#1904 天使VS〈エデン〉の総力戦。総力と総力の戦い
『『『『倒しなさい』』』』
「「「「―――――!!」」」」
〈熾天使・セラフィム〉の第二形態はレイドボス・連型の名にふさわしい物量攻撃だった。いや、物量だけなら他のボスも結構してきたけど、連型はやっぱり桁が違う。
4体の本体とは別に、今まで倒してきた様々な天使種、その全てが現れたのである。さながら、ハルマゲドンと言った感じだ。
「〈フェアリークイーン〉の最終形態戦を思い出せ!」
「了解よ!」
対して俺たちはレイドボス・連型はこれで3種目だ。
〈フェアリークイーン〉〈猫津波〉という2種類のボスを経験している。
そして似たようなのに〈フェアリークイーン〉戦があった。
〈フェアリークイーン〉の最終形態も、20体の幹部に1体の本体、そして無数のフェアリーが襲ってくる形態だった。
ランク1〈樹界ダン〉の連型が最終形態でしてきたことをランク3は第二形態でしてくるとかね。まさにレベルが違うね。
「パーティ行動ですわ! 『滅妨害陣』! 周囲のパーティと連携し、お互いがフォローできる位置で相手取ってくださいまし!」
「幸い4体の本体はまだ動かない! まずは眷属天使たちを相手に殲滅開始だ!」
「「「「おおー!」」」」
まず様子見。
〈セラフィム〉の出方を窺う。
この乱戦に介入してくれば対応するし、入ってこないのならば眷属天使の相手に集中する。まずは後者だな。
「範囲攻撃で一気に沈めよう――『二刀斬・如法暗夜』! 『二刀斬・一念通天』!」
「ん! 空を飛んでいても攻撃の瞬間は低空飛行になる。逃さない――『エージェント・レイド・クロネコ』!」
「範囲攻撃ならば私の出番ですね――『精霊王降臨』!」
「シェリアお姉ちゃんがんばれーなのです!」
「!! ルルの応援があれば百万力です! 『天変地異・エレメントヘヴン』!」
「「「「――――!?」」」」
なんか、真面目に範囲攻撃でくる敵を殲滅しているリカやカルアみたいなメンバーもいれば、シェリアのように広範囲殲滅攻撃とでも言うべき必殺技で一掃するやべぇアタッカーもいる。
というかシェリア精霊王呼んじゃったの? それシェリアの最強技……どんだけルルに良いところを見せたかったのか。だけどさすがは〈エデン〉最強の魔法アタッカーの名は伊達ではなく、その殲滅力の高さがヤバい。天使が20体くらい一気に光になったぞ。
「いっけーラクリッテちゃん!」
「デ、デバフで一掃しますー! ポン! 全てが能力を下げる業の幻――――『ファントムランド・ステージ』!」
お、ノエルのところはラクリッテが自分を中心としたファントムランドを形成、中に入り込んだものは幻術に侵されて強力なデバフを掛けられてしまう〈六ツリ〉スキルで有利に運んでいるな。呼び寄せるタンクのラクリッテと迷い込んだら発動するファントムランドがマジコンボ。デバフタンクのラクリッテが強いぜ。
「あ、〈セラフィム〉本体が動いた! 4体同時に――4班狙われてるよ!」
「シェリアさんの班ですわ!」
「「「あ」」」
シェリアが本気出しすぎて本体が怒ったな。
これはマズいか、と思われたが。
「アイギス!」
「はい!」
『『『『燃えよ』』』』
「『プリンセス・ドラゴンオーラスケイル』!」
「『完全魅了盾』!」
アイギスが割って入って防御スキルを展開。
〈セラフィム〉の特大の炎を全てその身1つで防ぎきったのだ。〈火属性ダメージ100%カット〉が無かったら絶対に1人じゃ受けられない攻撃だったぜ。
さらにはシエラのユニークスキルが発動、4つの小盾がそれぞれセラフィムに命中し、4体全てのタゲを奪ったのだ。
『『『『邪魔するものには罰を』』』』
「『マルチコネクトネットワーク』! 本体が動きますわ! 1班、4班、5班は2班のシエラさんをフォロー! 6班、7班、8班でヘイトを稼いでくださいまし! 3班、9班、10班は全体回復と眷属天使の相手を継続ですわ!」
「「「「おおー!」」」」
すぐにリーナが全体に通達して的確に動き出す〈エデン〉のメンバーたち。
これも〈フェアリークイーン〉戦で学んだことで、強い幹部や本体を野放しにしているから被害が拡大する。ならばこっちで管理してあげれば被害は減るという寸法だ。
本体が動き出したタイミングでシエラがタゲを4体全て奪い、眷属天使との分断を継続させる。眷属天使の圧力もだいぶ減ったので、あとはラナたちに任せておけば大丈夫だろうという判断。
ここで7つの班で交互にスイッチしながらタゲを奪い本体へ攻撃開始。
〈セラフィム〉は〈熾天使〉の名の通りメインは火属性攻撃だ。
シエラに『ファイヤガード』を使ってもらい全体の火属性耐性を上昇させながら殴りまくる。
「『アルティメット・ドラゴンクロウ』!」
「『天空絶光・疾駆無秒閃々』!」
『防御します』
『感謝、反撃』
「『主の盾』! 【ガブリエル】の盾が使えるのはそっちだけじゃないんだからね!」
「同意です。『エル・バランレード・ラグナロク』!」
アイギスとレグラムが空を駆けて強力な攻撃を繰り出すが、これは〈Aセラフィム〉の盾に阻まれ、続いて〈Bセラフィム〉が反撃。だが、これはトモヨが渾身の盾で防ぎフィナが反撃を当てにいった。
こっちも良い連携!
『魔法で反撃』
だがここで〈Cセラフィム〉が『アルティメットノヴァ』を発動。バフ無視の特性を持ち、強化された防御力を無視してダメージを与える【ウリエル】の〈六ツリ〉スキルだ。
「『アルティメットノヴァ』返し! さすがレイドボス、私のLV10の『アルティメットノヴァ』より威力が高い」
なんとかエフィが攻撃を逸らして直撃は避けたが、同じ魔法の衝突なのに力負けする不具合。くっ、これがレイドボス補正!
『癒やしを』
「負けません! みなさんがんばってください! 『オールエル・ヒール』!」
「ありがとうマシロン! さあ大魔王様たち、天使の軍勢を倒しきるのよ! 『大魔王の宴』!」
まずはセオリー通りヒーラー狙い。〈Dセラフィム〉の回復を上回る勢いで攻撃していき倒しにいく。
マシロとシヅキが中心となって〈Dセラフィム〉を孤立させ、なんとか倒しきったときには、眷属天使は大部分が光になっていたため第二形態もあと少し。
「次! C、Bの順に倒し、最後にAを倒す! 行くぞ!」
「「「「「おおー!」」」」」
第一形態ですでにみんな慣れたっぽい。
ヒーラーを屠ったらアタッカーの〈Cセラフィム〉を倒しにいき、それが終われば万能の〈Bセラフィム〉。最後にタンクの〈Aセラフィム〉を倒して終了だ。
第二形態も全ての〈セラフィム〉のHPがゼロになったタイミングで形態変化が始まる。
「次、最終形態来るぞ!」
「みなさん、離れますわよ! 相手は連型。続いてなにが飛び出してくるか分かりません。十分注意してくださいまし!」
「みんな、例のポーションを飲んで、ここが勝負どころだよ!」
俺やリーナが警戒を告げると、カイリがみんなにポーションを促した。
あ、それ、ハンナが新しく作ってくれた〈生命の神玉薬〉と〈知恵の神玉薬〉じゃん。
ぐびぐび。2本飲めばHPとMPは全回復。さらに上限を突破して回復し、加えてSTR、VIT、INT、RESまで上がってしまってウハウハだ。
料理アイテム、ノエルの全体バフ、さらにポーションバフも加わって俺たちも準備完了だ。
ここで〈セラフィム〉の方も形態変化が終わり、最終形態が顔を出す。
4体の翼が開かれると、そこからさらに24体の天使が現れた。俺たちはその24体を知っている。
「あれ、小さいけど〈ソロネ〉に〈ケルビム〉?」
「〈メタトロン〉に徘徊型だった〈サンダルフォン〉も居ます! それに、あれは〈聖ダン〉にいた〈特殊殲滅大天使・ハンドエル〉では!? 小さいですが!」
そう、みんな見覚えのあるボスばかりだったのだ。ラナやエステルが言うので俺も続こう。
「あ! あれは、忘れもしない、〈教会ダン〉の〈能天使・アストベアス〉だ!」
「クマさん天使なのです!」
「なんでそれだけ忘れもしないほど覚えているのよ」
ふう。やりきったぜ。ルルとシエラのツッコミにも感謝だ!
つまり、〈セラフィム〉最終形態は、歴代ボスの召喚だ。
〈バトルウルフ(最終形態)〉と同じだが、こっちの方が本体も歴代ボスも4倍の数である。




