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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十四章 〈ダン活〉春休みと新入生の入学式!!

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#1123 次々とボスを撃破して〈エデン〉は40層へ!




「あはは、あはは!」


「―――!」


「おーいフラーミナ~昼食にするからそろそろ降りてこーい」


「あ、はーい! 行こリーちゃん」


「――――!」


〈島ダン〉のダンジョン攻略も順調に進んで現在18層の入口。

 階層門の前にある広場で俺たちはお昼休憩を取っていた。

 入口付近は救済場所(セーフティエリア)でモンスターがやってこないからな。


 先ほど14層で手に入れた〈レビテーションスノー〉の力で浮遊できるようになったフラーミナが、テイムモンスターで〈セントフェアリー〉のリーちゃんと空中で戯れていた。

 空中でダンスとかむっちゃ楽しそうである。見ろ、多くのメンバーが羨ましそうに見ているぞ。杖を装備出来るなら後でやらせてもらうといいだろう。

 そんなことを考えながら、フラーミナを呼び戻す。もちろんスクショは撮ってあるので安心してほしい(?)。


「どうだフラーミナ、杖の調子は?」


「うん! 慣れるとすっごいよー! もうね、すっごいんだよー!」


 語彙力低下!

 なるほど、語彙力が低下するほどの楽しさか。ヤバいな。俺もやってみたい!

【勇者】系が杖を装備出来れば……くっ!


「私ね、ずっとリーちゃんと一緒に空を飛んでみたかったんだー。この杖のおかげで夢が一つ叶ったよ!」


「それは良かった」


 フラーミナのほっぺにすりすりと自分の頬をすり寄せるリーちゃん。

 前まで〈ハイフェアリー〉だったが、今は進化して〈セントフェアリー〉という〈聖属性〉系の上級モンスターになっている。

 森の妖精というより、光の精霊みたいなイメージで人型に白く透き通るような蝶の羽が生えている、純白のワンピースが可愛らしい。回復系を主に使うのが良き。テイムモンスターで回復系って少ないので、そっち方面に進化させた結果だったりするな。


 ちなみに大きさは20センチあるかないかくらいなので小さくてたいへん可愛らしい。もちろん女の子型である。

 フラーミナとセットにすると、とても尊く感じるよ。


 フラーミナは右手に〈狩猟(しゅりょう)解放杖〉を装備していたが、それにより左手に装備制限を食らっていて今まで装備が出来なかった。

 だが来たる五段階目ツリーで開放される『左手杖装備解放』にSPを振れば、〈狩猟(しゅりょう)解放杖〉を装備しながら〈レビテーションスノー〉も装備出来るようになる。


 ちなみに『左手杖装備解放』の他に盾装備解放や剣装備解放などのスキルもあるのだが、こちらに振る予定は無い。


 右手に〈狩猟解放杖〉、左手に〈レビテーションスノー〉を装備したフラーミナはさらなる活躍をしてくれることだろう。やっぱテイマーは空に居るのが安心だよ!


 そして今は〈狩猟解放杖〉の出番が無いので〈レビテーションスノー〉にチェンジして感覚を掴んでいるところだ。


「ただいま戻りましたわ」


「おかえりカタリナ。そっちの杖の様子はどうだった?」


「ええ、凄いですわよゼフィルスさん。前より2割から3割ほど耐久性が上がっているように感じます。フィードバックも少なくなっていますわね。これは2割減くらいでしょうか」


「そんなに!?」


「さすがは希少ボス〈金箱〉産だな」


 カタリナも新しい杖〈防遮(ぼうしゃ)法杖(ほうじょう)〉の試運転に行っていた。とはいえその辺のモンスターを相手にタンク性能を確かめるだけだが。


 その結果、結界の耐久性が向上、防御したときに術者が受けるフィードバックも緩和されているというのだから素晴らしい。

 さすがは結界系の希少ボスだ。良いものを落とすんだぜ。


 近くにいたフラーミナが度肝を抜かれていたが、カタリナの視線もフラーミナの杖に向かっている。お互い相手の杖が気になる様子だな。


「2人とも、新しい装備が気になるのも分かりますが、昼食の準備が出来てますよ」


「あ、ロゼ!」


「今日はロゼが当番でしたね。ありがとうございます」


 そこにやってきたのはロゼッタだった。

 ロゼッタは今日の昼食当番。とはいえテーブルや椅子などを用意して〈空間収納鞄(アイテムバッグ)〉から料理を取りだして並べるだけなのでお嬢様でも出来る仕事になっている。


 フラーミナとカタリナが〈イブキ〉の船内に入っていく様子を眺めるロゼッタを見て、俺も話しかけてみた。


「ロゼッタも新しい武器が欲しかったりする?」


「そうですね。新しい武器というのはいつも心が躍りますが、私には〈カリアル〉と〈太陽騎士の大盾〉がありますから」


〈カリアル〉と〈太陽騎士の大盾〉とはロゼッタの剣と盾である。

 剣の正式名称は〈護衛剣・カリアル〉。これが面白い効果で剣攻撃系であるスラッシュを防御に使い、味方をかばう『カバースラッシュ』が使えるようになる優秀な装備だ。

 普通『カバー』系なんて装備で使える様になるなんてことは無いのだが、この武器みたいに〈護衛剣〉系の剣には割と見られるアクティブスキルなんだ。上級中位(ジョーチュー)級の装備である。


 そして〈太陽騎士の大盾〉も武器より等級は劣るもののかなり強力な盾である。ロゼッタはタンクだからな。

 パーティはまずタンクからフル強化するのが定石だ。タンクこそがパーティの要だからな。故にロゼッタは2人よりも早く換装済みだった。そして強力な武器であるがため未だに武器の換装をしなくても良い。それが少しだけ寂しいのかもしれない。


 ふっふっふ。しかし大丈夫だ。

 ロゼッタの【天守護の騎士姫】にしかフルで扱えないような装備があるからな。

 今は我慢してもらうことになるが、絶対に良い〈戦車〉装備をそのうち贈ってやるぜ!


 そんなことを心の中でほくそ笑みながらロゼッタとテーブルに向かった。




 昼食はハンナやシズが作ってくれたシチューを中心としたメニューだった。

 コロッケなどのオプションなども揃っていて、シチューを掛けてクリーミーに食べるという変わったメニューもあった。

 カニクリームコロッケなんかは衣の中にクリームが入っているわけだが、これの外にさらに別のクリームを掛けるわけだ。これがかなり美味かった。俺的にストライクです!


 さすがはハンナとシズ。帰ったらハンナにも美味しかったと伝えなくてはならないな!


 最後に料理アイテムであるセレスタンのティーを飲む。


「美味い!」


 相変わらず美味! 贅沢!


 料理アイテムは毎日食べると体重的な意味でヤバいので、最奥のボス以外ではティーを飲んで料理バフを付けることが習慣化している。

空間収納鞄(アイテムバッグ)〉に保存しているだけで相当な数のティーを確保してある。しかし、セレスタンに直接目の前で入れてもらったティーはどうしてこんなに美味しく感じるのだろうか。不思議!


 みんな昼食に癒され、「ほぅ」と一息ついて最後の一滴まで飲むと、昼食終了。

 ダンジョン再開だ。


 20層守護型ボスの〈ヘイストホーク〉や25層守護型ボスの〈ステルスビッグバード〉を下し、折り返し地点である30層の守護型ボス〈クマフォン〉という熊の頭のグリフォン的な何かを「またクマかよ!」と撃破した。相変わらずなかなかにシュールなボスだったぜ。


「この調子なら今日も40層まで行けそうだな」


「そうね。初めて来る場所なのに正確に階層門のある島が分かるなら、40層まで行けるでしょうね」


「ハッハッハ!!」


 そういえばここのダンジョンに来たのは初めてだったっけ?

〈山ダン〉の時の感覚が抜けきっていない! でも俺には最後の手段にして伝家の宝刀、「あの島に『直感』が発動したんだ」が残っている!

 きっと大丈夫だろう。


 シエラの言葉を笑って誤魔化して31層に突入した。

 折り返しということもあってここからは難易度が結構上がる。

 島の数がかなり増えるんだ。

〈海塗りのベール傘〉を持っていない人たちからすれば陸が増えるのは良いこと、なのか?

 また〈海塗りのベール傘〉の出番が無くなってしまったぜ……。


 とはいえ島は何もない(のっぺらぼう)ではなく、かなり森林が茂っていたり、断崖絶壁に囲まれて上の確認が難しいという島だったりと階層門が判別しづらい。

 フィナとゼニスに頼んで〈山ダン〉の時と同じように空中から探してもらったり、俺の()で見つけてしまったりしながら階層を進む。


 ちなみにフラーミナとリーちゃんにも手伝ってもらおうと思ったのだが、彼女たちはフィナとゼニス並に速いわけでは無く、鳥型モンスターの餌食にされそうになったので待機となった。


 フィナとゼニスも度々鳥型モンスターに遮られて〈山ダン〉の時のようには行かない様子。

 さすがはランク4のダンジョンだぜ。


 35層では守護型ボスの〈クリスタルバード〉がなかなかの強敵。

 体長4メートルの巨鳥で空中を飛びながらクリスタルの結晶の羽を翼から放ち、雨のような大範囲攻撃でガンガン削ってくる。しかも移動速度が速いせいで後衛職が逃げ切れずに巻き込まれ、かなりのダメージを負うんだ。物理攻撃というのも後衛が厳しい理由だな。


 ここは悪いが俺が挑むパーティを選ばせてもらい、フィナが『天落』させてからの総攻撃を軸に後衛職が少ないパーティを選ばせてもらった。

 何度も叩き落とさせてもらったぜ。


 こうして35層のボスも撃破し、40層へと到着。

 40層の守護型ボスは〈気高きエリートグリフォン〉という大きいグリフォンだった。

 さっきの〈クマフォン〉を見た手前、安心してしまうのはなぜだろうか?

 とはいえ〈クリスタルバード〉より格上、油断は命取りになる。


「あれ、テイムできないかしら? なんだか乗ってみたいわね」


 ラナがそんなことを呟いていたよ。

 あれ? 〈クマフォン〉の時はそんなこと言わなかったのに?


「あれはパチモンだわ。こっちの方がかっこいいもの!」


「さいで!」


 分からんでもない!

 こっちはエリートだからね。強いしね。

 でもボスなのでテイムはできないのだ。

 乗ってみたいというのは、とても分かるんだが。


「乗れないのなら仕方ないわ。倒してあげるわよ!」


「「「「おお~」」」」


 横髪をふぁさっと揺らし、かっこいいポーズとセリフを放つラナ。

 久しぶりにラナの王女を見た気分だ。

 みんな感嘆の声を上げていたぞ。


 ということでラナチームに任せて無事撃破。

 ドロップは――〈金箱〉!

 さすがはラナ。『プレイア・ゴッドブレス』が強いです!!


 そして中身はなんと〈デザートグリフォン〉という名の片手銃。


「こ、これは!」


「ニーコの装備キターー!!」


 ―――〈デザートグリフォン〉。

 モデルは多分デザートイーグルのグリフォン版。グリフォンって頭と翼が鷲だからな。多分イーグルよりパワーアップしている銃という意味が込められてる。

 見た目もデザートイーグルっぽい銃で、威力がかなり高いんだ。


「やったなニーコ! これでボス周回が(はかど)るな!」


「火力不足を理由に休みをもらうボクの計画がーー!?」


 何やらニーコも叫んでいたが、きっと嬉しい悲鳴ってやつだろう。休みがどうのと聞こえた気がしたが、気のせいのはずだ。

 これでニーコの火力不足も解消だな!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[良い点] 毎日更新有難う御座います。 [一言] >火力不足を理由に休みをもらうボクの計画がーー!? まだ見ぬアイテムが、「休んでないで、俺を見つけておくれよ」と、ニーコに対して言っているようですね。…
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