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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十四章 〈エデン〉、上級中位ダンジョンを卒業する!?

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#1562 〈金箱〉と『ドロップ革命』が組めば竜武器!




〈マラガ〉がエフェクトの海に沈んでいき、残っていたのは――2つの〈金箱〉だった。

 もちろん『ドロップ革命』済み!


「うぉっしゃーーーー!!!!」


「やりましたわーーー!!!!」


 イエス、上級中位ダンジョンランク9の最奥ボス、撃破!

 イエス、〈金箱〉ドロップ!

〈幸猫様〉、いつも見守ってくださりありがとうございます!


「うわぁ~。なんかすごいことしちゃったって感じがするですよ」


「アルテ、お疲れ様です。最後の攻撃、素晴らしかったですよ」


「あ、あははは。私の聖獣化に掛かればこんなものですよ! ――みんな、ありがとうございますですよ~」


 アルテは自分で呼んだのに聖獣化による猛攻撃にちょっとビビってた。

 アイギスに労われてようやく気を取り戻していたが、言葉が若干乱れているな。

 そりゃあもう、なんか怪獣津波みたいな攻撃だったもんな。

 すぐに消えたけど、ド迫力な光景だったよ。そして、


「トモヨ。どうだった?」


「あ、ゼフィルス君。えっと、なんか、必死すぎたからあんまり実感が沸かないっていうか、なんというか」


「そうかそうか。だが、第三形態はまだ何かしらの奥の手のような攻撃を残していた可能性が高い。あれほど迅速に、何もさせずに倒せたのはトモヨがしっかり押さえたからだ。つまりトモヨのおかげだな」


「あ。うん……うん! なんかそう言ってもらえると実感出てきたかも!」


〈オビサルス〉戦で苦汁をなめたトモヨだったが、同じボスではないにしろチェーンダンジョンで格上のボスを撃破した。

 しかも今回は結構余裕だ。

 以前みたいにボロボロになって崩れても、なんとか生き残った。という形では無く、ガンガン攻めに出て動きを封じ、そしてトモヨのおかげで第三形態はほぼスキップ出来たようなレベルで倒せてしまった。


 俺の指示在りきにしろ、その指示を十全にこなしきったのはトモヨの実力。

 トモヨの成果だ。


 俺の言葉にようやく実感が沸いてきたのか、少しずつ高揚していく様子のトモヨ。

 よかったな。リベンジは果たせたようだ。


「ゼフィルスー! 倒したのねー!」


「お、ラナ。シエラ、みんなも!」


 とそこでボス部屋の入り口からみんなが入ってきた。

 キョロキョロとボス部屋を見渡し、火山頂上バトルフィールドもかくやという光景に目を見開く姿が散見されるな。

 だが、ラナの視線はしっかり〈金箱〉に向いていた。

 さすがだ(?)。


「ゼフィルス、お疲れ様。ここが最奥ボスのボス部屋なのね。でも、部屋と言うには……壁などがないのね」


「あ、そこが気になったか。まあそうだな。いつものボス部屋とは違う感じだしな」


 そう、ここは火山頂上バトルフィールドという特殊な形のボス部屋なので壁が無い。天井ももちろん無い。

 まあ正確にはバトルフィールドの端を囲むように流れている溶岩から先へは行けない仕様になってはいるが、見た目的には屋外である。少なくとも、部屋という感じはしない。


 実はこれ、チュートリアルも含んでいたりする。

 なんのチュートリアルかって? もちろん最上級ダンジョンのである。

 最上級ダンジョンではレイドボスが登場することもあってフィールドが広い。まあとても広いんだ。壁なんて作ってられないレベルで。

 そういう光景に慣れてもらうためだろう。少しずつこういう部屋と呼ばれているのに部屋じゃない場所というのが増えていくのだ。


 上級上位ダンジョンなんて、その次が最上級ダンジョンなため、最上級ダンジョンのチュートリアルとも言えるギミックがいくつも配置されているのである。


 この〈火山ダン〉も上級中位ダンジョンのランク9なため、その影響がほんの少し出ている、という訳だ。

 なるほど、みんながいつにも増してキョロキョロして驚いていたのは、このボス部屋の仕様にびっくりしていたのか。確かに、第二のダンジョンみたいだもんな。俺的には知っている光景だったので思わずスルーしていたぜ。


「ねぇねぇ! 〈金箱〉はこの2つなの!? ちゃんと『ドロップ革命』は使ったのよね!?」


 ブレないラナを見ているとどうしてだろう。なんだかとても安心する。

 俺は鷹揚に頷いた。


「もちろんだ! ノーアはやってくれたぜ!」


「おーっほっほっほ! 今回のボス戦では苦戦し、ゼフィルス様の手を多く煩わせてしまいましたが、ドロップだけは任せてくださいまし!」


「はっはっは! そんなことないぞノーア。あのカウンター捌き、見事だったぜ?」


「そんなことありませんわ。ゼフィルス様に教えていただけなければ有効な手段でダメージを稼ぐことは難しかったはずですもの」


「あ、あのお嬢様がなんて謙虚に」


「ゼフィルス、また何かしたのね?」


 クラリスがなぜか感動し、シエラがまたなの? というジト目で俺を見てくる。

 うおお! これが〈金箱〉を2つもドロップさせた俺へのサービスか!

 俺はとても気分が良くなった。


「よし、開けるぞ! 」


「それでしたら私も、是非!」


「それなら私は見学側に回ろうかな~。なんだか少し落ち着きたい気分なんだよ~」


「OK。もう1つの〈金箱〉はギルドマスターである俺が開ける。アイギス、アルテ」


「もちろん構いませんよ」


「私もいいですよ? でも中身はちゃんと見せてくださいね」


「おう! それじゃあ開けるぞ!」


 お祈り開始。


「〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉。いつも良いものをありがとうございます! どうか俺に力を。素晴らしいものを当てる力をお与えください!」


「別パターンで来たわね。幸運って力を授ける類いのものでは無かった気がするのだけど」


 真剣なお祈りにシエラが何かを呟いていたが、俺には聞こえなかったのだった。


「いざ、オープン!」


 ギルドマスターオープンだ!

 中に入っていたのは――よっしゃレシピ!


「エステル! 〈幼若竜〉は!?」


「すでに準備してますよ――『解読』!」


「お、おおおお! これは!」


 ミミズがのたくったような文字が日本語に変わり、読めるようになると俺はおののいた。


「まさかの〈竜武器〉系――しかもシリーズだとおおお!?」


「〈竜武器〉? 知ってるのゼフィルス?」


「知っているも知っていないもない! これはあれだぞ! 以前〈火口ダン〉のレアイベントで手に入れた〈竜〉もしくは〈ドラゴン〉の名の付く武器があっただろ? あれのレシピだ!」


「あ、あれの!?」


 そう、現在も現役で活躍している〈竜〉系の武器。

 カルアの〈ドラゴンダガー〉、リカの〈竜刀〉、メルトの〈竜杖〉、アイギスの〈ドラゴンランス〉などのことである。

 ラナの〈ドラゴンイヤリング〉と、シエラが以前使っていた〈ドラゴンカイト〉は書かれていないが、これがどれほど有用なレシピかは分かってもらえると思う。


「ゼフィルス、つまりこの〈竜杖〉もさらにパワーアップさせることが可能ということか?」


「その通りだメルト。生産品はドロップ品よりも性能を上げることができる。アルルに任せればもっと性能の良い装備を作ってくれるはずだ!」


「素晴らしいです! 是非私の〈ドラゴンランス〉もアップグレードしてほしいです!」


 メルトやアイギスがすぐ食いついた。

 これは食いつかずにはいられないだろう。

 シエラもちょっと反応し掛けていたが、〈ドラゴンカイト〉は書かれていなかったので残念。それに、シエラは装備を換装したばかりだ。さすがにパワーアップした〈ドラゴンカイト〉にまたチェンジとはいくまい。


「武器の種類は、〈短剣〉〈剣〉〈刀〉〈弓〉〈ボウガン〉〈棍〉〈ハンマー〉〈斧〉〈槍〉〈杖〉〈本〉〈拳〉〈銃〉〈砲〉〈マイク〉〈タリスマン〉、の16種。早速持ち帰って作製してもらおうと思う。上級上位ダンジョン解放までに全員分が揃うかは分からないが、かなりの戦力アップは見込めるだろう。まさに最高成果だ! はーーっはっはっは!」


「おーっほっほっほ!」


 近くに覗きにきていたノーアとパチンとハイタッチ。お互い高笑いが止まらん!

 ノーアなんて『十全武器展開』で10個の武器を使うため目の色が超変わってるもん。

 あれだけ強かったノーアがさらにパワーアップしてしまう!!


 もちろん『ドロップ革命』で出たこのレシピは上級上位(ジョウジョウ)級。

 文字通り上級上位ダンジョン全てで使え、さらに最上級ダンジョンでもほぼ最後まで現役を務められるほどの超武器だ。

 上級上位ダンジョンで最強と言えば〈竜〉のつく武器。


 まあ、最上級になると〈神剣〉や〈神槍〉などの〈神武器〉系や、宝剣(ほうけん)宝槍(ほうそう)などの〈宝具〉系が出てくるので、〈ダン活〉最強武器ではないのだが、現在の攻略階層を思えば最上品なのは間違いないだろう。

 やっべ、素材集めまくらないと!


「ノーアの方はどうだ!?」


「はい! 今開けますわ! きっと良いものが入っているに違いありません! 〈幸猫様ファミリー〉のみなさま、いつもありがとうございます。良いものをお願いいたしますわ! いざ!」


 続いてはノーアの番。りゃ、略した!?

 パカッと〈金箱〉を開くと中に入っていたのは――10個の玉だった。

 ほわっ!? こいつは、こいつはやべぇもの引いたぜ!


「『解析』! これは――〈竜玉〉というアイテムのようです。武器の強化に使えるものみたいですが。効果が凄いですね」


「見せてくれエステル。――こいつは、〈装備強化玉〉と〈スキル強化玉〉の上位版だな! これ1つで両方をマックスまで強化できるらしいぞ!」


 ノーアが当てたのはつまり〈装備強化玉〉と〈スキル強化玉〉の上位アイテムだった。俺の言葉を咀嚼したノーアがさらにキラキラした目で俺を見上げてくる。


「それは! 私の〈竜武器〉たちがさらにパワーアップするということですのねゼフィルス様! ちょうど10個ですわ!」


 見ろ。すでに〈竜武器〉を揃える気だぞ。しかも全部に使っちゃう気か!?


 しかし、これらは宝剣や宝槍にこそ使いたいものなのでしっかり保管しておかないといけない! 後でノーアをしっかり説得しないと!

 だが、楽しみが増えていくなぁ~。

 最上級ダンジョンに行ったときが楽しみです!


「よーし、これよりボス周回を始める! 〈竜〉系武器を作るためにはそれは多くのレアボス素材や最奥ボス素材が必要だと分かった! ノーアには頑張ってもらいたい!」


「! リベンジですわ! 今度はもっと上手くやってみせますわ!」


「頼もしい。頼もしいぞノーア! ――ニーコは見習うように」


「ちょ、せっかくぼくの身代わりが現れたというのにこっちに振らないでくれたまえ!?」


 ふははははは!

 身代わりなんて後1年半早いぞニーコよ!

 さぁ、全員分の攻略者の証と、ほぼ全員分の〈竜武器〉の素材集めを開始しよう!


 明日の夜まで周回だ!





 あとがき失礼いたします。


 大変お待たせいたしました。

 コミカライズ、第16話が更新されました!

「TOブックス コロナコミックス 〈ダン活〉」で検索してみてください。

(↑これをコピー)


 今回はラナとクルクル回!

 それを見るシエラの表情とセットでお楽しみください。

 マリー先輩も出るよ!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
エデンがまた強化されていく………。 こんな感じだと、他のギルドはため息を吐くしかないな。
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