#1908 ゼニス・最終究極進化! 伝説の竜爆誕!
「LV95に到達よ!」
「やったな! これで晴れて全員が〈聖界ダン〉のレベルキャップに届いたぜ!」
〈聖界ダン〉を攻略した翌日。
昨日はたくさん盛り上がってしまったな。学園も盛り立てたし、きっと学園長たちも今頃嬉しい悲鳴を上げているに違いない。
残すところ、最上級ダンジョンもあと2つだ!
そして本日、あの強敵〈セラフィム〉を周回すべく挑み、3回ほど倒したところで全員のLVが〈聖界ダン〉のレベルキャップに到達したんだ。つまり、LV95である。
「次のダンジョンで、いよいよ人類の到達点と言われるLV100になれるのね!」
「この調子でいけば、その通りになるだろう! 間違いない!」
「いいわ! さっさと挑みましょう!」
俺のテンションが高くなれば、一緒にラナのテンションも高まる。
みんながレベルキャップに届いた勢いでそのまま次のダンジョンへ乗り込もうという雰囲気に!
だが、その前にちょっとしたイベントが起きた。
「お話しているところすみませんゼフィルスさん」
「ん? アイギス、どうしたんだ?」
アイギスが声を掛けてきたのだ。
これはなかなか珍しい。アイギスがこうして盛り上がっているところに声を掛けてくるなんて、あまり記憶になかった。よく見れば、かなり急いでいるように見える。
「実は、ゼニスが進化の兆しを見せているのです!」
「「「「おお!!」」」」
この報告にはみんなが盛り上がる。
見ればやや離れた位置に寝そべるゼニスが、淡く光っている様子が確認できたのだ。
みんなでゼニスの下へ向かう。
「ゼニス、ついに進化するのね!」
「今度はどんな種に進化するのでしょう?」
「みんな、大きくなると思うからあまり近づかないようにね」
「前にアリスとルルが弾かれたみたいに、近づきすぎたら大変なことになるかもだからな」
モンスターの進化は一大事。
まあ、フラーミナやアルテのモンスターが結構進化するのでみんな慣れたものだ。少し離れた所から見守る姿勢。
以前、近づきすぎて幼女組が弾かれたことがあったんだ。あの時はゼルレカと俺で受け止めたからセーフだったが。ちょっとびっくりしたんだよ。
まあ〈バトルウルフ(最終形態)〉3体同時進化は盛り上がったけどな。
「クワァ!」
「大丈夫ですよゼニス。ゼフィルスさんならきっとゼニスを導いてくれますから」
「クワァ!」
「ゼニス、いよいよ進化だな! 安心しろって、間違いなくトップクラス、それも見た目もすっげぇかっこいい竜にしてやんよ!」
「クワァ!」
ゼニスは現在〈聖光の成竜〉だ。随分前に進化して、ずっとこの形態のままだったが、ようやく進化の既定値までレベルが上がったのだ。
「さあアイギス、ステータスにはなんと出ている?」
「は、はい! 選択肢がかなりあります。〈ラーヴェスケイルレッドドラゴン〉〈サンシャインホワイトドラゴン〉〈大王竜〉〈大帝竜〉〈神竜〉〈炎神竜・バハムート〉〈海神竜・リヴァイアサン〉〈古竜・エンシェントドラゴン〉などなど、20はありますよ?」
「まあ、そうだろうなぁ」
ここが〈ダン活〉の凄いところである。モンスター作りすぎ!
これでも〈邪竜〉系や〈ドラゴンゾンビ〉系などが出てないだけ、まだ少ない方だというのだから恐ろしい。〈ダン活〉であれだけボスが居るわけである。
しかし、どうやらゼニスの育成には成功したっぽいな。
「アイギス、最後の3種の名前を言ってみてくれ」
「はい。〈大地激神竜〉、〈太陽光神竜〉、最後が〈伝説聖神竜〉と書いてあります」
「な、なんだかどれも仰々しい名前ね!」
「はい。わたくしも知らない竜ばかりですわ。いえ、上級上位の〈竜ダン〉のレアボス、つまり最上級ダンジョンクラスに匹敵するボスの名は〈溶岩大帝・ラーヴァエンプドドラゴン〉でした。これは先ほどリストに書いてあったという〈大帝竜〉はもしかして同じレベル、ということでしょうか?」
リーナが鋭いな。
そう、〈竜ダン〉のレアボスは〈大帝竜〉の一種だ。だが、そっちにはいかないぞ? 今述べられた進化先は、弱い順に並べてあるからな。
そして、俺の目的の進化先はちゃんと一番最後に表示されていた。
「ゼフィルスさん」
「クワァ」
「おう。〈竜の試練〉の壁画、あのゼニスの進化先は覚えているな?」
「はい。ゼニスの進化先が、これでもかと並べられていました」
「だな。そしてその並べられた進化先の候補には1つの法則があったのが最近発見された」
「え? そうなのですか?」
うむ。まあ、ヒントを提供したのは俺なのだが。
そう、実はあの壁画、適当に並べられているわけではないのである。
上の方に並んでいるのは通常進化。つまり、あまり強くない種族なんだ。
「壁画では種族別に並べられていたが、これは強さ順だったんだ。一番上には弱いもの、進化で一番強くなるルートは下の方に集められていた」
ここまで言えばみんなも察したのだろう。アイギスからごくりと喉を鳴らす音が聞こえた気がした。
「〈聖光の成竜〉の進化ルート、それが画かれた壁画の一番下にあったのは―――〈伝説聖神竜〉の名前だった。ゼニスが最も強くなりたいのなら、俺はこれをおすすめする」
壁画の一番下にあるものは、一番条件がきつい代わりに、一番の強さを持つ種族だ。
俺はゼニスが生まれた時から条件を満たしまくってきたので、まず出ていると思ったが、ちゃんと進化先が出ていて一安心だったよ。
「クワァァァァァァ!」
「ゼニス!?」
「はっはっは、ゼニスも嬉しそうだな」
俺の言葉に、ゼニスは上へ向けて吠えた。
その声色は、すっごく喜んでいるようだったんだ。
表情もニコニコしている。
「ゼニスもそのルートに行きたいのですね。分かりました。では進化します! ゼニス、良いですね?」
「クワァ!」
一度アイギスが微笑み、ゼニスに確認する。
ゼニスも喜んで同意したのを見て、アイギスも笑顔で頷いたんだ。
「では進化させます。――――ゼニスを〈伝説聖神竜〉へ進化です!」
「クワァ!」
おそらく、アイギスがゼニスのステータスをオープンし、進化の項目をタップしたのだろう。
ゼニスが黄緑色のエフェクトに包まれながら進化し始めたのだ。
全長で16メートルだったゼニスの身体が大きくなり、大きくなり、それはそれは大きくなっていく光景は圧巻の一言。
あまりに大きくなりすぎて洞窟の探索とかままならないんじゃね!? と危惧するレベルだ。まあ『小型化』スキル持ちだから大丈夫だけどな。
最終的にゼニスはなんと、30メートル級、つまりレイド級の大きさに進化したのだった。
「クワァアアアアアアアア!!」
「きゃ!」
「凄い声ね」
「ええ、でも喜んでいるというのが伝わってきますわ!」
またも上に向かって咆哮。
だが、それはさっきと同じく、嬉しくて叫んでしまったという感じの声色だったんだ。
その姿はまさに聖なる竜。
銀をベースとした麗しの身体に知的な竜の表情を兼ね備え、神々しいまでの神聖さを持っていると一目で感じることができる。身体のフォルムは今までのゼニスと変わらない〈聖竜〉系と一致する姿。
間違いなく〈聖竜〉系列の最終進化形態の姿だった。
「綺麗……」
「はい。それに、とてもかっこいいです」
「ん、強そう」
「これは頼りになる」
美しく、かっこよく、そして強そう。
集まったメンバーズが口々にゼニスを褒めまくっていた。
「ステータスが、凄まじく上昇しています! え? これどれだけ上がるのですか!?」
モンスターの能力値というのは人とは違い、ステ振りできない。
モンスターの強さは決まっており、その強さへと自動でステ振りされていく感じだ。また、進化すると大量のSUPを獲得できるようで、ガンガン能力値が上がるのも特徴。
結果。
「ゼニスが、凄すぎます。本体のステータスが〈聖光の成竜〉時代の倍以上に! なのに騎乗しただけで私のSTRとAGIが1200も上昇? これは現実なのでしょうか?」
〈聖光の成竜〉時代でも『AGI+200』『【姫騎士】STR・AGI+300』のスキルを持っていたゼニスだったが、進化したことで『STR・AGI+500』『【竜騎士】STR・AGI+700』という効果を得てしまっていた。
『STR・AGI+500』が汎用系で『【竜騎士】STR・AGI+700』は【竜騎士】系統の職業のみ恩恵がある効果だ。
アイギスの【竜騎姫】は【竜騎士】系統の職業なので、装備しただけで合計で+1200も上がってしまう。
さすがはゼニスが進化できる最終到達点にして最強竜の一種。効果が鬼強い!
しかもこれはステータスだけの話。まだまだ他にもたくさんのスキルを持っている。パナイ。
これで、アイギスの能力はほぼ完成の域に至ったな。




