表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十八章 〈ダン活〉上級中位ダンジョン大調査団結成編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1487/2117

#1300 〈マジスロ〉撃破!上級中位ダンジョン初攻略



 第二形態になった〈マジスロ〉はなんとスロットが二段になっていた。


「これは!」


「2種類の属性の無効化だな!」


 回転したスロットが止まると1段目には『無無7』、2段目には『火火火』の文字があった。つまりは〈無属性〉と〈火属性〉の無効化ということだ。

 しかも火が揃っている。ということは、だ。


「ギギギギ! 当たりー! 火の属性当たりー! ジャラララー」


「はいはいおやすみなさい――『スリーピング・シンドローム』!」


 眷属召喚! でもグンナイ!


 第一形態の時と同じくジャラジャラコインを吐きだした〈マジスロ〉だったが、即でエリサが眠らせて終了だ。


「『夢楽園』!」


「ギギギギギ! ハズレの恨み大パンチ」


「む、動くわね! 『城塞盾』!」


 しかし、第一形態の時は当たりなら眷属、ハズレなら格闘戦をしてきたが、第二形態になってスロットが二段になったことにより、当たりとハズレ、両方が出てきた。その場合はコインを吐き出したうえで格闘戦をしてくるぞ。


「攻撃開始! 『ライトニングバースト』! 『フルライトニング・スプライト』!」


「〈無属性〉と〈火属性〉を無効化されると、なかなか打つ手が限られますね――『アイスバレット』! 『サンダーバレット』! 『ジャッジメントショット』! 『アイスバレット』! 『サンダーバレット』!」


「私の攻撃は全部通るわよ! 『大聖光の四宝剣』! 『大聖光の十宝剣』! 『聖光の耀剣』! 『聖光の宝樹』!」


 ここでボスに攻撃開始。

 だが、アタッカーのシズがなかなかダメージを伸ばせないな。

〈初ツリ〉でクールタイムが短い『アイスバレット』と『サンダーバレット』を回しながら攻撃するが、ダメージはそれほど大きくはない。


 逆に真打ち登場とばかりに目立っているのはラナである。

 ヒーラーをエリサに任せて自分はアタッカーで魔法をぶっ放しまくりである。ラナの魔法は全部〈光属性〉か〈聖属性〉なのでがっつりダメージを与えていた。


 シエラにグーパンチで攻撃していた〈マジスロ〉だが、ダメージが一定量を超えたところでまたスロットを回す。ここだ!


「ギギギギギ――スロット開始」


「エリサ! 〈闇属性〉の状態異常を! シズはそのまま『アイスバレット』を撃て! 他は攻撃中止だ!」


「オッケー! 『ダークバインド』! 『闇の檻』!」


「承知しました。『アイスバレット』!」


「今日のスロットは――闇と氷」


「よし、成功! どうやらあいつはスロット回転中は攻撃が来ないとなにもしてこないらしいぞ! そして攻撃するとその属性を無効化するようだ!」


〈マジスロ〉のスロットが回転し始めたところで攻撃中止。

 エリサに〈闇属性〉を、シズに〈氷属性〉を使ってもらうと、見事にそれに引っかかる。

 一段目は『闇7闇』、二段目が『氷氷7』となり大ハズレ。

 それを見せながら説明したことにより、全員が〈マジスロ〉のパターンに気が付きつつあった。


「! これで攻撃が通ります! 『バードデスストライク』! 『フェニックスショット』! 『魔弾』! 『マルチバースト』!」


「うぉりゃあ! 『勇者の剣(ブレイブスラッシュ)』! 『聖剣』! 『スターオブソード』!」


「くらいなさい! 『祈望(きぼう)天柱(てんちゅう)』!」


「ギギギギギ!?」


 ズガガガガと今までの鬱憤を晴らすかのように特大の攻撃の嵐が降り注ぐ。


 そう、〈マジスロ〉は属性を無効化し眷属を溢れさせて戦う強力なボス。

 とはいえパターンを掴みタイミングを計れば無効化させる属性を選べるので、こうしてあまり使わない属性をこっちが指定してやれば対処は可能だ。


 ただ、パーティが全員1属性しか使えないとかで挑むと詰むので要注意だ。

 まあ、だからこそ全属性を使えるパーティで挑んだんだけどな。

 また、どうしても用意できなければ属性を持つ〈爆弾〉系アイテムを使うという方法も可能だ。ただスロットが回転する度に使わなくちゃいけないので在庫に要注意。

 いや、一応属性関係無く詰まないやり方はあるのだが、そっちはあまりやりたくない。なるべく多くの属性持ちをパーティに入れることをオススメするな。


 第二形態も攻略方法が固まれば難なく進んだ。

〈マジスロ〉がスロットの回転を始めたらエリサとシズが闇と氷を指定することで、難の無い相手へと変化したからだ。

 エリサは元々〈闇属性〉の状態異常を得意とはしているが、ボスにはほとんど無効なので普段は使わないし。〈氷属性〉もシズとエリサしかスキルを持っていないので指定するのにとても便利。


 眷属には無効化は掛かっていないためエリサは普通に一掃できる。

 眷属召喚は無力化出来ているし、後は本体がシエラに肉弾戦を挑んでいるが、これはシエラに軽くいなされていた。

〈マジスロ〉は〈謎属性総進撃なぞぞくせいそうしんげき・スロットマジーン〉。総進撃と書かれているように眷属と共に行動するのが厄介なボスなので、眷属がいなければ正直シエラの敵ではない。


 2つ目のHPバーも程なくして消え、ついに第三形態に突入する。

〈マジスロ〉の第三形態は――なんと! スロットが三段になるのだ。予想通りだよ!


「ギギギギギ――スロット開始」


「エリサは闇! シズは火と氷で!」


「うん! 『ダークバインド』!」


「承知しました――『ファイアバレット』! 『アイスバレット』!」


「今日のスロットは――闇と火と氷」


 第三形態になってもやり方は変わらない。

 攻撃が無効化されると、スロットの一段目が『闇闇闇』、二段目が『火火火』、三段目が『氷氷氷』となっていた。うわぁ。

 

「ギギギギ! 超大当たり。闇と火と氷の眷属、ジャックポットー!」


 全部の段が大当たり。これはとんでもない!

 ガコンと開いた下の口から、3種類の大量のコインを吐き出し始めたのだ。

 その数、なんと60体! まさに総進撃だ! ――でも。


「グンナイ~『ナイトメア・大睡吸』! 『夢楽園』!」


 眷属はエリサが一掃する。

 あー! 60体もの群勢が一瞬で光に還ったーーー!!


「ギ?」


〈マジスロ〉は理解もできない模様だーー!!

 ジャックポットが一瞬で光に消えた今の気持ちを、ちょっと聞いてみたいと思ったのは内緒。


「今だ! 『ライトニングスラッシュ』! そして『ライトニングバニッシュ』だ!」


「攻撃を続行します。『魔弾』! 『ジャッジメントショット』!」


〈火属性〉を無効化してしまったのでシズの〈五ツリ〉『フェニックスショット』が封じられてしまったが、逆に言えば封じられたのはそれだけだ。

 他のメンバーは全然縛られていない。俺は主力が無と雷だし、シズは無だ。ラナは光と聖。だから消去法で使うことの少ない闇と火と氷を生け贄にしたわけだな。


 こいつ、最低4属性持ってきて攻略しないといけないからそこんとこ注意である。

 攻略法はハマっているし、このまま倒されてくれればベストだったんだが、どうやらそうは上手くいかないらしい。


「今日のスロットは――火と闇と氷」


 今回も上手く属性を誘導できたと思ったのだが、ここでトラブル発生。

 スロットの絵柄が悪かった。

 一段目が『火火7』、二段目が『闇7闇』、そして三段目が『7氷氷』だったのだ。

 つまり7の(スラ)(ゾロ)だ。

 瞬間、ビコンと〈マジスロ〉の目が光る。


「ギギギギ! 大当たり! スリーセブン大当たりー!」


「なになに!?」


「これは!?」


「眷属召喚は無い。これは――パワーアップだ!」


「ギギギギ――黄金(ゴールデン)スロットマシーン・モーーード!」


〈マジスロ〉が両手をバンザイした瞬間、なんと体が黒から金色に変化したのだ!

 変身だ!

 炎の意匠がビンビン光り、大当たりした演出を主張する。

 そう、777が揃ったことでパワーアップしたのである。


 そのままシエラに狙いを定めると、なんと目からビームを発射した!


「シエラ来るぞ!」


「パーフェクトスロットマシーン・ビーーーム!」


「! 『ディバインシールド』!」


 しかしさすがはシエラ。俺の声に素早く反応し、防御スキルの発動に成功する。

 だが、そのダメージは防御スキルを発動してなおとんでもなく高かった。


「とんでもないダメージね!」


「シエラ! 『天域の雨』!」


「『ジャッジメントショット』! ――? ダメージが少し上がった気がします?」


「本当!? 『聖光の耀剣』! って――え? ちょ、私の魔法が弾かれたわよ!? 光と聖の属性も無効化されちゃってる!?」


「いや、これもギミックだろ!」


 さらに、ここで新たな問題発生。

 スロットに光るのは火、闇、氷の属性の無効化だ。

 しかしラナの光と聖の属性を半々ずつ含む宝剣が無効化されたのだ。ダメージはまさかのゼロ。

 だがシズの光属性スキル『ジャッジメントショット』はダメージが入っている。むしろダメージがさっきよりも増加していたのだ。

 これはおかしい。ということで特定。


「『聖剣』! 『ライトニングバースト』! ――これは、攻撃力、そして素早さのステータスが上がってるな! しかも魔法攻撃は無効化っぽいぞ! だが、その代わり防御力はダウンしているようだ!」


「何それ!?」


黄金(ゴールデン)。つまりレアモンスターと同じ特性ですか!」


 シズ、大当たり。


 これがスキル『777(スリーセブン)大当たり』の力。

 スロットで777が揃うとステータスが爆上がりに加え、時間制限付きだがゴールデン化してレアモンスターと同じ特性を得てしまうのである。

 つまり、魔法完全無効化だ!

 マジとんでもないことである。


 これが俺が魔法使い系を連れてこなかった理由だ。

 メルトを見て分かるように魔法使いというのは多種多様な属性の魔法を操ることに長けている。故に属性無効化の〈マジスロ〉と相性が良い。

 そのためか、こうして完全魔法シャットアウトを使うようになってしまったのだろうと推測されていた。完全に魔法使い狙い撃ちである。


 さらには火力も爆上がりしていてタンクすらやられかねないガチのパワーアップもしているおまけ付きだ。

 マジ上級中位(ジョーチュー)級!


 ただその間、今までの属性の無効化は起こらず、全属性でダメージが入るようになる他、防御力もガクッと落ちて物理ダメージは入りやすくなるデメリットも存在する。 

 3属性以下しか攻撃手段が無かったとき、わざと777を揃えさせて攻撃することが唯一の活路だったのだ。俺があまりやりたくないと言った理由である。

 ちなみに第一形態と第二形態の時は、回転しているスロットに何も攻撃しないで放置していると777が揃う仕掛けだったりする。


 ゲーム〈ダン活〉では大怪獣モードと呼ばれ猛威を振るった『777(スリーセブン)大当たり』。

 俺は気を引き締め直し、仲間に指示を送ろうとした。すると。


「ギギギギギ!」


 黄金のビッグパンチがシエラに迫る。

 しかしシエラはそれに見事にカウンターを合わせてきた。


「それはさっき見たわ。『カウンターノヴァ』!」


「ギギ!?」


 パンチを盾で受け止めた瞬間、シエラの盾がエフェクトに光る。

 そして――大火力の一撃を叩き込んだのだ!


「ギーーー!?」


 あまりの衝撃に〈マジスロ〉はたまらず後ろにひっくり返ってダウンした。ん? ダウンした!?


「ゼフィルス、今よ!」


「お、おう! 総攻撃だー!」


 シエラに言われて攻撃開始!

 転んだ黄金のマシーンに大打撃を与える。


 ダウンから復活した〈マジスロ〉が再びシエラに巨大パンチを繰り出すが。


「ギギギギギ! 大当たりパーンチ」


「『カウンターバースト』!」


「ギギ!?」


 またカウンターを受け大きくノックバックする〈マジスロ〉。

 あれぇ? 隙だらけだぞ?


「『フィニッシュ・セイバー』!」


「ギギギッギ!?」

 

 ついフィニッシュを叩き込んでしまえばまたダウン。あれ? 黄金から黒に戻っちゃった?


 こうして黄金の怪獣はその強さを発揮する前にシエラに封殺され、元に戻ってしまったのだった。

 後になってシエラに聞いたら「怒りモードみたいにめちゃくちゃに暴れられるより読みやすかったわ」と言われたよ。

 さすがシエラ。うちのサブマスターがマジパネェ! 


「これでトドメだ! 『勇者の剣ブレイブスラァァァァッシュ』!」


 そして黒に戻ってしまった〈マジスロ〉は俺たちの敵では無く、俺の『勇者の剣(ブレイブスラッシュ)』がトドメとなって3つ目のHPバーもゼロになったのだった。

 膨大なエフェクトに沈んでいく〈マジスロ〉を見て固まる俺たち。


 そこに出る〈金箱〉。


 俺はそこに歩いて行って振り返り、みんなに向けて剣を高らかに挙げながら勝ち鬨を上げる。


「上級中位ダンジョン――攻略だー!!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ