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#271 不完全燃焼で再戦依頼。特殊ルールでKO勝ち。




 ギルドバトル〈城取り〉の決着方法は主にポイント制だが、例外もある。

 それが全退場チームが出た場合の決着だ。


 この時ちょっとした特殊ルールが適用される。


 片方のチームが全滅した時、全滅したチームのポイントを上回っていれば残っているチームの勝利となる。

 下回っていたら時間制限以内に上回ればその時点で勝利、だがもし上回ることが出来なければ全滅したチームの勝利になる。


 え、そんな状況あるの? と思われるが初動に失敗してポイントが不利になった時は相手を全滅させる事がよくあった。

 また巨城はHPが高いため少人数でひっくり返すのは時間が掛かる。移動だってそれなりの時間が掛かるので相手を全滅させた後も気を抜くことは出来ない。今度は誰も居なくなったフィールドで相手の残したポイントを逆転させなければならないのだ。


 例えば〈5人戦〉で戦ったとして相手全滅、自分4人が退場し、1人しか残っていなかった場合なんかだな。ポイントで逆転するのが厳しい。あれは絶望だ。


 そして全滅した相手側は逆転されないよう〈敗者のお部屋〉から祈ることになる。

 〈ダン活〉にはキャラにポーズを取らせる機能もあったので、何も出来ない間〈敗者のお部屋〉の住民にいろんなポーズを取らせるのが流行っていたのだ。

 それはそれは楽しい光景だった。


 ゲーム〈ダン活〉時代、そんなドキドキな動画がいくつもアップされていて楽しかったなぁ。普通のギルドバトル動画も迫力あって面白いんだが、あれは別のドキドキ感があって人気があったのだ。

 後もう少しでタイムアップというところで逆転が起きた時のあの熱狂。コメントの山。

 〈敗者のお部屋〉の相手チームが総出でOrzしている光景。


 ああ、なんか思い出したらまた見たくなってきた。



 さて、ゲームセット、試合終了のお知らせである。


 スクリーンには相手が全滅したため試合が終了したと書いてあった。


 つまり〈天下一(てんかいち)大星(たいせい)〉の5人が全滅状態になっていること。


 サターン君とジーロン君。彼らは生きていたはずだが、どうやらラナたちによって退場させられてしまったらしい。ドンマイである。


 〈敗者のお部屋〉の光景がとても気になる俺氏です。

 誰か動画撮ってないかなぁ。リアル〈ダン活〉って未だに動画って見たこと無いんだよな。

 あ、でもスクリーンは動画だな。

 あれって録画機能とかあるのか? あとで先生に聞いてみようと決める。


「ん。ゼフィルス戻ろ?」


「だな。なんか呆気なく終わってしまったが、お疲れ様」


 何しろ練習ギルドバトルが始まってまだ6分ちょいである。

 こりゃラナが荒れているかもしれないな。

 「不完全燃焼よー!」って叫んでいるラナの姿が余裕で想像出来る。


 まあ、全ては〈天下一(てんかいち)大星(たいせい)〉のせいだな。

 自信満々に挑んできたくせにあっさり負けた彼らが全て悪い。


 ギルドバトルならLVは関係ない、確かにそう言う言葉もある。

 だが、それは対人戦をしない場合だ。対人戦をするのならLV差がものを言うのは当り前である。


 だからラナ、文句は俺じゃなくて彼らに言ってね?

 あ、ミサトは助っ人みたいなものだから強く言わないようにと言っておこう。


 そんな事を考えながら本拠地に戻る。

 帰りはマスの色を変えなくていいから楽だ。俺とカルアのスピードならすぐに到着する。


 すでにラナ、リカ、シズは本拠地に集まっていた。


「ただいま〜」


「あ! ゼフィルス帰ってきたわね! もう一戦やるわよ!」


「うん?」


 思いがけない言葉に俺は目を瞬く事しか出来なかった。

 なんだって?


「ラナ様がムカイ先生と交渉いたしまして。まだ使用時間もあると言うことでもう1戦させて貰えることになったのです。時間は20分だけですが」


「なるほど」


 シズの説明にやっと事態を飲み込む。


 アリーナの利用は人気なため使用時間がきっちり決まっている。

 今回の練習ギルドバトルも1戦のみという話だったのだ。

 しかし、あまりに早く試合が終わってしまったのでもう1戦出来るようになったとのこと。


 というかラナ、そうならそうとちゃんと説明してくれ。

 まあラッキーだけどさ。


「すぐに準備して、1分以内よ!」


 短いな!


「まあMPだけ回復すればいいか。HPも全快だから問題無いかな?」


「ん。問題無い」


 俺とカルアは腰に手を当ててハンナ印のMPポーションをぐいっと煽る。

 それを数回繰り返せば準備完了だ。


「今ムカイ先生から連絡があった。〈天下一(てんかいち)大星(たいせい)〉は準備にもう少し時間が掛かるらしい」


 リカの報告に転けそうになった。

 1分以内とはいったい…。


 それから3分後、向こうも準備が完了した。

 リカが受けたチャットには〈天下一(てんかいち)大星(たいせい)〉が次こそは絶対に負けないと息巻いていると書かれていたらしい。


 ほほう。あれほどの大敗をしておきながらその意気や良し。

 俺たちも一度手の内は見せているので、もしかしたら何かしらの策があるのかもしれないな。


 俺たちも全力で打ち破るとしよう。






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― 新着の感想 ―
[一言] 幸猫様、どうかギルドバトルおかわりは3行で終わって次の話に進んでくれますようお願いします。
[一言] なるほど、もう一戦挟んでたんですね。 しかし、プラフフォーはブレないなぁ
[一言] いや、そこまで引っ張られてもなぁ 多分、キャラクター含めて誰も楽しめないのでは?
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