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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十六章 〈エデン〉VS〈天下一パイレーツ〉ランク戦!? 六段階目ツリーの大お披露目!

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#1643 サターンも美味しくあがりました!




「モニカと【偽聖女】の子が組むとやっぱり硬いな! あそこは一度分断しないと崩せないか!」


「ゼフィルス! 我を無視するとは良い度胸だな! 喰らえーーーーー『ハザードプロミネンスアグニ』!」


「『ヘッドグラビティ』!」


「な! 貴様は!」


「悪いな。うちのギルドマスターは忙しいんだ。代わりに俺が相手をしよう」


「メルトか!」


 エステルのスラスト砲をモニカとエルと呼ばれた【偽聖女】の子が協力して受け止め防いでくる光景を見て対応を考えていたら、サターンを素で忘れてた。何でだろう? 脅威度の問題かもしれない。

 サターンが強力な五段階目ツリーの災害火炎魔法をぶっ放す、しかしメルトが〈五ツリ〉の『ヘッドグラビティ』で上から叩き落として止めたのだ。


「ゼフィルスは早めにあっちをやってくれ、魔法が使いにくいったらない。サターンは俺が相手をしておく」


「なんだと!」


「うちのギルドマスターに挑みたければ、俺を倒してからにしてもらおうか」


 な、なんと! メルトまでそんなお約束的な台詞を!?

 くぅ! こんなこと言われたらメルトに譲るしかないじゃないか!

 ならば、俺も乗らなくてはなるまい!


「サターン! 奥で待っているぞ! 俺の下にたどり着いてみせろ!」


「ゼフィルス! 待っていろよ! 貴様を倒すのは、この我だ!」


 なんだろう。とてもテンションが上がるぞ!!

 俺は今のやり取りにかなりニヤニヤしながらもバッと(ひるがえ)してモニカたちの下へ走った。


 ◇ ◇ ◇


「いくぞサターン! ――『コキュートス・ゼロ・ディザスター』!」


「! 『魔喰(まく)らい闇の魔術砲』!」


 ――【賢王】VS【魔に落ちた暗黒魔道師】。

 ある意味でなかなか見ごたえのありそうな対決となった――のだが。

 残念ながらレベルが段違いだった。


 メルトから氷属性の特大攻撃が放たれ、サターンも魔法を喰い尽くしながら襲い掛かる魔術砲を発射する。

 本来、同レベル帯の魔法攻撃であればサターンの魔術砲が相手の魔法を喰らいながら打ち消し、メルトを飲み込んでもおかしくはないサターンの必殺技だった。

 だが、残念ながら〈五ツリ〉で喰い尽くせるほどメルトの攻撃は甘くなく、そのままサターンの攻撃を突破してしまう。


「のおおおおおおお!?」


 しかしさすがのサターン。

 ギリギリでこれを回避した。伊達にやられまくっているわけじゃないのだ。

 ヤバい攻撃は回避する。それが身に染みて分かっていた。


「おのれ! そこを退()くが良い! 『ダークネスバースト』!」


 サターン、体勢を崩しながらもメルトに杖を向け、間髪入れずに攻撃した。

 中々の胆力。いやサターンを支えているのはプライドか。

 だが、メルトには通じない。メルトは重力を操る攻防のスペシャリストなのだ。

 スッと杖を攻撃に向けると、メルト最大の大技を使って迎撃。


「『アーカーシャ・グラビティ』!」


「くっ!? また我の攻撃が落ち、っとわあああああ!?」


「悪いなサターンよ。この攻撃は地面に居るものにも効果的なのだ」


〈六ツリ〉『アーカーシャ・グラビティ』は『十倍キログラビティ』の上位ツリー。

 今まで空に居る者を叩き落としたりするくらいにしか使えなかった、いやそれでも十分過ぎるほど強い魔法だが、そんな強力な魔法がメルトが杖を向けた先の範囲に居る者全てに適応されるようになったのだ。


『十倍キログラビティ』が単体だとすれば『アーカーシャ・グラビティ』は範囲。

 これによりサターンの魔法は叩き落とされ、サターンもまた重力により立っていられずに倒れてダウンした。強い。

 そして、これは防御魔法。

 メルトは――『攻防デュアル』により防御魔法と攻撃魔法を同時に使用できる。


「これで終わりだ――『アポカリプス』!」


「のおおおおおおおお!?」


 ユニークスキル発動。

 ちゅどーんと大きな音を立てながらそれは直撃していき、サターンは2度目の退場となってしまったのだった。ほぼ一撃(ワン)キル!


 サターン、ゼフィルスの下へ行けず……残念!


 ◇ ◇ ◇


 所変わって2つ目の戦場。

 ロゼッタが盾を張る〈ブオール〉を挟んで反対側、〈エデン〉の思惑通り個人戦になりつつあり、各個撃破が盛んに起きていた。

 こっちではモニカがいない。故にとても大変!


「組め! とにかく誰でもいいから組むのだ!」


「あ! 指揮官発見なのです! とう!」


「あと誰か俺を守れーーーー!?!?!?」


 ヘルクを吹っ飛ばしたルルがポリスに飛び掛かる。だが。


「お、俺が守ってやんよ!」


「しっかたたたたねええな!?」


「1人震えているが、3人なら!」


「にゅ!?」


 ポリスに向かわんとするルルだったが、そこに3名が立ち塞がり――。


「ルル、瞬間移動で回り込むのよ」


「あい! 『瞬間移動』!」


「「「あ」」」


「へ?」


 気が付けばルルはポリスの後ろにいた。命じたのはシエラである。

 シエラはここの司令塔なのだ。

 そしてシエラは、ゼフィルスのやることをもっとも見てきた1人である。

 ゼフィルスならここで瞬間移動し、指揮官をやっちゃうだろうとルルに指示を出したのだ。


「『ヒーロー・スターレイ』!」


「『ホーリーバリア』! ああああああああ!?」


「「「ポリスーーーーー!?!?」」」


 ルルの突きから放たれた〈六ツリ〉の星型の光線は、ポリスの防御スキルを貫通し、吹っ飛ばす。

 

 そして吹っ飛んだポリスの行く先には――クイナダがいた。


「なんか相手のヒーラーが吹っ飛んできたよ!? 討ち取ったーー! 『必殺・絶刀』!」


 クイナダの〈六ツリ〉『必殺・絶刀』はいつ斬られたかも分からないほど高速の斬撃。すり抜けながら斬られるため、分かったのはすでに青竜刀を振り終えた姿のクイナダだけだ。

 しかし、一瞬の後に「ズバーン!!」という音が聞こえ、ポリスのHPがゼロになる。


「「「ああああああああ!?」」」


「ヒーラーがやられたーーーー!!??」


「ポリスーーーー!?」


「ヘルプ姉御ーーー!?」


「まだまだー! あたいたちも行くよ!」


「いっけーゼルレカ! 『エネルギーチャージ』!」


「援護するよー!」


 と、ここで驚愕に叫ぶ〈天下一パイレーツ〉に挑むのはゼルレカ、アリス、キキョウ。

 キキョウを先頭にゼルレカが大剣を振りかぶりながらジャンプ斬りする。


「んな!? ええい! 『船長スペシャルアックス投げ』!」


 だが、それに1人の【大海賊船長】が斧を投げる。対象はゼルレカだった。だが、


「『痛いの痛いの飛んでいけ』!」


 キキョウの〈六ツリ〉が炸裂。これはダメージ(痛い)をどっかに飛んでいかせるスキル。つまり実質ダメージの無効化だ。さらに、飛んで行かせる方向も決めることができる。だって【嫉妬】だもん。効果時間は現在0.8秒だけだが、その間受けたダメージを他の人に肩代わりさせてしまう強スキルだった。

 ゼルレカに斧が命中してダメージを受けるも、すぐにダメージが無かったことになってHPが戻り。そして、


「ぐはああ!?」


 斧を投げた【大海賊船長】、とは別の人がなんかダメージを受けていたのだ。

 しかも、ゼルレカはVITの低いHP型なのでダメージがやたらデカかった。

 だが、さらにまだ続く。


「隙ありだーーー!! 『ライフフォース・アトミック』!」


「ああああああ!?」


 それはゼルレカの〈六ツリ〉、これはいわゆるライフバースト系。

 自分にダメージを与える代わりに大威力の攻撃を放つ強力な物理攻撃スキルである。

 ゼルレカの【怠惰】の下級職は【ハイニャイダー】、ブラッディ系やライフバースト系と相性の良いスキルが大量にあるために【怠惰】もこういうスキルを覚えるのだ。


 そしてここでもコンボ発生。

 自分にダメージ(痛い)を与えるライフバーストをキキョウの『痛いの痛いの飛んでいけ』発動中に使うとどうなるか。

 なんとゼルレカが本来受けるはずだったダメージも相手に負わせることのできる、超罪深いコンボに変貌するのである。

 これぞ【怠惰】と【嫉妬】のとんでもない大罪コンボである。


「バカな!」


「一撃だと!?」


 そして一撃でまだ紹介も済んでいない震える男子君は退場。


「おのれ! だが俺は【アベンジャー】だ! 仲間がやられるほどに力が増すんだ!」


 おっとここで自分の職業(ジョブ)を丁寧に紹介してくれる【アベンジャー】男子君が、赤黒く染まった禍々しい剣を振りかぶった。

 あと一応言っておくが、彼は【冒険者(アドベンチャー)】ではない。【復讐者(アベンジャー)】だ。(←ここ重要)


「『復讐の鬼斬(おにぎ)り』!」


「おにぎりなのです!?」


 なんかルルが反応していた気がするがそれは置いておき、かなりの攻撃力を誇る攻撃が放たれようとするが。


「『あなたの技は怠惰だね』!」


「がふふん!?」


 ここでゼルレカの超デバフが相手のスキル、魔法、ユニークスキルに対して発動。効力が半減するデバフが炸裂して力が抜けたのだ。


「てい!」


 そしてキキョウにスキル無しで普通に防がれてしまう。さらに、


「アリス!」


「えーい『雷神竜・インフィニティ』!」


 アリスがとんでもない攻撃を発射。

『雷竜アターック』よりも遥かにとんでもない姿の巨大な雷の竜は、『エネルギーチャージ』を使っていたためにさらに強くなっている。

 そしてぶっちゃけると、これはゲーム〈ダン活〉の〈雷属性〉単体魔法では最強に当たる魔法だった。〈耐性無視〉に〈雷属性無効無視〉、加えて〈バフ無視〉が付与されている竜である。


「嘘だろ?」


「うおりゃああ! ユニークスキル―――『大海賊船発射』!」


【アベンジャー】男子君は強力なスキルを使ったばかりで動けず、【大海賊船長】がユニークスキルで相殺を狙うが、『雷神竜・インフィニティ』は『エネルギーチャージ』もしているので格も劣っておらず、INTがとんでもない数値になっているアリスの魔法ということもあってユニークスキルを秒で食い破ってしまった。

 たとえユニークスキルであっても、格が同じであればステータスと威力の勝負なのだ。


「うおおおおお! 『復讐剣・アベンジャーソウルスラッシュ』!」


 ここで硬直の解けた【アベンジャー】男子も参戦。

 だがそれすらも、アリスの雷竜を止めるに至らず。

 なにしろ最強育成論によって育ったアリスのINTは、実に3500を超えているのだ。

 彼らは良くて1000ちょっと。差が明らかすぎた。


「ついでに『エンド・オブ・バイタリティ』!」


 さらにゼルレカから防御力、魔防力、素早さが超低下するデバフを掛けられてしまって。


「あああああああああ!?」


 ズドーーーンと直撃。一瞬で【アベンジャー】男子のHPはゼロになってしまうのだった。

 ついでにルルも横からドーン。


「とどめなのです! 『神世界インフィニティ』!」


「あ」


 それは必中攻撃。

 避けタンクですら必中攻撃を回避できる回避スキルを使わないと避けられない多段攻撃の斬撃。

 ルルに斬られた【大海賊船長】男子もまた、退場していってしまったのだった。



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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
ゼルレカは全裸カウンター+自損ダメージなすりつけか。 RTAとか低レベ攻略のレギュラーになってそう。 あと冒険者はアドベンチャラーじゃない? アドベンチャーじゃ冒険ですよ。
レベル差や装備差を考えたら苦戦しすぎな気もします。
サターンが勇者で、ゼフィルスが魔王かな?
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