#1906 最上級ダンジョンランク3〈聖界ダン〉攻略だ!
「おっしゃー! 〈聖界ダン〉の最奥レイドボスも、撃破だーーーーー!!」
「〈金箱〉4つで〈パーフェクト〉よーーーー!!
「ん!」
「ばんざーいの三章なのです!」
「三章?」
無事〈聖界ダン〉最後のボスも撃破。
〈幸猫様ファミリーズ〉のお力で〈金箱〉4つ確定! 素晴らしい。素晴らしいの嵐だよ!!
あとルル、三章じゃなくて三唱な! 拍手だ!
でも確かに〈聖界ダン〉のレイドボスは3体目! 物語なら、三章分に区切られていてもおかしくはないな! とほんの少し脳裏に過ぎった。
「ゼフィルス、最後の〈鎖鉄球〉はナイスだったわ! というか、ボスにも効いたのね!」
「いや、途中何度か使ったが使えなかったぞ。だが、最後のあの炎の空が落ちてくる攻撃。あれをシエラが防いだ直後から俺の『直感』さんが囁いた気がしてな、今がチャンスだ。鎖で捕まえて落とせってな!」
「ナイスね『直感』さん!」
本当は俺のゲーム知識で知っていただけだが、『直感』さんの手柄にしておいたんだ。ラナがそれを聞いてご機嫌に頷く。あの〈天使縛りの鎖鉄球〉で勝ちが確定したようなものだったからな。
まさか『直感』さんにナイスされるとは。なんだか俺も嬉しくなってきたぞ!(※『直感』さんは身に覚えのないナイスに困惑中)
「それじゃあ〈金箱〉の時間だ! セレスタン!」
「ここにクジを用意してあります」
「ご苦労! それじゃあみんな引けーー! あ、でも俺に当たりは残してね?」
「どうやってですのー!?」
さあ、クジ引きタイムの始まり。サーシャのツッコミに内心で感謝を送りつつ、みんなにクジを引いてもらったんだ。
なぜかクジ引きでは『直感』系スキルは無反応なのが辛いところ。『直感』さん、出番ですよ!(直感「しーん」)
「あ、当たりましたね」
「わわ、来ちゃった! サチっち、ユウっち見て見て!」
「おーっほっほっほ! 見てくださいクラリス! 当たりましたわーー!!」
「ふおおおおおおおお!! 来た! ついにぼくにも〈金箱〉を引くときがーーーーー!!」
結果、シェリア、エミ、ノーア、ニーコ、が当たりを引いた。
俺に残してって言ったのに!?
「シェリアお姉ちゃん! おめでとうなのです!」
「ありがとうございます。よければルル、一緒に開けますか?」
「いいのです!? い、いえダメなのです。ルルはお姉ちゃんを邁進中なのです! ここで飛びついてはいけないのです!」
「そ、そんな! ルル、再考を!?」
ルル、ただいまお姉ちゃんへと邁進中(?)。
きっとソアやミツルが入ってきて、さらにお姉ちゃんの自覚が出てきたのだろう。
最近はもう会ったばかりの時にいつも言っていた「あい!」の返事とかも聞かなくなっちゃったからなぁ。あれは子どもっぽいと修正したっぽい。また聞きたいものだ。
シェリアは相変わらずだが。
なお、結局シェリアはアリスと開けることになった。
ルルが羨ましそうにアリスをチラチラと見ているのが和み度高いです。
「シェリアお姉ちゃん、よろしくね?」
「こちらこそ。アリスさんは私に委ねてください。しっかりと導いて差し上げます」
シェリアが無駄にキリッとしながらアリスの手に自分の手を重ねて蓋を掴む。
もちろんお祈りは完了済みだ。
そして、1箱目がオープンする。
みんなが中を覗き込むと、出てきたのはレシピ。
「あ! レジェンド色のレシピなの!」
「はい。相変わらず良い色をしています」
うむ。シェリアの言葉に完全に同意だな!
レジェンドレシピ、いつも通り素晴らしく輝いているじゃないか!
「シェリア、こっちに向けてください。では――『解読』!」
「読めるようになってきました」
「えっと~? 〈励起・聖刃〉?」
「〈励起・聖刃〉……これは、短剣装備のレシピみたいですね」
「ん!?」
おっと最初にツモったのはまさかの短剣装備だ! これにはギルド内でも唯一の短剣使いであるカルアが反応せずにはいられない。
「み、見せて!」
「いいよ~。カルアお姉ちゃんもアリスの隣に来てください」
「ルルも一緒に見たいのです!」
「どうぞどうぞなの~。――シェリアお姉ちゃん、いいよね?」
「もちろんもちろんです。悪いはずありませんとも」
ああ、カルアだけじゃなくルルまでレシピを覗き込み、アリスの隣に並んだことでシェリアの視界がかわいいいっぱいで埋まったな。きっと5秒後にはエリサに介抱されることだろう。
あ、カルアの尻尾がシェリアの頬に当たった!
「はふん」
「シェリアちゃーん!」
シェリアは一瞬でノックアウトしてたよ。あれは抗えまい。
「ん! 『励起爆発』? 爆発なのにバフっぽい」
「『短剣聖刃』なんてかっくいい名前のスキルも使えるのです! ズバーンとやれるのです!」
「『幽霊キラー』もついてるの! 幽霊さんをバッタバッタなの!」
そう、これは幽霊特効付きの短剣だ。さすがは天使ドロップ。
さらに〈聖属性〉『AGI+』系のスキルまで付いているのだから凄まじい性能だ。
まさにカルアにぴったり。
〈万界ダン〉に行く前に、是非作らなければ!
「次は私だね!」
「エミ、がんばってねー!」
「いいのを当てなよー!」
「てーい!」
おっと今度はエミが勢いよくいった!
お祈りはすでに済ませていたので問題は無い。きっと良い物を授けてくれるだろう……!
「あ! レジェンド色のレシピ!」
「『解読』です」
今回もレシピ。やはり最上級ダンジョンになるとレシピが多いぜ。
そうして『解読』が終わるとレシピにはなかなかに素晴らしい武器の名が書いてあったのだ。
「〈真・天聖剣〉? あ、片手剣のレシピだ!」
「「「「おおーーーー!!」」」」
思わずみんなからも感嘆の声が漏れた。これも、聖剣の一種だ!
「エミ! それ、〈神〉カテゴリーある!?」
「ある! サチっち、これ〈神〉カテゴリーのある剣だよ!」
「やったーーーーーーー!!!!」
ここで一番喜んだのがサチだった。
うむうむ。エミとユウカだけ〈樹界ダン〉で〈神〉カテゴリーの武器手に入れてたからな。サチだけゲットできなかったが、ここでキタぜ〈神〉カテゴリーの片手剣!
これでまた仲良し3人娘のコンボが強力になってしまうー!
素晴らしいな! 帰ったら早速作ろう! あ、でも鉱石が無いのか。う~む。
「それでは3番目は、このノーアが務めさせていただきますわ! きっと今後の〈エデン〉の発展に必要な物が来ると信じておりますわ!」
「よ、それでこそお嬢様。良いの引いちゃってください」
「あ、ヴァン君が倒れた!?」
デデンと胸を張って真打ち登場とばかりに宣言したのはノーアだ。
クラリスが半眼でフラワーシャワーを撒いている光景をなぜか幻視したんだぜ。
実際はなぜかヴァンがぶっ倒れただけだ。きっと胸を張ったノーアにやられたんだろう。なぜか〈金箱〉を開けるだけで2名の犠牲者が出ている件。
お祈りを済ませ、ノーアが美しい所作で蓋を開ける。
「中はレジェンドレシピが1枚。エステルさん、お願いしますわ!」
「はい。『解読』です!」
3箱目もレシピ。レシピのオンパレードだな!
「むむむ! 〈真・天聖盾〉ですか!?」
「お嬢様お気を確かにー!」
あ、内容を読んだノーアがガーンと打ちひしがれてしまったぞ。
さっきまでの美しい所作がしなびてしまったんだ。
当たったのは〈真・天聖盾〉。名前の通り、さっきの〈真・天聖剣〉と同じシリーズの盾だ。ノーアは盾持たないからなぁ。
代わりに興味を示したのが小盾や大盾を持つメンバーズ。
「良い数値ね。私の小盾に欲しいわ。正直、このダンジョンのボスは火力が高すぎて、何度も小盾が吹っ飛んだのよ」
シエラもこの通りだ。早急に変更を希望されたよ。
だが、これも鉱石がな~。
「つ、つつつつ次はぼくの番だね!」
「落ち着きなよニコちゃん!」
「大丈夫だよ、〈金箱〉は逃げないからね!」
「むしろ突つこうか? つん」
「がはっ!?」
あ、サチとユウカがニーコを落ち着かせようとしたが、カイリが横腹を突いてニーコにダメージが入ったっぽい。カイリSTRが10だからな。勢いがそのまま脇腹に入っちゃったか。
「あ、大丈夫かニーコ君!?」
「だ、大丈夫、おかげで少し落ち着いたように思うよ。危うくお祈りを忘れるところだった」
なんだって! それはいけない。カイリグッジョブ!
カイリの素晴らしいフォローで我に返ったニーコが手を合わせてお祈りに集中する。
「〈エデン〉の守護神様方、どうかぼくに素晴らしい素晴らしい素晴らしいものを授けてください。どうかどうか、お願いいたします!!!!」
おおー。
念が強い。さすがはニーコだ。
これならばきっと〈幸猫様〉たちに念が届くに違いない!
俺も祈っておくぜ。お願いします、〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉〈神猫様〉ー!!
「むむ! レシピだ!」
「私の出番ですね――『解読』です」
エステルが4度目の『解読』を使ってくれてレシピが読めるようになる。
ニーコと俺の念は届いたのか!? 果たして……!
「む、むむむむむむ!? なんだこれはアイテム、いや素材のレシピなのかね!? 〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉のレシピと書いてあるんだよ!?」
最強系装備の素材レシピキターーーーーーーーーーーー!?!?!?!?
ニーコ……! おいニーコ!!
分からないだろうが、それとんでもないレシピだぞ!
最強装備、それは言うまでも無くレジェンド色のレシピから作られる。
だが、この最強装備たちを作るには、特殊な素材たちがいるものもある!
そう、素材もまたレジェンド色のレシピで作らなくてはいけないのだ!!
しかも素材の錬成系なので生産スキル『魔釜合成昇華』が必要。ハンナの出番だな。
最強装備の素材の1つ、〈天聖祝福のオリハルコンメタル〉のレシピゲットだ。
フォーーーーー!
俺たちは、最強装備の作製に一歩近づいた。
そして瞬間、俺たちの右手に慣れた感触が。
最強装備のことは一旦置いておこう。今は。
「――みんなお疲れ様! 〈聖界ダン〉、攻略完了だーーーー!」
「「「「わあああーーーーー!!」」」」
みんなで掲げた手の中にあったのは――〈聖界ダン〉の攻略者の証。
俺たちは今日無事に、最上級ダンジョンのランク3、〈聖界ダン〉を攻略した。




