#1905 〈熾天使・セラフィム〉最終形態戦――決着!
最終形態は歴代ボス天使たち24体の登場。
だが、それだけでは終わらない。
『『『『世界の理はこうだった』』』』
「な! デバフですの!?」
「〈火属性ダメージ200%〉!?」
〈セラフィム〉4体が手に持つ武具を翳し、重ねると、世界が変化。
俺たちやボスたちも含め、全てに〈火属性ダメージ200%〉のデバフが付与されたのである。
「え? ボスたちも同じのが付与されているわよ!?」
「ミサト、これ解いて!」
「たは! 『ノットアドミッション・ベルシール』! 『色欲の愛情』! ――え、あれ? デバフが、解除されないんだけど!?」
「なんですって!?」
ミサトに全体への『デバフ無効』付与を敢行してもらうが、なんとデバフアイコンは表示されたままだった。
「待って、相手は『世界の理はこうだった』って言ってたわ。それにボスたちにも同じデバフが組み込まれている」
「そ、それはまさか、このフィールドそのものの理が変わってしまったってことですの!?」
おお!? シエラやリーナが自力で答えにたどり着いたぞ。
その通り、〈セラフィム〉の初手は世界の理の変更。
え? 理変えちゃうの!?
ゲーム時代は、不思議にも思わなかったが、リアルだとマジやべぇんだけど!?
つまり世界の理が常時〈火属性ダメージ200%〉なので、これはデバフじゃないという扱いなんだ。よって、解除できないのである。
『『『『燃えよ』』』』
「シエラ!」
「! 『プラネットドアヘヴン』!」
「ミサトはシエラに!」
「うん! 『ヘブンヒール』!」
〈セラフィム〉の攻撃。全体が炎の海になる全体攻撃だ。
しかし、それはシエラがドアに吸い込み全滅回避。
いや、〈火属性ダメージ200%〉付与からの〈火属性魔法〉の全体攻撃とか完璧に全滅させに来てるやん! シエラがいなければ、数十人の戦闘不能者が出ていても不思議ではなかった。さらにシエラが一身に受けたダメージはミサトが回復。
「ナイスシエラ、ミサト! ――歴代ボスが来るぞ! リーナは作戦指揮! 各個撃破で1体ずつ屠るぞ! 〈バトルウルフ(最終形態)〉戦を思い出せ!」
「ベアアアアアア!?」
「熊天使、討ち取ったりーですわー!」
「いや各個撃破早ーっ!?」
能天使ーーーー!!
なぜかノーアのパーティをご指名してしまったばかりに真っ先に屠られてしまって!!
相変わらずカウンターが鬼強いわ!
「こほん! ボスも〈火属性〉攻撃によるダメージを喰らいやすくなってる! 〈火属性〉攻撃メインで攻めるぞ! エフィ『神炎界』だ!」
「待ってた――『神炎界』!」
世界の理がせっかく変わっているのだからこれを利用しない手は無い。
俺が指示を出したのはエフィ。
エフィの〈六ツリ〉『神炎界』はフィールドを炎だらけにしてしまうとんでもない魔法だ。自在に炎を操り、放ってよし、そのままでも相手を削る。凶悪技。
魔法を唱えた瞬間、エフィを中心にしてフィールドがどんどん燃えていく。
もちろん熱さは感じない。ダメージだけがガツンガツン入っていく。
「フィールドが炎になったことでボス全員に特大の継続ダメージが入ってますわ! 良い仕事でしてよエフィさん!」
「もっと――『大天使フォーム』!」
『神炎界』の炎を身に纏ったエフィがさらに『大天使フォーム』発動で火力が増したな。
「一気に減らす! 『ジェットバーストフェニックス』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』!」
「オオオオオオオ!?」
「エフィに続け! 大技を使いまくっても構わないからまずは歴代ボスをなるべく短期間で片付けるぞ!」
「「「おおー!」」」
残り歴代ボスは23体! エフィが斬り込んだのに続き強力な攻撃を一点集中で叩き込んで1体1体数を減らしていく。
まず格下のボス、つまりは上級中位の〈聖ダン〉で登場した下位天使たち、こいつらは比較的弱いボスなので最初に屠る。
続いて上級上位の〈教会ダン〉で登場した中位天使たち。こいつらもノーアのパーティに早々と倒されていることから分かる通り、そう時間も掛からず倒すことが可能だ。
問題は最上級ダンジョン〈聖界ダン〉の上位天使たち。
〈メタトロン〉〈サンダルフォン〉〈ソロネ〉〈ケルビム〉など、誰もがどこかで聞いたことのある天使4体。
〈ソロネ〉と〈ケルビム〉は元レイドボスなので大きく弱体化を喰らっていたがそれでも相当強く、倒すなら2パーティで相手をするようなレベルだ。
〈セラフィム〉担当には足止めしつつ防御に徹してもらい、下位天使、中位天使、〈ソロネ〉〈ケルビム〉の順に倒していく。
そこからヒーラー移動砲台の〈メタトロン〉を3つの班で囲って倒し、最後はあっちこっち暴走徘徊する〈サンダルフォン〉をエステルが〈戦艦スターライト〉に乗って『姫騎士覚醒』の槍砲連射で撃破した。
『『『『見事』』』』
「ありがとよ! 次は〈セラフィム〉たちだぜ! 『天光勇者聖剣』!」
眷属を全て倒し終えれば、次はここのボス本体。
俺の30メートル級の聖剣でまず〈Aセラフィム〉を迂回して〈Bセラフィム〉と〈Dセラフィム〉を巻き込んでぶった切り、怯んだ隙にどんどん〈Dセラフィム〉ヘ攻撃しまくった。
みんな気が付けば〈Dセラフィム〉から狙うので、〈Dセラフィム〉が真っ先に沈んでいった。よし。あと3体!
『『『燃えよ』』』
「防御!」
「『欲望渦巻く混沌の闇球』!」
でもやっぱり〈火属性魔法〉の全体攻撃はヤバい。直撃すれば俺でも2割のHPが持っていかれるのだ。これが本来なら4回放たれるのである。装甲が薄いメンバーなら一撃で戦闘不能だ。
モニカのブレイク系〈六ツリ〉スキルで3分の1をブレイクしても、まだ2発が無事というのもヤバいな。なにこの全体攻撃の連続攻撃。〈ケルビム〉が居たときはもっとヤバかったよ。
「『ブレイクシャター・ゼロアーマー』!」
「『冥土への片道切符・冥王球』!」
だが、だからこそ全体攻撃にみんな慣れた。
全体攻撃は防ぐよりもブレイクするのが基本と認識。
ナキキとシズのブレイク系で残りの2発も無事ブレイクに成功。被害はほとんど無い。レイドボスが4体居るため1発1発の格が弱く、ブレイクしやすかったが故の戦法だ。
「ここだ! 『インフィニティ・バニッシュセイバー』!」
「『神竜の業火・ファイナルエクシードブレス』!」
『嗚呼』
ここで全体攻撃返し。
さっきの24体眷属ボス――23体眷属ボスがいた時にも大変お世話になった全体攻撃が火を噴きズドドドンと直撃。その直後にアイギスとゼニスの超強力な〈火属性〉ブレスが直撃した。
〈火属性ダメージ200%〉になっているのは〈セラフィム〉も同じ。
元々『火属性耐性』持ちなのでダメージは低いが、2倍のダメージはデカい。
その影響か、1体の〈Bセラフィム〉がダウンした。
「1班から8班は総攻撃だー!!」
「9班と10班でAとCを抑えますわよ!」
果たして8割メンバーの参加で総攻撃と言えるのか少し疑問だが――細かいことはいい!
このチャンスを活かして〈Bセラフィム〉のHPバーがゼロになる。残り2体。
「次! 〈Cセラフィム〉狙いですわ!」
『『燃えよ、燃えよ、燃えよ』』
「うん!? もしかして全体攻撃2回を3連続!?」
「ブレイクでぶっ壊すぞ!」
残り2体になったことで〈セラフィム〉も奥の手を切って来た。
まさかの全体攻撃×2を3回も連続で放ってきたのである。そんなのありか!?
まあ全部ブレイクで粉砕したけどな!
シエラがドアを開きそうになったが、それはもうちょっと待ってもらう。
程なくして〈Cセラフィム〉のHPバーも無くなると、最後に残った〈Aセラフィム〉が天高く飛び上がった。
『燃やし尽くそう――ハルマゲドン』
それは炎の空が落ちてくると形容できそうな、終末を思わせる最後にして最強の攻撃だった。ちなみに、これには破壊無効がついている。
ほんと、最後の1体になると最後の最後でこの全体攻撃を放ってくるのだから気が抜けないのだ。
「シエラ、今だ!」
「『プラネットドアヘヴン』!」
しかし、こっちにはシエラが居る。
ドアが全ての炎を吸い込み始めると、俺はとあるアイテムを使い、投げる。
「降りてこーい! どおりゃ!」
それの名は――〈天使縛りの鎖鉄球〉。
1体の天使を叩き落とすという罪深いやべぇアイテムだ。
これ、他の天使ボスには効かないんだが、なぜか〈セラフィム〉は最後の全体攻撃『ハルマゲドン』を使ったあとだけなら使用可能という、超変わった仕様を持っている。
きっと力を使い尽くしてしまったとかの設定があるのだろう。
『――!』
足を縛られ、鉄球の着いた〈セラフィム〉はそのまま地面に、落ちてきた。
しかし、ダウン無し。〈天使縛りの鎖鉄球〉も〈セラフィム〉相手には数秒しか効かないので、手早くやるぞ。
「総攻撃だ!」
〈拘束〉されたセラフィムに全力の攻撃を与えまくると、ついに最後の〈セラフィム〉のHPもゼロになる。
そして膨大なエフェクトを発生させると、沈んで消えていったのだった。
――〈金箱〉4箱が残った。




