#1630 南側総進撃!ゼフィルスから見て全部大成功!?
「おっしゃナイス!」
「ぶい!」
パチンと合わせるハイタッチ。
そう、〈東1巨城〉が〈エデン〉に落ち、巨城の天辺には〈エデン〉のエンブレムが入ったフラッグが立っていたのだ。
「な、ななななな、なあああああああああ!?!?!?」
「ふふふ!?」
「そ、そんなバカな!?」
「嘘だろおおおおおおおお!?!?」
〈天プラ〉たちはそのギルドフラッグを見て愕然と驚愕を混ぜた表情で叫んでいたよ。
だが、そんなことをしている場合じゃないぜ?
「カルア!」
「ん! 『神速』!」
喜ぶのも一瞬、ハイタッチした瞬間には俺はすでにカルアに指示をし、カルアもバフを使い、神速の勢いで南のマスの獲得を狙っていたからだ。
カルア六段階目ツリーの1つ、『神速』。素早さと移動速度をとんでもなく上昇させる、超強力なバフだ。これを掛けて駆けたカルアは、近接戦闘を仕掛けることすらできないレベルの速度になる。
そう、俺たちの侵攻はまだ終わっちゃいない。
次の狙いはもちろん――まだ陥落していない〈東2巨城〉だ。
「! いかせん!!」
「通る!」
それにいち早く気が付いたのはサターンたちだった。
さすが、驚愕慣れしてやがる。復帰も早い。
俺たちは〈東1巨城〉の西側面のマスを取って攻撃していた。そのすぐ南隣接マスはまだ赤の保護期間中。
故に〈東2巨城〉へ行くには一度南西へ向かい保護期間を迂回する必要があった。
南側で巨城を攻撃していたサターンたちはそれにすぐに気が付き、進路を塞ごうと南西に1マス移動(図AM―10)。サターンたちは迂回してきた『神速』のカルアを遮るように範囲攻撃を繰り出してきたのである。
なんという執念か。
「喰らえ! ――『ハザードプロミネンスアグニ』!」
「ふふ、もうあの時とは違うのです! 『大大・大切斬』!」
「ぶった切れー! 『サン・アンガー』!」
「俺様を通り抜けられては困るぞ! 『戦士・フラーッシュ』!!」
それは範囲攻撃の〈五ツリ〉の連打。
特大の炎の光線が走る大魔法。
特大の光の剣による薙ぎ払い。
特大の太陽のように輝く錨が突っ込み。
ヘルクの身体から目映い閃光が放たれた。
だが、カルアがその程度で止まると思ってもらっては困る。
「ユニークスキル――『ディスアピア・モーメント』!」
カルアがそれを発動した瞬間、カルアへ大量の攻撃が降り注いだ。そして一瞬のあとには小城は奪われていた。
「「「「がはーーーーっ!?!?」」」」
そして小城が奪われたことで外に弾き出されるサターンたち。
「な、なにが起きた!? なぜ小城が!?」
サターンたちは混乱しているな。無理も無い。
いや、よくあの神速のカルアに攻撃を当てようとしてきたよ。
カルアも、これは当たると思ったみたいで、ユニークスキルを使っていたくらいだからな。サターンたちがすげぇ成長をしている。
カルアの新ユニークスキル『ディスアピア・モーメント』は――完全回避スキルだ。
絶対に、どんな攻撃でも、必中デバフですらも回避してしまう。奥の手中の奥の手。
たとえ四方向から、逃げ場無しで撃たれても平気で回避する最強技。
しかも効果時間が長く、移動しながらでも使用できるのがこのユニークスキルが回避最強技と呼ばれる所以だ。
カルアはこれを使い、ほぼすり抜けるようにして回避し、そのまま小城にタッチしたのである。
そう、この状態のカルアはどんな攻撃だろうが止められず、必ず小城をタッチされてしまうのである。鬼強っ!
ちなみに止めるためには防御スキルを使うと良いのだが。
「それは自分で考えてくれ――ということでさらばだ!」
「ま、待てゼフィルスー!?」
そしてその横を悠々と抜ける俺。
さーて、〈東2巨城〉もいただいちゃいますか!
俺はサターンたちを抜き去り南側へ3マス移動。
その後、進路を南東に変更して斜めに真っ直ぐ〈東2巨城〉を取るルートで進む。
途中〈天下一パイレーツ〉の保護期間が消えたマスを踏み(図AN―14)、そのまま〈東2巨城〉へ斬り込まんとした。
もちろん、俺はこの時、前じゃなく周りも確認している。
主に西側と南西、そして南側だ。
これは〈エデン〉のメンバーがちゃんと動けているか、作戦は上手く進んでいるか確認するためである。
〈エデン〉のメンバーたちはそれぞれ、それこそほぼ全方向に動き、各9城の巨城、そして赤本拠地を目指した。
まずは北側。ここにあるのが〈西1巨城〉〈北巨城〉〈東1巨城〉の3城。
最初に奪い合うのは〈北巨城〉だが、俺から言わせれば全ての巨城を同時攻略するのが最善だ。
理由は〈北巨城〉を狙う隙を突かれ、お互いの側にある〈◯1巨城〉を奪われてしまうから。
故に北側では、俺とカルアがまず〈北巨城〉を目指す、と思わせて最も遠い〈東1巨城〉を目指した。
そして本当の〈北巨城〉担当のエステルとフィナがその後を追いかける形で〈ロードローラー戦法〉を使い、マスを取りつつも〈北巨城〉を目指し、後続もそれに続くという戦法。
さらに俺がさっき言った、〈西1巨城〉側に入れさせないことも重要。
本拠地からほぼ真っ直ぐ真北へ進み、観客席までマスの線を敷いて相手の通行を妨げる担当。(図Q―13)
これにはアイギスとカイリが担当してもらい、観客席まで真っ直ぐにマスを取ったのち、進路を北西に変更して〈西1巨城〉を狙ってもらう。
これにより観客席と本拠地まで保護期間の線が張られたことで、相手が入れなくなるという寸法だ。
とはいえ、これは俺とカルア、そしてエステルとフィナの〈ロードローラー戦法〉が抜かれた場合の砦という三段構えの防止策だったのだが。
結局俺とカルアが完全に相手を封じ込めてしまったので出番無しだった。
見る限り、この作戦はどれもちゃんと進められて、大成功しているな!
さらに〈救済巨城〉である〈西2巨城〉は、ここは本拠地に一番近いこともあり、すぐに戻って本拠地を守るためにハンナやラナ、シズ、リーナ、フラーミナの5人が担当した。こちらは本拠地からの後続無しで5人で落としてもらう。
続いて、南側。
〈西3巨城〉と〈西4巨城〉だがこれはほぼ同時に向かうスタイルでOK。
途中まで道が同じなのだ。
〈北巨城〉〈東1巨城〉ルートと同じだな。
故に、スピードのあるツーマンセルは〈西4巨城〉を目指す1組で十分。
これはラウとルキアが担当した。
万が一〈西4巨城〉で相手とバッティングした場合にも備えた一手。
ラウとルキアが相手とか、足止め要員としても十分だろう。
だが、そもそも〈西4巨城〉までたどり着けるかという問題がある。相手にインターセプトされたりしてな。
つまり相手にインターセプトされないルートを選ぶ必要があるわけだ。
この〈九角形〉フィールドの南側は、障害物である観客席が絶妙な置き方をされており、自陣本拠地から真っ直ぐ南下して〈◯4巨城〉へ進めないようになっている。
迂回するしかないのだ。
そして白本拠地から〈西4巨城〉へ向かうルートは2つ、観客席を西から迂回するか、東から迂回するかだ。
この時、ちょっとした地形の罠に陥りやすい。
東から回り込んだ場合、かなり中心地に近い位置まで回り込まなくてはいけない関係上、相手とバッティングしやすく、またちょっと頑張れば、なんと〈東4巨城〉まで取れそうな感じなのだ。
そして、相手とバッティングするということは、その場所は要所。
抑えておけば自分のチームが有利になるため、初見では東側から回り込もうとする人が多いのだ。
なにせ、西から迂回しても東から迂回しても、巨城までマスは同じく22マス掛かる。
どっちから行っても同じなら東回りだろうと考えてしまうのだ。
だが、それは罠。
実は西側から行った方が早い。
これは、斜めに進むマスを数えてみれば見えてくる。
そう、マスは真四角。上下左右に通過するよりも斜めの方が対角線が長いのは自明の理だ。
そうして数えてみれば、西から回り込むとき5マス斜めに進めばいいのに対し、東側からだと斜めに9マス進む必要がある。ちなみに赤本拠地から〈西4巨城〉までは斜めに17マスだ。
僅かの差と侮るなかれ。
たった数歩の距離が明暗を分ける。
〈ダン活〉古参プレイヤーはそのことをとても重要なことだと認識していたのだ。
この僅かな差で巨城が奪われたら、悔やんでも悔やみきれない。
故に俺は、西回りからラウたちを派遣した経緯がある。
そして東側から回り込ませたメンバーは当然。〈西4巨城〉の防衛と〈東4巨城〉できれば〈東3巨城〉を狙う人員を向かわせている。
カルアに続く〈エデン〉の高速メンバーズ。
――パメラ、ミジュ、クイナダ、ゼルレカだ。
あとがき失礼いたします! お知らせ。
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〈九角形〉フィールド。
〈エデン〉VS〈天下一パイレーツ〉戦!
南側と本拠地を目指してる部隊はこうなってる図を公開!
タンクをメインとしたメンバーが本拠地からフィールドの中央付近で戦闘中!
これは〈キングアブソリュート〉VS〈千剣フラカル〉でもありました。
相手に自陣本拠地へ近づけさせない防衛の戦法!
〈西3巨城〉と〈西4巨城〉へのルートは、白本拠地の真南にある観客席を西側に回り込むようにして取得!
この方法なら〈西4巨城〉は相手がインターセプトしてきても、よほどの速度の差がなければ〈西4巨城〉は確保できます! そして移動速度の申し子であるルキアが居れば〈西4巨城〉が奪われることは、まず無いでしょう!
そして〈東3巨城〉担当は〈エデン〉最速の2番手と4番手であるミジュとパメラのツーマンセル!
彼女たちの辿った軌跡はそのまま相手が南側に攻めてくるのを防ぐ防波堤! ついでに〈東3巨城〉まで奪えれば最高の結果でしたが、さすがに距離が遠すぎた! なんとモニカギルドマスターがすでにルートを塞いでいる!
〈東4巨城〉はもしパメラとミジュが防波堤に失敗したとしても大丈夫! 〈エデン〉最速の5番手と6番手であるゼルレカとクイナダのツーマンセルです!
さらにそれに追随する形でレグラムとオリヒメのツーマンセルも〈西4巨城〉を守る線を敷いてブロック!
また〈西2巨城〉ではなにやらバトル勃発!?
〈天下一パイレーツ〉最速のツーマンセルがハンナたちに!
いったいどうなってしまうのか!
まだまだギルドバトルは始まったばかり!
楽しんでいってください!




