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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十二章 秘湯巡りと〈ギルバドヨッシャー〉練習試合!

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#1047 お土産屋。想定を超えてぬいぐるみが強い!?




「は~。雪合戦のあとの温泉が冷えた体に染み渡る~」


「ああ。しかし雪合戦は予想以上に楽しめた。オリヒメも喜んでいた」


「確かに楽しかったが、スキルと魔法無しだと俺のような魔法使いには不利じゃないか?」


「そこはチーム戦ですよメルト様」


「セレスタンさんはもう意味が分からないくらい避けまくり&叩き落としていましたからね。というかあの動きはどうやってるんですか?」


「逆にサトルはどの試合でも真っ先に退場していたが、あれこそどうやってたのだ?」


 男子の温泉で俺、レグラム、メルト、セレスタン、サトル、ラウが先ほどの雪合戦の感想を話し合う。

 みんな、楽しかった様子だ。

 企画して良かったなぁ。


 あまりに熱中しすぎて気が付けばそろそろ帰る時間だ。

 最後に宿の温泉に浸かり、冷えた体を温めたらショートカット転移陣でボスを狩って帰ろうという企画。

 あ、お土産買う時間も用意しないとな。ここは温泉街だからお土産屋さんもあるのだ。ダンジョンなのに。


「さて、そろそろ上がるとしよう」


「そうだな。だが、これで温泉も終わりだと思うと寂しくもある」


 メルトが真っ先に上がり、レグラムもそれに続くように立ち上がる。

 レグラムは別の意味で温泉を楽しんでいたからな。とはいえ秘湯は毎日行ってもなんなので初日しか行っていない。スキーや雪合戦など、みんな初めて体験することも多かったようで思いのほか熱中してしまったのだ。


「また来年の楽しみだな」


「その時も万全の準備でお供させていただきます」


「俺も、また来るのが楽しみだ。あと、夏も誘ってね? 忘れないでね?」


「水着を着るのも温泉で泳ぐのも貴重な体験だった。俺の方が年上なのにみんな初めてのことばかりだったよ」


 俺の言葉にセレスタンが礼を取り、サトルものんびり顔を綻ばせて賛同したかに思ったところで表情を引き締めて何かを訴えていた。サトルは夏休みの時、うっかり忘れられていたからな。大丈夫だ、夏休みはまたちゃんと誘うから。

 ラウはこの中では一つ年上だが、1年生の時はこんな旅行なんてしなかったらしい。なんて勿体ない。


 それから温泉を上がると、女子はまだまだ掛かりそうだったので6人で先にお土産屋を巡ることにした。

 とりあえず美味しそうな菓子類は全種類買っていこう! お金はたくさんあるんだ!

 ここも学園の一部ということでミール精算が出来るのがありがたい。


 俺の次に並んでいた人は外からの旅行者だったのだろう、銀貨で払ってた。

 おお、ファンタジ~。

 学園では全てキャッシュレス決済だったのに、このお土産屋さんでは両方使えるみたいだな。


「ゼフィルス、女子からメッセージが来たぞ。こっちに来るらしい」


「わかった。場所を知らせてくれ」


 メルトのところに連絡が来たようだ。

 多分ミサトからだろう。それを女子からと言うあたりメルトは素直ではない。ふっふっふ。


 メルトに俺たちの居る場所を送ってもらうと、数分で合流した。

 女子は全員で来たようだ。

 お土産屋がギルド単位で訪れていいようにデカい建物で助かるところ。


「あ、いたわねゼフィルス。もう買ったの?」


「ああ。とりあえず菓子類は一通りな」


「お、大人買いだー」


 ラナが手を振ってきて合流。お土産のことを聞かれたので答えたら一緒に来ていたハンナが目を丸くしていた。ふっふっふ、ハンナも大人買いすればいいじゃない。


「あ、このキーホルダー可愛いのです!」


「モンスターの絵が描かれているのですか。種類がすごいですね」


「これって何種類あるのかな? コンプリートとかしてみるかいニーコ君?」


「遠慮しておくよ。僕が興味があるのは効果を持つアイテム類だけさ。鑑賞することを目的としたグッズ類には興味を引かれないね」


「え? ぬいぐるみは?」


「え? ああうん。ぬいぐるみは別枠さ。もちろんだよ」


 ルルが興味を引かれて何やら大量のキーホルダーが吊されているグッズ売り場に行けば、シェリアが当然のように付いていき、カイリとニーコもつられて見に行っていた。


「お土産屋さんってなんだかテンション上がるよね~」


「うん! 普通じゃ見られない商品がいっぱいだ~!」


「さすがはお土産屋さんだね。いったいどのくらい種類があるんだろう?」


 こっちは仲良し3人組。

 女子高生のノリが聞いていてじんわりくる。


「あら、服なんかもあるのですね。これは温泉のマークでしょうか? どういうときに着るのでしょう?」


「カタリナとロゼッタには縁が無いんじゃないかなそのTシャツ。着るとすれば、寝間着かな? 宿で友達同士で着たりとか」


「確かにゆったりしていて寝るときに着るラフさはありますね。宿で着る、のでしょうか? ですがここはお土産屋さんでは?」


 カタリナが首を傾げ、フラーミナが説明する。ロゼッタも首を傾げていて、貴族組には庶民的な服はよく分からない様子だ。


「こ、これは良いぬいぐるみですね。とても良いぬいぐるみです。さ、ラナ様もどうぞ」


「いただくわ。う~ん、これはクッションぬいぐるみかしら? 弾力があるのに埋もれていく感覚。これは良いぬいぐるみね!」


 こちらではエステルやラナたちがぬいぐるみの評価をしていた。

 なお、これは俺がエステルを誘導した。ふっふっふ、お土産といえばぬいぐるみは欠かせない。〈幸猫様〉の代わりに膝に乗せるぬいぐるみを是非選んでほしい!

〈幸猫様〉を守るのだ!


「どうですかラナ様、膝に置いて愛でればとても気持ちよさそうですよ」


「そうね! でもやっぱり〈幸猫様〉には勝てないかしら? 私の膝の上は〈幸猫様〉の特等席よ」


 そんな特等席、廃棄してあげて!?

 くっ! やはり〈幸猫様〉に勝てるぬいぐるみはいなかったか。

 なぜか納得してしまう不思議。


〈幸猫様〉はレアボス限定の激レアアイテムだ。その肌触りも触り心地もそこいらのぬいぐるみでは歯が立たない。

 あの12万ミールもした特大のモチッコぬいぐるみですら〈幸猫様〉への魔の手を防げなかったのだ。お土産屋さんに売っているぬいぐるみではさすがに無理だったか。


「無念」


「どんまいゼフィルス」


 カルアに慰められてしまった。ぽんぽんされた。

 うむ、これはこれでいいな……。リカの気持ちの一部がちょっと分かった気がした。

 その後にやってきたリカによってカルアは連れて行かれてしまったので手を振って見送る。


 その間にぬいぐるみ棚周囲には女子が集まりだしていた。


「お土産にぬいぐるみか~。有りだよね!」


「は、はい! あ、温泉に浸かっているタヌキぬいぐるみなんてあるのですね」


「ふわ~、なかなかユニークだよ。可愛い子がいっぱいだね~」


 ノエルとラクリッテ、トモヨがなにを買おうかと前向きに話し合っている。

 それを見て気になったのか他のメンバーも続々と集まって来ていた。


 ねえ待って? ちょっと想定外。なんでこんなに集まって来ちゃうの!?

 集まって来すぎ!

 もしかして全員買っていく気か?

 それどこに? またギルドハウスにぬいぐるみが増えてしまうよ!?!?


「しまった! これじゃ裏目に!?」


 お土産といえばぬいぐるみは欠かせない。

 さっきそんなことを考えた俺にチョップを食らわせたい。

 か、買いすぎもいけないんだぞ!?


 結局俺の願い届かず。

 ほとんど女子全員がぬいぐるみを手にレジへ向かったのだった。

 ぬ、ぬいぐるみが強いよ~~!!





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[良い点] カルアちゃんかわいい
[良い点] まぁエデンのメンバー女子多いからね、(ぬいぐるみ増えちゃうのも)しょうがないね。
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