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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十九章 〈SSランクギルドカップ〉戦―学園トップギルドは!?
2020/2075

#1762 〈エデン〉対〈ミーティア〉決着。





 こちら実況席、ゼフィルスとアンジェの戦いに決着が付いたことで大きく盛り上がりを見せていた。


「ああっとここで〈ミーティア〉ギルドマスター、アンジェ選手がまさかの序盤退場だーーーーーーー!!」


「大波乱です! 試合開始から僅か6分ほどで、まさかのギルドマスター退場! さらに〈ミーティア〉部隊は〈エデン〉の主力と激しくぶつかり合い甚大な被害が発生!」


「これは痛いわね。〈ミーティア〉は数を力にすることが一番上手いギルドと言われていたけれど、その数を見事に打ちやぶられたわ。しかも、【嫉妬】のスキルが急所に突き刺さっていたように見えたわね。これは辛いわよ」


「なんと〈エデン〉! あの〈ミーティア〉の一斉攻撃を真っ正面から受けて立ち、打ち破ったーーーー!! これには会場も爆発したかのような大歓声を送っているーー!!」


「実際熱い戦いでしたからね。僕も思わず叫びそうになってしまいました。特にあのアンジェ選手が一矢報いたかに思えたところでゼフィルス選手に光の柱が降り注いだスキル。まだ握りしめた手がほどけそうにありません」


「あれは強烈だったわね。私も一瞬声が出なかったわ」


「会場中も一瞬音が消えたのでは、と錯覚するほどの凄まじい神々しさでした。そして直後に流星ごとぶった切ったゼフィルス選手のスキル! あまりにも素晴らしいスキルのぶつかり合いに私も興奮が収まらないよーーー!!」


「〈エデン〉のゼフィルス選手へ真っ向から立ち向かったアンジェ選手にも大きな賞賛を贈りたいですね」


「でも〈ミーティア〉の南側部隊はギルドマスターを失ったとはいえ、まだ戦いは終わっていないわ。〈エデン〉から追撃に遭っているわね」


「ああああーーー! 〈ミーティア〉の部隊が1人、また1人と倒されていくーー!」


「見事に分散させられてしまいましたね。〈ミーティア〉もクロスファイア戦法などで反撃を試みましたが、多少の反撃は刺さっても退場させるには至らず、次々各個撃破されております」


「〈エデン〉はここで〈ミーティア〉の南側部隊を全て倒すつもりね。トップを失い動揺した隙を見事に突いているわ。あ、最後の子も退場したわね」


「な、なんということかああああああああ!! 最初のツーマンセル狩りにより6人が退場! その後、アンジェ選手率いる15人の部隊も全て〈エデン〉が飲み込み、〈ミーティア〉は21人が退場! 残りは14人になってしまったーーー!!」


「北側の〈ミーティア〉サブマスター、マナエラ選手率いる14人が最後の綱です。〈東巨城〉を先取することに成功し、そのままいくつかの部隊に分かれて〈北東巨城〉の隣接マスを取らんとしましたが、こちらは上手くいかず、退いた模様です」


「引き際が見事ね。さすがはマナエラちゃん。あ、でも南側がガラ空きになったことでとんでもない事態になっているわ」


「ん? こ、これはーーーーー!? なんとゼフィルス選手率いる〈エデン〉の南側部隊、〈南巨城〉を落とす部隊とは別に、赤本拠地へ向かう部隊に分かれたーーーーー! 今〈ミーティア〉の本拠地はガラ空きだーーーーー!」


「〈ミーティア〉部隊、気が付き必死に戻ろうとします。ここでゼフィルス部隊が進路を変更!? 〈ミーティア〉部隊の正面に立ち塞がります!」


「これは大変だわ。マナエラちゃんの部隊は誘い込まれたのよ。証拠に後ろからシエラさん率いる部隊が迫って来ているわ」


「きょ、挟撃だーーーーー!?」


「なるほど! 〈エデン〉は赤本拠地へ向かうと見せかけてマナエラ選手部隊を誘ったのですね! そこへ挟撃、いや、囲っていきます! 〈ミーティア〉は結界を張り〈エデン〉の一斉射を防ぎました!」


「いえ、あの結界……あれも〈エデン〉がわざと張らせたみたいよ。あの結界の中に居れば安全と思わせて〈ミーティア〉の行動を制限し、その間に包囲を完成させたのね」


「な、なんという〈エデン〉の作戦指揮能力! 本当にこんなことが可能なのか! 否、可能なのだーーーー!! 〈エデン〉の司令塔、ヘカテリーナ選手がフィールド全体を操っているのだーーーーー!!」


「まさか、あの〈ミーティア〉がこれほど簡単に包囲されるなんて……! 〈ミーティア〉反撃に出ます。なんとか包囲を一点突破で切り抜けようとします」


「でも、〈エデン〉がそんなことさせないわよね。一点突破しようとした、その隙こそ〈エデン〉のチャンス」


「あああああーーーー! 〈ミーティア〉の結界が壊されたーーーーー!?!?」


 ◇


〈ミーティア〉は強かった。

 というか〈ジャストタイムアタック〉の腕だけなら〈エデン〉とタメ張るどころか上をいってもおかしくないレベルだ。証拠に〈東巨城〉を取られてるしな!


 だが、クイナダと転移して〈ミーティア〉を崩し、アンジェ先輩を倒したことで〈ミーティア〉の南側部隊は大きく瓦解した。指揮官がいなくなったのだ。それも当然だ。


「各個撃破だ! リーナの指示に耳を傾けろー!」


「たあ! 『狼仙斬・一の太刀』! 『狼仙斬・二の太刀』!」


 なんとか集まろうとする〈ミーティア〉の南側部隊を、俺たちがそうはさせるかと崩しまくり、一斉攻撃の態勢を取らせない。

〈ミーティア〉の戦法で一番怖いのは、やはり一斉攻撃なのだ。


 だが、それだけが〈ミーティア〉の強みなのかと言えばそうではない。

〈ミーティア〉の真の強みはその連携力だ。


「「『アルティメット・フレアバースト』!」」


「「『アルティメット・フレアバースト』!」」


「クロスファイアか!」


 クロスファイア戦法。二箇所からの時間差攻撃。

 正面からの攻撃に対応していたら、時間差で側面から攻撃されるという戦法だ。

 つまり、正面()に防御スキルを出したら、追加の側面()からの攻撃を防げずやられてしまう。基本戦術の1つだな。

〈ミーティア〉はこれを指揮官無しで使ってきたんだ。やべぇ連携力。


「だが、俺には通じない――『ブレイブシールド・イグニッション』!」


 勇者最強の盾降臨!

 まず正面の攻撃をドーンと受け止めると、その盾を今度は左に向けてドーンと防ぐ。


「な!? 防御スキルを使ったまま動いた!?」


「はーっはっはっは!」


 普通防御スキルを使うと、その方向にアクションが発生してしまい術者は動けなくなってしまう。

 だが『ブレイブシールド・イグニッション』は盾を張りながら動くことが可能なスキルなのだ。前からの攻撃を防ぎ、続いて横からの攻撃まで防いじゃうことも、そのままシールドバッシュすることも出来る。


「うおおりゃあああ!」


「きゃあああ!?」


「今――『神峰(しんほう)の宝刀』!」


 そのまま相手にシールドバッシュをかませば――行き場を失った攻撃魔法が大爆発。

 そこに到着したクイナダが素早く追撃で討ち取ってくれた。


「『クイナダさん、そこから北に2マスですわ!』」


「行ってくるよ!」


「気をつけろ!」


 今回俺と組んでいたクイナダが跳んでいき、〈ミーティア〉のメンバーを狩りまくっていた。

 このまま逃げ惑う〈ミーティア〉を討ち取っていると、南側の〈ミーティア〉の部隊を全て退場させることに成功する。


「よし! ナキキ、ノエル、ラクリッテは〈南巨城〉を落としてくれ! 残りはこのまま赤本拠地へ行くぞ!」


「赤本拠地まで落とすつもりか!?」


 おっと! ツッコミ役が不足しているこの部隊に僅かな希望が! リカがナイスなツッコミをくれたんだ!


「いいや、狙いは赤本拠地と思わせて残りの〈ミーティア〉の部隊だ! ――リーナ、聞こえるか!」


「『通信繋ぎましたわ! ゼフィルスさん!』」


「これから言う作戦を周知してくれ!」


 こうして俺たちは赤本拠地――の北側からマスを取りまくって準備。

 すると、慌てた様子のマナエラ先輩率いる部隊が戻って来たので迎え撃つ。

 ただ迎え撃つだけだと向こうも対処してくる。場合によっては赤本拠地を諦めて逃げに徹するだろう。


 だが、勇者からは逃げられないんだ。


「シエラ殿の部隊、来ました!」


「よし、包囲するぞ!」


〈ミーティア〉の後ろからシエラ部隊が接近。ちゃんと17人いる。

 本拠地にはリーナ、シャロン、ラナ、トモヨがいるので、これで全員だ。


「囲まれる前に脱出するのだわ! 『プロトアイズン・リー・フォーミュラー』!」


 ここでマナエラ先輩が〈六ツリ〉を発動。

 上空に現れる超巨大な目。

 あらゆる魔眼を内包し、見つめられた者は全ての状態異常に冒される、さらに『状態異常貫通』すら当然のように内包している、究極の状態異常攻撃だ。

 範囲攻撃なため、一撃で部隊が全滅する可能性すらある、【ゴッドアイズン】の〈六ツリ〉最強技と言っていいだろう。


 だが、それが来ることはマナエラ先輩が【ゴッドアイズン】と知った時から分かってた。


「マシロ! 天国顕現だ!」


「はい! マナエラ先輩、防がせてもらいます!! 『セイクリッド・ヘヴン』! 『アストラル・ヴィータ』!」


 ならば、こっちはマシロによる天国顕現で限りなく状態異常に対し耐性を付与してやる。

 この天国の中では状態異常を付けることは難しい。まだ『魔法LV』が足りないので一部貫通してしまったが、98%は防げた。そして残り2%も。


「『オールエル・ヒール』!」


 マシロによる状態異常回復魔法によって回復だ。


「これでも完全に防がれる! マシロがこれほど強くなっていたなんて――逃げるのだわ! 『ゴッド・アイズン・セイクリッドフォース』!」


「「「「「『アルティメット・クリムゾンノヴァ』!」」」」」


「逃がさないわよ――『エンプレス・オブ・カバー』!」


「とう! 『ヒーロー・スターレイ』!」


「お願いしますグラキエース様、トニトルス様――『大気の哀しみ・エレメントヴェントゥス』!」


「「「連携なら私たちだって負けないよ! 『神気個三波装砲撃しんきこざんはそうほうげき』!」」」


 ここでシエラたち到着。

〈ミーティア〉の一斉攻撃はシエラの最強のカバースキル、ルル、シェリア、そしてサチ、エミ、ユウカの一斉攻撃によって防がれ粉砕されてしまう。


「攻撃開始だーー!」


「『全方向(ぜんほうこう)激多重結界防御壁げきたじゅうけっかいぼうぎょへき』!」


「今だ! 結界で動けないうちに包囲を完成させるんだ!」


「しまったのだわ!」


 クエナのユニークスキルで全包囲にドーム状結界が張られたことで〈エデン〉の攻撃が防がれる。だが、これは防がれて良い攻撃だ。というか今ので1マス離れてしまったのでどのみちマスの減退で大したダメージにならない。

 この攻撃は、相手に結界を出させるための囮。

 到着したばかりのシエラと俺の部隊で包囲を完成させるために、相手を封じ込める一手だった。


 保護期間(バリア)を張られてしまうと逃げられてしまう〈城取り〉の特性上、包囲は非常に有効な戦術の1つだ。赤マスから出ないよう追い詰めれば、もう逃げられない。


「セレスタン!」


「お任せください――『執事の極みで結界は全て破壊です』!」


 ガシャーーン。結界破壊完了。


「え、ちょ、ええええ!? 私の結界ーーー!?」


「総攻撃だーーーー!!」


 セレスタンのよく分からないパンチでユニークスキルの結界を破壊して〈エデン〉の本格的な攻撃が開始。


「い、一点突破なのだわーーー! 『ゴッドバースト・センター』!」


「そうはさせないのです! とう! 『ヒーロー・セイバー・モーメント』!」


「「「「「『アルティメット・フレアバースト』!」」」」」


「「「私たちに任せなさい! 『三柱神授神器みはしらしんじゅじんぎ・ジャストメイトジャッジメント』!」」」


 ズドガーーーンと凄まじい衝撃が轟く。


「ルルに続いて突っ込むぞーー!!」


〈ミーティア〉は一点突破で脱出を図ろうとするも、ルルがマナエラ先輩を、サチ、エミ、ユウカが強力なコンボ攻撃で〈ミーティア〉必殺の一斉攻撃を相殺してしまい失敗。そこに〈エデン〉の包囲していたメンバーが突っ込んだのだ。


「「「「「きゃあああああああああ!?」」」」」


 これが決め手になり、最終的に〈ミーティア〉のメンバーは全て退場してしまったのだった。


〈残り時間:45分12秒〉〈エデン〉対〈ミーティア〉戦。


 勝者―――〈エデン〉。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
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ああ、ミーティア、一矢報いる事もなく、撃破。
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