表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十四章 〈ダン活〉春休みと新入生の入学式!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1283/2086

#1122 どんどん行こう!希少ボスだって蹴散らすぜ!




「うおおおおお! ヤケクソのー『勇者の剣ブレイブスラァァァァッシュ』!」


「ピギュィィィィ!?」


 ズドンと衝撃。

 俺の色々詰まったヤケクソ気味の『勇者の剣(ブレイブスラッシュ)』が11層エリアボスに決まり、そのままオオタカ型エリアボスが墜落してエフェクトの海に消えた。

 そして俺も落下した。


「ああああーーーーー、着地!!」


 水面にドバシャンと水しぶきを上げながら着地し、しぶきが収まった時には何やら決まったぜ的なポーズを取る。10ッ点! 水しぶきが良いアクセント!

 これで自棄(やけ)になって我を忘れていたとは思われないだろう。


「ゼフィルスお兄様、かっこいいのです!」


「シャキン!」


 見ろ、ルルに声援を貰ってしまったぜ。さらに決めポーズを取る。


「お疲れ様でしたわゼフィルスさん。着地のことを考えて無くて申し訳ありませんでした」


「いやいや、カタリナはよくやってくれたさ」


 そこにカタリナがやってくる。

 実はカタリナは今回の俺のパーティメンバーだ。他にロゼッタ、フラーミナ、ルキアがメンバーとなる。


 今回空を飛ぶオオタカ型ボスを相手にするのに、ルキアが動きを遅くし、カタリナが足場を作ることで俺とフラーミナとロゼッタを上空での戦闘を可能にしてくれたのだ。

 いやぁ、カタリナの『移動結界』が良い仕事するぜ。

 さすがは【方舟姫】だ。


 とはいえまだまだ上空の敵と戦うには経験が足らず、躱されることが何度もあった。これは慣れていくしか無い。

 最後は怒りモードでヘイトを無視し、カタリナへ襲いかかろうとしたボスに対応して、結界の移動がストップしてしまったのも反省点だな。

 そこで俺が『英勇転移(ブレイブポート)』で瞬間移動して『勇者の剣(ブレイブスラッシュ)』を叩き込んだわけだ。


 とどめの一撃、かなりかっこよかったんじゃないかと思う。多分。


「助かりましたゼフィルスさん。ありがとうございます!」


「はっはっは! どういたしまして」


 カタリナの純粋な視線にやや照れていると、それをジーッと見つめていたラナがボソッと言った。


「あ、〈金箱〉が落ちてるわよ」


「〈金箱〉!」


 俺は秒速で飛びついた。


「あ、あら?」


「まったく、ゼフィルスったら」


「ラナ殿下もですよ。まったくもう」


 後ろでカタリナとラナが何やらバチバチしている気配がしたような気がしたが、きっと気のせいだろう。カタリナはそんな子では無いのだ。

 それよりも今は〈金箱〉を開けることの方が大切!


 今回はフラーミナが開けることになった。


「こ()は、弓!」


「「おお~!」」


〈金箱〉の中身はなんと弓。驚きすぎてフラーミナの言葉が乱れるほど豪華な弓だった。

 これは『鳥の天敵』や『鳥系モンスターのドロップ2倍』の付いた〈鳥落とし複合弓〉。

 対鳥系モンスターに対して非常に強力なダメージと、ドロップを2倍にしてくれる素晴らしい効果を持つ弓だ。


 昔パメラが使っていた〈解体大刀〉のパワーアップ版&弓版だな。


「これはユウカ行きだな。使うかな?」


「もちろん使わせてもらうよ! ありがとうゼフィルス君!」


「うわー! ユウカちゃんだけいいないいなー!」


「羨ましいー!」


「ふふん。弓使いは私だけだからね」


 仲良し3人娘の1人ユウカは〈エデン〉で唯一の弓使いだ。

 カイリはボウガンだからまた少し違うんだよなぁ。いや、使えなくはないんだが、Sランク戦も控えているため実質一択だったな。


 サチとエミがユウカの側にやってきて超羨ましがっている。

 横を見ればカタリナも羨ましがるようにユウカの弓を見ていた。

 戦闘したのはカタリナたちだったからな。


 しかし、これは運も絡んでくるので仕方ない。

 あと〈鳥落とし複合弓〉はこのダンジョンだから強いのであって、別のダンジョンではスキルが微妙だぞ? だからそれほど羨ましがらなくても良い。どこのダンジョンでも使える強力なカタリナの武器だっていつか絶対ドロップさせてやるからな!


 そして、その時は意外にも結構早くやってきた。

 それは14層のこと、ここのエリアボスの中でも階層ボスとは違う、もう一つのボス。希少ボスが現れたのだ。


 ボスの名は〈黄緑壁シーフーセン〉という、丸々に太り、なんであれで空飛べてるの? と言わんばかりの小さな翼をぴょこぴょこはためかせて空中にいる、どう見ても鳥では無い何かだ。

 どちらかというと風船に近い。


 しかし、その力はかなり高いのだ。


「『看破』! あれは――希少ボスですわ!」


「よっしゃ2パーティで行くぞ! ニーコよ、前に出るんだ!」


「なんでぼく名指し~!?」


 だってニーコは呼ばないと出てこないし。

 相手は希少ボスだ。もちろんニーコの出番だよね?


「希少ボスといったら私の出番よね!」


 ほら、もう1人の幸運持ちは自ら来たぞ!

 もちろんラナのことだ。


 ちなみにニーコのパーティは他にサチ、エミ、ユウカ、そしてラクリッテがメンバーだ。

 一見回復役が足りなく見えるだろうが、エリアボス戦の時に他のパーティと共にすることを前提に組んでいるのでこうなっている。


 ラナのパーティにはシエラがいるし、さらにルル、シェリア、エステルとシェリア以外は五段階目ツリーを開放しているしで、勝てる未来しかない。

 故に、後は幸運の持ち主で選ぶのは当然なのだよニーコ君。


「まずは小手調べです。『精霊召喚』! 『エレメントジャベリン』!」


「撃てー撃てー撃てー。もう撃って撃って撃ちまくるのだー!」


 シェリアが小手調べに〈雷精霊〉の魔法槍を放った。

 さらにちょっと自棄になってるニーコも銃を撃ちまくっている。


 しかし、それは〈シーフーセン〉に届かずバリアに阻まれた。


「む、これは――」


「あれ、ダメージが通ってないじゃないか!」


 シェリアとニーコが驚愕するのも無理は無い。

 攻撃が当たる直前、当たる箇所を守るようにして小型のバリアが展開され攻撃を完全に防いだのだ。ノーダメージである。


 続いて相手の反撃が来るが、これは大範囲攻撃の暴風だった。


「『インダクション・フォートレスカバー』!」


 当然シエラが完璧に防いでみせる。参加者どころか見学者まで巻き込みそうな特大の一撃がシエラに集まって渦巻く光景が心臓に悪い。

 バカな、あの翼でどうやってこのような風を!? と思うかもしれないが、なんてことはない。


「あの〈シーフーセン〉は魔法使いだ!」


「鳥型魔法使いなの!? あとシエラ――『回復の願い』!」


 そう、ラナの言うとおり、鳥型では初めて出てきた鳥型魔法使いなのだ。

 ちなみに前に火を纏って突撃してくるカモメと出会ったりしたが、あれはスキルなので別扱いだ。

 あと、シエラのダメージは秒で回復している。あの暴風、見た目が派手な割には威力は強くないな。


「見たところ防御に強いぞ! 攻撃はおそらく強力なスキルや魔法じゃ無いとバリアを突破出来ない!」


「任せなさいよ! 私が強力な攻撃というものを見せてあげるわ!」


 そこで名乗りを上げるのはラナ。あの、ラナは回復職(ヒーラー)なのだが?


「『大聖光の十宝剣』!」


「キュルルルルル~~!」


 使用したのはラナの最強魔法、〈五ツリ〉の『大聖光の十宝剣』だった。

 いつもながら10の光の宝剣が飛んでいく光景は圧巻だ。

 これはさすがに防げない。〈シーフーセン〉もバリアを張って防ごうとするも、普通に貫通して大ダメージを受けていた。さすがラナ。

 でももうちょっと弱くてもバリアは突破出来るよ?


 そこへ仲良し3人娘も飛び込んでいく。あれも大技だな。


「いっくよー!」


「うん、大技行っちゃうんだからねー」


「新しい武器の力、見せてあげる!」


「「「『神気開砲撃』!」」」


 早速大技、〈エデン〉のギルドの中でも最強火力である『神気開砲撃』が放たれた。

〈シーフーセン〉が暴風とバリアによって対抗しようとするが、当然紙のように突破して直撃。

 しかも新しいユウカの武器の力、『鳥の天敵』が乗っているため『キラー』系により大ダメージを与えたな。

 マジかよ。ラナと仲良し3人娘の攻撃だけで3分の1以上削っちまったぞ。

 これ、希少ボスなんだが?

 いや、確かに結界が強い分HPは少ない仕様だったけども。


「落ちてきました。今です。『トライ・スラストカノン』! 『ホーリースラストバースト』!」


 さらに大ダメージを受けたことで高度を下げてきた〈シーフーセン〉に〈イブキ〉に騎乗したエステルのスラスト砲が直撃し大ダメージ。


「ルルも行くのです! 『エネルギーチャージ』! とう! 『ヒーロー・バスター』!」


 ズドバン! かなりの衝撃が風船を波打たせた。

 ルルの〈五ツリ〉、『エネルギーチャージ』で溜めて、遠距離からの『ヒーロー・バスター』発射で大ダメージを与えてきたのだ。『エネルギーチャージ』はチャージした時間が長いほど次の一撃の威力が上がる。最高1分。しかしほんの少し溜めるだけでもこの威力だ。


『ヒーロー・バスター』は剣からヒーローのエネルギー的な何かをぶっ放して攻撃する、ルルにとっては初の遠距離攻撃ができるスキルだ。なお、距離が遠ければ遠いほど威力が減退していくのでゼロ距離が一番威力が出たりする。

 また、ゼロ距離で放つとヒーローエネルギーを放たなくていいためクールタイムゼロでもう一度撃てるという特殊能力が強力なスキルだ。遠距離攻撃はどこ行っちゃったのか。


「今度は本気で行きますからね。『精霊召喚』! 『古式精霊術』! 『大精霊降臨』! お願いします『イグニス』!」


 さらにシェリアの大精霊が光る。


「行きます。『イグニス・バースト』!」


「フーーーーー!?」


 そして攻撃。大精霊イグニスが放つ高威力魔法がバリアなんて完全に無いもの扱いで〈シーフーセン〉に突き刺さる。


「『三連バースト』! ひー! これぼくの銃が完全に豆鉄砲なんだがー!?」


 そしてニーコだけ悲鳴を上げていた。

 ニーコの『三連バースト』は相手のバリアを突破することはできたものの、ダメージは微々たるものだったのだ。完全にバースト負けしている。信じられるか? これ2人とも〈四ツリ〉のスキル・魔法なんだぜ?


 その後もニーコの攻撃が置いて行かれた戦いは続き、ついに〈シーフーセン〉のHPが危険域に突入する。


「いよいよ宝箱ね! 『プレイア・ゴッドブレス』!」


 ラナの祈りにより幸運の祝福が舞い降りた。これで倒せば〈金箱〉率が大きく上昇する――のだが希少ボスは〈金箱〉確定なので今回は激レアドロップ狙いだな。

 後はトドメを刺せば完璧のはずだったのだが、問題が起こった。


「だ、ダメージが通らなくなったんだが!?」


「危険域に入ったことでバフが入って防御力が上がったんだな。火事場の馬鹿力的なやつだ」


〈シーフーセン〉は防御型のボスだ。とうとうニーコの攻撃の威力ではダメージが入らなくなった。

 まあ、怒りモードみたいなものなのでしばらく待てばバフは消える。


「ねえこれ私がトドメ刺してもいいかな。この弓で撃てばドロップが増えるよ!」


「良し、採用!! ユウカ、撃てー!」


「あいよー! 『魔弓・ハイパワーバスターショット』!」


「キュルルルルル~~!?!?」


 今回は希少ボス、故に〈金箱〉確定! ニーコの『ラストアタックボーナス』は使わなくても問題無い。

 ということで『鳥系モンスターのドロップ2倍』のスキルを持つユウカに倒してもらった。


『鳥系モンスターのドロップ2倍』はトドメを刺すと素材ドロップが2倍になることがある。問題は〈シーフーセン〉が果たして鳥なのかというところだが、あいつは一応鳥に分類されているのだ。そうは見えないけどな。


 そしてユウカは見事〈シーフーセン〉を撃破し、ドロップは。


「うおおおお!? 〈金箱〉2つにボスドロップがわんさか! 大当たり来たーーー!!」


 鳥のドロップ2倍。そして宝箱の個数まで増えて、2個とも〈金箱〉確定!

 凄い! 金箱確定凄い! 〈金箱〉大好き!


 活躍が著しかったルルとシェリアが共同作業で、そしてユウカも開けることになった。


〈金箱〉2つの中身だが、なんと武器杖。片手杖〈レビテーションスノー〉と両手杖〈防遮(ぼうしゃ)の法杖〉だった。さすがは魔法を使う鳥(?)のドロップ。


 一定時間術者が浮遊できる能力を持つ杖に結界系を強化する杖だ。

 これまた大当たりだぞ!? ふははははは! 早速装備だーー!


 〈レビテーションスノー〉をフラーミナが装備し。

 そして〈防遮(ぼうしゃ)法杖(ほうじょう)〉をカタリナが装備することになった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[気になる点] そういえば、〇〇殺しとか対OOのついた武器で攻撃されるとダメージが増えてしまう職もあるのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ