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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十七章 〈35エリア〉攻略しながら上級中位を準備中!

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#1257 〈クタビリス〉の電撃反撃、ドレインが大罪!




「ジュウウウウウウ!」


「『受け払い』! ――次はこちらが行かせてもらおう! 『制空権・先流(せんりゅう)』!」


 まず〈クタビリス〉がリカに放電攻撃を放射した。

 しかし〈ビリビリクマリス〉の電撃すら斬っていたリカだ。すかさず左手の〈張防刃(ちょうぼうじん)・カマラ〉を使いスキルで弾く。

 完全に電撃を金属で受けているのに流せるのだからスキルって偉大。

 続いてリカは『制空権・先流(せんりゅう)』を使い電撃を受流しながら相手の懐に飛び込んだ。


「『滅竜一閃』!」


「ジュ!?」


 温存していた右手の刀〈竜刀〉のスキルを使い強撃を放つ。

 すると一瞬で背中の棘が膨らみ電撃を帯び、リカに噛みついたり尻尾でなぎ払う行動を見せた。

 もちろんリカが捌いていく。


「ルキア、ミサト、頼む!」


「任せてよ! 『ノロノロタイム』! 『カームタイム』! 『ダッシュタイム』! 『ヘイストタイム』!」


「オッケー! 『セイクリッド・オールレジスト』! 『サンクチュアリ』! 『攻撃力ドレイン』! 『魔法力ドレイン』!」


 まずはデバフとバフ。

 ルキアが司るのはスピード。敵の移動速度と素早さを下げ、味方は上げる。

 ミサトはデバフと状態異常に強い耐性をリカに付与し、相手の攻撃力や魔法力も奪って弱体化させていく。

 さらに敵のHPに継続ダメージを与えて味方を回復させる『サンクチュアリ』で戦況を有利にしていった。


 タンクに近寄られた〈クタビリス〉が俊敏な動きでバックする。だが、遅い。


「逃がさないぜ――『ソニックソード』! 『勇者の剣(ブレイブスラッシュ)』!」


「ん! 『神速瞬動斬り』!」


 俺とカルアがスピードのあるスキルでズドンと攻撃。

 直後にビリッと腕に来た。

 攻撃すると纏っている電撃に触れてスリップダメージを受ける。あの棘と雷の防御が厄介だ。

 しかし、ミサトの『サンクチュアリ』の継続回復のおかげですぐに回復する。問題はないな!


「ジュウウウウウウ!」


「む、カルア回避――『ディフェンス』!」


「ん! 『回避ダッシュ』!」


 今度は範囲攻撃。

 放電によって自身の周囲に膜のように電撃を作り出した。


「『張防刃(ちょうぼうじん)』!」


 リカは盾を持たない分、こういう範囲攻撃にはやや弱いところがあるが、それも左手の刀〈カマラ〉のスキルで防御の膜を盾のように張り、電撃を防ぐ。

 さらにそれだけでは終わらない。


「『膜張滅閃(まくはりめっせん)』!」


「ジュア!?」


 反撃スキル。

張防刃(ちょうぼうじん)』で膜を張って防御しているときに発動可能な、防御の向こう側から一方的に攻撃できるというとんでもないスキルだ。

 カウンターを取りやすくダウンも取りやすいために非常に優秀なスキルである。

 そのためにMPの消費とクールタイムが大きいのがネックだな。


 リカの反撃の直撃を受けて攻撃が止まった〈クタビリス〉に俺とカルアが迫る。


「『スターオブソード』! からのー『聖剣』! 『フィニッシュ・セイバー』!」


「『フォースソニック』! 『64フォース』! 『128スターフィニッシュ』!」


「ジュウウウウウウ!」


「「『サンバースト』!」」


 ミサトとルキアの兎人コンビも攻撃魔法でダメージを出す。

 いいね。良い感じに安定してきているぜ。


 それからも電撃をリカに放ったり俺やカルアを巻き込む形で電撃や電撃や電撃で攻撃してきていた〈クタビリス〉だったが、電撃がなかなか通らないと分かるや高速移動からの電撃攻撃スタイルに変えてきた。

 移動砲台戦法だ! しかし。


 ルキアのデバフで移動速度をダウンさせられていた〈クタビリス〉の前に回り込むことなんか造作もない。


「そんなの俺には効かないぜ! 『テンペストセイバー』!」


「ジュア!?」


「『フィニッシュ・セイバー』!」


 フィニッシュ!

 ズドンと直撃。これが決め手になり1本目のHPバーが消える。


「ジュウアアア!」


 第二形態への変化。

 背中の棘がさらに伸び、1本1本がまるで剣、剣山のような姿へと変化する。

 そうしてそんな姿になればすることは決まっていた。


「ジュ!」


「来るぞ、リカ!」


「受け流してみせる!」


 丸まった〈クタビリス〉が回転しながらリカに迫ってきたのだ。

 そう、〈クマブロー〉の時と同じ転がって相手を轢く戦法の近縁種。

〈クタビリス〉のこれは剣山が転がってくるので見た目はかなりとんでもない。

 転がる威力に剣山の火力が備わっているのだ。直撃すればどうなるか。

 しかし、さすがはリカ。

 そんなことものともせずに二刀を構え、転がってきた先に待ち構えた。


「秘技――『制空権・刀滅』!」


 四段階目ツリー、刀の届く範囲に入ってきたものを容赦無く迎撃する防御スキル。


「ジュウウウウウウ!」


「はああああ!!」


 そして舞う剣閃。

「ズザザザザザザ!」と剣山に迎撃の剣舞が降り注いだ。

 一瞬で数発、十数発もの剣撃が〈クタビリス〉を襲い、押しとどめようとする。

 だが、次々と襲い来る剣山の回転は止まらない。


「ぐっ!」


「回復行くよー! 『エクスヒール』!」


 結局速度は緩めたが相殺にはならず、リカは防御して横に飛び直撃を避けた。

 防御していたがダメージはそれなりに入ったようでミサトが『エクスヒール』で即回復。


「ジュゥゥゥゥ!」


「勝利の雄叫びか? それにはまだ早いぜ? 『ディス・キャンセル・ブレイカー』!」


「ジ!?」


 リカの『制空権』を打ち破ったのは見事だが、弱った転がりなんて恐るるに足らず!

 ブレイク系で剣を光らせ、そのまま下段からぶった切って棘転がりを解除。ノックバック。そこへカルアが飛びついた。


「ん、『急所一刺し』!」


「ジュ!?」


 さすがカルア。ノックバックのタイミングを逃さず額に短剣を刺してダウンを取った。


「総攻撃!」


 ダウンを取ったら総攻撃。

 全員がアタッカーにポジションチェンジし、一気に攻撃を叩き込んだ。

 よし決まった、中々のダメージが入ったぜ!


「ジュゥゥゥゥ!」


「おっとここで充電か! 攻撃だー! 充電中は隙だらけだぞ! ルキア!」


「うん!」


 ダウンが終わると〈クタビリス〉が充電し始めた。ダウン復帰というタイミングが嫌らしいな。ダウン復帰後はしばらくダウンが起こりにくくなる。

 これでは再びダウンを取ることも難しく、さらに総攻撃をしたばっかりで高威力のスキルは大体クールタイムで使えない。確実に充電を成功させ、電撃の威力を上げようという魂胆だな?

 しかし、残念。こっちにはルキアがいる。


「『タイムオーバー』!」


「ジュワアアアア!?」


 ルキアの『タイムオーバー』は溜めキャンセル。

 相手が溜めをしていると時間オーバーで強制キャンセルするびっくり魔法である。

 使いどころが難しいが、溜めを警戒するような相手には非常に効果的だ。


 これにより溜めを強制キャンセルされた〈クタビリス〉。

 なぜかその表情が草臥れて見えたのは気のせいか?


 続いてうなり声を上げながら(タゲ)を見る。

 あ、ヘイトを稼ぎすぎたらしいな。


「リカ、俺の前に」


(たまわ)った!」


「ジュウウウウ!」


「『二刀払い』!」


 俺は攻撃の手を緩めてバックステップ。

 まるで「よくもこんにゃろー」と言いそうな感じで追いかけてきた〈クタビリス〉の電撃突進をリカが素早く相殺する。

 相殺でヘイトを稼ぐと、タゲがリカに切り替わった。


「『切り返し』! 『切り払い』! 『受け払い』! 『残影』!」


 リカがどんどん防御スキルで相殺しヘイトを稼ぐ。これで俺も攻撃に加わっても大丈夫だ。


「ジュアアアアア!!」


「うわー、全体のHPの減りがエグいよー! こりゃもうアレ使うっきゃないね!」


 電撃を周りにバチバチ放ち範囲攻撃をする〈クタビリス〉。

 俺とカルア、リカの物理攻撃は剣山に命中すると反撃(スリップ)ダメージを負う。

 ユニークスキル『サンクチュアリ』も効果はすでに切れていて、おかげで前線のHPの減りがかなり早い。

 ミサトが気合いを入れたようだな。


「いっくよー! HPとMPを奪え――『桃色サンクチュアリ』! そんで奪ったものをみんなに振りまけ『色欲の鏡』!」


 ボス部屋が薄いピンク色に包まれた。これはボスにとって毒みたいなものだ。

 普通のユニークスキル『サンクチュアリ』と同じく発動中は相手のHPにスリップダメージを与え続けるが、プラスMPにもスリップダメージが入ってくるから容赦がない。そしてこれはドレイン。【色欲】の主であるミサトのHPとMPが徐々に回復していくんだ。


 さらに【色欲】の『色欲の鏡』はドレインしたものを味方に振りまくユニークスキル。これにより、全員がHPとMPを常に回復しながら戦闘することができるのである。非常に優秀なコンボだ。


「どんどん奪っていこー『攻撃力ドレイン』! 『防御力ドレイン』! 『魔法力ドレイン』! 『魔防力ドレイン』! 『素早さドレイン』!!」


 ミサトがドレインしたものは、味方に付与される。相手は弱体化し、味方は強化されていくのだから相変わらずとんでもないんだぜ。


「HPをもっと奪え――『ソウルドレイン』! MPを奪取――『エナジードレイン』♪」


 ミサトもノリに乗ってきたのかだんだんとリズムっぽくなってきてるな。


「ジュアアアアア!」


「おっと『アブソープション』!」


 さすがに看過できなくなったのか〈クタビリス〉から全体攻撃がぶっ放された。

 ミサトはルキアを守る形で結界を発動。『アブソープション』は結界を張り、ダメージをHPとMPに変換して回復する結界回復魔法だ。これも攻撃からエネルギーをドレインする扱いになるため『色欲の鏡』で全員にHPとMPが送られる。


 うーん、HPとMPがどんどん回復していくよ~!

 継続回復だけでもとんでもなく強いのにMP回復もとかマジ反則だろ。

 まさに【大罪】。


 ちなみにボスのMP量は非常に多く軽く5桁を超えているので吸い取り切るにはかるく1時間以上掛かるぞ。MPを吸収してスキルを使えなくする作戦はかなり長時間の忍耐が必要なので俺はやらない。このまま倒す!


「お、『棘塊』か。防御スキルだ! リカ、対壊!」


 俺の攻勢に反応して思わず防御スキルを取った〈クタビリス〉。それは悪手だな!


「うむ――『一刀斬・対壊(たいかい)』! 『抜刀術・閃光』!」


「ジュウウウウウウ!?」


 防御破壊スキルからの抜刀術によりダウンを取られるリカの超凶悪コンボが炸裂し、〈クタビリス〉はなすすべ無くダウンした。

 その表情がとても草臥れて見えた気がしたのは、きっと気のせいだろう。


「おっしゃーリカナイス! 総攻撃だー!」


「「「「おおー!!」」」」


 2度目の総攻撃を叩き込むと、そこで2つ目のHPバーも消える。

 よーし、最後! 第三(最終)形態だ!


 すると〈クタビリス〉は、「貴様らを倒すのに4本の足を使うまでもないわ!」と言わんばかりに足を引っ込め、剣山の生えた尻尾で体を覆い、全身が棘に覆われた球体になってしまった。


 さて、じゃあこっちも準備しないとな。


「ルキア、溜めてくれ」


「―――! 了解! 行くよ――『時溜め』!」


 形態変化にはすこーし時間が掛かる。

 ならばそれを有効活用し、溜め攻撃を準備しようか!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
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