#1584 伝説のクマパンチストレートもシエラで一発よ
「ビビビ、パンパカパーン! 第二形態、第二形態、〈ロボッ子パレード〉モード」
「「「「ピピピピピ!」」」」
「なんかいっぱい出てきたわ!」
「おもちゃの軍団なのです!」
「遊び放題?」
「いや、あれは敵だからな!? いや、遊びと言えば遊びに違いはないが」
大量に出てきたのは、なんと玩具ロボの眷属たち。
車にドリルを装着した玩具やブリキにポールハンマーを背負った玩具、この世界にはないはずの新幹線型の玩具に戦車型の玩具なんてものもある。なお、みんなクマの顔が描いてあったりする。
〈ダン活〉プレイヤーからは口を揃えて「な、なんじゃこりゃーー!?」と言われた第二形態だ。
そんな玩具がどこからともなく、言ってしまえばフィールドの境界線(?)から続々と押し寄せてきたのだ。
カルアの言う通り、これで遊べということだろう。(違――わない?)
「『フルライトニング・スプライト』! パレード開催だ!」
そしてパレード開催の雷の花火が放たれた。ロボッ子軍団の方に。
「「「「「ピピピピピ!?!?」」」」」
「まだまだー! 『シャインライトニング』! 『ライトニングバースト』! 『サンダーボルト』!」
「全部殲滅すればいいのね! 『聖光の宝樹』! 『聖光の耀剣』! 『光の刃』!」
「「「「ピピピピピ!」」」」
「2人とも、ゼフィルスとラナ殿下に続いて!」
「容赦はしないのです!」
「ん、遊んであげる」
〈エデン〉VSロボッ子軍団。
ロボッ子軍団の大きさは大体1メートルも無いくらい。
それが40台から50台くらいの密度で攻めてきているのだから中々の絵面だが、今までたくさんのダンジョンを攻略して来た俺たちがそれくらいでビビるなんてことはなく、俺が率先して開幕の花火を打ち上げたらみんな付いてきた。
「「「「ピピピピピ!」」」」
ロボッ子軍団もただやられるだけじゃない。
新幹線型はやっぱり速く、高速で突撃してくるし、戦車型は砲撃をバンバン発射してくる。
そしてブリキがハンマーを振りかぶって駆けてきて、ドリル車がロマン溢れる回転音を出しながら突撃してきた。さらには、
「――ビビビ、クマ投ゲ」
なんと本体が眷属をぐわしと掴んでぶん投げてきたのだ。それ絶対クマミサイルより威力下がってるだろ!?
だが、所詮は眷属。
「弾き返すわ――『アジャスト・フル・フォートレス』!」
ここでシエラが使ったのはまさかの最強技。
城の盾を創り出す『アジャスト・フル・フォートレス』だった。
砲撃、ブリキ、ドリル、クマ投げがぶつかり、そして全てがこれを貫けず弾かれる。
さらに新幹線型だけは先陣を切って走り抜けてきたため、後方の部隊から孤立。
「とう!」
「ん!」
そこへ素早いルルとカルアがやってきて処理していった。
さすがの連携だ。シエラが壁を出した瞬間、みんな何をすべきかしっかり把握していらっしゃる。
「ビビビビビ!」
「ミサイル来るぞ!」
「『カバーシールド』!」
もちろん本体からのクマミサイルも来るのでシエラがしっかりと防ぎきる。
眷属なんで投げたし!
本体は軍団の奥だな。俺とラナの魔法でじわじわダメージを与えているが、さすがにこのままだと時間が掛かるか。さらに、
「ビビビビビ、変形!」
「にゅ!?」
さっきは3度も失敗したが、味方がいる今ならばと、なんと今度こそ変形を実行しようとする。しかし、
「『大聖光の十宝剣』!」
「ビビビ―――!? 変形失敗!?」
またもラナの無慈悲な十宝剣で爆発。
そろそろ変形後が気になってきたぞ!
「また脚が攻めてきた!」
「そっちが攻めてきてくれるのなら好都合なのです! とう!」
また二足歩行型の下半身がダッシュで攻めてきた、上半身を置いて。
下半身にはカルアとルルが攻撃を敢行する。
相手が攻めてきてくれるのなら好都合。
また第一形態の二の舞にしてやんよ!
「ビビビ――『クマ新幹線ミサイル』! 『クマブリキロボソード』!」
おっとここで上半身がロボ軍団で武装して攻撃を放ってきた。
新幹線がミサイルとなり突っ込んで来て、さっきのクマ投げはいったいなんだったのかというレベルで剣に変形したブリキを投擲してきたのだ。かなり危険。
さらに。
「あ、あれって――〈クマフォン〉!?」
「あっちには〈ビビルクマジロー〉っぽいものもいるぞ! ロボだけど!」
なんと歴代のニセグマ――の形をしたロボたちまでロボ軍団として登場してきたのだ。「歴代のクマ」ではなく、「歴代のニセグマ」というところがポイント。
マジパナイ。
グリフォン似の〈クマフォン〉に、俺を唯一ダウンへ追い込んだ〈ビビルクマジロー〉。忘れたくても忘れられないモンスターたち!
「! まさか、あなたまで出てくるなんてね、〈クマアリクイ〉」
「ピピピピ! ――ピ?」
あ、〈クマロボ〉が〈クマアリクイ〉ロボをぐわしと掴んで!?
「クマ投ゲ!」
「ピピピピピ!」
「〈クマアリクイ〉ロボを投げてきたーーーーーーー!?」
歴代のボス来ちゃった!
「『ディバインシールド』!」
「ピ!?」
そしてシエラの盾にズドンとぶつかり、
「うおおりゃああ! 『ライトニングスラッシュ』!」
俺に斬られて消えていったのだった。
ふう、中々の強敵だったな。(無傷)
「ボスさんたち弱々さんなのです! 『小回転斬り』! 『ローリングソード』!」
「ナイス! 『シャインライトニング』! 半身も巻き込むぜ!」
ルルが範囲攻撃と素早いでんぐり返し斬りで軍団を吹き飛ばし、俺も追撃を噛まして一掃。
下半身にもダメージを与えつつ2本目のHPバーを削っていく。
「ビビビ――下半身避ケルノダ! 『アルティメット・クマビームオーバー』!」
「それを待ってたぜ!」
懲りずに上半身がなんか特大のビームをカルアとルルにぶっ放す。
だが、避けろだって?
ダメ。
知らなかったのか? 勇者からは逃げられないんだ。
「『勇者の剣』!」
「―――!?」
クマビームから逃げようとする下半身、タイミング良くジャンプする寸前、若干屈んで脚を溜めたところを斬るのがコツだ。
「――ア!? ビビブハァ!?」
よってまたもクマビームは下半身に直撃してしまう。
ダウン発生!
「総攻撃だーー! シエラはロボッ子を留めてくれ!」
「分かってるわ。ここよ――『カウンターバースト』!」
やっぱりシエラの盾が最強。
ロボッ子軍団はその耐久力が並外れて高い上に、倒してもどこからともなく補充されるというとんでもなく厄介な特性を持っている。
つまり、数が減らないのだ。歴代のボスたちも紛れて〈クマアリクイ〉ロボが2体とか3体に増えているから大変。
タンクが1人だと、物量に押し切られることも多い。
マジなんじゃこりゃーだし。
さらにそこへボスまで加わってくるのだから本来の第二形態はかなり難易度が高いのだ。
しかし、シエラが優秀過ぎて第二形態も大した活躍も無く2本目のHPバーがゼロになる。
そう、優秀なタンクが抑えれば乗りきれるのさ。
「ビビビ、クマッタゼ―――第三形態、第三形態――〈超合体ロボモード〉」
「! 来るか!」
だが、本当の本番はここから(?)。
こいつの本領発揮は、まさに第三形態だからだ。
今まで変形を妨害できていたが、今度は『形態変化』のため妨害できず、姿が変わっていく。
なんとロボッ子軍団を全て飲み込む勢いで合体していったのだ。
胸と顔にはドデカい鬣を生やしたクマの顔が1つずつ。
腕にはいくつもの巨砲がついていて、一目で強烈な一斉射撃が可能だと分かった。
脚には新幹線が合体しており、エステルのように〈足特装型戦車〉のような形で走ることが可能。
全長で20メートル近くにもなる大型のボスになってしまう。
そして一番目に付くのはその長ーいリーゼントポンパドールかと思うほど頭から伸びた特大の主砲。
―――その名も〈クマ砲台〉。
ここから放たれる攻撃は見た目通り超強力で、タンクですらノックバック耐性が無ければ防御スキルを使っていても吹き飛ぶこともある、とんでも大砲だ。
もちろん弾はクマ砲弾が使われている(?)。威力は絶大だな!
「ビビビ、合体完了、一斉射撃!」
「いきなりか! ラナ八障壁!」
「うん! 『慈愛と守護の八障壁』!」
「『ディバインシールド』!」
合体が終わった瞬間、〈クマロボ〉は後ろ脚を揃え、前脚をやや広げるポーズを取ったかと思うと、四脚の砲と顔のクマ、そして頭の主砲から一斉攻撃をぶっ放したのだ。
ラナには防御スキルを指示、シエラも合体盾を出して俺とルル、カルアを守ってくれる。
そして主砲が命中した『ディバインシールド』は、なんと半壊。
4つの盾のうち2つが吹っ飛んでしまうほどの衝撃を受けたのだ。
「ぐっ! なんて威力の攻撃なのよ……!」
やっべぇ、シエラの『ディバインシールド』が半壊とか筋肉たちに突破されて以来だ! あの時よりも〈栄光宮守の腕輪〉の『防御スキル全昇LV10』でパワーアップしているはずのスキルを半壊させるとか!
主砲がどれほどヤバいかがこれで理解出来たと思う(?)。
しかもである。これは〈超合体ロボモード〉なのである。
そしてコイツの名は〈変形ロボ・時々・合体ロボ〉。
実はまだ〈変形ロボ〉が残っている。
「ビビビビビ! 変形!」
瞬間、なんと今まで合体していた40台から50台の眷属が分離して、ミサイルの代わりにシエラに襲い掛かってきたのだ。
「! 『聖四方盾』!」
「うおおりゃーー! 『フルライトニング・スプライト』!」
すぐに防御&迎撃。
シエラを中心に4つの盾が囲んで身を守り籠城、そこに眷属が囲ったため、俺が雷の花火で吹き飛ばした。シエラの盾にもダメージが入るものの、フレンドリーファイアはダメージ90%カットに加えて盾への攻撃ということでそのダメージは微々たるもの。
問題は無い。
そして新しく出てきたロボ軍団たちが〈クマロボ〉に合体していき、変形。
本体はなんと、ついに変形完了させてしまったのだ。
「何あれ?」
「クマさんなのです! 超クマさんなのです!」
なんと四脚のクマ(?)型から変形したのは――二足歩行のクマだった。
何言っているのか分からないだろ? 俺も同じ気持ちさ。
「立ったから、なんだっていうんだし!?」
いや、ロボ系なら四脚から二足になるロマンはわかる。確かに強そうな見た目になっているさ。
実は俺たちは身動きしていないから四脚の方は役に立っていないように見えるが、あれはスピード型。
俺たちが逃げようとすれば、この広大なボス部屋を駆け回り追いかけ、変形して二足になったクマがその豪腕でぶっ飛ばすという、超強力な変形ロボなのだが、見た目が大問題だ。
まあいい。俺もパワーアップだ!
「『勇気』!」
「ルルも負けていられないのです! 『変身・プリンセスメイクアップ』なのです!」
おっとルルもパワーアップ!
ふふふ、そっちが変形ならルルは変身だ! どうだ!
俺もちょっと変身が欲しくなったのは秘密。
「ビビビビビ! 今コソ伝説ノ『アルティメットクマ・スペシャルパンチ』!」
「うおおおりゃああ!! 『ディス・キャンセル・ブレイカー』!」
「とう! 『ディストラクションブレイカー』!」
相手が繰り出してきたのは強烈なクマパンチ。
あの頭の主砲と同等の威力があると言えばどれだけとんでもない攻撃かがわかるだろう。
そこへ、俺とルルが同時に『ブレイク』系を使って真っ向から斬った。
――相殺!
「ビビビ!?」
「まだまだなのです! 『インフィニティソード』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『クレセントスラッシュ』!」
「『聖剣』! うおおりゃあああ! 『スターオブソード』!」
『聖剣』で動きを一瞬止めてからの『スターオブソード』。
ルルも大攻撃をガンガン打ち込んでいた。
「ビビビ! 〈超合体ロボモード〉! 射撃開始!」
「『完全勇者』! 俺には効かーん!!」
「とう! 『斬空逃罰』なのです!」
これに〈クマロボ〉は後退して合体ロボにチェンジ。射撃で俺たちを倒さんとするが、無敵モードで対処。主砲も効かないぜ!
そしてルルはこれが相手は逃げたのだと判断し、逃げたら必中&大ダメージの『斬空逃罰』を放った。ズドンと入ってノックバック。
ここにカルアが来たる。
「『急所一刺し』! ぶっすり」
「ビビビビビ!?」
音も無く忍び寄り、急所……かもしれないクマの顔面がある胸にナイフを突き刺すと。20メートルの巨体がダウンした。多分本日6回目くらいのダウン。
『急所一刺し』が相変わらずヤバすぎる!
どうやらカルアは今まで眷属を相手に立ち回っていたようだが、〈超合体ロボモード〉になって眷属が消えたため、こっちに加勢に来たようだ。ナイスタイミング。
「総攻撃だ! 『雷属聖剣化』!」
「とう!」
「ん!」
「さっきは良くもやったわね! ちょっと面白かったじゃないの!」
ガツンと良いダメージが入ったな。
俺はこいつの弱点である〈雷属性〉を叩き込み、凄まじいダメージを稼ぐ。
ユニークスキルでパワーアップしているので面白いようにダメージが入るのだ。
だが、ダウンが終わり、〈超変形ロボモード〉になったこいつは、再び二足クマになって強烈な攻撃を叩き込まんとする。だが、
「無駄よ――『カウンターノヴァ』!」
「ア!?」
シエラが眷属もろとも吹き飛ばしてしまったのだから爽快。
眷属を出したり、一斉射撃を放ったりと手数が多く、かなりの難敵ではあったものの、みんなも徐々に慣れていき、強力な攻撃はシエラが今度こそしっかり受け止めて対処した。
「ビビビビビ! 今コソ伝説ノ『アルティメットクマ・スペシャルパンチ』!」
「ここよ! 『アジャスト・フル・フォートレス』!」
「ビビ!?」
なんと最後は防御勝ちを掻っ攫ったシエラ。
究極で伝説のクマパンチでも防御勝ちされればどうしようもない。
弾かれてノックバックした〈クマロボ〉は、再びカルアによってノックバックダウンを取られてしまい(7回目)、総攻撃。
ここでようやく〈クマロボ〉のHPがゼロになる。
「ビビビ、機能……停止……」
そう言い残し、ガクンと崩れ落ちると膨大なエフェクトを発生させて消えていく〈クマロボ〉。
「あ、ラナ、ブレス!」
「! 忘れてたわ! 『プレイア・ゴッドブレス』! セーフ!」
ここで大切なことを思い出すことに成功!
そういえばラナにはまだ祝福を掛けてもらっていなかった。
だが、セーフ。
ギリギリだったが、膨大なエフェクトが消えたそこには、1つの〈金箱〉が鎮座していたのだった。




