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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十五章 〈エデン〉上級上位ダンジョン一番乗り!

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1822/2115

#1592 〈空島ダン〉徘徊型戦。ライオンどうしたよ!




 2層からも凄かった。

 なにがって? もちろん宝箱がさ!

 さすがに1層ほどではなく1階層につき20個くらいに落ち込んだが、それでも宝箱が落ちているのだ。たまに〈金箱〉も混じってる。

 テンションは上昇しっぱなしだよ! もう次の階層に潜るのが楽しみ過ぎた!


 でも〈ミミック〉、おめぇはダメだ!

 こいつ〈守氷ダン〉の時に飽き足らず、ここでも出てきやがって!

 出た瞬間成敗してやったよ!


 そんなことを続けていたら、余裕で階層を次々突破しており、ギミックもどんどん解き明かして1月7日には70層を突破。最奥の80層までもう少しというところに来ていた。


「それじゃあトモヨちゃん、いくよー」


「いつでもいいよー」


「スリーでいくよ、1、2、3!」


「ポチッとな」


「建物の扉の解錠を確認」


「状況クリアですわ!」


 72層ではとあるギミックが隠されていて建物への侵入を拒まれたのだが、飛んだりしないと降りられない空島の下部分に扉の開閉スイッチが2箇所あり、そこを同時に押せば扉が開く、というギミックだった。

 現在防御に優れるトモヨと悪魔を使役出来るシヅキが同時にスイッチをポチし、ギミックを解除したところだ。


 戻ってきたトモヨを労う。


「トモヨ、お疲れ様だ」


「おつ~」


「ただいま~。いやぁ、なんであんなところに建物の開閉スイッチ作っちゃったんだろうね?」


 それは言わないお約束だ。

 確かに、島の下部分、飛行持ちなどじゃないと行けない場所にスイッチとか、明らかに不具合である。

 まあ、それを言ったらダンジョンのギミックなんて不具合だらけなのだ! むしろ扉を開けられる時点で不具合かもしれない。侵入を拒みたければスイッチなんて作らなければいいのだ! と、これも言わないお約束である。


「空島はあと8箇所よ、分担していきましょ」


「「「おおー!」」」


 もうすっかり空島のギミックには慣れたようで、メンバーたちが散っていく。

 建物には転移陣が4個もあり、さらにギミックを解除すれば3箇所の空島に橋が架かる仕様だった。それぞれが72層にある7つの空島に通じている。そのどれかに当たりの階層門があるので、7パーティに分かれて出撃していってもらったのだ。


「それじゃあ私たちは、残り1つだね!」


「今回もお宝ザックザクだよ! あのお宝は全てぼくのものだ!」


「いや〈エデン〉のものだからな? ――フラーミナ、アルテ、頼むぜ」


「おっけー!」


「任せて頂戴です!」


 そして実は、この8つ目の空島には転移陣や架け橋ではいけないのである。

 じゃあどうやってそこへ向かうのか? そこには何があるのか?

 もちろん、空を飛んで向かうんだよ! そして特殊移動じゃないといけない場所には、お宝がたっくさんあるのがお約束だ! 海に浮かぶ孤島と同じ類いである。

 見ろ、ニーコの『お宝レーダー』が激しく反応しているぞ!


 9班のフラーミナ、カタリナ、ロゼッタ、アイギス、アルテに1班の俺たちを加えたメンバーで騎獣に乗り、特殊移動じゃないといけない空島へと向かう。


 うーむ、最近〈ワイバーン〉から〈バハムート〉に特殊進化したワダラン、かなり乗り心地が良い。無論、〈バハムート〉は〈竜〉種である。ゼニスに続き、2体目の〈竜〉をゲットしたときはなかなかに騒がれたんだぜ。

 姉妹揃って〈竜〉の保持者だ!

 今ではアイギスとアルテの2人を〈竜騎姉妹〉なんて呼ぶ者もいるとか。


 え? なんで〈ワダラン〉が特殊進化してるのかって? そんなの俺が――おっとここから先は秘密である。『竜特殊進化解放』スキルを持つアイギスに手伝ってもらった、とだけ。

 でもゼニスはワダランをあまり見つめないであげて?

 ワダランがあせあせしてるから。

 姿がかっこよくなっても性格はワダランのままで安心。


「ゼフィルスさん、次は私と2人乗りなどは……?」


「リーナとシエラとラナにすごく止められているから……ダメ」


「少しならバレません!」


「前もそれでバレただろ!?」


 なお最近、アイギスがぐいぐいとゼニスに2人乗りをしようと迫ってくるのだ。

 前にそれで快くオーケーしたら、〈竜〉に初めて乗ってテンションが暴発し、正座することになったのだ。

 今はテンションを制御できる自信はあるものの、俺はリーナたちからアイギスと一緒に騎乗するのはダメと言われている。アルテはいいのに? はて?


 なお、一度だけこっそりやってみたら、なぜか一瞬でバレて再び正座することになったのは記憶に新しい。

 冬の大地は冷たかったよ。


 ちなみに、なぜかアイギスは全く懲りずに俺を誘惑してくるんだ。裏でアルテがアイギスに何かを唆している気がするのは気のせいか?

 こうしてリーナたちから離れると特に。あまりに魅力的すぎて揺らいでしまいそうだ。

 しかし、今度こそヤバいと『直感』さんが訴えてきているので、俺には首を横に振ることしか出来ない。


「勇者君何をしているのだね! 〈金箱〉が5個も見つかったよ!」


「なんだって!? すぐに行く!」


「あ」


 ニーコの言葉にこれ幸いとワダランから飛び降りてダッシュ!

 ふう。なんとか今日も大丈夫そう。


 (はな)小空島(こそらじま)は小さいので探索もすぐに終わって楽勝。

 72層の戦果は、〈銀箱〉12個と〈金箱〉1個と〈ミミック〉4体だった。

 だから〈ミミック〉はダメだって言ってるだろ!? なんだ4体って!! どうなってんだ!?


 でも離れ小島風の空島があると〈木箱〉が少なくて大変良きです。


 73層では徘徊型と遭遇した。


「徘徊型出たよ!」


「全員迎撃態勢ですわ!」


 カイリとリーナのナビが最高で、奇襲なんてへっちゃらだ。


 空島の徘徊型は〈空自慢三首(そらじまんさんくび)グリュプス〉という、超巨大で頭が3つあるグリフォンだった。

 しかも頭がそれぞれ鷲、鷲、ライオンで、最後のライオンどうした? というよく分からない姿をしている。

 開発陣によると鷲、鷲、ライオンではなく、(たか)(わし)、ライオンの頭らしいのだが、鷹と鷲の違いなんて分からないのでプレイヤーはみんな揃って「ライオンどうした?」と言っていたっけ。


 まあグリフォンって元ネタが鷹と鷲と獅子だからな。その関係だろう。

 確かに、こうして見るとライオンだけ浮いてんのよ。


 こいつが風のブレスと咆哮を大量にばらまいて空島を台風直撃みたいにしてきて大変なのだが、まあ、風くらい慣れたもの。

 建物は破壊されないのでパーティがばらけているときは建物に逃げ込み、最初の空島に集まって迎撃準備。

 いやぁ、安全な場所があるとか空島は優しいなぁ。いや本当に。


 まあ、空中でバッティングする時もあるので、その時は墜落=〈敗者のお部屋〉が待っているのだが。あれはなかなか厳しいのよ。

 だが地上があるならばこっちのもの、サクッと倒す。


 3パーティ、1班、2班、9班で挑み、ヴァンとシエラとカタリナとロゼッタがタンクして抑え、俺たちアタッカー陣がぶっ倒して終了だ。

 あとこっちにはフラーミナがいたので怪獣決戦みたいになっていて面白かった。


 3ハンディだから強かったことは強かったが、シエラが側に居るこの安心感。

 カタリナの結界が暴風や咆哮を防ぎ、鋭い鉤爪で接近戦をすればシエラがドカンと防いだりカウンターカマしたりして最高。

 人VS巨大怪獣みたいな構図なのに防御勝ちとか、ロマンしかなかった!


「自分も負けないであります! 『集光の強盾』!」


「いいぞヴァン! ナイスだ!」


 ヴァンは〈ミーティア〉も使っている〈魔法使いの箒杖〉を装備して空中タンクのスタイルを実行中。超かっこいい。


 ヴァンは両手杖を片手で持てる『ライトウェポンアッパー』と『レフトウェポンアッパー』スキルがあるため、もう片方に両手盾を持ち、空中でもタンクが可能だ。

〈魔法使いの箒杖〉の特性は「飛行効果を発動中は杖からスキル・魔法・ユニークスキルを使えない」なので、もう片方の手に装備ができれば、そちらからスキルは発動出来たりする。


 空中戦も相性が良いとか、ヴァンを今回パーティに加えたのはそういうわけだ。


 ロゼッタはヒーラーを守る盾を担当。

 だったのだが、ほとんどシエラが防いでしまったのであまり出番は無かったな。


 そしてドロップしたのは、もちろん〈金箱〉だった。

 しかも、ニーコと〈幸猫様〉の恩恵も加わり、なんと3個!

 徘徊型ボスの〈金箱〉は最上級ダンジョン級に匹敵する!


 そして中から出てきたのは。


「こ、これは!! これとよく似た銃に、ぼくは見覚えがあるよ!?」


「『解析』! これは〈真銃(しんじゅう)・デザートグリフォン〉と言うそうです」


「ぼくの〈デザートグリフォン〉の上位装備なのかい!!」


「やったなニーコ! これでボスをどんどん倒せるぞ!」


「う、嬉しいのに嬉しくない!? ボスは遠慮したいんだよ!?」


 それはまさに最上級ダンジョン級の装備だったんだ!

 ニーコの装備がパワーアップするよ! やったじゃん!

 しかし、ニーコは抵抗してきた。

 だが、その抵抗は永くは続かなかった。だって、


「ちょ、2つ目の〈金箱〉からも同じ銃が出たんだよ!?」


「「なんだって!?」」


 フラーミナの声に俺とニーコの声が被った。

 なお、俺は喜色を浮かべた声だったのにニーコのはなぜか絶望の声色だった気がしたのは、きっと気のせいだろう。


「やったじゃんニーコ! 二丁拳銃が揃ったぞ! これは〈幸猫様〉が『ニーコよ、もっとボスを倒せ』と言っているに違いない!」


「違いある! ぼくは違いあると声を高くして主張するんだよ!」


 ニーコがまたも抵抗してきたが、何しろ最上級ダンジョン級の装備が二丁である。

 俺たち〈エデン〉メンバーの中でもかなりの強力な装備を身に着けてしまったことに違いはない。これはもっと頑張ってもらわなければ!


「いったいなぜこんなことに!?」


 結局ニーコはこれからもボス戦にたくさん参加することになった。


 そして3個目の〈金箱〉だが。こっちは〈上級転職チケット〉だった。

 また仲間ハズレ!? ライオンどうしたよ!?





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
>〈金箱〉が5個も見つかったよ! >72層の戦果は、〈銀箱〉12個と〈金箱〉1個と〈ミミック〉4体 んん? 〈金箱〉5個のうち4個がミミックで、離れ小島以外では金箱もミミックも出なかった……?
某曲の「どうしてこんな目に に に」の部分がとてもよく似合いそう
ニーコの受難の日々はこれからも続く。 全員に最強の装備が行き届くまで。
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