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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十九章 ギルドバトル勃発――〈エデン〉VS〈エデン〉!?

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#1339 ゼフィルス、リーナの指示の裏を掻いて脱出!




「ねぇねぇメルト様。ゼフィルス君たちがこっちに来てるよ!?」


「分かっている。――リーナ嬢、西方向へ逃れられないよう保護期間を張りつつ中に入って突撃を回避する」


「『許可しますわ! メルトさんの班は北西1マスに保護期間(バリア)を! エステルさんたちとの合流を優先してくださいまし!』」


「了解だ! みんなあっちのマスへ向かうぞ!」


「『そのまま北4マスまでを確保して保護期間を張ります! エステルさんたちが追いかけてますから、挟撃を狙いますわ!』」


「フラーミナとカグヤはそのまま北上して4マス確保だ。終わったらすぐに戻ってきてくれ」


「あいよー!」


「任せてくださいな!」


 こちら赤チーム〈北東巨城〉攻略部隊のメルト班。

 レグラムとオリヒメによる脱出経路を挟む形で保護期間(バリア)を敷き、待ち伏せを行なったのだが、後方からゼフィルスたちの援軍がテンション高めにやってきたので保護期間(バリア)が張られているところへ退いたところだ。

 人数も若干負けているし、新メンバーの人数もメルトの方が多い。突撃を食らえば突破されると判断した。ならば保護期間で閉じ込めつつエステルの到着を待つ作戦である。


 白の保護期間(バリア)の前で睨み合っていたレグラムを警戒しつつも北西に1マス移動。

 そこを赤の保護期間(バリア)で封じ、北に向かって線を引くことで西側へ逃げられることを防ぐ。


 ここで逃がすわけにはいかないと、全員で気合いを入れる。


 だが、ゼフィルスたちはまたメルトたちの包囲を軽い足取りで脱出する。


「! ゼフィルス君たち反転! 来た道を戻り始めたよメルト様!」


「! 追いかけるぞ!」


『通れないのなら、戻ればいいじゃない。』そんなゼフィルスの声の幻聴が聞こえた気がしたメルト。

 ゼフィルスたちはあろうことか、来た道を引き返し、今度は南下したのである。


 南側にいたエステル号は現在〈中央東巨城〉を迂回している状況で南側に隙ができていたのも大きいだろう。巨城という障害物を上手くつかっての撤退だった。

 さらにここで予想外が起こる。11人いたゼフィルスの部隊はいくつかの部隊に分かれ、〈ロードローラー戦法〉で小城を取りまくり始めたのである。「この状況で小城取りだと!?」とメルトが驚く中、一気に広がった白の保護期間(バリア)によってエステル号の進路を塞ぎ、見事に南西方面へ脱出されてしまったのだ。


 これにはリーナたちも驚いた声を上げた。


「そこは赤チームの陣地ですのにまるで自分たちの陣地のように!? いえ、それよりも包囲網が抜けられましたわ!? こんな抜け方が!」


「もうゼフィルスたちはどうなってんのよ! なんで宝剣も天柱も当たらないの!?」


 上手く閉じ込めて挟撃できそうだったのに、ゼフィルスは巨城という障害物を上手く使ってエステル号の位置を調整し、見事に撒いてみせたのである。

 こんな撒き方があっただなんてとリーナが受けた衝撃は思いのほか大きかったようだ。

 ラナも本拠地近くを通るゼフィルスたちに宝剣などをぶっ放したが、全部保護期間(バリア)で防がれてしまう。


 しかし、ここで指示を途切れさせるわけにはいかない。

 ゼフィルスたちが見事に包囲を突破したため、包囲に向かっていたメルトやエステルたちにリーナは改めて別の指示を出す。


「防衛班と分かれて攻めに出ますわ! 現在ゼフィルスさんたちは南側。強襲すれば本拠地を確保できる可能性は高いですわ!」


「『攻めに出るか! 承知した。カタリナ嬢をそっちに戻した後、俺たちはまっすぐ西へ向かう』」


 メルトたちは北側からゼフィルスたちを追いかけず、そのまま北西へと向かう。

 そして北西には――白の本拠地があった。



 ◇



「よっし、脱出成功だ!」


「すご」


〈中央東巨城〉と中央にある観客席を上手く使い、俺たちは見事にリーナが完成させようとしていた包囲網を脱出していた。

 リーナもまだまだ甘い。

 包囲網を形成したければエステル班は〈イブキ〉から下ろしてローラー戦法で追い詰めるべきだった。

 とはいえ各個撃破される危険性も増すのでどっちが正解かは一概には言えないけどな。


 スクリーンを見れば白が巨城を6城先取して大きく差を広げていた。

 リーナもこれは予想外だったに違いない。

 特に〈南東巨城〉を取られたのは青天の霹靂(へきれき)だろう。

 これでリーナにも新しい〈城取り〉の概念を植え付けられたはずだ。

 救済巨城が狙われにくいからと言って、狙われないと言うのは大きな間違いなのだ。


 さーて次だが、おそらくリーナはこのまま白本拠地に攻撃をしかけてくるだろう。

 残り時間は〈18分27秒〉だ。もし白本拠地が陥落した場合、再逆転のために赤本拠地を狙っても耐えられる可能性が高い。とでも思っているに違いない。

 何しろ赤本拠地はシャロンがいるしな。

 それに保護期間(バリア)がなければラナの攻撃だって俺たちに届くし、危険。

 十数分耐えるだけならば可能だとリーナは考えているのだろう。


 後でこれも認識を変えておかないとな。


「ゼフィ先輩、次は?」


「白本拠地に戻る。そこで今度こそ対人戦だ」


 先程は肩すかし。

 メルトが退いてしまったので対人戦ならずだったもんな。

 だが、今度は俺たちのターンだ。


〈北巨城〉と〈北西巨城〉を確保に回ってもらったセレスタンの部隊はすでに本拠地に戻っているだろうし、〈南西巨城〉を取ってもらっていたヴァンたちもマス取りしながら本拠地周辺へ戻るよう最初に指示してあった。

 白本拠地付近には、今戦力が集まっているのだ。ここで一気に対人戦を仕掛ければ、楽しいことになるに違いない!


 リーナも、後が無いはずだしな。

 逃げ道を塞いでおけば対人戦は避けられないだろう。

 ぶつかれば人数で上回るこちらが有利。


 さーて、それじゃあ行ってみようか!


 俺とミジュは全員の先頭を走りながら小城を取りつつ、全員についてこいとジェスチャーで伝える。


 後方を走るみんなには、遠くて口頭での指示を出せないので、進む方角は俺に付いてこいと指示してあった。

 その効果は抜群で、リーナが居なくても俺たちは一丸となって進む。

 南側から徐々に北へ進路を執り、白本拠地へ向かうだろう赤チームの背後を取らんとした。


 さぁて、今度こそ対人戦だな!





 後書き!(予告)


 今回対人戦ならず! しかし、明日からは白本拠地で対人戦が勃発する!

 というか今の白本拠地ってどうなってるの!? 明日もお楽しみに!


 今日のイメージ図を作製しました!↓

挿絵(By みてみん)

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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
ここでエステルに情報が伝わってないことを利用して切り返しからの通せんぼ!
[一言] ラナ、ストレス溜まってそうだな。 「な、ん、で、当たらないのよっ!?」
[一言] 保護期間中に黒の矢印ルートで戻って 観客席の右下付近の角を取得して、イブキの進行を阻んだ感じか。
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