#1127 〈炎帝鳳凰〉後半戦!シエラの完璧なパリィ!
「ギュアアアアアア!!」
第二形態は単純に空を飛び始める。先ほどより体がメラメラと燃えだし一度雄叫びを放つと、大きく、そして煌びやかな両の翼を広げ、大きく羽ばたいてまるで地面に叩き付けるようにして飛び立った。
この時巻き込まれて翼に叩き付けられると大ダメージを負うので注意だ。
形態が変わるときは少し離れて様子見をするのがセオリー。
ノックバックに耐性を持つルルでもしっかり下がっている。
「ルル、チャージだ!」
「あい! 『エネルギーチャージ』!」
そして相手が形態変化している間、こっちもチャージさせてもらおう。
ちょっと待つ間とかチャージがとても便利。ルルが両手で片手剣を持つと、剣にエネルギー的な何かが集まるように集束して光っていく、かっこいい。戦闘中じゃなければスクショを撮っていたところだ。
〈鳳凰〉は第二形態になると空を飛び〈クリスタルバード〉のように火の羽を雨のように飛ばして攻撃してきたり、冠から炎の玉を噴出させたりと空からやりたい放題し、近づけば尾羽をムチのように使って迎撃してくる。
遠距離攻撃持ちのメンバーがいないと厳しいところだが、俺のパーティは今回近距離系がメイン。ここからどう攻めるのかが腕の見せ所だな。
「飛んでいても私の盾は健在よ。『クイーンオブカバー』!」
まずは火の羽の雨をシエラが防御。『カバーシールド』の上位ツリーである『クイーンオブカバー』は、難なく飛んでくる羽の前に現れては防御し俺たちへ届かせない。
空中からの尾羽の攻撃もガンガン盾で防いでいく、さすがはシエラだ。
俺たちも反撃するぞ!
「ルル、そろそろ溜まったか?」
「あい! チャージ完了なのです!」
「よーしよしよし、狙いは右の翼だ。羽の雨を降らすとき翼を広げたままその場に固定されるのでその時を狙うぞ。お、来た! 今だルル!」
「全力全開! 『ヒーロー・バスター』!」
「ギュ、ギュエエエエエエ!?!?」
ルルの『エネルギーチャージ』と『ヒーロー・バスター』のコンボが超強い。
せっかくなので限界まで溜めてから「ドバンッ!」。
ルルが剣の切っ先を〈鳳凰〉に向けると、そこから白のヒーローエネルギー的なものが発射された。
か、かっこいい!
狙いは右の翼で、元々第一形態の時に斬りまくっていた翼だ。全力全開の『ヒーロー・バスター』が翼に直撃して大ダメージを食らうと、〈鳳凰〉はなすすべなく落下した。
ダウンだ。
「だらっしゃー! 総攻撃だーー!」
「あい! 『フォースバーストブレイカー』!!」
「『勇者の剣』!」
俺とルルを皮切りに全員で攻撃を叩き込む。かなりのダメージが入った。
こいつの第二形態での攻略法は第一形態の時に翼へそれなりのダメージを与えておくこと。
第二形態の時に空を飛び始めるのだが、翼に攻撃を当てると蓄積したダメージが一定値を超えた場合墜落してダウンするのだ。
多少遠距離攻撃の手段が必要ではあるが、ダウンさせてしまえば墜落するので近距離キャラでも十分活躍出来る戦法。
ここでもう片方の翼も攻撃、ボロボロにしてやる。
ダウンから復帰した〈鳳凰〉がまた空を飛ぶが、先ほどボロボロにした左の翼に攻撃を加えると、また墜落してダウンするのだ。
翼は2つあるので2回まで使える手だな。同じ翼に攻撃を加えてもさっきみたく簡単にダウンは取れなくなるので注意だ。
「アイギス、左の翼だ!」
「はい! 行きますよゼニス! 『エア・ストーム・ランス・シュート』!」
「ギャァァァァァァ!?」
「ナイス! またダウンだ! 総攻撃!」
「とう! 『デュプレックスソード』!」
「『ライトニングバニッシュ』だ!」
ルルが良い声で跳んでいき超高速二連斬りを皮切りにして、落下した〈鳳凰〉にじゃんじゃん攻撃を加えていく。
ちなみにダウンさせるタイミングには気をつけろ。みんなのクールタイムが明けてから墜落させること。
2度の全力攻撃によってかなりの大ダメージを受けた〈鳳凰〉だが、2回の総攻撃ではなかなか2本目のHPバーは全損してくれないので、通常の攻略法で攻める。
飛んでいる〈鳳凰〉の高度が下がり、長い尾羽が地面に着くくらい下がってきたら尾羽に攻撃するのだ。するとなぜかダメージが入る上に尾羽も壊れてくれるので一石二鳥。
でも結構危険域なので注意。ラナ回復お願いします!
「あうち! なのです!」
「ルル――『大回復の祝福』!」
時にはルルが危険域までHPを削られる場面もあったがラナの回復で問題無し!
こうして2本目のHPバーも削ると、ついに最終形態。
ここで尾羽を破壊しまくった行動が活きてくる。
何しろ〈鳳凰〉は今まで使っていなかった尾羽も全部使い攻撃し始めたからだ。
その数10本。7本破壊出来たので、最大で17本あったということだ。
これが尾羽をまったく破壊出来ていないと攻撃力と連打能力が格段に増してしまい、普通にタンクが溶けるのだ。最終形態に行く前になるべく尾羽を削っておくのが正解。
ルルやアイギスがもうちょっと尻尾を攻撃することに慣れればもっと尾羽を破壊できるし楽に勝てるようになるだろう。
さらに最終形態になったことで体全体に炎がメラメラ燃えていて、近接戦闘だとスリップダメージを受けるまでになってきた。まさに火の鳥。
さらに体から放たれた炎の波動や津波は全体攻撃で厄介。
怒りモードでパワーアップしたときなんかさらに厄介だ。
「くっ、これは、まるで尾羽の暴風ですね」
「クワァ!」
「この攻撃、絵本で見たことあるわ! 『鳳凰暴風』よ!」
おお! ラナよく知ってるな! ご名答、自在に炎の尾羽を振り回し、まるで結界かと思うようなパーソナルエリアを作り出すスキル『鳳凰暴風』だ。というか絵本に描かれてるのか!? 凄く見てみたい。
絵本に出ているのは第三形態の〈鳳凰〉なのか?
おっといけないいけない。まずはボス戦に集中しないとな。
「ルルならノックバック耐性でイケる。変身だ!」
「あい! 『変身・プリンセスメイクアップ』なのです!」
ここでルルの奥の手発動。
可愛く、凜々しく、かっこよく。
ルルの超強力バフが乗った変身スキルを発動した。
「破壊しただけ攻撃が少なくなってる! 尾羽を狙うんだ!」
「変身完了なのです! 『瞬間移動』!」
俺が言い終わるとルルはすぐに超速移動スキル『瞬間移動』を発動した。
これは俺の『英勇転移』のように転移ではなく、超速移動系。カルアの『ナンバーワン・ソニックスター』にも劣らない速度で移動してしまうスキルだ。
そして気が付けばルルは〈鳳凰〉の背後に居た。
「とう! 『フォースバーストブレイカー』!!」
「ギュァァァァァァ!?」
そこへ四連続斬りとブレイク系を兼ね備えた〈五ツリ〉スキルが見事に決まる。
相手の『鳳凰暴風』をブレイクしながら尾羽の1つを破壊したのだ。
ルルの勇姿がとてもヒーローだ!(迷走)
「今だアイギス!」
「攻めます!! 『騎竜突撃』!」
「ギュァァァァァァ!!」
動きが止まったところにアイギスとゼニスが突撃した。変身中のルルも空を飛べるので空中戦が始まる。
シエラは自在盾でフォロー、ラナも回復でフォロー、俺は指示出しでフォローだ! たまに魔法で攻撃したり『英勇転移』で跳んでいって援護もする!
「ギャァァァァァァ!!」
たまらずといった様子の〈鳳凰〉はさらに身に纏った炎を大きくし、急下降。
地面すれすれを滑空してシエラと俺に向かって突撃してきた。
『ゴッドバード』だ!!
やべえかっこいい。
しかし、そこは頼りになるシエラ。
「それは〈ロック鳥〉の時に見たわ。――『アジャスト・フル・フォートレス』!」
「ギュアアアアア!?」
シエラが発動した城壁のような壁を避けきれずガツンとぶつかり逆に弾かれてしまう〈鳳凰〉。シエラのスキルのタイミングがマジやべぇ!
『アジャスト・フル・フォートレス』は相手の攻撃に対し相殺出来るジャストタイミングで発動すると超高確率でパリィする。
つまり、術者の腕次第では理論上、どんな攻撃でも受け止めることが可能な防御スキルなのだ。でも実際に狙って防御勝ちしてしまうシエラがとんでもないんだぜ。
「ちょ、シエラナイス! 攻撃開始だ! ラナ!」
「『楽園の雨』!」
「ギャアアアア!」
「『クイーンオブカバー』!」
『ゴッドバード』を『アジャスト・フル・フォートレス』でパリィ、全体攻撃は『クイーンオブカバー』や『インダクション・フォートレスカバー』などで受けきるシエラが最高。
さらにラナには最強〈五ツリ〉の全体継続回復魔法『楽園の雨』を降らしてもらい火のスリップダメージを相殺、否、回復量を大きく上回らせた。
おかげで俺たちはスリップダメージを気にせず攻撃に移ることが出来る。
そろそろ決めるぞ! 飛び立とうと足に力を入れるところ――今!!
「『太陽の輝き』! 『陽光剣現』! ここだ――『サンブレード』!」
「ギュアアアアアア!?」
俺の強力なガラティンの一撃が足に決まると、バランスを崩して転倒する〈鳳凰〉。
本日3度目のダウンだ!
「総攻撃だ――――!!」
「とう! 『起死回生のヒーローオブソード』! 『デュプレックスソード』! 『ディストラクションブレイカー』! 『インフィニティソード』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスターーー』なのですーー!!」
「ゼニス――『エアリアル・アクロバット』! 『ドラゴンクロー・セイバーランス』! 『オーバードラゴンテイル』! 『ドラゴンブレス』!」
「だらっしゃぁ――『勇者の剣』! 『聖剣』! 『スターオブソード』! 『フィニッシュ・セイバー』!」
「『大聖光の十宝剣』! 『大聖光の四宝剣』! 『祈望の天柱』!」
「『インパクトバッシュ』! 『ショックハンマー』!」
ここで決める!
もう全部を出し切る気持ちで総攻撃で斬りまくり、ついに〈鳳凰〉のHPがゼロになる。
「ギュァ……」
エフェクトの海に沈んでいく〈鳳凰〉は、まだ体から出ているメラメラとした炎と青いエフェクトが噛み合って、なんだか美しく見えた。
だがその後に現れた〈金箱〉によって、〈鳳凰〉のことは頭からすっ飛んでいったのだった。
ラナの『プレイア・ゴッドブレス』はもちろん発動済みです。
本当にありがとうございます!




