#1864 新装備お披露目!オーダーメイドの武器防具!
前書き失礼いたします。
1852話でエミとユウカの武器はすでに「作製済み」と記載がありましたが、正確には「作製中」でした。
本日も〈ダン活〉を、どうぞ楽しんでいってください!
マリー先輩は頼んでいたものにすぐに取りかかってくれた。
2日後、俺たちが〈猫界ダン〉の50層に到着したときにはもう完成の連絡が来たほどである。早速受け取りに再び来店したぜ。
「マリー先輩いるか~」
「いるで~」
「チャット見たぞ! もうできたのか!?」
「依頼者が今のところ兄さんくらいしかおらへんからなぁ」
「おお~!」
マリー先輩の店はオープンしたが、その品揃えだけで世界トップクラス。
オーダーメイドするまでもなく店売りの品で十分上級上位ダンジョンまで攻略できてしまう品のため、最上級レシピを持ってきてオーダーメイドを発注するなんてことをするのは、今のところ〈エデン〉くらいのものなのだそうだ。
2ヶ月掛けてマリー先輩たちはデパートいっぱいの品を作りあげた。
現在進行形で作っている最中らしいが、オーダーメイドの方は手が空きまくっているとのことで、なかなか早い完成になったという話だ。
「それに最上級装備やからな! みんな、これ作るんめっちゃ楽しみまくって完徹しながら作ってた人もおるくらいや!」
「は~い、完徹した人で~す」
「メイリー先輩!?」
「おかげで良いもの作れたよ~」
おお! いつも眠たそうなメイリー先輩が、さらにふらふらになりながら親指を立てていたんだ。頑張ってくれたらしい。
要は生産職のみんなも楽しんでいたということだな。
「それじゃあ着替えの時間やな!」
「だな! ――まずはカルア、シェリア、いってきなさい」
「ん。いいの?」
「では、お先に失礼いたします」
付いてきたメンバーの内、まずカルアとシェリアを送り出す。
この2人の装備は、着替えるのに時間が掛かるからな。
「それじゃその間に武器いこか~」
「よーし、エミ、ユウカ、カイリは来てくれ」
「はーい!」
「いよいよだね」
「うん! ドキドキするよ~」
「うう~、エミちゃん、ユウカちゃんが私の手の届かないところに~」
続いて俺が呼んだのは仲良し3人娘のうち2人、エミとユウカ。そして最近ダンジョンでの活躍が目覚ましいカイリである。
いっしょに付いてきたサチがとても羨ましそうに見つめているな。
「まずはエミはんの武器な。これや」
「お、おお~!」
「わ、わわ! エミの本、すっごく神々しいんだよ!?」
そう言ってマリー先輩が取り出したのは、杖。
否、杖の先端が本になっている、カテゴリー的には〈本〉に分類される立派な武器だった。
「これが、私の新しい武器――〈神杖本〉!」
「――っ!?!?」
あかん、なんだか感動っぽい厳かな雰囲気のシーンに不意打ちでエミが武器の名前を言いだしたもんだから一瞬腹筋をやられ掛けた!
杖系装備、相変わらず開発陣のネーミングセンスはマジ神ってる!
危なくこの雰囲気の中で噴き出すところだったよ! というか、みんなよく耐えられるな!?
「こいつは強いで。うちの【エレメントハイクラフター】が言うには、過去最強の本武器とのことや!」
「うん! 鑑定しなくても分かるよ、これ、凄い力を感じるんだ~」
「「おお~」」
エミが杖を掲げてそういうと、周りからも思わずと言った感じで声が漏れた。
それは神々しい。
杖の先端、本を置く台座のようなものがすごく豪華な仕様で、様々な意匠が彫られ、天使の翼のようなものが2本生えている。
本自体も非常に高価そうな革張りとなっていて、如何にも高級そうという見た目。
パララと本が開けば、魔力っぽいものを纏っているエフェクトまで発生する。
さすがはレジェンド級の武器。
非常に強力そうな、RPGで最後に出てきそうな武器だった。
「次はユウカはんな」
「あ、私か!」
「ユウカはんにはこれや」
「お、おお~!」
まだエミの武器に感動しているところだが、マリー先輩が次へと話を進める。
そうしてユウカに出したのは、1つの弓。
「これが私の新しい弓、〈神樹弓〉……!」
「わ、わ! ユウカの弓、すごくかっこいい!? なにそれ!?」
弓に意識を完全に持っていかれているユウカがそれを受け取ると、後ろからサチが目を丸くして驚いていた。
俺も、実際見るとかっこいい度が250%増しに見える。
名前は〈神樹弓〉。
神の樹から作られた弓ということで、普通のロングボウ的なものを想像してしまいがちだが、完成したこれは明らかに合成弓。
まるでハヤブサが飛んでいる姿と言われても納得できる形をした、かっこいいファンタジー弓の姿をしていた。
矢を飛ばしたら、どれほど凄まじい威力と速度で飛んでいくのか、これを見るだけで思わず矢を射ってしまいたくなる感覚に襲われる。それほどかっこいい見た目だった。
サチが思わず騒いでしまうのも分かる。
「すごい……」
ユウカも思わずその弦を引っ張ろうとして、その固さに少し驚いたように弾いていた。瞬間、弾かれた弦が魔力のような黄緑色のエフェクトを発する。
かなり神々しい。
「これもうちの【エレメントハイクラフター】が仕上げたものや。過去最高の弓らしいで」
「これが新しい武器。私、今以上にもっと頑張るよ!」
「うう~、エミちゃんもユウカちゃんもいいな~」
意気込むユウカにサチが羨ましいを全開にしていた。気持ちは分からんでもない。
サチの武器はもうちょっと待ってな。
「マリー先輩のお店は【エレメントハイクラフター】も育ててたのね」
そうマリー先輩に言うのはシエラだ。
シエラの武器は換装しないが、サブマスターとして、武器の換装などに立ち会ってもらっていた。
「彼が所属してくれたんも兄さんのおかげやな。〈上級転職チケット〉に加え、〈精霊園〉もいただいてまったかんなぁ」
そう、【エレメントハイクラフター】はエルフ専用職業なので、所属するには〈精霊園〉が必要だ。これ、実は〈エデン〉からの貸与品である。
代わりに〈精霊園〉の元の持ち主であるシェリアは〈伝説の妖精女王杖〉をお店オープン前に特別に作ってもらったからな。そういう交渉だったんだ。
え? じゃあ〈エデン〉の今の〈精霊園〉ってどうなってるの? と思うじゃん?
それは一本の樹のおかげで解決している。
その名も〈エルドワ神樹〉、通称〈神樹〉。
〈成樹〉系の上位アイテムだ。これをモナが〈エデン〉の庭に植えたところ、それはそれは膨大な精霊を生み出したとかなんとか。おかげでエルフにとって今の〈エデン〉はちょっとした聖域に近く、〈精霊園〉が無くても全く問題無い環境が整っているらしい。そのおかげでギルド〈新緑の里〉なんか、時々〈神樹〉を拝みに来るほどだ。ゲームには無かった設定なので、俺もあの時は驚いたよ。
「そんじゃ次、カイリはん」
「はい!」
「カイリはんには、これやな」
「おお~! 新しい〈ボウガン〉!」
カイリに渡されたのは〈神樹ボーガン〉という木製の〈ボウガン〉だ。
〈ボウガン〉と言えばライトボウガンやヘヴィボウガンでお馴染みの金属製の大型銃を思い浮かべるかもしれないが、カイリはそこまで本格的なものではなく、片手の腕に装着できる矢を発射する小型タイプを愛用している。
この〈神樹ボーガン〉は、まさにカイリの求める小型タイプのものだった。
「なんだかゴツくて、ちょっとかっこいい……」
「カイリさんが今まで装備していたものとは、だいぶ異なりますわね」
それを見てリーナも感想を告げていた。
今まで腕に巻くようなタイプだったが、今度は片腕にはめ込むようなタイプだ。
アームガントレットにボウガンが装着されている感じに近い。
また、指抜きグローブみたいな形で指は覆われてないのも特徴だ。
木製なのに機械っぽくて、結構かっこよかったりする。
「でも能力凄いね! それに武器スキルもあるんだって! これで今まで以上に活躍できるよう頑張るよ!」
「おう! 頼むぜカイリ」
そう、カイリにグーしていると、シェリアたちの着替えを手伝っていた子たちが戻って来た。
「みんな待たせたな! シェリアはんとカルアはんの装備が着替え終わったみたいや! 早速お披露目するで!」
おお!
今度はシェリアたちの番のようだ。
マリー先輩に「カモン!」と言われて2人がこっちに向かってくる。
「「「「おお~!」」」」
「あ! シェリアお姉ちゃん可愛いのです!」
「あのシェリアさんが妖精っぽく……」
「はい。シェリアお姉ちゃん、妖精バージョンですよ」
「カルアも良い感じだな。昔の妖精装備を思い出す姿だ」
「ん。前の感じにしてもらった」
ついにお披露目タイム。
2人とも注目の的で、いつもとは打って変わり、少しポーズを取ったりしている。
あの静かな(?)2人にしては珍しい行動だ。
2人が着ていたのは〈フェアリークイーン〉からドロップした〈妖精女王伝説シリーズ全集〉。
シェリアが着ていたのは、クリーム色のドレスのような装備だった。
白のインナーが足から胸まで覆い、クリーム色のドレスのようなパーツが装着されている。腕は露出していて、アームレットを装備しているな。
背中には4枚の翅がついており、頭にはティアラが装備されていた。
妖精というよりも、エルフっぽさが際立つ装備に見える。
カルアは1年生の時に着ていた〈傭兵妖精シリーズ〉に寄せたデザインになっている。
シェリアみたいにザ・妖精という感じではなく、和風の巫女と魔法少女を足して2で割ったような姿。ショートパンツにサイドのみのスカート、上は和風の魔法少女的な服を着ていてベルトで止め、動きやすそうな感じだ。腕はシェリア同様露出していてアームレットが着けられていた。そして背中には4枚の翅。これはエネルギーを噴出しているみたいに見えてかっこいいし、速そう。
カルアは可愛くもかっこいいという感じになっていたんだ。
「いやぁ大仕事やったで」
「ありがとうございますマリー先輩」
最後にシェリアが両手杖〈伝説の妖精女王杖〉を持ってマリー先輩にお礼を言う。
なんだかこうしてみるとシェリアがとても位の高いエルフの女王に見えてくるのだから不思議だ。
「ゼフィルスお兄様! 記念にスクショで撮ってくださいなのです!」
「ゼフィルス様、是非ルルとツーショットで」
まあ、中身を知っているのですぐに勘違いだと気付いたんだぜ。
こうして、〈エデン〉の一部に新しい装備が与えられ、パワーアップしたのだった。




