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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十六章 〈エデン〉VS〈天下一パイレーツ〉ランク戦!? 六段階目ツリーの大お披露目!

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#1648 進化する津波。わんにゃんパニック犬猫津波!




「本気でいっくよー! みんな出てきて――『犬力の犬』! 『リンクオールスターズ』!」


 北側から赤本拠地に迫る軍団、それはまさに軍団だった。

〈レビテーションスノー〉によって浮遊するフラーミナから放たれたユニークスキル『犬力の犬』は連れて行ける全モンスターを召喚し、召喚した配下全てにバフを与える破格のスキルだ。

 加えて『リンクオールスターズ』は6体全てが登場している場合、ステータス上昇に加え召喚時間を超延長する強スキルである。


 これによりフラーミナが今回のギルドバトルに持ち込んだモンスターたちが飛び出してきたのだ。


〈神樹〉リーシェン、〈レヴィアタン〉のヴァイア、〈オロチ〉のヒーちゃん。


「――オオオオオオオオ!」「リヴァアアアア!」「「「「ヒュラアアア!」」」」


 そして残り3体は〈プロミネンスウルフ〉、〈アイスエイジウルフ〉、〈ライトニングセンスウルフ〉からそれぞれ進化した〈フェンリル〉のウーちゃん、ルーちゃん、フーちゃん。通称ウールーフートリオだ。


「「「ウォーーーーーン!!」」」


 うーん……壮観である。

 さらにフラーミナのスキルは続く。


「『我が軍勢よ。蹂躙せよ』! 『我に勝利を取ってこい』!」


『我が軍勢よ。蹂躙せよ』はバフ。テイムモンスターのステータスを爆発的に上げるスキルだ。

 そして『我に勝利を取ってこい』はマス超えスキル。なんて罪深い!

 さらにはこれで終わらなかった。


「いくよカルア!」


「ガッテン」


 現れたのは〈爆速飛行スターブーツ〉で空を飛び、浮遊するフラーミナの下へ上がってきたカルアである。

 なんと「犬人」のフラーミナと「猫人」のカルアが横並びし、そして。


「『ワンダフルパニック』!」


「『エージェント・レイド・クロネコ』!」


 犬と猫が溢れた。


「な、なんだ!? あああああああ!?」


「犬猫の津波だーーーーー!?」


「巨大モンスターも追撃~~~~!?」


「こんなの攻撃してもいいの!?」


 まさにワンダフルでパニック。むしろわんにゃんパニック。

 よく分からない犬猫津波を先頭として始まった大行進は〈天下一パイレーツ〉のメンバーをよくわからないまま飲み込んだ。


「あ、フラウたちが(けしか)けたみたい。私たちも続くよ!」


「ラジャです! いきますよヒナ!」


「クァ!」


「『ブラストエンゲージストライク』!」


 一方南側ではフラーミナのモンスたちを見たシヅキとアルテも、モンスターをフル稼働させていた。

 まずはアルテ。ヒナはついに最終進化形の〈戦車特級鳥せんしゃとっきゅうちょう・アサルテッドピュイチ〉に進化しており、その姿は全長7メートルを越す――カモとエミューの合いの子みたいな姿。


『ブラストエンゲージストライク』を得たヒナは、まさに騎乗突撃の馬戦車状態。

 身体中にスキルエフェクトをまき散らして突っ込む最強の騎乗突撃スキルだ。


「え? なんか来たーー!! この『裏切り正悪善断罪(せいあくぜんだんざい)』!」


 アルテもまた亜隣接マスで取り残されていた【裏切りの復讐者】男子へ接近。

 裏切りなのか正義なのか悪なのか善なのか断罪なのかよく分からない大剣で斬りつけてきたのだが。


「そんなの効かないよ!」


「クァ!!」


「な――ぐああああああああ!?」


 弾いてそのまま【裏切りの復讐者】男子を轢いてしまったのだった。

『ブラストエンゲージストライク』は攻防に優れた突撃スキル。

 防御スキルでもあるので生半可な攻撃は効かず、止められず、そのままストライクを決められるのだ。このピュイチって、戦車なんだよ。


「そこへ私がドーンと追撃だー! 『簡易召喚・大魔王の全身様』!」


 まさにズドーンという効果音がふさわしい。そこに降り立ったのは、今まで上半身しか顕現してこなかった、肩幅が10メートルというムキムキマッチョな大魔王様―――の全身。


「え? あれ?」


 吹っ飛んだがなんとか耐えた【裏切りの復讐者】男子が見上げるのは大魔王のそのボディ。

 なぜかこの大魔王の全身様、全身を最大限に活かしたフライングボディアタックを仕掛けてきたのだ。まさかの攻撃。


「へぶうううううううううう!?」


 そして大魔王のシックスパックに押し潰された男子は一瞬でHPがゼロになり、そのまま〈敗者のお部屋〉に転移してしまったのだった。

 こんなやられかたをしたのは、まさにこの男子が世界初だろう。


「強い! 強いけど……なんでわざわざダイビングかますかなこの大魔王様は!」


 とはシヅキの(げん)である。そらそうだ!

 これで簡易召喚だというのだから恐ろしい。

 本当の契約召喚ではいったいどうなってしまうというのか。シヅキの伸び代はまだまだこんなものではない。



「なんじゃありゃああああああ!?」


「北と南から大型モンスター出現です!」


「バッファーは何やってやがるです! うちらの最大の強みは、バフでやがりますよ! しっかり味方を強くしやがるです!」


「アイアイマム!」


「みなさん、頑張ってください! 『偽物の加護と勇気いっぱい』!」


「おおー! 姫の加護で勇気が湧いてくる気がするぞーー!!」


「突撃だーーーー!!」


 一方赤本拠地ではモニカが指示を出しまくりながら奮闘していた。

 モニカの言う通り、〈天下一パイレーツ〉の最大の強みはそのバフ。

 なにせ【強欲】が相手のバフを奪い取ってくれるので相手はバフが使えず、自分たちだけ強化(バフ)して戦えるのである。そりゃあ強い。

【偽聖女】のエリエルも頑張って味方にバフをつけまくる。


「相手は見たところバフいっぱい! 吸い尽くしやがりますよ――『我、強欲の化身、全てを我に奪われよ』!」


 再びモニカのユニークスキルが発動。これは3マス以内であれば効果を及ぼす大罪スキルだ。マス超えで使えるとか罪深すぎる。

 これで普通なら相手のバフは全て吸収し尽くしバフを次々と消してしまえる。

 あまりにも罪深すぎるユニークスキルだ。だが、相手は普通じゃないのである。

 さっきまで〈前線〉には居なかったメンバーが、侵攻してくるメンバーの中に居たのだ。


「私の許可なくバフを強奪するとか、あまりにもとんでもないことだわ! 『光守られし聖なる奇跡』!」


「……なにゅ?」


 モニカ、思わず可愛い声が漏れる。

 奪えるはずのバフが奪えず、相手のバフも消えず、さらにはその他の何もかも奪えなくなっていたからだ。

 それを起こしたのは我らが大聖女、ラナである。


 ラナのユニークスキル『光守られし聖なる奇跡』はいわゆる〈いては無効〉。つまりはバフ打ち消しを無効化するものだ。それだけじゃなく、奪われたりすることにも効果がある。バフが奪われるのも当然のように阻止できる。


 モニカは3マス以内であれば強奪する? ラナは12マスぞ?


 もうこの辺一帯の全域はラナが完全に制御した。こうなればただでさえ強い〈エデン〉がもっと強い(バフ)状態で襲ってくるのだ。

 これが本物の大聖女様のお力よ。


 加えて。


「『震えろ・大魔王様からは逃げられない』!」


「な! 〈鈍足〉状態!?」


「足が!?」


 シヅキのスキル、これは相手を〈鈍足〉状態にする六段階目ツリー。逃げようとすると『鈍足無効』に『封印』を付与する追加効果があり逃げられない。加えてついでのようにこれは〈いては〉系効果も含まれている。

〈いては〉とは魔王(ボス)大魔王(ラスボス)が主に使用するバフを打ち消す技のことである。つまりはバフ打ち消し系スキルでもあるのだ。

 モニカは相手のバフを奪い、自分たちはバフをして優位に立とうとしたのだが。しかし、


「ああ! 私たちのバフが!」


「ふぁ、ふぁあああああああああ!?!?」


 逆に自分たちはバフを打ち消され、ラナにより〈エデン〉のバフは維持される結果になっていたのだ。なにこれアンビリーバボー。

 まさにさっきと大逆転。


「じょ、上空! ドラゴン、来ます!」


「行きますよゼニス! 『アルティメット・ドラゴンクロウ』!」


「クワァ!!」


「「ぎゃああああああ!?」」


「バカな! 2人が一撃だと!?」


 アイギスとゼニス、赤本拠地に襲来。

 恐るべきドラゴンの爪で防御スキルを発動していなかった2名のメンバーが〈敗者のお部屋〉に送られたのだ。まさに一瞬の出来事。あまりにも強すぎる。

 しかもこれ、攻撃スキル寄りの強化(バフ)スキルなのでまだまだドラゴンクロウは終わってないのだ。


「ゼニス、なるべく人を狙って多く退場させるのです!」


「クワァ!」


「させるかでやがります! 『豪吸覇強盾ごうきゅうはきょうたて』!」


「クワァ?」


 だが、ここでモニカが割って入る。

 防御スキルで受け止め、なんとか本拠地への攻撃を阻止したのだ。


「『強奪の手』! くっ、やっぱり強奪系が無効化されやがります!!」


「これが、本物の聖女様の力!?」


大聖女(ラナ)】のユニークスキルはまさに【強欲(モニカ)】の天敵。

 テイムモンスターの心変わりだって無効である。大聖女が祈ればこれくらい造作もないのだ。


「撃て、撃て、撃てーーー!!」


「ゼニス、一旦空へ!」


「クワァ!」


 モニカがゼニスの攻撃を止めたこのチャンスを活かすべく〈天下一パイレーツ〉が攻撃を仕掛けるが、それを悟ってすぐにアイギスは空へ離脱。


「大技行きます――ゼニス」


「クワァ!」


「『ディボルト・オウ・シードン』!」


「ええい負けるかでやがりますーーーーー!!」


「モニカーー! 『フィクエクスヒール』! 『フィクションアウト』!」


『ディボルト・オウ・シードン』は周囲に光の球体を浮かべ、そこから龍にも見える光線を発射しまくるとんでもないスキル。どう見ても魔法だが、INTではなくSTR参照。

 おかげでとんでもない光線が真上から大量に赤本拠地に降り注ぐも、モニカが盾を翳し、エリエルが回復することでなんとかこれを全て防いだ。


「これを防ぎきりますか! 予想以上です! ゼニス、目的は達しました! 離脱しますよ!」


「クワァ!」


 モニカの奮闘を称えてアイギスとゼニスが本拠地マスから出ていく。

 そう、アイギスたちの役目は相手の意識を逸らすこと。その間に、


「モニカ! 亜隣接、隣接共にどんどん取られて、〈エデン〉に包囲されていきますよ!」


「ええい! ふんばりやがれーです! 全力で迎撃して生き残るんですよーー!! 3回退場だけはするなでやがります!」


〈保護期間(バリア)戦法〉は失敗。

 亜隣接、隣接共にどんどん取られていき、少数のマス取り人員が分断され、さらには本拠地マスへ〈エデン〉が次々侵入してきたのだ。


 もうこうなったら死ぬ気で各人が奮闘し、防ぐしかない。


 モニカもすぐにエリエルを連れ、厳しそうなところへ援護に向かおうとした。しかし、


「『大聖光の無限宝剣』!」


 そこに遠くの空から大量の宝剣がやってきた。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
その光景は正しく蹂躙であった。 なあ、信じられるか? まだまだ総力とはほど遠いんだぜ。
無限て…オイオイオイ死んだわアイツら
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