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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十四章 〈エデン〉、上級中位ダンジョンを卒業する!?

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#1535 ブリーフィング。上級上位ダンジョン解放まで

 前書き失礼いたします。


 ハッピーニューイヤー!!

 新年明けまして、おめでとうございます!

 今年も〈ダン活〉を、よろしくお願いいたします!

 楽しんでいってください!




〈愛猫様〉歓迎会から結局食堂には行かず、一気に宴に突入してしまった日の翌日。


 今日は日曜日だ。


 そして、昨日ダンジョンに連れて行かなかったメンバーズのご機嫌を取る日でもある。


「このダンジョン週間中で、私はまた上級中位ダンジョンを攻略してやるわ!」


「おーいえー!」


 手を上げて宣言するラナに合いの手を入れるが如く乗る。ノリノリだ!

 ラナの言うとおり、学園祭が終わってからダンジョン週間に突入しているため、これから1週間はダンジョン入りたい放題だ。

 ラナも昨日の遅れを取り戻したいと気合いを入れているな。


 え? 今日も予定が入っているんじゃなかったっけ?

 なんか昨日そんなことを言っていたような。そう思ってシズを見ると。


「昨日で全て終わらせました」


「マジか~」


 昨日の時点で朝から仕事をしないといけないくらいには仕事量が多かったはずだが、ラナは全てを終わらせてきたらしい。

 ラナって優秀? ダンジョンへの執念を見た気がするぜ。


「そんなことよりゼフィルス、候補を出して頂戴!」


「ほいきた!」


 まあ細かいことはいいよな!

 今日の俺はラナのアシスタントみたいなものだ。

 朝からギルドハウスに集まってくれたメンバーの前にホワイトボードを持って来る。

 なお、なぜか黒子みたいな格好をしたサトルが補助してくれた。

 いや、ここは舞台ではないぞサトルよ。


「サトル、どうしたんだそれ?」


「いやぁ、学園祭で俺たちのクラスって劇をやったんですけど、その時衣装が余ったってことで貰えたんですよ。せっかくだから着ようと思いました!」


「ほー」


 サトルの在籍する〈支援課2年1組〉はニーコやカイリも居るクラス。

 なんか学園祭の出し物の中でもすげぇ人気で、上位の成績を修めたらしい。

 なんでも怪盗ニーコを追い詰める探偵カイリという、どっかで聞いたことのありそうな設定に加えて、悪の親玉サトールが現れ、怪盗と探偵が協力して倒す、というこれまた王道(?)のストーリーだったそうだ。


 なんでもサトルの役は、人々を不眠不休で働かせ世界を征服しようと企む〈黒死曲(ブラックデスマーチ)のサトール〉という大ボス役だったとのこと。

 なにそれ、俺も見てみたかったんだぜ。


 おっとちょっと脱線したな。


「ではこれより~、このダンジョン週間中で攻略するダンジョンを選ぼうと思います! もちろん上級中位ダンジョンです!」


「すっごく軽いセリフですのに内容がとんでもないですの!」


「〈エデン〉がまた上級中位ダンジョンを攻略する気だよ!?」


 サーシャとカグヤのツッコミが最高です。君たちも〈エデン〉の一員だよ?


「今回はみんなで行くわよー! 聞けばゼルレカたちもいつの間にか上級中位ダンジョンの入ダン条件をクリアしているどころか、すでに2箇所も攻略しているそうじゃない!」


「ああ。未だに信じらんねぇ。高位ギルドでも四苦八苦してようやく攻略できた上級下位ダンジョンを、僅か1ヶ月程度で抜けてきちまうなんて」


「分かる、分かるよゼルレカ。後で一緒にお話しよ?」


 ラナの言葉にゼルレカがどこか遠い目をしながら呟くと、隣の席のクイナダがなんかすっごく共感していた。

 そうだろうそうだろう。〈エデン〉は凄かろう?(←全然分かってない)


「それでゼフィルスに聞きたいのだけど。なぜ候補が上級中位ダンジョン、それもランク7以上しかないのかしら?」


 ホワイトボードに書き込んだそれを見てシエラがクールに言ってくる。

 さすがはシエラ、俺が今一番聞いてほしいことが分かっているんだぜ!

 俺はシエラの疑問に答える形で話を進行する!


「次の上級上位ダンジョンの入ダン条件を満たすためにも攻略必須だからと言うのと、未だどこのギルド・委員会も攻略に入っていないからだな! ということで目標はランク7以上とする!」


「またゼフィルス先輩がとんでもないことを言っていますの!」


「今度は上級上位ダンジョンに入るつもりだよ!?」


 うむ。サーシャとカグヤはすっかり〈エデン〉のツッコミ役で定着したな。

 素晴らしいツッコミだ。やはり2人のツッコミに目を付けた俺の目に狂いは無かったぜ。


「こほん。では改めてここに宣言しておくぞ!」


 一度咳払いで雰囲気をリセットして、続いてキリッとした真面目な顔で宣言する。


「〈エデン〉はこれから上級上位ダンジョンの解放を目指すために動く!」


「「「―――!」」」


〈エデン〉の最終的な目標は最上級ダンジョンを含む全ダンジョンの攻略だ。

 故に、上級上位ダンジョンなんてただの通過点でしかない。

 ただ、この世界では上級上位ダンジョンだって未知も未知。

 上級中位ダンジョンでもあれだけ騒がれたんだ。上級上位ダンジョンともなればどれだけの衝撃か、察するにあまりある。


 だが、さっきも言ったがこれは通過点。

 上級中位ダンジョンくらい楽に攻略できないと、最上級ダンジョンには到達できないぜ?


 ゲーム的な進捗状況を鑑みれば、現在は結構先に進んでいる。

 ゲームではこの辺でキャラを整えるために時間を使うからな。

 名声値が200に届いて王女か王太子をお迎えして【聖女】や【英雄】を仲間にできるのが、大体この辺り。

 キャラが揃えば自分のスタイルを追求して行く感じになるので一旦攻略をストップして、キャラの育成に力を入れることになるのだ。


 だが、俺たちはすでにSランクギルドであり、キャラは50人でフル状態。

 装備はまだこれからではあるものの、ここから一気に上級上位ダンジョンにいけるくらいには準備は整っている。かなり早いペースと言っていいだろう。


 余裕あるならもう少しゆっくりペースでも良いんじゃない? と思うかもしれないが、それはできない訳がある。

 俺は年度替わり辺りに最上級ダンジョンを解放したいのだ。

 そのためにはそろそろ上級上位ダンジョンを解放しておかないと間に合わないのである。


 この最上級ダンジョンの解放ができるのが、おそらく年度替わり辺りくらいしかチャンスが無いというのが理由だ。

 これについてはまた今度語ろう。

 今はただ、上級中位ダンジョンを早々に突破しようぜという話だな。


「現在〈救護委員会〉〈ハンター委員会〉〈攻略先生委員会〉は上級中位ダンジョンのランク2、〈守氷ダン〉を突破し、ランク4の〈聖ダン〉も続々攻略している状況だ。他の高ランクギルドも〈守氷ダン〉を突破して続々とランク4に入って来ている。〈千剣フラカル〉と〈百鬼夜行〉は先日〈聖ダン〉の60層を突破したそうだ」


 俺たちが〈聖ダン〉を攻略したのは夏休み。

 もう2ヶ月以上前だ。

 この間に他のギルドはどんどん追い上げてきており、もう真後ろまで迫ってきている。というか学園ギルドにはすでに並ばれているな!

 報告書(攻略本)を渡した甲斐があるというもの、とても素晴らしい!


 もう学園ギルドは涎を垂らして次の攻略情報を待っていることだろう。

 今はランク5の〈地下の魔界ダンジョン〉やランク6の〈登坂の豪雨ダンジョン〉に潜っているらしいので、俺たちは一足先にランク7以降のダンジョンを攻略してしまおうと思う!


「今公式学園ギルドは〈魔界ダン〉や〈豪雨ダン〉を攻略中だ。故に俺たちはランク7の〈大狼の深森ダンジョン〉、ランク8の〈禁足の大猫ダンジョン〉、ランク9の〈爬翔(ハショウ)の火山ダンジョン〉のいずれかを攻略して情報をあげたい形だな」


「……そうね、昨日の手応えを鑑みるに、攻略は可能そうだったわ」


「ああ。手順さえ間違わなければ、と頭に付くがな」


〈エデン〉の頭脳であるシエラとメルトはランク7以上のダンジョンに入るのは賛成のようだ。少し躊躇しているみたいだが。そんなもの、ダンジョンに入れば吹き飛ぶさ!


「ゼフィルス、そういえば上級上位ダンジョンの入ダン条件ってなんなの?」


「そういえばまだ言ってなかったか。基本は上級下位(ジョーカー)のときと同じだ。〈41エリアを2つ、46エリアを2つ、50エリアを1つの攻略〉だな。だが、これは最低条件だ。必ずしもこれに拘る必要は無い。どういうことかというと、〈50エリアの攻略は41エリアや46エリアの分としても計算できる〉という抜け道が存在するんだよ」


〈50エリア〉、つまりランク7以降のダンジョンを2つ以上攻略すれば、〈41エリア〉や〈46エリア〉の攻略が少なくても代わりになるよということだな。

 例を出すと、ランク7から10まで4箇所攻略していれば、あとどれか1箇所攻略するだけで上級上位ダンジョンに進める、という意味でもある。

 もしくはランク7からランク9まで3箇所攻略していれば、あとどこか2箇所攻略すれば条件達成となるわけだ。


 現在〈エデン〉のメンバーはそのほとんどが〈謎ダン〉〈守氷ダン〉〈聖ダン〉の攻略者。なので、あと〈46エリアと50エリアを1つずつ〉か〈50エリア2つ〉の攻略で上級上位ダンジョンの入ダン条件を満たせるというわけだ。

 なお、新メンバー組は補習としてもう1つ攻略な。


「いや、それは抜け道って言うのかな~」


「まあ、ゼフィルスにとっては抜け道なんだろう」


 俺のコメントにミサトとメルトが微妙そうな声だ。だが問題は無い。


「ということで、ランク7からランク9のダンジョンを最低2つ攻略するぞ! ゼルレカたちはもう1個追加で」


「たはは~、なんかそう言いつつ勢い余って3つ攻略しそうなんだよ」


「ゼフィルスならあり得るな。ところでランク10はいいのか?」


「ランク10の〈時計の狂塔ダンジョン〉は〈亀ダン〉みたいなダンジョンだからな。時間が掛かりすぎるからまたの機会にしておこうか」


 来年度、最上級ダンジョンが無事解放できて時間に余裕ができれば攻略したいところだな。

 続いて決を取ってみる。


「では多数決の結果を発表する! 結構意外な結果になったぞ」


 どことどこを攻略するのか。

 3つのうち、攻略するのは2つのダンジョンだ。そして多数決の結果。


「選ばれたのはランク7、〈大狼の深森ダンジョン〉。そしてランク9、〈爬翔(ハショウ)の火山ダンジョン〉だ!」


 なんと意外にも〈猫猫ダン〉を選ぶ人は少なかったため、この2つのダンジョンを攻略することに決定した。

 昨日〈愛猫様〉をお迎えしたばかりだし、猫を倒すのに抵抗があったかもしれない?


 これで上級上位ダンジョンを解放するために攻略するダンジョンは決まった。

 ではこのダンジョン週間で、どちらを攻略するかを決めようか。




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
はっぴーにういあーで御座います! ついに上級上位ダンジョンがゼフィルス以外の視野に入ってきた! そろそろゼフィルスの乗騎になるようなドラゴンも出て来るのかな?
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