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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十七章 〈エデン〉49人VS〈竜〉ボス100体!

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1927/2118

#1681 〈竜の試練〉開始。襲い来る3体をまず撃破!




「ギャアアアアアアオ!」


「ギャアギャア!」


「グルガアアアア!!」


「来ますわエステルさん! 数3ですわ! 『看破』の結果〈レッドドラゴン〉〈グリーンドラゴン〉〈グレイドラゴン〉とのことです!」


「色竜か! ――エステル、〈スターライト〉を横にスライドさせながら砲を〈レッド〉に向けるんだ! 〈グリーン〉と〈グレイ〉はそれぞれ別のパーティで叩く」


「はい!」


 ここ、〈竜ダン〉のレアイベント、通称〈竜の試練〉は今まで遭遇してきたレアイベントボスと一線を画す、というか全く異なる内容をしている。

 レアイベントというのは基本的にボスがいる。これを通称レアイベントボスと呼称している、ダンジョンに基本1体しかいない特別なボスであり、試練だ。

 この試練を突破した者に、壁画などの報酬が与えられるのである。


 つまり、レアイベントというのは本来試練なのだ。実は必ずしも1体のレアイベントボスが登場するイベントというわけでは無い。

 そして〈竜ダン〉の試練は見ての通り、100体もの〈竜〉種を突破し、中心地にある〈竜樹〉を目指すイベントである。


 難易度たっかっ!! ……あれ? 高いよな? よく分からなくなってきた。


 また、これまでの上級上位ダンジョンでは集団での行動がメインだった。

 たくさんのパーティを、メンバーを連れてこいというメッセージが多分に込められていたのが分かるだろう。

 しかし、そういう意味ではここ〈竜ダン〉では大人しすぎるほど大人しかった。

 なにせハンディ無しでボスを撃破しまくってここまで来たからな。5人で突破可能なんじゃない? そう思っても仕方ない。


 だが、ここでドン!

 100体ボス登場。

 これを1パーティで突破しろというのはさすがに無理がある。

 故にここは、今まで集団を作れと煽ってきたが、その成果、集大成を見せよというイベントなのだ。

 どれだけの集団を作ってきたのか、そのお披露目の場だと言っていい。


 まず最初に襲ってきたのは色竜(カラードラゴン)と呼ばれる〈レッドドラゴン〉、通称〈レッド〉、〈グリーンドラゴン〉、通称〈グリーン〉、〈グレイドラゴン〉、通称〈グレイ〉だった。

 小手調べだな。


〈レッド〉は正面から、〈グリーン〉と〈グレイ〉が左右から近づいてくるのを、俺たちは〈スターライト〉の甲板からそれぞれに展開して迎撃の態勢を整える。


「ゼフィルス、相手はボスよ、ハンディが心配だわ!」


「もちろんだシエラ! まずはそれから確かめるぞ! ――ラナ!」


「私に任せなさいよ! 『神の天誅』!」


 まずはハンディについて確かめる。これがあるかないかで戦略がガラッと変わってくるのだ。俺は結果を知っているが、検証することは大事。

 またラナのお披露目も含んでる。

 ラナは現在、〈白の玉座〉に座っているのだ。本来ラナは〈白の玉座〉に座ったまま移動することができない。しかし、エステルのユニークスキルと組み合わせることで移動砲台が可能になっていたのだ。なにそれやべぇ。


 この姿を見ただけでみんなに勇気が湧いてきたのを感じたな。

 味方には勇気を、敵には絶望を与える。それが【大聖女】だ!


「リーナも頼む!」


「はい! 『四戦兵砲・エーテル・バスター・クワトロ』ですわ!」


 狙いは〈レッド〉。

 3班のラナの攻撃が入ったのち、10班のリーナの攻撃がズドンと命中した。


「ギャアアアア!?」


「良いダメージが入ったな! ――カイリ、どうだ?」


「回復無し! ハンディ無しだよ!」


「朗報だ! ハンディは無いぞ!」


「「「「おお!」」」」


 検証の結果、ハンディが確認されなかったことでメンバーが沸く。

 ここはレイドボスも見据えているのだ。

 レイドボスに基本ハンディは無い。複数のパーティで戦うことが前提だからだ。

 そしてここも同じ、さっきも言ったとおり、ここを5人で突破しようとか厳しすぎる。故に、ここも複数のパーティで挑むことが前提になっている。

 そのためここでは、ボス戦にハンディはないのだ!


 なお、もしハンディがありだった場合、現在進行形でノエルとオリヒメさんが歌っている時点で発動していたりするが。それについては気にしてはいけない。

 ちょっと歌わせるの早かったな。これは内緒にしておこう。


「! ゼフィルスさん、〈竜〉の後続が次々向かってきていますわ!」


「全員一斉攻撃! と言いたいところだが、無計画に大技をぶっ放し続けるとクールタイムに引っかかって逆にマズい! ここはいつも通りパーティ戦で行くぞ!」


 パーティ行動大事。パーティで行動するからこそ周りと呼吸を合わせられるというもの。

 ということで焦らず、まずはいつも通りパーティで挑む。

 パーティで手に負えなかったらその時また増援すればいいのだ。


「大丈夫でしょうかゼフィルスさん!?」


「これまで〈竜〉ボスは1パーティで倒せてきたし問題は無いはずだ!」


「! 言われて見れば確かにそうですわ……!」


「〈グリーン〉は1班! 〈グレイ〉は2班、〈レッド〉は3班がまず担当するぞ!」


「「「おおー!」」」


 1班は俺、カグヤ、サーシャ、ノエル、ラクリッテ。

 2班、シエラ、ノーア、クラリス、レグラム、オリヒメさん。

 3班、ラナ、エステル、シズ、パメラ、トモヨ。


 空のモンスターが相手とかお手の物というメンバーだな。


「――『ゴッドドラゴン・カンナカムイ』!」


「――『エターナルフロスト』!」


 俺とサーシャが〈グリーン〉に魔法を放つ。

 雷で出来たドラゴンと、氷属性魔法、単体系最強の『エターナルフロスト』だ。

 サーシャの全体系最強がユニークスキルなら、単体系の最強魔法がこれである。


 その見た目は翼を広げて15メートル級の〈グリーン〉を軽く超え、雷のドラゴンと凄まじくかっこいいランスのような氷河がほぼ同時に〈グリーン〉にぶち当たり、そのHPを4割も削る。


「え、ええ!? 与ダメージたっか! これ、ボスだよねゼフィルス先輩!?」


「おそらく100体もボスが居る影響だろう。最初は弱く、だんだん強い〈竜〉が襲ってくるとみた!」


「! なるほどですの!」


 数が多いボスとの連戦時にはよくあるやつだな。

 最初に弱いボスが、そしてどんどん難易度が高くなっていくアレだ。


 ぶっちゃけ61層でエリアボスしていた〈火竜〉より弱いのだ。最初はな。


「エステル! シズ! パメラ! 遠慮無しでぶっ放しなさい! 行くわよ! 『大聖光の無限宝剣』!」


「撃ち抜きます! ――『ファウ・ウール・マーゼ・スラスト』!」


「同じくです――『ドラゴンファング』!」


「竜にはこれデース! 『大忍法・竜撃滅波』!」


 3班が正面の〈レッド〉に一斉攻撃。


 ラナの宝剣は未だLV1なので20本。それでも『大聖光の十宝剣』よりも格段に強い宝剣の連射が飛び、続いてエステルが〈スターライト〉から集束砲を発射。

 事前に溜め系スキル『充填』を行なっていたためその威力は絶大。加えてシズのドラゴンの頭の銃弾が3つ発射。

 最後にパメラが分身を飛ばし、〈竜特効〉の付いた大忍法スキルを直撃させる!


「ギャアアアア!?!?!?」


 それはあまりにもとんでもないダメージで、連射の最中になんと〈レッド〉のHPがゼロになり、倒されてしまったほどだった。


「ボスを一撃!?」


「さ、さっきのダメージもあったし、一撃では無かったけど、1パーティの一斉攻撃だけで〈竜〉ボスがやられちゃったよ!?」


 これには見ていたゼルレカやクイナダも激しくビビった。

 あれはビビるだろう。特にエステルのチャージからの集束砲が強すぎる! さすがは「騎士系」アタッカー最強!

 なお、トモヨは一応反撃に備えて盾を構えていたのだが、一瞬で光にされて墜落する〈レッド〉を見てポカンとしていたよ。


「私たちも負けていられないわね」


「ギャアアア!」


「! ――『シールド・テラ・クワトロ』!」


 シエラが呟いた直後、まだ距離のあった〈グレイ〉だったが、風のブレスを撃ってきたのだ。

 しかし、これはシエラが大盾でしっかりと受け止めていた。

 シエラがいる限り、〈スターライト〉に攻撃を通すことはない!

 さらに反撃!


「行くぞ! ―――『天空絶光(ぜっこう)疾駆無秒閃々しっくむびょうせんせん』!」


 一瞬にてかなりの距離があったのにもかかわらず距離を詰めたレグラムが、ラッシュ系で斬りかかったのだ。

〈竜〉を相手にいきなり接近戦とかパナイ!

 これも空中を足場にできるレグラムだからだな!


「クラリス! いきますわよ!」


「了解です――『千剣の翼モード』!」


 だが、そもそも2班にはそういう人材を集めている。

 クラリスの千剣『零千』の翼モードに素早く2人が乗り込むと、そのまま〈グレイ〉の下へ突き進む。


「突っ込みます! 『千剣の翼・シャインセイバーミレニウム』!」


「やってしまいなさいクラリス! 『レボリューションセンチュリー』!」


 ノーアによる約100本の武器による射撃。

 射出される武器がガンガン〈グレイ〉を襲う。〈グレイ〉のタゲは普通ならレグラムやノーアに向くことになるだろう。しかし、


「『完全魅了盾』!」


「ギャ!?」


 いつの間にか巨大な自在盾がガツンと〈グレイ〉に命中し、タゲが固定、シエラに向いてしまう。

 そこに千の翼が光を帯び、幻想の巨大剣になった『零千』がすり抜けざまに翼で斬る!


「グギャアアアア!?」


「逃がさん! ――『天海星・ウラヌスネプチューン・キャリバー』!」


 それはレグラムとオリヒメさんのコンボスキル。

 本来ならオリヒメさんとレグラムがタイミングを合わせて同時に使わないといけないようなスキルだ。

 ゲームの時ならともかく、今のレグラムは結構オリヒメさんと距離があり、絶対に息を合わせられないタイミング、のはずなのだが。コンボスキルは成功!


 オリヒメさん、『星の歌』の途中で『天海星・ウラヌスネプチューン・キャリバー』を唱え成功させてしまったのだ。

 いったいどこで合図を送ったのか、全然わかんねぇ。

 これがクリティカルで決まり、HPがゼロになってしまう〈グレイ〉。

 おっと、よそ見をしているうちに俺たちのところも終わったな。


 こうしていきなり3体のボスに襲われたが、最終的に〈スターライト〉に取り付かせる前に〈グリーン〉と〈グレイ〉も撃破することに成功する。


「第一陣は防いだぞ! 次は、第二陣、来るぞ! ニーコ!」


「え? ぼくなの!?」


「7班一番の古株だからな! リーダーってことで行ってこい!」


「ぼくは〈支援課〉なんだけど!? 〈竜〉を相手にするなんて想定してないよー!?」


「やっと戦える、行ってくる!!」


 大丈夫、7班はニーコ、フィナ、エリサ、シヅキ、エフィという非常にバランスの良いメンバーだ。エフィなんかようやく出番だと気合い入れてるぞ。


 左から〈イエロードラゴン〉、通称〈イエロー〉が接近。


「いくよ大魔王クロちゃん! 出っ番だよーーーー! 『大魔王降臨』!」


「――――!!」


 ここで〈スターライト〉を取り巻いていたうちの1体、身長12メートルほどの筋肉魔王。否、『大魔王降臨』で大魔王へと進化したクロちゃんが〈竜〉へと立ち向かう。


 大魔王+天使VS竜!


 こりゃ熱い戦いになりそうだ!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
ドラゴン相手に百人組み手? レベルもガツンと上がりそうだ。 ところで、百種のドラゴンは全部設定が決まっているんだろうか?
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