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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十九章 〈SSランクギルドカップ〉戦―学園トップギルドは!?

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2000/2082

#1744 第3回戦の〈エデン〉の相手と――第4回戦!!




「〈エデン〉の第2回戦は――やっぱりシードみたいだな」


「ええー、もっと戦いたかったわー」


 2日目午前10時前、第一アリーナにある巨大なスクリーンを見ながら第2回戦の情報を得ると、ギルドメンバーと共有する。

 ラナがとても残念そうに呟いているな。俺もとても残念だ。

 だけど、周りにいる学生があからさまにホッとしている様子なのがちょっと気になったんだぜ。


 第1回戦でAランクギルド〈サクセスブレーン〉を倒した〈エデン〉は、第2回戦ではシードに選ばれた。

 第1回戦でAランクギルドを倒したギルドなんて他にいなかったので当然だな。

 だが、物足りないのも事実。うむ。


「ま、第3回戦は出場できるし、今は我慢だな」


「むむむ、この鬱憤、第3回戦でぶつけてやるわ!!」


 おお、ラナのやる気がメラメラしているぞ!

 同時になぜか周りの学生がプルプルしている気がするのは気のせいだろうか?


 ちなみに第2回戦でシードだったギルドは、第3回戦では出場可能だ。

 シードの条件は、前の試合で上位だったギルドに贈られるものだからな。

 つまり第3回戦でまたいい結果を出せば第4回戦もシードを獲得してしまう可能性が高いと……。悩みどころだな。

 ラナも燃えてるし、力を抑えるのは無理だ。第4回戦でもシードになる予感。


 その予想は当たった。

 第2回戦が終了し、勝ち上がって来た42のギルドと6のシードを合わせた48のギルドから、再び6のシードが選ばれ、21の試合が組まれる。1つのアリーナで3試合だな。

 2日目はこの3回戦で終わる予定。


 そして俺たちが3回戦で当たったのは――Bランクギルド〈ハンマーバトルロイヤル〉だった。


「アディのギルドか! なんか隣のクラスだっていうのに久しぶりな感じだな!」


「アディ先輩のギルドっすか! これは負けられないっす! 私がどこまで強くなったか、見せてやるっす」


「お、ナキキやる気だな? そのやる気買ったぜ!」


 それは2年2組、ハンマー使いのアディがギルドマスターを務めるギルドだった。

 これにはナキキがとても反応していたよ。

 ナキキは確か、ハンマー使いとしてアディからスカウトを受けていたからな。

 そして最終的にナキキは〈エデン〉が勝ち取ったんだぜ。


 ここでナキキはアディを打ち破り、〈エデン〉に入ったことが正解だったと証明するつもりなのだろう。

 やる気があるのは良いことだ。ということで、第3回戦もナキキに入ってもらうことにしたんだ。


 第一アリーナ、〈SSランクギルドカップ〉2日目、最終試合。


 会場がまだ冷めやらぬ熱気に包まれる中、〈エデン〉対〈ハンマーバトルロイヤル〉の試合が始まった。


 結論から言おう。〈エデン〉の圧勝だった。


「あ、あれっす?」


「ま、負けちまいました姐さん!」


「今日も素敵だったっす姐さん!」


「赤点で出場出来なかった俺を、どうかお仕置きしてください姐さん!」


「こんのアホバカマヌケー!」


 ズドーンと繰り広げられるアディのお仕置き。

 それをなぜか嬉しそうに受ける〈ハンマーバトルロイヤル〉のメンバーたち。

 顔が恍惚としているように見えるのは、きっと気のせいだろう。


「ナキキ」


「は、はいっすアディ先輩!」


「強くなったね。立派だよ」


「あ、ありがとうございまっす!」


 温かい。

 なんだか青春のスポーツアニメみたいなやりとり。

 アディはナキキを気に入っていて、かなり目を掛けていたからな。

 ナキキはたまにアディと一緒に出かけることもあったらしい。

 本当に、心温まる話だ。


「うん。ほんとに、うちのギルドに入らなくて正解だったよナキキ」


「アディ先輩?」


 ん? おかしいな。なぜか不穏な風が吹き始めたぞ??


「ナキキはこんな業を背負うんじゃないよ? ずっと〈エデン〉に世話になりな。絶対だよ?」


「う、うっす?」


 アディの目が、とっても真剣だったんだぜ。

 いったい何があったんだ?

 なぜか戦う前からボロボロだった〈ハンマーバトルロイヤル〉の面々となにか関係があるのだろうか?


「それじゃあねナキキ、4回戦、いいや5回戦進出かな? おめでとう、今後もがんばってね。――ほらあんたたち、行くよ!」


「もう1発お願いします!」


「どうか俺たちにカツを入れてください!」


「ちょっと今動けなくて……」


「こんのアホバカマヌケー!」


「「「ほびゃー!?」」」


 アディが去って行く。

 なんか哀愁が残る背中をしながら。

 でも、アディはギルドメンバーからとても慕われているというのはよく分かったが。


 ナキキは――あかん、目を丸くして茫然としてらぁ。

 肩を揺すって再起動させる。


「はっ! なんか今、理解を脳が拒んだ気がするっす!」


「そうか。それは大切なことだぞナキキ。きっとアディはナキキに大切なことを教えてくれたに違いない」


「そうなんっす?」


 なんかそれっぽいことを言って頷いておく。

 ナキキには知らない方が良いこともあるのだ。ほら、すぐ近くに保母さんもいるし。


 うむ。ここで第3回戦の内容を少しだけ語ろう。

〈ハンマーバトルロイヤル〉は頑張ってたんだが、六段階目ツリーを開放していないとか、それ以前の問題だった。

 まず出場者に下級職が19人も居たんだ。つまり出場出来た上級職は16人。ユミキ先輩調べでは〈ハンマーバトルロイヤル〉って上級職が25人も居たはずなのに9人の上級職はどこに行ってしまったのか? 不思議だった。


 上級職が16人しかいないので移動速度もとろとろで、〈エデン〉ががっつりと初動で全巨城をゲットしてしまったのだ。

 ナキキとアディが戦うまでもなく決着が付いてしまった感じ。


 ちょっと、本気を出しすぎてしまったかもしれない。いやでもなぁ……。

〈ハンマーバトルロイヤル〉はそのお得意のハンマーで城をぶっ叩き、〈城〉特効で本拠地や巨城を落としまくって勝ち上がって来たギルド。どんなに敗北濃厚でも、逆転の目があれば一発で逆転してしまうとんでもないギルドだ。

 なのに、〈エデン〉の本拠地をもし落としても逆転不可能という状況に追い込まれてしまった。ならばと個人アピールに移行して対人戦を挑んでくるも――敗北。


 試合25分で〈エデン〉がコールド勝ちしてしまったんだ。ナキキがぽけーっとするのもわかる。

 一応ナキキをアディにぶつけてみたのだが。ナキキの圧勝だったんだよ。ナキキの六段階目ツリーとユニークスキルが強すぎたな。ナキキが「これが私の本気っすーーー!」とかガチ目に技使っちゃったから。


「なんか、未だに信じられないっす」


「うん。まあ、なんだ。こういうこともあるさ」


 俺にはそれしか言えなかったんだぜ。

〈サクセスブレーン〉は、改めて強かったんだなぁとしみじみ思った。

 あとでカイエン先輩にも会いに行こうと決めたよ。

 とりあえず、試合は盛り上がったし、〈エデン〉は勝ち上がったしオーケーオーケー。


 こうして〈SSランクギルドカップ〉2日目は終了したのだった。


 ◇ ◇ ◇


 翌日。〈SSランクギルドカップ〉3日目、最終日に突入した。

 今日は第4回戦から第8回戦であるファイナルバトルまでがっつりやるらしい。

 まずはシードからの発表だ。

 第3回戦で上位の成績を収めた5つのギルドがシードを手にし、第5回戦へと進む。


 まず選ばれたのは――〈エデン〉!

 初動で全巨城獲得に加え、相手のチーム全滅というのが評価された形。

 その瞬間、またしても周りからホッとする声がいくつも聞こえて来た気がしたんだぜ。


「むむ。これは5回戦で全部ぶつけるしか無いわね……! 3回戦は物足りなかったのよ!」


 ラナの気迫が凄い。メラメラプルプルしている。

 もちろんプルプルしているのは周りの学生だ。


 うむ。3回戦は、エステルたちが〈ハンマーバトルロイヤル〉の彼らをラナ(本拠地)に近づけさせなかったからなぁ。ラナは宝剣を何発か撃っただけで終わってしまったんだ。

 物足りなさそうだったよ。だが、少なくとも今日は4戦できる。


「4回戦のシードは〈エデン〉〈ギルバドヨッシャー〉〈千剣フラカル〉〈百鬼夜行〉。それに〈ミーティア〉か! それと、他のAランクの7ギルドは全部生き残っているようだな」


「これに勝てばベスト16が決まるのよね!」


「だな。昨日勝った21のギルドに6のシードを足して27ギルド。4回戦は5ギルドがシードで戦うのは22ギルド、11試合。これに勝ち上がればベスト16のギルドが決まる」


「あ、組み合わせが出たわ!」


 シードに選ばれたのは相変わらず全4つのSランクギルド。そしてAランクギルドが1つ。ここは意外にも〈ミーティア〉だった。

〈ミーティア〉もメキメキ力を付けてきていたからな。戦うのがとても楽しみだ。

 当たれば良いなぁ。


 そして発表される11の試合の組み合わせ。


「今回もAランクギルド以上同士の対戦カードは無しか、こりゃ、ベスト16にAランク以上のギルドが全員集合するかもしれないな」


「〈天下一パイレーツ〉ってなんでまだ生き残っているのかしら?」


「いや、一応六段階目ツリーを開放してるからな?」


 ここに〈サクセスブレーン〉も居れば、と悔やんでいたらラナの言葉に1つのギルドが目に止まる。〈天下一パイレーツ〉、生き残ってたのか! さすがはAランクギルドだぜ。

 なんかサターンたちが赤点で出場不可とかいう、とんでもない事態に襲われたと聞いた時は一発『シャインライトニング』をぶっ放したくなったが、それでも大多数が六段階目ツリーを開放しているのは伊達ではない。


 モニカの指揮の下、しっかり勝ち上がって来ていた。

 あれ? サターンたちってもしかして、要らなかった……? ゲフンゲフン! これ以上考えてはいけない!

 なぜか「俺様を忘れないでー!」という嘆きが聞こえて来た気がしたが、気のせいだろう。多分。


 最終日4回戦が始まり、第一アリーナから第六アリーナが会場となって行なわれた。


 そして順調に試合は進行し、第5回戦に勝ち進んだ16のギルドが決まったのだった。




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
2000話おめでとうございます。 アディ、レティと二人がかりとはいえはじめてゼフィルスとマトモに対人戦が成立した同級生キャラだったのに。それも下級職で。 スタメンが2割以上赤点で出場できないのに3回…
2000回おめでとう! 他のギルドがぷるぷるしながら「いじめないでよ(涙目)」ってしているところが(笑)
エディが可哀想過ぎる。レミのいる弓聖手に移籍したらどうだろうか?ギルマスだしジョブも合わないから無理か・・・ あれ、弓聖手はどこ行った?
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