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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第四十章 卒業とお別れと思い出作りの最上級ダンジョン

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#1796 初の最上級ダンジョンレイドボス、第一形態戦




「HPバーは3本! しかしこれは!?」


「本体はどこよ!」


「みんな同じに見えるわ」


 レイドボス・連型。

 それは見た目ほぼ同じのフェアリーの群だった。最初に話しかけてきた独特な口調をする個体の姿は見えない。あいつは最後に出てくるからな。

 そう、この特殊フィールド30.5層に登場するフェアリー種、その全てがボス扱い。

 特殊フィールドのモンスターを全て倒すことがクリアの条件だ。


『やっちゃうよー!』


『やっちゃおー!』


『はじけちゃおー!』


「来るぞ!」


 そう言った瞬間、大量のフェアリーから一斉攻撃魔法が発射された。


「示し合わせたような一斉攻撃ですの!?」


「ミサト、カタリナ、キキョウ、トモヨ! 反射メイン!」


「オッケー! 『全反射』!」


「お任せを――『真・守護結界反射術』!」


「わ、分かりました! ――『罰当たり』!」


「跳ね返しちゃうよ――『主の盾』!」


 対して俺たちはミサト、カタリナ、キキョウ、トモヨで反射系スキルを発動。

 出現した結界や盾にフェアリーたちの魔法がぶつかると反射し、全てをフェアリーたちに返すことに成功する。


『『『『きゃー!』』』』


『返ってきたー!』


『返しちゃヤー!』


 だがほとんど影響なし。

 バラバラに動く1メートルほどのフェアリーは、その反射攻撃をほとんど受けずに避けてしまったのだ。


「多少の被弾あり、ですが、HPが減りませんわ! マシロさん、見破ってみてくださいまし!」


「はい! 『シークレットアウト』! えっと、何もありません!」


 リーナが見るのは群の上空。

 そこにはHPバーのアイコンがデカデカと表示されていた。

 本来ならばボス本体の近くにあるはずのHPバーがあんなところにある。

 故にリーナはマシロに指示、だが、マシロの目でもってしても発見に至らず。


「やはりこれは、ボス本体というものがないボスということか?」


「レイドボス・連型のデータ収集は任せて。なんだったら〈戦艦・スターライト〉も出すよ!」


「それは温存しておいてくれカイリ。まずは俺が攻撃を仕掛けてみる!」


 メルトたちが分析し、カイリたちサポート班が動き出す。

 これがダンジョンランク10などのモンスターならば、個々で動くためタンクが挑発スキルなどでかき乱し、そこにアタッカーの遠距離攻撃などで崩して突撃させるのが有効だ。


 しかしさっきの一斉攻撃がタンクの行動に待ったを掛ける。

 あれほど一糸乱れぬ攻撃ということは連携しているということ、戦力も把握していないうちに下手に挑発を発動すると、一斉攻撃で狙われる可能性があった。

 なにせ推定300体のフェアリーだ。その攻撃1発のダメージが10だとしても、全員から狙われれば3000だ。まずタンクでも助からない。集中的に狙われることは避けなければならないだろう。


 しかも、明らかに1発1発の攻撃がそこそこ強く、あの一斉攻撃の直撃を受ければパーティが崩れかねない。そんな攻撃だったのだ。

 4人は気軽に反射していたが、ぶっちゃけ4人掛かりで防御しないと防げない攻撃だったということだ。ボスの1回の攻撃を4人で防御しないとダメってボス強すぎやん。

 これがレイドボスだ。〈ヘカトンケイル〉や〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉を思い出す火力だぜ。


 下手に攻撃するとアタッカーにも降り注ぐため、まずは様子見を選択した形。

 そこで俺が威力偵察に前へ出る。


「俺に任せろ!」


「ゼフィルス、頼むぞ!」


「おうよ!」


 メルトに背中を押され、一気に前へ出ると――剣をフェアリーたちのいる中心地に向けて魔法をぶっ放す。


「『フルライトニング・スプライト』!」


『なになに~?』


『なんかきたー』


『きゃー!』


 それは避けても無駄で、フェアリーたちの群の中心でドデカい花火が爆発したんだ。

 よし、ここからだ。


『『やったなー!』』


『燃えちゃえー!』


『凍っちゃえー!』


『痺れちゃえー!』


 瞬間、反撃発生。

 俺の方へ300体全ての攻撃は放たれたのだ。


 まあ、そうなるって知ってたから俺が先行したんだけどな。みんなに見せるために。


「『完全勇者アブソリュートブレイバー』!」


 だが効かない。

 大量の魔法のシャワーを、俺はちょっと決めポーズをしながら受けきった。


『『『き、効かない~!?』』』


「ふははははは! そんなものは効かーん!!」


「何やってるのよゼフィルス、早く戻りなさい」


 しまった。ついノリの良いフェアリーの言葉にノリで返してしまった!

 シエラに言われてみんなの下へ戻ると、無敵状態もそこで解除されてしまう。


「攻撃すると反撃がくるぞ」


「しかも一糸乱れず一斉攻撃。あれは、あの集団は、一個の個体と思って行動すべきですわ」


 俺の言葉にすぐさまリーナが最適な考えを導き出す。

 やっぱり一度見せないと分からないことは多い。

 最初はうっかり攻撃して反撃で戦闘不能になるんだよ。


『『『『いっくよー!』』』』


「防御! ラクリッテ、シャロン、ロゼッタ、フィナ!」


「は、はい! ポン! 素晴らしき盾よ、皆を守れ――『グロリアスブクリエ』!」


「受け止めちゃうよ! 『ゴッドオリハルコンランパート』!」


「お任せください! ――『神守盾(しんしゅたて)』!」


「教官には攻撃は届かせません――『天域大結界』!」


 再び魔法の一斉攻撃が浴びせられるがこれも4人で防御。全員が〈六ツリ〉を使っているのでびくともせずに防ぎきる。


「これ、思ったよりもダメージ受けますよ!?」


「うそ~!? フィードバックでこのダメージ!?」


 防御スキルで防いだはずなのに、ラクリッテやシャロンたちタンク組はそのフィードバックで受けたダメージに驚いたらしい。まあ、HPが3割くらい吹っ飛んだからな。1人で防いだら防御スキル使っていてもHPが全損する。それがレイドボスだ。


「ラナ、回復頼む! ゴッドブレスだ!」


「まっかせなさい! 『ヴァース・フォーチュン・ゴッドブレス』!」


 ここでラナの最強継続回復魔法を発動。

 これは六段階目ツリー。

 全体に継続回復を付与し、さらにユニークスキルで2倍回復。

 さらに相手を倒した時、HPが回復するという効果付きだ。

 これが連型を相手にするのに最適な魔法なんだよ。


「一斉攻撃には最低4名で防御推奨と判断する!」


「回復魔法は必須ですわね!」


 こうして防御面についてある程度目処が立ったので、攻撃を開始する。


「待たせたな! 攻撃開始だ! 遠距離攻撃準備! 俺に合わせて撃てー! 『ゴッドドラゴン・カンナカムイ』!」


「いっくわよー! 28本になった宝剣を受けなさい! 『大聖光の無限宝剣』!」


「フェアリーの多いところを撃ち抜きます! 『彗星槍(すいせいそう)』!」


「ん。数には数――『エージェント・レイド・クロネコ』!」


「『大精霊様、全六霊機降臨』! お願いします大精霊のみなさまお力をお貸しください――『天変地異・エレメントヘヴン』!」


「届けーなのです――『ヒーロー・スターレイ』!」


「『バースト・フォース・ガン・メイデン』! 一斉攻撃には一斉攻撃です――『メイド・フォーシス・バルカン・グレート』!」


「いっくのデース! 『大忍法・激炎龍(げきえんりゅう)爆楼(ばくろう)』!」


「数で攻めるのですわ! ――『四戦兵砲・エーテル・バスター・クワトロ』!」


「飛んでいるから避けられるんだ――落ちろ! 『アーカーシャ・グラビティ』!」


「ゼニス、真上からいきますよ!」


「クワァ!」


「――『神竜の業火・ファイナルエクシードブレス』!」


「行くぞオリヒメ!」


「レグラム様とならどこまでも」


「「『天海星・ウラヌスネプチューン・キャリバー』!」」


「よーし、まずは手数で攻めるよー! 私は左ね!」


「はーい! 3つ撃っちゃいまーす! 私は真ん中!」


「油断せずに行こう、私は右だね」


「「「『神気個三波装砲撃しんきこざんはそうほうげき』!」」」


「ちゃんとぼくを守ってくれたまえよ―――『エクスプロージョンガンショット』!」


「動き一瞬止めちゃうね! このタイミングで――『タイムストップ』!」


「こんな数のボス初めてですわ!(喜色) ――『レボリューションセンチュリー』!」


「お嬢様、前には出ないでくださいよ。今回は本気ですからね! ――『トリリオン・レイソード・イグニッション』!」


「全体に雷を降らせればいいんだよね! 『神の(イカヅチ)』~!」


「ニブルヘイムは取っておきますの! ――『エターナルフロスト』!」


「一直線に、貫く――『ヴァーミリオンプロミネンス』!」


「私も微力ながら戦います! ――『天光(アマテラスシャイン)』!」


 向こうが一斉攻撃なら、こっちも一斉攻撃したらどうなるのか?

 答えは。


『『『『迎撃ーー!』』』』


 向こうも一斉に魔法を放ちまくって迎撃してきた。

 だが、お互いの攻撃が入り乱れてとんでもない光景が巻き起こる。


「シエラ、カタリナ、頼む!」


「任せて。こういう時のために控えていたのだもの――『エンプレス・オブ・カバー』!」


「はい! みなさんは私たちが守りますわ――『多重プロテクト小舟結界』!」


 相殺されず、貫通やすり抜けてきた攻撃はシエラとカタリナのカバー系スキル・魔法によって防ぐ。こちらの攻撃は大きいものが多くいくつか相殺され、破壊されるものの、その多くはフェアリーたちに突き刺さった。


「! ダメージ入りましたわ!」


「見ろ、フェアリーが墜落し光に還っているぞ」


「こっちはむしろラナの魔法で回復していってる! 撃ち勝ったぞ!」


 リーナのセリフに見ればボスのHPバーが削れたのが分かった。

 ようやくまともなダメージが入ったのだ。

 さらにメルトの言う通り、直撃を喰らった何体かのフェアリーが墜落し、光に還っていく光景が見て取れた。それと同時にHPバーが減っていく様子もだ。


「これは、フェアリーの数がHPに直結しているな。フェアリーを倒せば倒すほどHPが削られていくぞ」


「! 攻撃を続行しますわ!」


『『『『やったなー!』』』』


「反撃来るぞ! リカ、ヴァン、シュミネ、ナキキ!」


「全て弾いて見せよう――『制空権・神閃域(しんせんいき)』!」


「黄金の城よ、みなを守るであります! 『オリハルコン城』!」


「こちらに来るものは全て防ぎます――『聖域に立つ惑いの双子樹』!」


「お、おうっす! 任せるっす! ――『シールドオブセット』!」


 迎撃したばかりなのに反撃まで来る。手数が凄い。

 だが今のところ方法が魔法攻撃というワンパターンなのが救いだな。

 とはいえ、それも第一形態が終わるまでだ。


 まだレイドボス・連型との戦いは始まったばかり。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
逆にこっちは違和感ない 「反撃来るぞ! リカ、ヴァン、シュミネ、ナキキ!」 「全て弾いて見せよう――『制空権・神閃域しんせんいき』!」 「黄金の城よ、みなを守るであります! 『オリハルコン城』!」…
前から思ってたけど、セリフ+技名の一斉攻撃は長いしダレるな それと指示されて行動に移るまでの流れの中で、長いセリフに前からすごく違和感がある 例えば 「シエラ、カタリナ、頼む!」 「任せて。こうい…
何とも珍しく、圧勝出来ない!?
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