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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十五章 〈エデン〉上級上位ダンジョン一番乗り!

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#1574 11層からは色区画。ギミックは進化する?




 6層からコンソールの種類が増えたが、しばらく探索し10層まで来れば大体の法則が分かってきた。


「コンソールの色によって開かれる扉が変わる。扉の奥にある部屋も法則性があるみたいですわね」


「〈赤、黄、青〉なら階層門。〈緑・青〉なら採集部屋。〈赤・黄・黒〉ならモンスターパニックだな」


「そしてコンソールに無い色のボタンが〈金〉。これは押すと宝箱が出るだけでしたわね。警戒していましたのに」


 コンソールのランプには法則性があり、どのランプを光らせるかでどの部屋に行けるかが変わるというのが〈幻迷ダン〉だ。


 今言ったように〈赤、黄、青〉の信号機なら階層門へゴーである。これは覚えやすいな。


 続いて〈緑・青〉なら採集部屋。

 ここでは『採取』『伐採』『釣り』が可能だった。

 実はこの後にも〈黄・緑〉というのも出るのだが、そっちでは『発掘』『採取』『伐採』が出来たりする。


〈緑〉=『採取』と『伐採』。

〈青〉=『釣り』。

〈黄〉=『発掘』。

 というように色で採集出来るものが分かれている。

 奥に進めば〈青・黄・緑〉なんていう採集部屋に進むコンソールも現れるぞ。


〈赤・黄・黒〉はモンスターパニックだ。というか扉が開くと同時にモンスターが迷路内に大量に溢れ出す仕様だ。特にその階層のエリアボスを撃破していないとエリアボスも混じっているので結構やっかい。

 まあ、まだ階層が低いこともあり難なく撃破出来たけどな。


 今後〈黒〉のボタンを見つけても押さないように注意しよう、ということになった。


 そして〈金〉には今のところコンソールは無い。〈金〉は〈金箱〉の金だ!

 押すと宝箱が出現するボタンである。素晴らしい。是非うちにも欲しい。

 ちなみにこれは結構色んな所にあるぞ。普通のダンジョンでは行き止まりなんかにあるランダム宝箱だな。

 それ、ボタンを押す意味があるの? ランダム宝箱なら普通に置いておけばよくない? と思うかもしれない。実際俺もそう思っているし。


 だが、これの意味は後々分かることになる。


 また、これらは全て1つボタンを点灯しておけば、コンソール全てのランプが光る仕掛けだ。

 例えば〈青・緑〉を揃えて採集部屋が開こうとも、その色がリセットされて消えることはないので、そこからさらに〈赤〉と〈黄〉のボタンを押せば〈赤・黄・青〉が揃って階層門の扉も開く形。2回同じ色を押せば大不正解というのはそういうことのようだ。押す必要無いよという意味。


 ちなみに、現在押した色をリセットする方法は分かってない。というか無い。

 1日経って毎朝5時に発生するダンジョンリセットが起こらないとランプは消えない仕掛けだ。

 あ、ダンジョンリセットっていうのはフィールドボスやエリアボスが復活するあれな。


 そのためトラップの色には注意が必要だったりする。〈黒〉とか。


「うおおお倒したよーーーー!」


「お、ニーコの勝ち鬨だ! 〈金箱〉の時間だぞーー!!」


 リーナと話していたのは10層。守護型ボスの居る階層だ。

 つまりはお察し。

 前回はラナとノーアが頑張ったからね。今回の守護型はニーコにと、そういうわけである。

 これまでの情報を纏めている間に2パーティに10層ボスを任せていたのだが、無事撃破できたようだ。


「お疲れ様だ!」


「こらー! 勇者君、こんな初ボスをぼくにやらせるんじゃないよー!? 結構危うかったんだからね!?」


 ニーコの抗議が聞こえた気がしたが、きっと照れ隠しだろう。

 何しろそこには、なんと〈金箱〉が2つも鎮座していたのだから!

 さすがはニーコ! ニーコさすが!


「やったなニーコ! 上級上位ダンジョンの〈金箱〉が2つだぞ!」


「さては勇者君、ぼくの話聞いてないね!?」


 大丈夫だ。10層ボスはそんな強くはない。

 ランク1ダンジョンの5層や10層ボスは、基本ネタボスだ。

 俺がニーコたちの戦闘から目を離していたのも、ニーコたちなら負けることは無いと分かっていたからに他ならない。


 しかし、飴は必要だ。


「さあ、ニーコ。記念すべき上級上位ダンジョンの〈金箱〉を開けるときだ! いったいなにが入っているのかな? 気になるだろ? 気になるよな?」


「ぬ、う、そりゃ、気になるが?」


「開けてみようぜ?」


「…………そうだね。せっかくの〈金箱〉だ」


 飴完了。

 いつも頑張ってくれているニーコに〈金箱〉を開けさせてあげるのにみんなも不満はない様子。

 そしてニーコが開けた〈金箱〉からは、〈上級飴玉HMポーション〉のレシピが出てきたのだった。


 本当に飴玉出ちゃった!?


「こ、これは。飴玉ポーションのレシピだって!?」


 飴玉ポーション系。

 わざわざポーションをグビッと飲まなくても、口の中で転がしているだけで少しずつ継続回復していくポーションのことだ。

 ポーションを飲むという隙を限りなくセーブできるというのが利点で、タンクでは愛好家が結構な数いるという話だ。スキルが唱えにくいという欠点もあるらしいが。


 研究者のニーコにとってはどうなんだろう? 良い感じの当たりなのかな?

 ちなみに〈上級飴玉HMポーション〉もハンナは量産出来るぞ。

 名前の通りHPとMPの両方を継続回復してくれて、飴玉が舐め終わるまで効力が続く。

 リアルだとどのくらいの時間なのかは分からないが、最大で500くらい回復してくれるので悪くない。ハンナが作れば2.1倍で1050回復だ! 素晴らしい。


 ちなみに後日作ってくれた飴玉はリンゴ味やミカン味など、色々な味から選べるようになってた。これはニーコの研究とハンナの生産の成果らしく、大ヒットすることになるのだが、それはまた別の話だ。

 なんか〈エデン〉の倉庫にすでに数え切れないほどある〈芳醇な100%リンゴジュース〉を材料にしたとか聞いた気がしたが、きっと気のせいだろう。




 あともう1つの〈金箱〉からは例の如く〈上級転職チケット〉がドロップした。

 …………次行ってみよう!


 11層からはようやくこのダンジョンの本当の姿になる。

 コンソールも少し増え、ちょっと特殊な形態となって、それがずっと続くのだ。


「今度は〈赤〉のみのコンソールですか、一色というのは珍しいですわね」


「逆に黄と青はボタン自体が無い。次の階層門に繋がるための〈赤・黄・青〉のコンソールが無いということだ」


「これは、いったい? それに迷路も4分の3程が探索できません」


 今までになかったパターンにリーナも戸惑う。

 これまで半径200メートルのドーム状迷路だった。

 そこが11層では倍くらいの大きさとなり、その4分の1しか探索ができなかったのだ。

 そしてコンソールは〈赤〉と〈黒〉の単色のみ。ボタンも〈赤〉と〈黒〉のみがあった。


 さらに侵入できない迷路には、壁の色が赤と黒で塗られていたのだ。まるで赤エリアと黒エリアを示すように。

 こうなれば、大体の全貌が見えてくる。


「おそらくだが、〈赤〉のコンソールを起動すると、この赤の迷路を探索出来るようになるんだろう。〈黒〉のコンソールを起動すれば、こっちの〈黒〉エリアが探索できる」


「つまり、新しく侵入できるようになった通路、迷路の奥に残りの〈黄〉と〈青〉のボタンと階層門へ続くコンソールがある、ということですわね?」


 俺はリーナの問いにうむと頷いた。

 上から俯瞰して見ると、この11層は4区画に分かれており、俺たちがいるエリアを抜くと、ちょうどクロスするように赤区画、黒区画が左右にあり、奥に黄区画が存在する作りとなっていた。

〈赤・黄・黒〉はモンスターパニックの色。


 もうお察しかもしれないが、これ、全区画に入るために〈赤・黄・黒〉のボタンを押すと、漏れなくモンスターパニックがオープンするというギミックなのだ。

 2つの区画だけに入ってモンスターパニックを起動させたくないのなら、〈黒〉はスルーが吉である。


 だが、俺たちは調査も兼ねている。


「まずは赤区画に入ってみましょう。ですが、最終的には黒の区画も行ってみませんと」


「後続が困ることになるかもしれないからな。俺は賛成だ」


 というわけで、まずは赤区画に入り探索する。そこには案の定〈黄〉のコンソールがあった。同時に〈赤・黄・青〉のコンソールが鎮座していたのだった。これは階層門のコンソール。いきなりの赤エリアが当たりだったということ。

 しかし〈青〉のボタンが見つからない。あるのは〈黄〉のボタンだけだったからだ。


「〈青〉のボタンは黄区画にある、ということですか?」


「もしくは黒区画だな。つまりは〈黄〉のボタンを押すか、〈黒〉のボタンを押して別の区画に入る必要がある」


「それなら〈黄〉の区画1択ですわね。階層門は〈赤・黄・青〉ですもの。〈黄〉を押さない選択肢はありませんわ」


 と言うリーナの意見に頷き、〈黄〉を起動して黄区画に入ると、〈青〉のボタンがしっかり存在していた。〈緑〉のボタンもあったので、採集活動にも精を出す。

 同時に赤区画では〈赤・黄・青〉のコンソールを点灯させたことで、次の階層門も確認出来た。


「となると、ここで〈黒〉を押せば」


「モンスターパニックが発生するな」


 ここにきてみんな同じ事を考えたのだろう。

 黒の区画はおそらく、最初探索するのならばモンスターパニックが発生すること無く探索することができる。

 だが、今の状態で〈黒〉を起動すればモンスターパニックが発生し、それは黒の区画から押し寄せてくるのだろうと。

 なにしろここまでの探索で11層では未だ〈赤・黄・黒〉のコンソールは見かけていないからだ。


 そして黒の区画にはちょっとしたご褒美で〈金〉のお宝がいくつかあったりする。

 まあ、これを知っているのは俺だけだけどな。


「だんだん、この仕掛けが分かってきましたわね」


「最初に黒区画を探索しておけば? いえそれでも黄区画に入るには〈赤・黄・黒〉を起動することになるわね」


「?? 黒区画に入る意味ってあるのかしら?」


 リーナ、シエラ、ラナが首を捻る。

 黒区画がある意味に見当がつかないのだろう。

 実は黒区画にも〈青〉のボタンがあったりする。〈緑〉は無いけどな。

 最初に黒区画で〈青〉を点灯させておけば、その後に入った赤区画で〈黄〉を押して階層門が開かれ、黒区画からモンスターパニックが押し寄せてくる前に12層へ逃げることが可能だったりする。その場合は黄区画には入れない。


 つまり11層では黄区画に入るか黒区画に入るかを選ぶことが出来、黄区画には採集部屋、黒区画には宝箱が鎮座していてどちらかを獲得できる。という仕掛け(ギミック)になっているのだ。

 まあ、モンスターパニックを倒せば全てをいただけるのだが。


 そして〈エデン〉が選んだ選択は、


「〈黒〉のボタンも押しますわよ。モンスターパニックくらい、跳ね返してやりますわ!」


「「「「おおー!」」」」


 ということで全区画制覇をすることになりましたー!


「あ、それならエリアボスだけ先に狩っておこうか。ハズレを起動しよう」


「……そういえばエリアボスは一度倒せば出てこないのでしたわね」


 うむ。エリアボスとモンスターパニックがセットになると厄介だが、ならば分ければ良いのである。

 というわけで、俺たちは最初にエリアボスを撃破し、その後モンスターパニックを発動して、〈乗り物〉で全部轢き倒して解決。

 黒区画の探索も行なったのだった。


 そして黒区画に〈青〉ボタンと複数の〈金〉ボタンがあることが分かったのだった。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
RPGツクールで作られたダンジョンのギミックを彷彿とさせるね。
本校の生徒は万人単位でいるから上級転職チケットが余ることはない。グランドフィナーレにまつわる不穏なイベントの気配もあるし、外のモンスターの強さが判らない以上、上級職がどれだけ増えても困ることはないだろ…
もはや上級転職チケットがただのチラシ扱いだな。 ゴミという訳ではないが、要らない。 むしろやり直しをするのに必要な下級の方が貴重かも?
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