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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十七章 〈エデン〉49人VS〈竜〉ボス100体!

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1924/2118

#1678 初〈竜〉の〈金箱〉回!カグヤの『神頼み』!




〈火竜〉がドロップしたのは――もちろん〈金箱〉だった。


「初めて〈竜〉種撃破の〈金箱〉バンザーイ!!」


「イエーイ!」


「わ、わーいわーい!」


〈金箱〉ドロップにヒャッホーしたらノエルがノってくれ、さらにラクリッテも喜んでくれた。嬉しさ100倍!


「あれでエリアボスとか、最奥ボスレベルかと思ったですの」


「火球デカすぎるよね。加えて滑空からの突撃と爪の一撃が怖かった~」


 なお、サーシャとカグヤは「良かった~」と言わんばかりに息を吐いていた。

 戦闘としては、やはりタンクが優秀なのでそこまでダメージを負わなかったが、迫力は〈亜竜〉とは全く違った。

 飛行能力が段違いな上に火球とブレスの火力がパナイ。耐久力も高い。

 あれで一番弱いボスだというのだから、この先のボスはいったいどれほどなのか思うというレベルだ。


「みんなお疲れ様! すごいボスだったわね!」


「とっても〈竜〉らしいボスでしたわ」


「物語に出てくるような正統派の〈竜〉ってあんな感じのが多いですよね」


 ラナが先頭で駆けてきながら労いの言葉を掛けると、ノーアやクラリスなどは先程のエリアボスに思いを馳せているようす。

 後で聞いたのだが、さっきの〈火竜〉は〈炎帝鳳凰〉みたいに物語に出てくる有名な〈竜〉にそっくりなのだという。


「わ、私、あの〈火竜〉欲しいです!」


「アルテにはすでにワダランがいるでしょう」


「でも欲しいです! ハープ使いましょう!?」


「ボスはテイムできませんよ」


「クワァ!」


 アルテなんかすでに〈バハムート〉という〈火竜〉が霞むような〈竜〉をテイムしているのに目がキラッキラだった。

 でもちょっと分かる。

〈火竜〉って正統派の〈竜〉って感じでかっこいいんだよ。


「さて、まずは〈金箱〉だな! カグヤ、来てくれ!」


「あ、はい! こ、これが〈竜〉種からドロップした〈金箱〉……!」


「これだけでとんでもない価値があるですの!」


「う、うん、心なしかいつもより輝いているような気がするよ!」


「なのにゼフィルス先輩は普通に開けるノリだぞ」


 俺がそう言うと、カグヤが小走りでやって来て全員の注目を浴びる。

 さらにはサーシャ、クイナダ、ゼルレカの台詞がなんかニヤニヤする。


 初の〈竜〉ボスの金箱だ。みんなの注目度もどこかいつもよりも増している気がするんだぜ。


「それじゃあ今回も頼むぞカグヤ!」


「はい! 『神頼み』!」


「〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉、いつもありがとうございます! 今回もどうか良いドロップをお願いいたします!」


 ―――『神頼み』。

 カグヤの六段階目ツリーにして幸運系スキル。

 宝箱に入っているものがレアドロップになりやすくなるという、超すんばらしいスキルである。

 ニーコのスキルと同じだ。

 これはカグヤが入っているパーティが撃破しないと効果が無いので要注意。


 なお、六段階目ツリーなのでその効果は超強力!

 俺はカグヤがLV60になった瞬間、『神頼みLV10』までSPを振ってもらったね。

『神頼みLV10』があればレアものはほぼ確定! 少なくとも〈上級転職チケット〉が来ることはない! あれってハズレだしな!(ハズレではありません)


 さあ、さあさあさあ!

 いったい今回はなにがドロップするのかな!


「それじゃあ開けさせてもらうぞ!」


 今回宝箱を開けるのは俺だ! 初めての〈竜〉ボスだったからな!


 パカリとゆっくり開き、中を確認する。

〈竜の叡智〉並の素晴らしきドロップが落ちることを願う!

 そして中に入っていたのは――――ツルハシだった。


「ツルハシ?」


「ツルハシじゃと!」


「わ! ソドガガ君が叫んだ!?」


 びっくり仰天という声が後ろの方から、というか〈採集無双〉の方から聞こえてきた。今のはもしかしてソドガガとタイチの声か?

 そしてズンズンと興奮した面持ちで来るソドガガ。普段無口で寡黙なのに、すっさまじく興奮しているのが分かる。それに続いてモナとタイチも来る。


「ソドガガがこんなに興奮するのは珍しいです」


「ツルハシっていったらまず俺たちの領分だしな。俺も釣り道具なら我を忘れる自信があるよ」


「…………」


 おお、〈採集無双〉の面々、キラッキラじゃねぇか。

 これでこのツルハシが採集用じゃなかったらあまりの落胆に燃え尽きそうなレベルだぞ。まあ採集用だけど。


「エステル、『解析』を頼む!」


「はい! 『解析』! これは〈竜激のツルハシ〉、と言うようです。採集用のツルハシですね」


「むん!!」


「ソドガガ君がガッツポーズを!」


「これもまた珍しい光景です! 僕も見た事がありませんよ!」


 ソドガガ大興奮だな。

 両手をガッと上に挙げて「よっしゃー」のポーズだ。

 もちろんツルハシはソドガガの手に渡る。


〈竜〉の文字の付くアイテムだ。もちろんその効果は凄まじい。

 今まで使って来た〈激しいシリーズ〉に〈竜〉まで付いた〈竜激のツルハシ〉。その性能は凄まじく、ソドガガはすぐに〈解るクン〉で〈竜激のツルハシ〉を詳しく読み解くと、そのまま発掘ポイントまで突っ走ってツルハシを振りかぶる。


「『竜激一魂(りゅうげきいっこん)大発掘(だいはっくつ)』!」


 瞬間、ズドーンという音と共に大量の素材が発掘ポイントから溢れ出てきた。

 その数、100はあるだろう。全てが上級上位(ジョウジョウ)級素材だ。

 これだけでどれほどの値段になるかというレベル。

 しかも、これだけでは終わらなかった。


「フン! フッ! ハアアアアアア!!!!」


 ソドガガ、ツルハシを振るう腕がブレているんじゃないかという速度でソレを振りまくり、発掘ポイントに大打撃を打ち込んでいく。

 その度にポーン、ポポーンっと飛び出してくる素材群。

 喜び勇んでモナたちが回収し始めた。


「うわ、凄い素材群ね!」


「なんて不思議な光景なんだ。素材の山ができているじゃないか。これは研究のし甲斐がありそうだよ」


 素材の山を見てラナとニーコも目を輝かせる。方向はなんか噛み合って無いっぽいけど。

 ニーコなんかどちらかというと〈竜激のツルハシ〉を研究したいって顔に書いてあるし。


「〈竜激のツルハシ〉。これなら大量の装備が作れますわね!」


「! 装備が充実すれば上級上位ダンジョンに進出できる学生も増えるでありますね!」


「これはお爺様に良い報告が出来そうですわ!」


「やめてあげてくださいお嬢様。この物量と情報を一気に学園長にご提出したら、下手をすれば天に召されてしまうやもしれません」


「その時はコレットさんが連れ戻しますから大丈夫ですわ!」


「いえ、全然大丈夫じゃないですよお嬢様。失敗したらどうするんですか」


 ノーアとヴァン、クラリスが素材群を見て目を輝かせていた。

 金のなる木にして装備充実化に非常に貢献してくれそうなアイテム。

 まさに大当たりと思っていいだろう!

 ノーアの学園長への容赦のなさが少し気になるんだぜ。


「だがノーアの言う通り、この素材を活かせば、上級上位ダンジョンで通用する装備がたくさん作れるな! こりゃ学園長、いや、ハンナの協力も仰いで上級上位ダンジョンの装備量産に舵を切る必要がありそうだ!」


 これがまた1つの転機となる。

 ソドガガの活躍により上級上位ダンジョンのランク9素材、しかも装備にできる鉱石などの素材が大量に産出したことで、上級上位ダンジョンまでならば全てのダンジョンで使える強力な装備が大量生産できるようになったのだ。


 ハンナに相談したところ、〈ドワーフの集い〉という【鍛冶】系ドワーフオンリーギルドに任せても良いと許可をもらえたので、そちらにお願いし、上級職ではない者は全員分〈上級転職チケット〉を渡して、大量生産に励んでもらうことになる。


 もちろん生産された上級上位(ジョウジョウ)級の量産品は〈エデン店〉で販売。加えてマリアにも流して〈ダンジョン商委員会〉が上級ダンジョンの最奥でも1戦レンタルを行なったところ、見る見る学生たちの実績が上がるようになる。


 なお、学園長室ではコレットさんが大活躍したそうだが、何に大活躍したのかは俺にはよく分からないのだった。




 こうして〈竜ダン〉の61層で初の〈竜〉が確認できたという話をお土産にして、俺たちは帰還した。

 これにて1月のダンジョン週間は終了だな!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
〈ドワーフの集い〉強化ですか そういや〈青空と女神〉の鍛冶職強化は行き届いてるのでしょうか? ソフィ先輩の出番も込みで名を聞かなくなってる気がしますけども
神頼みLV10とか、コンプリートした後は全くの無駄になりそうなスキルだよね…………。 ニーコはまだそういうジョブだからいいけど…………。
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