#1271 新メンバー!? 1年生パーティに加入者現る!
「というわけで今日から新メンバーの仲間入りをすることになった――トモヨだ」
「よろしくお願いしまーす!」
「ってどう見ても新メンバーではないですの!?」
「レギュラーメンバーのトモヨ先輩じゃん!」
早速翌日、新メンバー組に新しい仲間が出来たぞーと紹介したら、サーシャとカグヤが見事なツッコミで返してくれた。
うむ。とても良き。
やっぱり2人はとても良いものを持っているなと再確認した。
満足したので事情を説明する。
「ええっと? 上級職だったのに、今は下級職、なの?」
「ら、〈下級転職〉!? 〈下級転職〉ってなに!? 本校ってそんなことまでしてるの!?」
「え、ええええっ!? しかも一昨日〈転職〉して、昨日にはLV60になったってどういうことですか!?」
「クイナダ先輩、キキョウちゃん落ち着いてください! 私、アイギス姉さまに聞いたことあります! 「〈エデン〉はなにが起きてもそれが普通なんです」って」
「こ、これが〈エデン〉では普通に起こることなの!? 一大事なんじゃないかな……!?」
アリスがトモヨを見上げて首を傾げ、キキョウが良いリアクションで驚いてくれる。
アルテはアイギスから何かを聞いていたのか興奮している様子で、クイナダは良いリアクションをしたりおののいたり忙しそうだったよ。
「トモヨさんが私たちと肩を並べるメンバーですか!」
「いやぁ、〈エデン店〉に居た頃もたまにあったっすけど、〈エデン〉はやることがパナイっす! しかもすでに私たちのLVが超えられているっす!」
「〈エデン〉の普通。言い得て妙」
元〈エデン店〉メンバーズのシュミネ、ナキキ、ミジュは〈エデン〉のやることにはあまり驚いてはいないようだ。少し寂しい。
「よろしくね~。私はどこのパーティに入れば良いのかな?」
「よろしくお願いしますわトモヨさん! LVが低くなったとは言え元トップメンバーの1人と一緒にダンジョン攻略ができるなんて光栄ですわ。まずは私たちとパーティを組んでくださいまし!」
「よろしくお願いしますトモヨさん。お嬢様がご迷惑を掛けたときには遠慮せずに言ってくださって結構ですから」
「お、同じタンクとしてト、トモヨ先輩と肩を並べられて光栄でありますん!! どうか我輩にもご教授ご鞭撻を、どうかよろしくお願いするで候!」
「おいヴァン、口調が乱れまくってるぞ? 後半とかかなりヤバめだ」
トモヨの言葉にノーアとクラリスが平常運転で出迎えていた。
さすがはノーアたち。だが、ちょっと驚いたリアクションが見たかった。
そしてヴァンはなぜか口調が乱れまくっていた。あと微妙に視線がトモヨの方を見ていない。しかし照れているわけでもなさそうだ? これはアレか? 女子に免疫が無いって言っていたアレが発動していたりするのだろうか?
後ろでそれに気が付いたサーシャとカグヤが何か凄い形相でヴァンを見てるぞ?
なお、ヴァンは一度そっちをチラリと見て、すぐに元の方向へ向きなおっていた。
スルーか。ヴァンめ、なかなかのスルースキルを持っているじゃないか。
「じゃあ、とりあえずパーティを組んでみるか! トモヨはタンクメインだが、【アークエンジェル】は回復魔法も覚えるからな。タンクヒーラーとして活躍が出来るぞ」
「タンクヒーラー!? パーティに絶対に必要な要素をお一人で2つもお持ちとは素晴らしいですわ!」
「是非私たちとパーティを組んでいただきたいです。お嬢様が何かやらかしてもカバーできる経験豊富で幅広い能力を持つ人材はとても得がたいです」
「ひ、ヒーラーが居てくれると、助かります」
俺の提案に真っ先に名乗りを上げたのはノーア、クラリス、そしてキキョウだった。
なんだかクラリスの発言がマジっぽいんだぜ。
「む、ちょっと待ってもらおうか! 優秀な人材ならこっちも欲しているんだよ!」
「やや思うところはあるですが、これも経験ですの! 色々教えてほしいことは多いですの!」
「そういうことなら私たちだってきてほしいっす!」
「〈エデン〉の元レギュラーメンバーにパーティを組んでもらうのでしたら、元〈エデン店〉従業員だった私たちこそ適任でしょう」
「頑張る」
おっとそこへカグヤとサーシャのパーティが参戦! サーシャはなぜかトモヨの一部、強力な装甲に冷や汗をたらりとしていたが、結局はトモヨを欲することを選んだようだ。
だがそこにナキキ、シュミネ、ミジュのパーティも入って来てさあ大変。
現在新メンバーのパーティは3組あるのだ。
だが、俺の考えは決まっていた。
「悪いがトモヨはしばらくヒーラー寄りのタンクとしてノーアたちのパーティに参戦してくれ」
「オッケー♪」
「「「あああ~(っす)」」」
カグヤとサーシャ、ナキキが項垂れるがこれは仕方のない事情がある。
現在新メンバーは13人。その中でもタンクは3人居て足りているのだが、ヒーラーはカグヤにシュミネの2人だけで足りていないのだ。
本当ならアルテが上級職【聖乗の姫騎士】に就けば回復魔法を覚えてくれるのでヒーラーとして活躍できるのだが、【姫騎士】は回復魔法を覚えないので今はアタッカーなのである。
ということでノーアのパーティはポーションを使って回復していたのだが、すでに中級中位ダンジョンに突入している現在、出来ればそろそろヒーラーを入れておきたかった。
【アークエンジェル】は「天使」系の能力によってデフォルトで回復魔法を覚えるタンクだ。
タンクもしてもらうだろうが、まずはヒーラーの不足を補ってもらいたかった。
トモヨもオーケーしてくれてホッとしたぜ。
「でも〈下級転職〉とはトモヨさんも思い切りましたわね。何か深い理由があったのと推察いたしますわ」
「うーん、なんか〈エデン〉のタンクを見ているとね。タンクの他にも大抵何かしら出来るじゃない? 私もそういうのが欲しかったんだよ! だからヒーラーも頑張って練習するね!」
トモヨ的にはヒーラーをすることに、否は無いどころか乗り気な様子だ。
元々〈エデン〉メンバーと比較して自分の職業が弱いと思っていたようで、出来ることが増えることが楽しいようだ。
まあ〈エデン〉のタンクメンバーってラクリッテはデバフタンクだし、リカはタンクアタッカー、シャロンはギルドバトルで要塞造れるし、ロゼッタは戦車を動かせる。フィナに至っては避けタンクと受けタンクを平行しながらアタッカーとヒーラーまでこなせるんだからトモヨが引け目を感じてしまったのも分かる。
なお、受けタンクオンリーのシエラが〈エデン〉タンク最強なので、それもトモヨの引け目を刺激してしまったようだ。
しかし、今のトモヨは大人気だな。
新メンバーにとってトモヨはやっぱり〈エデン〉レギュラーメンバーの1人でトップランカーみたいな意識がある様子だ。
尊敬の念が視線や言葉に普通に混じっているので先ほどからトモヨがどんどん自信を取り戻している様子なのが分かる。
うーむ。そういうことならトモヨの自信を取り戻すことを優先して、少し予定を変更しても良いかもしれないな。
「まあ、最初はノーアのパーティに参加してもらって、それから少し新メンバーのパーティをシャッフルしてみるのも良いかもしれないな」
「「「「え?」」」」
もうみんな中級ダンジョンに入ダンしているのだからパーティのシャッフルも経験しても良いだろう。トモヨも多くのメンバーと触れ合った方が自信を取り戻せるだろうしな。
俺たちだって中級中位の時は10人で攻略したし、新メンバー組にもそろそろ経験してもらおう。
よって俺はそう提案した。
失礼いたしました。
なろうの投稿サイトが新しく変わってからやりづらく、どうも操作を間違えたようです。
正直、この操作のしづらさ、勘弁してほしい。本当に。
絶対いつかミスすると思っていましたが、予想外に早かった。気をつけていたはずなのに。
読者の皆様、申し訳ありませんでした。




