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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十九章 〈SSランクギルドカップ〉戦―学園トップギルドは!?

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1992/2118

#1737 実況席コメント!飛び交う歓声とユミキさん!




 一方試合開始前、こちらは実況席である。


「さあああ! ついにこの日がやって参りました! 〈SSランクギルドカップ〉! 栄えある第一アリーナの実況に選ばれたのは、若き有能な実況者コンビ! その名もキャスと!」


「スティーブンでお送りさせていただきます」


「ありがとうありがとう! 歓声ありがとう!」


「僕たちもだいぶ人気が出てきて嬉しい限りです。では、ここでゲストをご紹介しましょう。すでに馴染みすぎて僕たちは実はトリオなのではないか? とも噂されている実況者の3人目、ええ、ユミキさんです」


「ハロー、みんな元気してる? 私はすっごく元気よ。第一アリーナでは今日から3日間、ゲストで呼ばれているからよろしくね」


「お、おお! あのユミキさんが普通に挨拶を!」


「ではこの第一アリーナの説明を軽くしちゃうね」


「いや待って! それ私たちの役目だから取らないで!?」


「この第一アリーナはね。主にAランク以上のギルドが対戦する時にここで試合がされるのよ。だから私もここでゲストで登場しようと思ったのだけどね」


「待って!? 私たちを差し置いて説明に入らないで! あとちょっと聞き捨てならない発言が含まれていたんだけど!? ユミキさんってやっぱりお呼ばれしたり選ばれたりしたんじゃなくて、自分からここに座ることを選んでるよね!?」


「ええ。気心の知れた実況者の方が良いかと思って、キャスさんたちを推薦しておいたわよ」


「また私たちが第一アリーナに選ばれた真の理由が判明しちゃった!?」


「えっと、こほん。ユミキさんの冗談はともかくです。この第一アリーナですが、〈35人戦〉で行なわれます」


「冗談……ゲフンゲフン! 実況説明いくよ! ペース乱されちゃダメなんだからね! ええっと、〈SSランクギルドカップ〉は2月28日土曜日から、3月2日月曜日に渡って行なわれる、学園最強ギルドを決めるための大会だーーー!!」


「実際は今年の卒業生の就職率が例年に比べてガクッと落ち込んでいるから、最後の大きなチャンスを与えようという目論見もあるわね」


「そんな救済措置的な裏話、ここで言っちゃダメなんじゃないかな!?」


「こほん。出場資格のある選手はCランクギルド以上、またはその下部組織(ギルド)に所属していること。なんと今回のランク戦では下部組織(ギルド)の参加が認められております」


「下部組織(ギルド)が参加できる理由って、つまりそういうこと!?」


「その通りよ。下部組織(ギルド)に所属している学生は本来ランク戦には出られない。そんな彼らも出られる大きな大会を用意することで、埋もれていた選手を表に引っ張り出そうという魂胆ね。おかげで多くの企業が集まっているし、この機会は逃せないと多くのDランク以下のギルドが解散してCランクギルドに加入したという話を聞くわ。むしろこの大会に出ただけで箔が付くとも思われているわね」


「それもここで言っちゃっていいことなのかな!?」


「もちろんよ。私がルールよ?」


「このユミキさん、大物過ぎるんだけど!?」


「とはいえ、全てのギルドが〈35人戦〉の人数を集められたわけじゃないから、参加人数が不足しているギルドなどは第七アリーナなどに移動して試合が行なわれるわね。第七アリーナは小さいアリーナだから〈20人戦〉という特殊ルールも採用されているのよ。下部組織(ギルド)を持ってないギルドなんかはそこでバトっているわ」


「いきなり普通の話に戻ったね!?」


「ユミキさんの言うとおり、今回のトーナメントでは多くの試合が組まれていますが、組み合わせの方法は基本ランダムです。ただし試合会場は組まれたギルドの特性を見て割り振られております。なにせアリーナによっては大きさが全然違いますからね」


「第一アリーナのように大きな会場では基本的にAランクギルド以上のギルドがどちらか、あるいは両方に居る組み合わせが選ばれるわ。第二アリーナもほぼ同じ条件ね」


「逆に言えば第七アリーナや第六アリーナはCランクギルド同士の対決が見られる、という訳です」


「企業の方々は選択を迫られるわね。埋もれていた人材の発掘をどこですれば良いのか。Cランクギルドを見るなら第六アリーナや第七アリーナ、Bランクギルドを見るなら第三アリーナ辺りがいいかしら?」


「うーん、そう言われると悩ましいんだよ~」


「まあ、一番の注目はやはり第一アリーナね。なにせ4つのSランクギルドが全部ここで戦うもの」


「確かにユミキさんの言う通り! 第一アリーナなら私たちの実況も聞けるしね!」


「ここまで説明したところで話を次に進めましょう。本大会に出場するギルドは全部で180ギルドとのことです」


「最終的に240ギルドの応募があったらしいのだけど、残念ながら60ギルドほど消えたわ」


「うっそ何それ怖いんだけど!? いったい何があったの!?」


「さっきこの〈SSランクギルドカップ〉に出たければCランクギルド以上じゃなくちゃいけないと言ったでしょ? つまり2月にCランク戦が多発したのよ。これを私たちは出場権を賭けたギルドバトルと呼んでいたわ。そこで60ギルドが敗退したのね」


「なんと!」


「でもその60ギルドの人たちは大体がギルドを解散して他のギルドに吸収されていったわ」


「打たれ強い!?」


「こうして出場が180ギルドになったわけですが、やはり予想よりもかなり多かったようで試合は3日間行なわれることになりました」


「全て1対1の〈城取り〉だものね。2日では間に合わないわ」


「試合は第8回戦まで行なわれます。最初の第1回戦こそ全ギルド参加で90ギルドまで絞られますが、その先の2回戦、3回戦、4回戦ではシードが組まれております」


「具体的に言うと2回戦が6シード、3回戦が6シード、4回戦が5シードね」


「シード多いね!」


「これで、上位16のギルドが決まります」


「私は良いと思うわ。というよりシードにしないととんでもないことになりそうなギルドがいくつかあるからね。仕方ないのよ」


「あ~、すごく納得。でも第1回戦はいいの?」


「第1回戦で不幸にも強いギルドに当たってしまったギルドは、冥福をお祈りするわ」


「縁起でもないんだよ!?」


「とはいえ個人アピールとしては、強いギルドに対して活躍し、頭角を現せばそれだけ注目もされるわね」


「その考えはありかも!」


「シード権の話ですが、実はこの第1回戦で非常に良い成績を修めたギルドが得られることになっています」


「あー! 納得、そういう仕組みだね! 第1回戦だけ人数多いし、当たっちゃったら運が悪かったってことで!」


「というわけでシード権を手にするのはSランクギルドやAランクギルドの可能性が高いわ。強いギルドはさっさとベスト16まで送っちゃうという考えね」


「果たしてベスト16には誰が選ばれるのか! 出場ギルドの中にSランクギルドは4ギルド、Aランクギルドは9ギルドしかない! 残りの3枠にBランクギルドが入り込んでくるのか、それとも強豪ギルドがつぶし合いをしたり、どんでん返しが起こるのか! 非常に見所満載だーー!」


「そろそろ第1回戦の発表ですね。昨日の時点で選手のみなさんには第1回戦の組み合わせが通達されていたみたいですが、こちらにはまだ資料が届いておりません。気になる第1回戦の内容は、果たして」


 ◇


「学園長のお言葉、ありがとうございました」


「ではいよいよ組み合わせの発表だーーーー!! 注目のあのギルドとか、いったいどこと当たることになっているのかーーー!」


「出ます。――!!?? これは!?!?」


「ああーー! この第一アリーナの第1試合は、ななななんとーー!! 〈エデン〉対〈サクセスブレーン〉だああああ!!」


「聞いてくださいこの大熱狂! 大歓声! 最初からSランクギルド対Aランクギルドの対決が決まりました!」


「まさかのカードね。私も最初知ったときは驚いたわ。あのカイエンが〈エデン〉にどこまで食いつけるのか、非常に注目したいところだわ」


「ユミキさんは昨日の時点で知ってたんだね!? 実況の私たちが知らないのにゲストのユミキさんがどうやって知ったのか気になるんだよ!?」


「〈サクセスブレーン〉はかなり強力なギルドです。Aランクギルドの中では〈獣王ガルタイガ〉、〈ミーティア〉、〈集え・テイマーサモナー〉とほぼ同列に扱われる上位ギルドであり、それを支えているのはギルドマスターのカイエン3年生というのは有名ですね」


「カイエンの居る〈サクセスブレーン〉と〈エデン〉の〈城取り〉戦は長らく注目の的だったのだけど、結局叶わないカードなのかと誰もが諦めていたところに今回の試合よ。もう第1試合から大賑わいね」


「盛り上がって参りましたーーーー!! 〈エデン〉対〈サクセスブレーン〉、いったいどちらが勝つのか! いきなり熱いカードの対決だーーー!」


「ちなみにAランクギルド以上同士で対決する第1回戦はここだけのようね。本当、最初から番狂わせだわ」


 ◇


「さああああいよいよ始まるよ! 試合開始だああああ!」


「両者飛び出しました!」


「この〈バベルの塔〉フィールドは攻略法が幅広くて、対策が練りにくいと考えられているわ。〈エデン〉と〈サクセスブレーン〉はいったいどう攻めるのかしら?」


「お互いトップスピードを誇る人たちを〈中央巨城〉に向かわせていますね!」


「おおっとこれはしかし!? 今までの〈スタダロード戦法〉と違うぞーーー!? 〈エデン〉は4人、〈サクセスブレーン〉は3人で〈スタダロード戦法〉を仕掛けてきた!?」


「〈中央巨城〉は第二の塔の内側ね。塔の中に入るには3つの入り口があるのだけど」


「〈エデン〉は2番目の入り口をスルー! 3番目から入るようです! 逆に〈サクセスブレーン〉は2番目の入り口から入り、観客席沿いに北へ進む!」


「輪で確認したわ。これは〈サクセスブレーン〉もやるわね。〈エデン〉に速度で勝てないから、なるべく遠く、そして〈エデン〉ではブロックしにくい場所を目指してきたのよ」


「〈サクセスブレーン〉は〈中央巨城〉の東側隣接を取りたい狙いのようだーーー! しかし〈エデン〉はそれに対して――ああっと〈ロードローラー戦法〉に切り替えた!? 〈スタダロード戦法〉を2つに分けたってこと!? ええ!? しかも〈中央巨城〉を取らない!」


「ユミキさんこれは?」


「……凄まじい作戦ね。初動は巨城を狙うのが定石だけど、今回の勇者君は〈中央巨城〉を完全にスルー。相手の行動阻止を優先してきているのだわ。巨城は全て後続に任せるみたいよ」


「これはとんでもない攻防です! 〈サクセスブレーン〉がかなり良い位置から攻めてきていたのですが、〈エデン〉見事に速度と戦法で〈中央巨城〉を守り切りました!」


「ここで〈エデン〉の後続が〈中央巨城〉を落としに入ったーーー!」


「輪で確認したわ。〈エデン〉は同時に〈南巨城〉の攻略に入ったみたい。〈サクセスブレーン〉は苦しいわね。これが成功されると、残された手が――」


「!! 見てくださいゼフィルス選手とカルア選手のツーマンセルが完全に〈サクセスブレーン〉の北側の進路を塞ごうとしています!」


「それだけじゃないわ。南側にも圧力を掛けて、敢えて赤チームを動きにくくさせているみたい。赤本拠地、いえ〈南東巨城〉へ向かっているスリーマンセルもいるわ。しかもあれは、新しい〈乗り物〉?」


「クマ天使の〈乗り物〉!? というか〈サクセスブレーン〉の〈救済巨城〉である〈南東巨城〉へ〈エデン〉が迫っているーーー!?」


「〈乗り物〉には多数の〈エデン〉メンバーが見えます! これは!?」


「〈エデン〉はどうやら、9城全てを狙っているみたいね」





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
それでもカイエン先輩なら……カイエン先輩ならきっと負けても評価アップしてくれる!
カイエン先輩、流石に可哀想になってきたよ。 この実況の裏で、どんなに胃を痛めていることか。
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