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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十七章 〈35エリア〉攻略しながら上級中位を準備中!

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#1226 1年生のレベル上げ。これが〈イブキ〉だ!




 ダンジョン週間が明けて最初の月曜日、放課後。

 新メンバー全員で〈孤島の花畑ダンジョン〉に来ていた。

 もちろん新メンバーのレベル上げと攻略者の証のゲットが目的だ。


 まずは〈サボッテンダー〉からだな。

 おサボりは許しませんでぇ。


 ちょうどアイギスがいたので運搬役を頼むとOKしてくれた。ありがたい。

 ということで今日は1年生に〈エデン〉の最強手札の1つ――〈イブキ〉をお披露目する!!


 そう、俺は周回に慣れてきた新メンバーたちに、いよいよ〈エデン〉流の高速攻略&本当のボス周回を教える気である!!(ババン!!)


〈孤島の花畑ダンジョン〉の広々とした花畑でアイギスが〈空間収納鞄(アイテムバッグ)〉から〈イブキ〉を出す。


「アイギス、頼む!」


「はい。――〈イブキ〉召喚!」


「って〈空間収納鞄(アイテムバッグ)〉から取り出しただけですの!?」


「これが、〈エデン〉が世界最高の先駆者になった理由、上級ダンジョンを縦横無尽に駆け抜けると言われた〈乗り物〉装備――〈イブキ〉ですのね!」


「お嬢様、落ち着いてください。まだゼフィルス様の許可がないのにダメです。ちょ、だからダメですって! 待っ、お嬢様落ち着いて! ステイ!」


 いつもの「召喚」にサーシャが良いツッコミ! これは嬉しい。

 あとノーアが興奮して飛びださんと前に出ようとするのを必死に体を使って遮るクラリス。しかしステイって、お嬢様相手に言っていい言葉なのだろうか?


「いやはや。これは壮観でありますな」


「船みたいです。これが動くのアイギス姉さま?」


「そうですよ。これは上級職にならないと運転は出来ませんが、アルテも〈からくり馬車〉の方ならLV40になれば運転できるでしょう」


「ふおぉぉぉ! 私頑張るます! あと10レベくらい余裕ですだよー!」


「落ち着きなさいアルテ、興奮して口調が乱れていますよ」


 1人ヴァンが目を輝かせ、アルテとアイギスが姉妹仲の良い姿を見せるのに癒された。


「ふおおー!」


「! アリスが興奮してる! こんなアリス、学園祭の時以来だよ!」


「でも分かる~。こんなの見ちゃったら、大興奮だもんね! しかもこれに今から乗るんでしょ? 浮くんでしょ? 駆け抜けるんでしょ? ふわ~」


「ふっふっふ。カグヤの言うとおりだ。今からこの〈イブキ〉に乗り、一気にダンジョンの最下層まで突き進む! なーに大丈夫だ。夕飯までには帰れるぜ」


「ちょ、これ、ゼフィルス先輩。これそんなに速いんですの!? 1日どころか、たったの数時間、放課後の時間のみで初級上位ダンジョンを攻略する気ですの!?」


「そうだ!」


「私驚愕ですの!!」


 うむうむ。サーシャは相変らずマリー先輩に負けず劣らずのツッコミとリアクションが素晴らしい。俺、この空気が大好きです。


 アリスとキキョウとカグヤのロリ組は大興奮。

 小さい子が乗り物に乗るテンションかな?

 それが上空20センチとはいえ宙に浮く乗り物に乗るのだから童心が刺激されてしまうのも分かるぜ。俺もたまに刺激されるもん。


「じゃあ、早速乗ってみるか」


「「「「「おおー!」」」」」


 元気があってよろしい!


 こうして10人でダンジョン攻略は始まった。


〈イブキ〉の甲板(かんぱん)ウッドデッキに上がると、みんなその見た目と広さの違いに驚愕する。


「す、凄いですの! これが上級ダンジョン産の〈乗り物〉!? それに外に居るはずなのにこの快適な温度はなんですの? 風はどこいってしまったんですの?」


「ふっふっふ。説明しようじゃないかサーシャ。まず最初に言っておくけどな。この〈イブキ〉はただの上級ダンジョン産じゃない。上級下位(ジョーカー)の徘徊型からドロップした〈金箱〉産なのだよ」


「じょ、上級下位(ジョーカー)の徘徊型からドロップした〈金箱〉産ですの!?」


 正確にはレシピだが、ちょっと割愛。

 徘徊型から〈金箱〉がドロップしたと聞いてサーシャが勢いよく食いつく。


「さらに〈イブキ〉は上級ダンジョンの過酷な環境を緩和出来るスキル『環境対策モード』を持っている。これによって風はもちろん、雪だろうが雨だろうが、真夏の太陽だろうが火山の熱だろうとも寄せ付けず、中にいる人たちに快適な温度を提供するのだ」


「す、凄いですの!」


「驚くのはまだ早い。アイギス、発進だ!」


「〈イブキ〉、発進します!」


「アイギス姉さまがノリノリですよ!?」


「動き出しましたの! 思ったよりも速いですの!!」


「ふっふっふ。まだまだこんなものではない。これは〈馬車〉であり、〈戦車〉なんだ。お、丁度前に敵の群が居るな。――アイギス、やっちゃって!」


「はい! 『オーバードライブ』!」


「――!?」


「な!? モンスターが撥ね飛んで消えてしまったですの!?」


 その通り、〈イブキ〉によって撥ね飛ばされた植物型モンスターの〈ツルー〉たちは仲良く光になって消えていった。

 サーシャの反応が凄く良い。

 俺、サーシャの側から離れられないかもしれない。


 そんな感じで〈イブキ〉の運転で一通りみんなを驚かせつつ楽しんでもらったのち、階層を進むことにした。


「お、驚きすぎて疲れたですの」


「分かる。分かりますよサーシャさん」


「大丈夫かサーシャ?」


「アルテさんにはご心配お掛けしますの。でもゼフィルス先輩のせいですのよ?」


 なんと、サーシャがジト目で見てきます。

 シエラのようなジト目だ。なんてことだ、これではテンションが上がってしまう!

 やったぜ!


「ふおおおおーー!」


「おーっほっほっほ! いいですわ! そのまま蹴散らすのですわー!」


「あ、アリス落ち着いて!」


「お嬢様、危ないですから、それ以上乗り出さないでください!」


 おっと向こうでは俺よりも盛り上がっているメンバーがいるな。

 あの小さくて大人しいアリスが、テンション上がるとこうなるのか。

 両手を挙げるポーズでさっきから元気を溜めている。

 きっとボス戦では必殺技を放ってくれるに違いない(違う)。


 ノーアは、うん。いつも通りだ。今日も平和で大変よろしい!

 キキョウとクラリスは頑張れー。


 そのまま階層を突き進み、いつもなら新メンバーたちも数日掛かっただろう最下層まで1時間で駆け抜けた。

 途中、テンションの上がりすぎたアリスとノーアが合体して肩車になっていたところをスクショで激写したりした。超楽しい。


 甲板では道半ばなのにもかかわらずサーシャが疲れ切っていたがなぜかは不明だ。快適なはずなのに不思議だね。

 ビーチチェアをセッティングして休憩してもらったよ。カグヤが「介抱するよ~!」と名乗り出て向かっていったが、その後のサーシャがさらに疲れていたのはきっと気のせいに違いない。


 そうして最奥の救済場所(セーフティエリア)に着いたときは17時。

 ふむ。2時間は周回できるな。ということでやってみた。


 最初の挑戦メンバーは俺、アイギス、ヴァン、サーシャ、カグヤの5人。

 1陣パーティに俺とアイギスを足した形だ。


 もちろん俺とアイギスは手を出さない。出したらすぐ終わってしまうからな。

 でもちょっとくらいなら手を出しても良いよね?


「フーフーフー。フフフ――フゥ!?」


「あ」


 ということで俺とアイギスで手本を見せようとしたら、なんか三撃で終わってしまった。

 ちょっと、強く叩きすぎてしまったかもしれない。


「これが、〈エデン〉の力!」


「私たちまだ何もしていませんのに終わってしまったですの!?」


「ここまでとは。先は長い、でありますな」


 まあ、カグヤとヴァンが感銘を受けたように見ていたので良しとしよう。

 サーシャだけこめかみを指で抑えていた「うーんうーん」と唸っていたようだが、もうちょっと休憩させておくべきかな?


 その後、俺たちは口だけ出すポジションに徹し、まず全員に攻略者の証をゲットしてもらい。その後は慣れるまで周回してもらった。


 パーティもチェンジしたりシャッフルしたりして、いろんなメンバーと一緒にボス戦を体験してもらい経験を増やしていく。


 新メンバーはここまでほぼ固定パーティで来ていた。

 だが中級ダンジョンからはそうは言っていられないからな。

 まずはパーティチェンジで様々な人との対応力を身に着けてもらおうと思う。


 それから平日の放課後はつきっきりで新メンバーを見ることにした。

 2日後の水曜日の時点で、なぜか新メンバー全員が初級上位(ショッコー)の攻略者の証を全部持っていたけど。問題ないよな?


 そして5月1日木曜日。

 今年も運命の日がやってくる。




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[良い点] 見える!名無しの冒険者3年生たちの阿鼻叫喚が見える!! これは言わざるを得ない。混沌!!!
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