#1778 支援課卒業生も合流!先頭はカイエン先輩だ!
「ついにカリン先輩とエイリン先輩も卒業か~、寂しくなるなぁ」
「ま、〈ハンター委員会〉に居るから会おうと思えばすぐに会えると思うけどね~」
「私も、配属先がそこで良かった。カリンと一緒じゃないと、なんだかんだ実力が発揮しきれないし」
「私もエイリンと一緒で嬉しいよ!」
続いては〈集え・テイマーサモナー〉の元ギルドマスターと元サブマスター、カリン先輩とエイリン先輩とも無事話が出来た。
2人は〈ハンター委員会〉に所属することになったようだ。
「一緒の部署になれて良かったな」
「うん! あ、〈ファーム〉の管理は変わらず〈集え・テイマーサモナー〉とアニィに頼んでね! ちゃんと整えておいたからさ!」
「とか言いつつ、最近はほとんど手を離れていたから整えるもなにもなかったけどね」
「ははは。だが助かるよ。カリン先輩とエイリン先輩にはとてもお世話になったしな。2人とも、改めてご卒業おめでとうございます」
「あはは、ありがとうゼフィルス君!」
「こちらこそ。とってもお世話になった。何か私たちで力になれることがあったら言ってね」
「おう。その時はまた頼むぜエイリン先輩」
「え? エイリンだけ!? 私も手伝うよ!?」
「ははは!」
「なんか笑って誤魔化された!?」
「冗談だって、その時はカリン先輩も頼むな」
「任せてよ! その時までにバンちゃんたちをさらに進化させておくからね!」
「おう! そうだ、最後に記念撮影しようぜ!」
パシャパシャ。
◇
カリン先輩とエイリン先輩と別れて移動すると、今度はサテンサ先輩たち〈獣王ガルタイガ〉の面々と出会った。
「おや、わざわざ見送りに来てくれたのかい?」
「サテンサ先輩、ご卒業おめでとうございます! もちろんクエスタール先輩や他のみんなも」
「はは。ありがとね。私たちは家業があるし、ガルゼ先輩のところで世話になる予定だからね。ここに残れないのが残念でならないよ」
〈獣王ガルタイガ〉のメンバーは傭兵業を生業とし、各地のダンジョンで活動している。
特に学園で言う〈救護委員会〉のような仕事が大半で、ダンジョン内でパトロールなどもしているのだ。
最近は高位職が増え、ダンジョンブームに突入していることもあり、実力のある傭兵が人手不足なのだそうだ。
サテンサ先輩やクエスタール先輩たちも、実家に戻り、傭兵業に専念するらしい。
「ガルゼ先輩たちに何か伝言はあるかい?」
「息災を伝えるだけでいいさ。いや、ゼルレカのことはあと1年は任せろとだけ伝えてもらえるか? もうバリバリに育てておくからさ!」
「そりゃ心労がかなり安らぐだろうさ。かっかっか!」
「いえ、逆に不安になるんじゃないでしょうか?」
そんな話をして、最後にみんなで記念撮影をして別れる。
◇
「お、あそこに居るのは――」
続いて見つけたのは、和装が似合いそうな黒髪女性集団だった。
「ん。ゼフィルスがこっち来てる」
「なに? あ、本当だな。おーいゼフィルス」
「カルア、リカ。それに」
「はぁいゼフィルス君。さっきぶりですね」
「私はこの前ぶりだ。フィリス姉様が世話になった時以来だな」
「やほーです。昨日ぶりですねゼフィルスさん」
フィリス先生にキリちゃん先輩、それにリン先輩も。
なんとリカの4姉妹勢揃いだった。
フィリス先生はすでに俺たち2年1組の引率の仕事を終えているので自由にしていても問題無いらしい。
「キリちゃん先輩はこの間ぶりだな」
「うむ。ゼフィルス君も、フィリス姉様とリンが世話になった。改めて私からも是非礼を言わせてほしい」
「はっはっは、そんな大げさな」
「大げさではないぞ? 特にフィリス姉様だ。自分は長女で、卒業すれば領地を継ぐのだから強さはそれほど必要としないと言って、【上侍】で諦めていたのだ。しかし、時代は移り変わり、それでは通じなくなってしまった。しかし、今更力不足から脱することも出来ない。そして我々について来れなくなったとき、まさに彗星のように現れてフィリス姉様を救ってくれた者こそ、ゼフィルス君、きみなのだ」
そう真剣に説くキリちゃん先輩。その熱い語りは、出会った時のことを思い出す。
相変わらず、照れくさいことを真っ直ぐ言う方だ。
「はいはい。ゼフィルスさんが驚いていますからキリ姉様は褒め殺しをやめましょうね~」
「む、私は別に褒め殺しなんて、というかリン。君にとっても恩人であろう? どんな礼を尽くしたのかまだ私は聞いていないぞ?」
「え!? いやぁ、ちゃんとお礼はしてるんですけど、ちょっとまだまだ恩を返しきれないといいますか」
「ふむ。まあそうだろうな。――ゼフィルス君、聞いての通りだ。私の姉妹はゼフィルス君に多大な恩がある。もし何か必要があれば声を掛けてほしい。私も含め、全力でゼフィルス君を助けると約束しよう」
「それは心強いなぁ」
「うんうん、キリちゃん、かっこいいわ!」
「フィリス姉様はもう少ししっかりしてほしいのだが?」
やっぱりこの中で一番のしっかり者は次女のキリちゃん先輩のようだ。
色々聞いてみると、どうやらフィリス先生は【炎国姫】となり、順調にレベル上げに励んで、この春休み中には〈攻略先生委員会〉の最前線に返り咲けそうとのことだ。
フィリス先生だけじゃなく、4姉妹全員から感謝の言葉をたくさんもらったよ。
リン先輩はリン先生になり、フィリス先生やキリちゃん先輩の所属する〈攻略先生委員会〉に所属するらしい。リカがちょっと寂しそうだった。両腕でモチちゃんのようにギュッと抱きしめられたカルアの顔色が徐々に悪くなってきている気がする。
「それじゃあ、最後に記念撮影、させてもらえないか?」
「ゼ、ゼフィルス、助かった」
「はは。どういたしまして」
記念撮影でカルアも無事脱出。
その後も卒業生を祝っていった。
〈秩序風紀委員会〉の総隊長、カンナ先輩とは、向こうが色々と話しかけたそうな人たちが多すぎて、軽く挨拶程度で別れた。あ、記念撮影だけはしたぞ。
〈百鬼夜行〉のホシ先輩はちょっと寂しそうだった。ギルドの脱退、そして卒業。寂しくないはずがないよな。
とはいえ、ハクがその明るさで元気づけて、ついでに俺と一緒に記念撮影したことで多少は回復した様子だ。
そうしていると、他の課の卒業生も合流。
卒パは戦闘課の校舎で行なわれているため、各専攻、〈ダンジョン攻略専攻〉ではない方々も戦闘課の校舎に続々と集まってくるのだ。
最初に現れたのは、〈ダンジョン支援専攻〉組だった。
その先頭はこの人。
「見ろ、カイエン先輩が現れたぞ!」
「おお、カイエン先輩だ!」
「カイエンせんぱーーい!!」
おお、カイエン先輩じゃないか!
さすがは〈支援課3年1組〉の最優等生。卒業生の代表を務めていた様子だ。
ちなみに在校生代表はニーコだったらしい。
うう~ん、さすがはカイエン先輩。その堂々とした歩み、実にかっこいい。
時々お腹に手を当てているのはなんだろう?
おっと、早速会いに行かなければ。
「カイエン先輩!」
「! ゼフィルスさん(や、やべぇ、初手から超注目の相手じゃん!? あ、お願いみんな集まってこないで! 無事平穏な卒業を、卒業をーー!)」
「おい見ろ! 〈戦闘課2年生〉最強のゼフィルスさんと〈支援課3年生〉最強のカイエン先輩の邂逅だぞ!」
「〈SSランクギルドカップ〉の話とか出るのかな?」
「ああ、いい試合だったからな。1試合目から大盛り上がりだったし」
「おお、夢の邂逅か!」
うむ。なんだか注目されてしまったな。声を掛けるタイミングが早かったかもしれない。
いや、これでいいんだ。
「カイエン先輩。ご卒業、おめでとうございます」
「ありがとうゼフィルスさん(あ、ありがとう。それだけは本当に嬉しいよ)」
「ちょっと向こうで2人で話そうぜ! 1試合目のギルドバトルの話とかさ! 俺、ずっとカイエン先輩と語り合いたいと思っていたんだよ!」
「ふっ。そうだな。俺とゼフィルスさんで粗を探せば、ギルドバトルがさらに洗練されたものになるだろう(ああ、周りの目が、周りの目がすっごく期待にキラキラしてるーーーーー!?)」
「よーし! 行こうぜカイエン先輩!」
「ああ……」
その後カイエン先輩とはたくさん語ってしまったよ。
どうやらカイエン先輩は〈救護委員会〉所属になるらしい。
あの〈サクセスブレーン〉を1代でまとめ上げた手腕から、凄まじく期待されているとのことだ。ヴィアラン会長の直属になるみたいなことを言ってた。
また、学園では普通の先生ではなく、学園長の直属の部下として活動するらしい。学園長とヴィアラン会長の連携をより円滑に進める仕事を~みたいなことを言ってた。さすがは支援課だ。
お腹を押さえる独特のポーズでカイエン先輩がクールに語ってたんだ。
あ、記念撮影も無事にしたよ!




