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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十四章 〈ダン活〉春休みと新入生の入学式!!

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#1113 〈山ダン〉40層、〈エデン〉の〈南枝〉ボス戦




 すでに〈山ダン〉を攻略済みという俺がいるので〈エデン〉は迷わずに階層門へと進む。

 いやぁ、すでに知っているという免罪符があるから知識を披露するのになんの枷も無い! 素晴らしい!


「おっとその山の間を抜けるルートは避けるぞ。そこはモンスターに襲われやすいうえに、山の上から罠が落っこちてくるんだ」


「…………」


「出たなここの罠! これは回収するぞ! すると下からレアな採取ポイントが出てくるんだ! モナ、出番だ!」


「は、はい! 待ってました!」


「…………」


「まずは東だ! 次に北! 一度西に進路を執って、あったあった。そこの根っこの上を走るんだ。すると階層門近くまで高速移動が可能だ。俺は密かに高速道路と呼んでいる」


「ねえ、さすがによく知りすぎじゃないかしら? 本当に合同攻略の時にそこまで調べたの?」


「もちろんだ!」


「…………」


 シエラのジト目も絶好調。俺は大変気持ちが良くなった。ふはは!


 するする~と進み、時にはレアな採集ポイントで休憩しながら採集などをこなし。たまに出てくるモンスターを屠る。


 いやぁ、非常に楽しい!

 エクストラダンジョンのことを思い出したぜ。


 おかげでモチベーションも上がり1日で40層も走破してしまった。

 ここまでに守護型ボス7体撃破。エリアボスは4体と遭遇して撃破した。

 エリアボスが少ないのは進むのを優先した結果だな。


 そしてここ、40層の守護型ボスは〈エルダートレディアンの南枝〉。

 攻略方法が35層の〈西枝〉とほぼ同じなので楽勝だ。


 幹に攻撃して、出てきた眷属を倒して、また幹に攻撃しての繰り返しである。

 簡単だ。とても簡単。しかし時間が掛かる。

 焦りは禁物だが、時間が掛かりすぎると気持ちが焦る。

 そのため多くのパーティで挑むのは厳禁だ。誰かがやらかす可能性が上がるのもそうだが、挑むパーティが増えれば増えるほどボスのステータスがアップして硬くなってしまうからだな。


 今回も最大で2パーティ構成だ。

 今日最後のボス戦とあって参加したいと手を挙げる人は多かったが、俺のチームとシエラのチームが参加することになった。

 ちょうどメインヒーラーがいないパーティ同士だな。

 ちなみにラナは35層の〈西枝〉を狩っているので参加は出来ません。


 パーティメンバーは、シエラチームが。

 アタッカー:サチ、ユウカ。

 タンク:シエラ。

 ヒーラー:エミ。

 バッファー&デバッファー:ルキア。


 そして俺ことゼフィルスチームが。

 アタッカー:リーナ、ラウ。

 タンク:ラクリッテ。

 ヒーラー:ゼフィルス。

 バッファー:ノエル。


 こんな感じ。


 というわけで戦闘開始だ。


「まずは一斉攻撃するぞ! サチたちの溜めは大丈夫かー?」


「おーいえー!」


「準備完了だよー!」


「いつでも撃てるよ。後は開始の合図を待つばかりだ」


「リーナとラウは?」


「任せてくださいませ! 充填完了していますわ!」


「こちらもいつでも良い」


「よーし。ノエルとルキアのバッファー組も準備はいいかー?」


「任せてよー! 五段階目ツリーのバフの準備オールオッケー!」


「私もいつでもいいよー。まずは素早さバフから掛けるからねー!」


「いいないいな! シエラとラクリッテのタンク組は?」


「配置に付いたわ。私に任せて頂戴。1体も後ろに通さないわ」


「わ、私も配置完了です! 私も後ろに通しません!」


「よし、じゃあ始めるぞー! 5秒前」


 それぞれの準備が整ったとの報告に、俺がカウントダウンを告げる。

 この東西南北枝は攻撃されないと動かない。まあ、本体から伸びたただの枝だからな。目も無いし、攻撃されるまでは敵意を持っている相手が近くに居ることにすら気が付かない。

 つまりは一斉攻撃のチャンスだ。


 二つのチームを正面に配置、タンクを前に出し、後ろからまず一斉攻撃を放つ。

 これでガクンとHPを削る算段だ。

 すると眷属を大量に生み出してくるので眷属対応にスイッチする。倒し終わったらまた枝を攻撃だ。その繰り返し。

 カウントダウンが終わる。


「2……1!」


「『プリンセスアイドルライブ』! 『リズム・メロディ・ハーモニィ』! 『ハイテンションエール』!」


「『素早さタイムブースト』! 『移動タイムブースト』!」


「『決戦兵砲・ノヴァブレイカー』!」


「『フルライトニング・スプライト』!」


「「「『神気開砲撃』!」」」


「『獣王バスター』!」


 まずノエルがユニークスキルと五段階目ツリー『リズム・メロディ・ハーモニィ』を使用する。全ステータスが上昇する音楽が鳴り響いた。さらに『ハイテンションエール』で俺の攻撃の威力を3倍に上昇させる。

 続いてルキアが全体の素早さと移動速度を上昇。


 そしてリーナが五段階目ツリー攻撃スキル『決戦兵砲・ノヴァブレイカー』を放った。

 これは溜め攻撃。ただでさえ五段階目ツリーで威力が高いのに加え、溜めに溜めた攻撃。

 これがとんでもないダメージを与えた。

 溜めのため『全軍一斉攻撃ですわ』が使えなかったのがネックと言えばネックか。


 続いて俺が雷の花火を放ち、サチ、エミ、ユウカは超強力なコンボスキル『神気開砲撃』を放った。


 最後はラウ。

 スキルはあのガルゼ先輩も使っていた『獣王バスター』。

 ノエルからのバフの後、駆け出しその拳で幹へ抉り込むように打つと、幹が大爆発を起こした。かっこいいな!


 この一斉攻撃により、ボスのHPの3分の1が消し飛んでしまう。


「――――!!」


 そこでとうとう〈南枝〉が行動を起こす。

 幹が割れるように次々眷属を生み出し始めたのだ。


「うわ、多いな~デバフ行くね! 『移動スケールダウン』! 『攻撃スケールダウン』!」


「殲滅する! 『百烈獣牙』」


「ラウ、あまり前に出るな! 基本は範囲攻撃で行くぞ! ボスに攻撃が当たらないよう注意しろ! 『サンダーボルト』!」


「『殲滅兵砲・エクスプロージョンノヴァ』!」


 殲滅開始。仲良し3人娘は自己バフのかけ直しで少し前線には来られないが問題無い。

 俺たちの攻撃にどんどん眷属たちの数が減っていく。

 ルキアが良い仕事しているな。相手の移動速度を奪ってくれるので、距離を取ればこっちに到達するまえに殲滅が出来ている。


 しかしそれでも物量が勝ち、徐々に徐々に眷属が押し寄せてきた。そこで前に出るのがラクリッテ。


「ポン! 群がるは幻の甘い夢の蜜! ――『甘夢幻(かんむげん)二塔盾(にとうたて)』!」


 ここでラクリッテの〈五ツリ〉が発動する。

 それは甘ったるそうな、蜂蜜でベトベトな2つの塔。

 それが別々の場所に召喚されたのだ。そして変化は現れる。

 眷属たちがまるで甘い蜜に誘われるようにその塔に群がり始めたのだ。


 つまり挑発効果のある塔を生み出す五段階目ツリーなのである。

 すごく強い。


 まあ、ボスには効かないうえに『夢幻(むげん)四塔盾(しとうたて)』のように時間経過で幻になってしまうので、引きつけられるのは少しの間だけだ。

 しかし、少しでも時間稼ぎができれば問題無い。そこへ俺たちが飛び掛かる。殲滅だ!


 シエラが『アジャスト・フル・フォートレス』の準備をしていたのにもかかわらず、第一陣の眷属たちの殲滅が終わってしまったな。


「『全軍一斉攻撃ですわ』!」


 続いて幹を攻撃。今度はリーナのユニークを発動してもらった。

 これも一斉攻撃する。枝は攻撃されないと眷属を生み出さないので、攻撃するタイミングは同時の方が良い。

 クールタイムが明けたところで全員一斉攻撃してこれで3分の2を削った。

 そこで〈南枝〉が急激に体を動かし始め、先ほどより多くの幹が裂け始めた。あそこから大量の眷属を出す気である。怒りモードだ。


「ノエル!」


「怒りなんて沈めちゃうよ~! 『鎮静の一曲・ラブ&ピース』♪」


 怒りモードに突入したわけだが、ここでノエルがユニークスキルを発動する。

『鎮静の一曲・ラブ&ピース』は相手の怒りを解除する効果を持つ。

 おかげで裂けていた幹がいくつか戻った。また、先ほどと同じ量の眷属が生み出されたので、今度はシエラに守って貰いつつ殲滅し、そして3度目の一斉攻撃を放つと、〈南枝〉のHPがゼロになる。


「――――!!」


「え、もう終わりなの?」とでも言うように、〈南枝〉が膨大なエフェクトに包まれると、そのままエフェクトの海に消えていく。みんな強すぎて3回繰り返すだけで終わってしまったな。


 その後には――金色に輝く〈金箱〉が残されていたのだった。




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] シエラも他のギルドメンバーも、おそらくゼフィルスはダンジョンの事を知り尽くしてると分かってるはずなのに、ジト目とかで済ましてくれるのは優しいですね笑 まあダン活の世界では、勇者だから、と言っ…
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