#1581 徘徊型ドロップは、専用装備シリーズ全集!?
「うおっしゃーー! 徘徊型ボスから〈金箱〉が2つ出たぞー! これは最上級きたんじゃないかー!?」
「やってやったんだよー!」
俺が高らかにバンザイしてシャウトすると、ニーコも目を逆三角にしてうおーした。
むろんニーコには『レシピドロップ率アップLV10』と『装備全集ドロップ率アップLV10』を発動してもらっている。
まずは防具を揃えないとな!
「ゼフィルス様」
「なんだいシェリア君?」
なぜこのタイミングで様付け? 思わず君付けで呼んでしまったじゃないか。
「ここはルル、フィナさん、エリサさん、アリスさん、キキョウさんに共同作業で〈金箱〉を開けてもらいましょう」
「そういえばロリレンジャーが5人揃ってた!」
「ロリ、レ?」
うっかりしていたぜ。シェリアが激しく反応するのもわかる。
でも5人で共同作業はさすがに無茶じゃない? ロリしかいないぞ!?
「いや、ごほん。さすがにそれはむずかしいんじゃないか? 折衷案として〈金箱〉を前に記念撮影というのはどうだ?」
「…………ゼフィルス様は天才ですね。では5人+私で」
「シェリアはブレねぇな~。とはいえ、考えてみれば記念撮影するのは悪い手じゃない」
確か学園長は記録に残るじゃろう的なことを言っていたし。
そこに徘徊型〈金箱〉写真も加えるのは悪くない。むしろいい。
上級上位ダンジョンに初挑戦し、そして攻略したのはこの49人のメンバーでした、という記録が残るんだ。
ありだろう。
今回で言えば、「上級上位ダンジョンの徘徊型、初撃破記念!」といったところか。
まさかこんな大事なことを忘れていたなんてな。
しかもそれがシェリアの欲望90%くらいの会話で思いつくなんて。こんなの後世には残せないぞ。なんちゃって。
よし、そうと決まれば記念撮影開始だ!
「みんな、記念撮影をしよう! まずは全体写真、次に個別で取るぞ!」
まずは10人で記念撮影。
スクショにはちゃんとセルフタイマーモードもあるので、適当に〈空間収納鞄〉から台になりそうなのを出してセッティング。
〈金箱〉2箱が入るようにして、その間に10人が並ぶ構図にする。
「なんだかこういうのもいいわねフィナちゃん!」
「はい。学園は500年存続してきました。その歴史に私たちも写真と一緒に刻まれるというのは、とても名誉なことだと思います」
「シェリアお姉ちゃん。ルルはこの手袋を取った方がいいのです?」
「悩ましいですね。そのままのルルも残しておきたい気持ちがあります。小さい指でピースするルルも捨てがたいですが、そちらは個別撮影の時に取っておき、今回は手袋ありで」
「あい!」
「ゼルレカも一緒に撮れれば良かったのに~」
「でも今向かってきているみたいだから、後で一緒に撮ろう?」
「うん!」
「カルア、身だしなみはしっかり整えるのだ。ほら、ここ崩れているぞ。直してやるから動かないように」
「ん」
「なるほど、記念撮影。これはぼくでも思いつかなかったね。記録を残すのがとても大事なことだとは理解しているはずなのに、こんな単純なことをどうして見落としていたのか。勇者君とは後で話し合う必要がありそうだよ」
「おーい、そろそろ撮るぞ~。10秒後に撮るようにセットする。ああシェリアはもうちょっとリカの方に寄ってくれ。ちょっと位置が不自然だぞ」
「いやです」
「いやってどういうことだし!?」
ルルの真後ろに居たシェリアに抵抗されるも、俺が入る位置を調整することでなんとかバランスを整え、セルフタイマーモードをセット。
俺がシェリアとリカの間に入る形で、パシャっと撮影。
確認したのち、1発で良い感じの「徘徊型撃破記念撮影」が撮れたため、続いて個別の撮影に移る。
まずはシェリアからの要望で、ロリレンジャー5人と〈金箱〉をパシャ。
続いてロリレンジャー5人にシェリアを加えたパターンでパシャ。
カルアとリカをパシャパシャ。
「勇者君。あとでぼくの研究を手伝ってくれないかい? 記録に写真付きで残しておきたいものがたくさんあるのだよ」
「ほう? 俺にも見せてくれるならOKさ!」
「さすがは勇者君、話が分かるね!」
「ただし、厳選はしてくれよ?」
ニーコとは研究の協力願いを取り付けられたが、さらなる〈ダン活〉の情報を得たい俺としてもこれは協力は惜しまない。利害は一致した!
「ゼフィルス」
「シエラ!」
ここでシエラたち到着!
つまりは徘徊型を倒し、安全が確保されたため他のメンバーが集まってきたのだ。
見ればリーナやカイリの班もいるので、文字通り全員がこの場に集まったわけだ。
「まだ〈金箱〉は開けていないぞ! その前にまずは記念撮影をしよう!」
「記念撮影! いいじゃないの!」
「なるほど、記録を残すのはとても良いことだと思いますわ!」
説明するとラナやリーナを始め、反対意見はゼロ。
ということで今後は記録に残すためのスクショ運用が始まることになり、49人での最初の記念撮影が行われた。
徘徊型ボスを倒して迷路がボロボロになった通路で。
しかし、〈金箱〉がここから動かせないので致し方なし! パシャ!
「それで徘徊型は、どうだったのかしら?」
「いやぁ強かったぞ? その名も〈悪魔・時々・天使ユニット〉って言ってな。悪魔は槍使い、天使はダメ使いで――」
「……ダメ使い?」
「おう。天使からダメって言われると、アクティブスキルが失敗してしまうスキルだったんだよ。おかげでキキョウの挑発スキルやらリカの防御スキルまで消されてな」
「……トモヨの『失敗予告』みたいなものかしら? なるほど、天使スキルね」
「キキョウのユニークスキル無しだとかなり手間取っただろうな。キキョウがいなかった場合は、ダメが1度に1人しかできないみたいだったから、こっちの母数を増やして、ダメされる確率を低くして対抗するのが最善だと――」
今回はキキョウのおかげで楽させてもらったが、【嫉妬】の禁止がなければパーティを増やして対抗するのが正解だ。その分ハンディは増えてしまうが、例えば20人で挑んだ場合、ダメされる確率は20分の1になる。残り19人は行動が可能なのだ。
20人とか、まるでレイド戦だな。
まあ、もちろんこれも最上級に向けてレイドに慣れておけよというメッセージである。人数を増やすことが最善のボスを出すことで、大人数のバトルを意識させてくる、開発陣の狙いだろう。
「…………」
つい熱中してシエラに徘徊型の感想を語っていると、なぜかシエラの瞼がほんの少し下がってきているように見えた。む、もうちょっとでジト目に……!
「もうゼフィルス! 何やってるの、早く〈金箱〉を開けましょう!」
「! おっとそうだったな! 〈金箱〉を開けるぞ!」
と、ここでラナから催促!
俺としたことが、まだ〈金箱〉を開けていなかったんだぜ!
シエラへの徘徊型共有はあとにして、まずは〈金箱〉オープンだ!
「ルルが開けたいのです!」
「アリスも開ける~!」
「ぼくも開けたいのだよ!」
いくつかの声が上がって、最終的にルルとアリスが共同作業で開けることになり、ニーコは1人で開けることになった。
俺はスクショを撮るのに忙しいからね。ほら、シェリアがこっち見てる。
その代わり〈幼若竜〉はシェリアに任せた。
ルルとアリスの組み合わせは、ありそうで初めての貴重なシーン。
ロリレンジャーの中でも最も小さいメンバー2人での〈金箱〉開けシーンだ。
これはスクショが唸らないはずもなし。
俺は激写した。記念撮影の時よりも激写した。
「レシピなのです!」
「シェリアおねぇちゃん、『解読』して~」
「はーい。『解読』です!」
「読めるようになったのです!」
「〈傲慢悪魔シリーズ全集〉?」
「【傲慢】!?」
「今【悪魔】って言った!?」
なんと1つ目の〈金箱〉からは全集ゲット! 全集ゲットだ!
しかもそれだけじゃない。【大罪】職の1つ、【傲慢】の名がつく装備シリーズだったのだ!
これにはフラーミナとシヅキが素早く反応して声を上げる。
「見せてルルちゃん、アリスちゃん!」
「どうぞなのです!」
そして近くに居たために即行動したエリサによって、内容が明かされる。
「これは、【悪魔】か【傲慢】の専用装備? 〈傲慢悪魔〉と書いてあるけど、恩恵は【傲慢】でも【悪魔】でも受けることができるみたいね」
そう、これは【傲慢】と【悪魔】が装備できる専用装備だ。【ルシファー】とか超最適だよ。
厳密にはどちらか、ではなくどちらも対象だが、INTが爆上がりする形なので魔法使い向けの全集レシピだな。フラーミナ、エリサ、シヅキ、全員が装備できるだろう。
1発目から大当たりだな!
続いてニーコの2個目。
こっちはなにが出るだろうか?
「頼むよ〈幸猫様ファミリーズ〉。ぼくに良いものを届けておくれ!」
そんな勢いのついたお願いをしつつニーコがもう待ちきれんとばかりに開けた〈金箱〉の中には、またもレシピが。
シェリアが『解読』を使ってくれると、またもやこれがシリーズ装備の全集だということが判明する!
「これは、〈嫉妬天使シリーズ全集〉!?」
「今度は【嫉妬】と【天使】の専用装備か!」
「知っているのかい勇者君!?」
「勇者だからな! じゃなくて、名前でそうじゃないかと思っただけだぜ?」
「…………」
あぶねぇ! ニーコがとてもネタに走りやすい振りなんかしてくるものだから危うく釣られそうになっちまったじゃないか! でも誤魔化したからきっとセーフだろう。(アウト)
2枚目のレシピは1枚目と同系統、【嫉妬】と【天使】系の専用装備シリーズだった。
まあ、あの天使が使っていた『天使のブレーキ』とか、【天使】や【嫉妬】系のスキルだったからな。こっちにも影響はあるだろうさ。
こちらはVITとRESが爆上がりする効果なので、【嫉妬】や【ガブリエル】などが着る専用装備だな。タンク用だ。だがキキョウもトモヨも装備更新を終えたばかりだし、ちょっと換装するか悩むな。
ちなみにこっちは鎧。さっきの〈傲慢悪魔〉の方は軽装系だ。
もちろん2つとも最上級品だぞ!
「これは早速アルル君に作製してもらわないといけないね!」
「徘徊型のレシピと知ったら、アルルは驚くぞ~。となると、たくさん鉱石などもゲットしておかないといけないな!」
「〈激しいシリーズ〉を使った採集ね! 腕が鳴るわ!」
「よーし続きいってみよう! 今日は徘徊型はもういない! いつも通りガンガン進むぞー!」
「「「おおー!」」」




