#1869 徘徊型とバトル中に〈エリアボス参戦現象〉!
「こいつは通称〈ドラ猫〉と呼称するぞ! さっきの超速突撃に気をつけろ! タゲは基本シエラに任せる!」
「了解よ!」
「こいつも速い!」
「ん! 追い込む! 『神速』!」
「ドラ~~~~~!」
「息を吸い込む動作……ブレス来ますわ!」
「ラクリッテ最強盾だ! 差し込め!」
「ポン! 今こそ現れるは最強無敵の盾狸王――『幻獣霊最強・狸王様完全盾』!」
「ニャーーーーーー!!」
〈ドラゴン猫〉、通称〈ドラ猫〉はドラゴンと猫の融合体。
その能力も〈竜〉に通じており、火炎のブレスをぶっ放してくる。
もちろん〈竜〉並のブレスなので1班の盾、ラクリッテに最強の盾を出してもらって防いでもらった。
さすがは5ハンディ、ラクリッテの最強盾でもかなり軋んでいる。だが。
「LV10になった狸王様は、負けません!」
「ドラニャー!?」
なんとラクリッテは1人で防ぎきったのだ。
これはスキルレベルが育ってきた証だな。
今までアクティブスキルや魔法というのは、あまりSPを注いで来なかった。
なぜか? MP消費が増えることもそうだが、最上級ダンジョンや高度なギルドバトルでは六段階目ツリーを多用することになるからだ。
故に六段階目ツリーまでSPを使わずに溜めておき、六段階目ツリーのアクティブスキルや魔法にSPを注ぐのがセオリーなのである。
そして、今の俺たちのLVは85。
獲得できるSPももうすぐ上限に届く、つまりは、スキル構成やスキルLVがほぼ育ってきていることを意味しているのだ。
ラナの『大聖光の無限宝剣』がLV10になったことも然り。
あんな強力なスキルや魔法が、他のみんなもLV10に到達してきているのである。
そう、六段階目ツリーで強力なスキルは、LV10まで育てるものなのだ! それが最強のスキル・魔法と呼ばれるのである。
結果、LV10となり、これ以上無い程強くなったスキルが勢揃いする。
それこそが最強の育成の到達点。
「そこよ『完全魅了盾』!」
「ドラニャ!?」
ガンっとシエラが小盾を当てる。
今回ラクリッテに防御させたのはこのため。シエラに防御してもらうと、スキル硬直の影響でシエラは次のスキルを使うまでに少しの間硬直する。
だが、ラクリッテが代わりに防いでくれるなら、ブレス中の〈ドラ猫〉に外してはならない『完全魅了盾』を当てることができる。
これで〈ドラ猫〉のタゲがシエラに固定された。
「ドラニャ!」
「先陣を切る! 『必殺の太刀・六閃華』! ――なっ!」
「速い! リカさんの攻撃が避けられました!」
「空を飛ぶタイプでここまで速い相手は初めてです!」
「ん! しかも、硬い!」
まず先陣を切ったのはリカ。
だが、その攻撃は凄まじく速い移動能力によって避けられてしまう。
これが〈ドラ猫〉の持ち味。
〈ヨウネル〉よりも速い、〈ダン活〉のモンスターの中でもトップクラスの速度を誇るボスなのだ。
しかも、空を飛ぶためにその機動力はさらにとんでもないものとなっている。
加えて得意とするのは開幕初手でぶつかってきた突撃。
あの〈音速ロック鳥〉をも超える超速の突撃攻撃だ。
あれの最上級バージョンと考えて相違ない。俺も万が一破壊されたら大変なのでシエラとトモヨの二大タンクで防いでもらったほどの攻撃だ。
そしてまた、〈ドラ猫〉が旋回するように距離を取る。
「あれは〈音速ロック鳥〉の突撃、そのパワーアップバージョンに違いない。構えてくれ!」
「あの!? ということは!」
「シャロン、頼む!」
「私だけ!?」
「大丈夫だ。シエラとトモヨが防いだのを見て確信した。あれならシャロン1人でも防ぎ切れる。タイミングを計るぞ! ――今だ!」
「早っ! 『ゴッドオリハルコンランパート』!」
〈音速ロック鳥〉の初手をシャロンの城壁で防御したことを思い出す。
あの時と同じだとシャロンも理解したのだろう。
素早く所属する10班からシエラの前へと進み盾を構え、合図と共にそれを発動。
オリハルコン――淡い青色と金色が混ざったような神々しい色合いの城壁が現れる。そしてそこに〈ドラ猫〉が見事に突っ込んだ。
「きゃああ!?」
ズッッッッッッドンという重低音が響く。
だが、スキルLV10になった『ゴッドオリハルコンランパート』は破られない。
予想通り!
「カタリナ!」
「『あなたは囚われの籠の鳥』!」
「ドラニャー!?」
「シャロン、ゴーレム召喚! 逃がすな! フラーミナも頼む!」
「『オリハルシステム排除ゴーレム召喚』!」
「いっけーチーちゃん! ヴァイア! 逃がさないで!」
「モチモチー!」
「リヴァアアアア!」
一度盾で受け止めたら捕獲のチャンス。
そのノウハウは、〈ヨウネル〉を超が付くまで狩りまくったことですでにみんなに染みついていた。
7班のカタリナがユニークスキルの鳥の籠結界で捕まえると、右からシャロンがゴーレムを召喚し、左からはフラーミナが〈アルティメット心折モチッコ〉のチーちゃんと〈レヴィアタン〉のヴァイアを嗾けて抑え込まんとする。
〈ヨウネル〉が相手の場合、ユニークスキルの籠の鳥でも5秒ほどで破られてしまうので、瞬間物量で抑え込むのが常套手段になっていたのだ。
だが、あれは10パーティ級のレイドボス。この子は6パーティ級徘徊型ボス。
籠の鳥の外で「さあ、いつでも捕まえて上げるよ!」とばかりに待ち構えたゴーレムとモンスターたちの準備とは裏腹に、7秒経っても〈ドラ猫〉は籠の鳥を壊せないでいた。
「あら?」
「カタリナ、解いてやってくれ」
「え? はい!」
「今だーーー!」
「ゴーーーー!」
「モチモチー!」
「リヴァアアアア!」
「ドラニャー!?」
結局こっちで籠の鳥を解除して抑え込む。そして。
「今だ! 一斉攻撃! 『天光勇者聖剣』だ!」
「みんないっけー! 『アルティメットテンションエール』♪」
「ポン! 恐怖の半壊弱体化――『ポンコツ』!」
「やっと攻撃できる――『ビッグクマン・グロリアスクローベアード』!」
「いくよワダラン! 『ブラストエンゲージストライク』!」
「追加よ――『完全魅了盾』!」
「行くぞオリヒメ!」
「はい! いつでも」
「「『天海星・ウラヌスネプチューン・キャリバー』!」」
「ようやく捕まりましたわね! 『ビッグウェーブデトネーション』!」
「お嬢様、よく我慢されました。これからもその調子でお願いしますよ! 『インフィニティ・ジ・エンド』!」
「今度こそ当てよう! 『必殺の太刀・六閃華』!」
「ん! 空行くのは反則! 『512・ヘル』!」
「ルルもいくのですー『ヒーロー・セイバー・モーメント』! 『ヒーロー・スターレイ』!」
「『精霊王降臨』! 精霊王様、お願いいたします」
「ぬ? 防御スキルか、ならば――『獣王の拳を防げる訳無し』!」
「はいはーい抵抗はしないでね! 『タイムストップ』!」
「おっと、ラウさんに先を越されてしまいましたね『闘神拳』!」
「今のうちに回復よ! 『ダーククイーンヒール』!」
「エリサ先輩が最近は立派なヒーラーに! 私も負けていられないね! 私も拘束手伝うよ――『天使波動の守り球結界』!」
「なら私は今回攻撃に回ります――『トライデントテンペスト』!」
「チーちゃん、ヴァイア、負けないでそのままよ! 追加で召喚! 来てラヴァ『召喚盤よ。我が軍勢に入れ』!」
「ヴァアアアア!」
「上を塞いでおきます! 『七重奏大結界』!」
「次は空でも捉えてみせるから――『ヴァーミリオンプロミネンス』!」
「ゼニス、横からいきますよ」
「クワァ!」
「――『ドラゴンラッシュ・エクスランスレイン』!」
「わたくしもいきますわ! 『竜絶兵砲・Vドラゴンバスター』!」
「私もこの新しい〈神樹ボーガン〉の力を見せて上げるよ! 『神樹砲・トラ』! ドーン!」
「それ矢を撃つタイプじゃなかったっけ!? 絶対何か違うものが吹っ飛んでるよね!? 私も撃つけど! 『クロスファイア』!」
「竜には竜ですの! 相手の炎を冷やしてしまうですの――『氷龍』!」
「私は回復に専念するよ! 『神使の継快儀式』!」
1班、2班、4班、5班、7班、10班メンバーの一斉攻撃。
一部回復や支援している者もいるが、この隙にスキル使っておくのは大正解。
一斉攻撃が〈ドラ猫〉に襲い掛かる。
見事に抑えられてしまい、得意のスピードを活かせなくなってしまった〈ドラ猫〉に猛烈な攻撃が叩き込まれて大きなダメージが入ったのだ。
さすがに〈ヨウネル〉で鍛えただけあってみんなタイミングはバッチリだ。
このまま倒せるかに思われたが、そう甘くはないようだ。
それは、ラナとカイリたちの叫びから始まった。
「なによこれ、あっちから嫌な感じが向かってくるわよ! 速いわ!」
「『危機感知』が反応してるよ!? え、これもしかして――『エリアボス探知』!」
カイリがビンっとアホ毛を立てて『エリアボス探知』を使った瞬間。それは起きた。
ドーンという音と共に周囲のアスレチックじみたフィールドが1つの広場になるように開けたのだ。
それはまるで〈樹界ダン〉の――エリアボスが発生するが如くである。
「これは!」
「やっぱり、エリアボスが来る! ラナ殿下たちの方だよ!」
「あ、来てる! 転がって来てる! 何あれ!?」
「グニャアアアアアアアアアア!」
「来たか、これは――『エリアボス参戦現象』だ! ラナ!」
そうこれはボス戦中に他のボスが襲ってくるという――参戦現象だった。
だが大丈夫。そのために3班を残してきたんだからな。
「『大聖光の無限宝剣』!」
「グニャニャニャニャニャ!?!?!?」
「もう! いきなり参戦してくるなんてどういうことよ! 私たちが相手をしてあげるわ!」
いきなり大技を喰らったエリアボスがコースを外れて壁に激突し、ラナの方を向く。
そう、この80層では、徘徊型ボスが襲ってきて戦っていると、途中でエリアボスが参戦してくるのである。
もしこれで6パーティしかいなかったら、後ろから挟撃されてかなりとんでもないことになっただろうが、安心してほしい。
「こいつのアイコンは3。ボスの名前は『看破』――〈怠惰な暴食猫・クレイジーニャークロー〉です!」
「ゼフィルス、ここは私に任せてそっちを片付けなさい! ――6班と9班は私に付いてくるのよ!」
相手は怠惰と暴食という、なんか2つも大罪の名を背負った狂った猫。
だが、片手を前に出したポーズで、かっこよくラナはそう言い切った。
あとがき失礼いたします。
こちらが〈猫界ダン〉の班分けです。
1班 ゼフィルス、ノエル、ラクリッテ、ミジュ、アルテ
2班 シエラ、レグラム、オリヒメ、ノーア、クラリス
3班 ラナ、エステル、シズ、パメラ、フィナ
4班 リカ、カルア、ルル、シェリア、ヴァン
5班 ラウ、ルキア、セレスタン、エリサ、トモヨ
6班 キキョウ、アリス、シヅキ、マシロ、クイナダ
7班 フラーミナ、カタリナ、ロゼッタ、エフィ、アイギス
8班 サチ、エミ、ユウカ、シュミネ、ナキキ
9班 モニカ、ニーコ、ゼルレカ、メルト、ミサト
10班 リーナ、カイリ、シャロン、サーシャ、カグヤ




