輩。続けてください。
６９７、名無しの調査３年生
そうね。
実は、単刀直入に言うと、今とあるギルドが勢力を強めているの。
上級生、下級生問わず、多くの強力な人材を募集しているわ。
そして、そのギルドの目的がね、
『打倒勇者』なのよ。
