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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十三章 〈エデン〉新たな仲間と2回目学園祭!

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#1491 最後に会うのは、天使な1年生、マシロ!!




 ヴィアラン会長へ〈聖ダン〉と〈亀ダン〉のダンジョン攻略の報告(お話)が終わると、俺はシエラ、シヅキ、エフィと共に〈救護委員会〉を出た。

 ヴィアラン会長、なんだか学園長みたくなってたよ。やはり祖父と孫だから似たところがあるのかもしれない。


 そんなことを振り返っていると、ピロリン♪とシエラの〈学生手帳〉にメッセージが届いたようだ。


「……マリアからだわ。例のマシロさんが乗り気でオーケーしてくれたので、一度会ってほしい、だそうよ」


「おお! これで【ラファエル】が加わるも同然だな!」


「【ラファエル】? 真白?」


「たしか、私たち以外にも打診してたんだっけ?」


 俺の反応に質問してくれるエフィとシヅキに説明する。


「そうだ。実は――ってその前にエフィはマリアって知っているか?」


「知ってる。〈ダンジョン商委員会〉の初代隊長。かなり優秀で〈エデン〉の下部組織(ギルド)〈アークアルカディア〉に所属してる有名人。面識はないけど」


「よく知ってるな。そのマリアから1人、1年生の子を〈転職(ジョブチェンジ)〉させて〈エデン〉に加入させられないかと、推薦されているわけだ」


「じゃあ、新しい〈エデン〉加入メンバーは合計3人?」


「いいや、4人だ。実はこうして新たに〈エデン〉に新たな加入者を増やそうとした切っ掛けがあってな――」


 俺は歩きながらシヅキとエフィを〈エデン〉へ誘うに至った経緯を説明した。

 ゼルレカがブルーになった所は省き、ゼルレカが〈エデン〉へ修業に来たとして、ついでに2,3人育てよう。〈転職制度〉も近いし、〈エデン〉もまだ枠があるしな。

 とまあ、そんな感じに。


「私が〈エデン〉に加われたの、そんな経緯だったんだ!? ゼルレカちゃん? には感謝!」


「ついでに2、3人育てようというのは、ちょっとよく分からないけど感謝」


「その都度1人1人育てるよりも、1度にまとめて育てちゃった方が効率的なのよ。〈エデン〉は効率を追い求めているギルドだから」


「「あ~」」


 シエラの説明に妙に納得という雰囲気を出す2人。まさに的確な説明だな。


 ◇ ◇ ◇


 まずはマリアと合流することになり、〈ギルド申請受付所〉の前で待ち合わせすると、すでにマリアと1人の女の子が待っていた。


「待たせたなマリア」


「全然、こっちも今来たところですよ。そっちの首尾も良い感じみたいですね」


「おう。〈救護委員会〉からエフィシスが加わってくれることになったんだ」


「新参者のエフィシス。気軽にエフィって呼んで。あと掲示板はよく見てる」


「あ、そうなんですね。私はマリアンヌ。マリアと呼んでください。こちらこそよろしくお願いいたしますね」


 マリアとは初対面だというエフィを紹介して、軽く自己紹介を交わし合う。

 その後、俺たちの視線がマリアのやや後ろからこちらの様子を見つめている女の子の方へと向くことになる。


「その子が例の?」


「そう。マシロちゃんです。ちょっと恥ずかしがり屋といいますか、ゼフィルスさんを前に照れちゃってるみたいですけど。――はい、マシロちゃん。挨拶挨拶」


「はい! お、お久しぶりです、マシロと言います! えっと、ゼフィルス先輩に会えて、とても光栄です!」


 マリアの後ろから出てきたのは、学生服姿、小柄でブラウン系の髪を肩まで流す、ザ・後輩という感じの女の子だった。頭の上の方には2つのボール付きヘアゴムでぴょこっとヘアミミが作られていて大変可愛らしい。瞳は大きく、こちらもブラウン系だ。

 なんというか、ハンナと同じような普通枠の女子という感じがする。ハンナは普通じゃないけど。


「話は聞いてるよ。俺はゼフィルス。〈エデン〉のギルドマスターをしている。こちらはサブマスターのシエラだ」


「よろしくね」


「サ、サブマスター……! はい! よろしくお願いします!」


「この子は〈ダンジョンショップ〉がまだオープンしていない、実験の時から手伝ってくれた1年生で。最初は確か、使われた1回レンタル品を回収して〈エデン店〉に持って来てくれたんですよ。そこから縁がありまして、〈ダンジョン商委員会〉発足の時に移籍してきてくれたんです」


「ああ! あの時の子か」


 そういえばこの子には覚えがある。

〈ダンジョンショップ〉がオープンする前、臨時出張店を最奥で試運転をした時のことだ。ダンジョンの最奥で臨時出張店をオープンさせている間にマリアの攻略者の証を獲得しよう。という計画を立てて効率的に立ち回ろうとしたら、思いのほか攻略の方が早く片付いてしまい、臨時出張店が僅か数十分程度で閉店してしまったのだ。


 これでは今の〈ダンジョンショップ〉の要でもある〈1回装備レンタル〉を行なってもレンタルの回収要員がいない、これは困った。ということで急遽最奥の救済場所(セーフティエリア)でクエスト募集したんだよな。その時に応募してくれたのが、このマシロだったんだ。俺も覚えてる。


「私は〈支援課〉なので、こういうことは任せてください。装備の回収くらい楽勝ですよ!」


 実はそもそもマシロはあの時、別のクエストを受けて最奥にいたらしい。

〈支援課〉の役目の1つ、ペッて吐き出された人たちの復活クエストだ。

 最奥ボスで負けた場合、学生にはいくつか選択肢がある。〈救難報告〉をあげるか、アイテムを使用して復活するか、誰かヒーラーに頼んで復活させてもらうかだ。


 戦闘不能の最中はスキル・魔法・ユニークが使用できないので、誰かに復活させてもらう必要がある。

 アイテムは復活用がすんごく貴重でお高いので普通の学生には手が出せず、普通なら〈救難報告〉をあげる一択になるわけだ。

 しかし、〈救難報告〉をあげると色々ペナルティなども付くのでできればやりたくはない。


 そのため、他のヒーラーが偶然最奥にいた場合はそのヒーラーに有料で復活させてもらうという方法があるらしい。学生たちが頭を捻って考えた作戦なんだとか。

 俺たちには全く縁のない作戦!


 ここまで言えばなんとなく想像出来るだろう。こういう時に活躍するのが〈支援課〉のヒーラーというわけだ。

 そしてマシロがその時最奥にいたのも、この〈支援課〉の依頼を受けていたためだったらしい。


 とはいえ普通はヒーラーというのは希少でどこのギルドでも引っ張りだこ、こんな依頼を受けないのが普通だ。俺たちだって最奥で復活の依頼を受けているヒーラーなんて会ったことが無かったが、そういう理由だな。

 ただ、今年はヒーラーを選択する学生が多かったらしく、数多くのヒーラーが居る関係で、〈支援課〉の依頼を受けるヒーラーも増えているとの話だ。


 ちなみに学園にはヒーラーが主に所属する専攻に〈ダンジョン支援専攻・回復課〉というものもあるが、こちらはダンジョンには入らない。

 ダンジョンの外で〈救難報告〉などで運ばれてきた者を復活させる仕事などをこなす課だ。お医者さんだな。


 そして去年までは、せっかくヒーラーになったのにダンジョンには入らずこちらの〈回復課〉に所属する学生が、かなり多かったんだ。故にダンジョンに潜るヒーラーは希少だった。

 理由はダンジョンに入るのが怖いから。


 ダンジョンに入るのが怖いヒーラーというのは、びっくりなことに結構多いのだ。

 まあ、ヒーラーってモンスターに襲われたら抵抗できずやられるほど弱いからな普通は。故にヒーラーを選ぶ学生自体も少なかったんだ。


 ゲームでは弱いヒーラーは真っ先に守るべき存在だ。故に普通なら安心して守られてもらうわけなのだが……、高位職があまりいなかった去年までは、守ってくれるはずのタンクすら弱かったため、全く安心出来ないとダンジョンに行くことを怖がるヒーラーが多かったようだ。


 故に去年までは半数近く、年によっては半数以上のヒーラーが〈回復課〉ということもあったらしい。

 しかし最近は高位職が増えて〈救難報告〉をする学生もグッと減り、タンクがしっかりヒーラーを守れるようになったため、ヒーラーも安心してダンジョンに潜れる環境が整いつつあるとのことで〈戦闘課〉や〈支援課〉に所属するヒーラー人口が増えてきたという背景がある。

 これが、最近はヒーラーが増えてきていると言われている理由だ。


 つまり、俺のおかげだ。なんちゃって。

 だが俺のやったことが巡り巡ってマシロとの縁をもたらしてくれたのかと思うと、ちょっと感慨深いものがあるな。


「それで、あれからずっとマシロちゃんは〈ダンジョンショップ〉を手伝ってくれてたんですよ。ヒーラーとしての腕も良くって、たまにパーティに誘われて最奥ボスの攻略も手伝ったりしてくれるんですよ」


「そりゃすごいな」


「そんな、私なんてまだまだです……! それに私は中位職の【白魔導師】なので、やっぱり高位職さんより弱いですし」


「だから聞いてみたの。なら高位職になってみませんかって。答えは、ここに居る時点でお察しですね」


「ほほう?」


「です!」


 俺やマリアたちが注目すると、腕をギュッと構えたマシロがフンスした。

 意欲と気合いの入った、良いフンスだ。


 いいね、いいよ。強くなりたいと願う子は大歓迎だ!

 少し照れているのか顔が赤いマシロ。肌がかなり白いので、赤くなった様子がとてもよく分かって微笑ましい。これは期待の後輩ですよ!


 マリアが色々と動いてくれたようで、マシロは「Sランクギルド〈エデン〉に加入し、強くなり、最上級ダンジョンまで付いてきてくれるか?」という問いに対しても「頑張ります!」と強い意思で頷いてくれた。

 見た目よりもよっぽど意思も芯も強い子のようだ。


 即でシエラにアイコンタクト。

 これにはシエラもすぐにコクリと頷いていたよ。シエラのお眼鏡にも適った様子だ。


「決まりだな! 早速手続きしてしまおう!」


「よろしくお願いいたします!」


 こうしてマシロについてはちょっぱやで加入が決定した。これまでで一番早い!


 よっしゃ!

 早速〈ギルド申請受付所〉で手続きをしよう!

 今日からゼルレカも、シヅキも、エフィも、マシロも、みんな〈エデン〉の仲間だ!





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
冒険者「まぁしぃろぉぢゃ」 闇錬金「煩い。」
着実に女子が増えていくエデン。 というか、女子ばかり増やしていって、いいのかね、そばにいるシエラさん?
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