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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十二章 秘湯巡りと〈ギルバドヨッシャー〉練習試合!

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#1031 ついに完成! 〈最上級品イブキ〉!!




 ――オークション。

 実は〈エデン〉は少し前からとあるミッションを実行していた。

 オークションに上級ダンジョンでゲット可能なとても高価で強力な装備などを出品していたのだ。もちろんその売上げはかなりのものだが、実はそれ以外にも目的があった。むしろこちらが本命とも言える。


「それでリーナ、首尾の方は?」


「〈ギルバドヨッシャー〉以外からは声も掛かりませんわね」


「……〈決闘戦〉を挑んだものには参加賞で上級装備を贈ると書いていたのに?」


「それでも〈エデン〉に〈決闘戦〉を挑もうという所は皆無ですわね」


 それは〈決闘戦〉。というかギルドバトルの申し込み待ち作戦だ。

 オークションは、その呼び水に過ぎない。

 しかし今のところ、どこも〈エデン〉と申し込みが来ていないという。


 バカな! あれだけ魅力的な装備を報酬に掲げているのに!?

 なぜかシエラからジーッとジト目の視線を感じます!


「その代わり装備の交換や売ってほしいという要望が相次いでいますわね」


「いや〈決闘戦〉しようぜ!? 欲しいなら奪いに来て良いから!」


「無理よね。向こうが用意したものが確実に持って行かれるだけだもの。普通に交換などを申し入れたほうが有意義に違いないわ」


「…………」


 シエラのお言葉が身に染みます。


「それでゼフィルスさんこちらが交換条件で出されている品の目録ですわ。なかなかのものが揃っておりますわよ。例えばこの〈オカリナ〉や生産レシピなど、いかがですか?」


「いいな。〈オカリナ〉、いいな。〈笛〉は?」


「〈笛〉はありませんわ」


「そうか……。このままではギルドバトルを仕掛けてくる相手が皆無だな」


「合同攻略を達成したときから分かっていたけれどね」


 ゲームのNPCならこっちがいくら強くても申し込んでくるが、リアルではやはり無理があったか。

 もう〈ギルバドヨッシャー〉とやるしか道は残されていないようだ。


「ただ、オークションの上級装備はもっと出してほしいと要望が大きいですわね。まとめ売り10点セットでも構わないとか。売れ行きも大変好調ですわ。むしろ〈エデン〉が出したというだけで(こぞ)って落札しようとしておりますわね」


「このまま〈エデン〉では使わない装備はある程度放出しちゃいましょう」


「だな。〈エデン〉には必要無くても学生のレベルアップには使えるし、いらないのはどんどん売ってしまおうか。交換の要請も受けてくれ。俺たちが確保している装備やアイテム以外なら各自の判断で交換を可とする」


 というわけでプランBに移る。

〈エデン〉は〈幸猫様〉や〈仔猫様〉、ニーコや〈小判〉など様々な恩恵でレア装備、激レア装備を確保しまくっている。中には当然〈エデン〉では使わないけど能力は強い装備も大量にあるので、そういうものは流すことにした。ボス周回もエリアボス版ではあるものの公開したので、大量に持っていても何も不思議は無いからな(?)。この機会に放出量を増やす予定だ。


 さて、最大の目的だった〈決闘戦〉が無いとなると、練習試合だな。

 練習試合は実りが少ない上に出費がすんごいんだよ。

 アリーナを借りる場合は学園にレンタル料金を払う必要があるが、これはギルドバトルの場合免除されるのだ。ただし練習や練習試合の場合は完全に自費、しかもAランク戦やSランク戦で使うような大型アリーナは料金もばかにならないので、遊ぶために払う金額としては躊躇してしまう。


 まあ、上級産の売り上げはかなりのものらしいし、ちょっとくらいならいいのかもしれない。

 第一アリーナを全面借りるなら1時間で500万ミールくらい掛かるんだよなぁ。

 あの土地の広さだからなぁ。なかなか遊びでは出せない。


 ちなみにランク戦や〈決闘戦〉では観客から利益を得ているので指名料を除けば無料だ。

 それを自費で払わなければならないのだから練習試合に二の足を踏むのも分かるだろう。

 練習試合は所詮は練習。観客からお金は取れないのだ。そう校則で決まっている。

 見たければ、タダで見れるのだ。


 そんなこんなで話し合いが終わる頃には良い時間になっていたのでみんなでギルド〈彫金ノ技巧士〉へと向かう。


「大所帯は目立つわね」


「ん、すごい注目されてる」


 目立つことが苦手なシエラが眉を下げ、カルアがそれに頷いて同意していた。

〈イブキ〉の受け取りはなぜか全員参加になった。

 俺だけでもよかったのだが、いつの間にかみんなで受け取りに行くという話になってしまったのだ。


 ちなみに帰省組はメルトとミサトだけ参加だ。他はまだ帰って来ていない。


「あの微妙に浮かんでる船かぁ。あれがあると上級ダンジョンの攻略には便利だろうね~。運転してみたいな~」


「だけどあの船は確か隠蔽系とか使えないはずだよカイリ君。運転しても大丈夫なのかい? 攻撃を受けるとそのまま装備者にダメージが行くらしいけれど」


「う、そっか、『ドライブ』系のスキルか回復系のスキルしか使えないんだっけ? それじゃあ斥候の私の出番が、いやでも便利だし、でも耐久問題も……」


 ニーコの言葉に何やらカイリは葛藤している様子だ。


「ここだ」


「ここがB()ランクギルド〈彫金ノ技巧士〉」


 そう、メルトが言ったように〈彫金ノ技工士〉はBランクギルドだ。

 先日の〈学園出世大戦〉に参加し、見事Bランクギルドに昇格したのだ。

 まあ、ガント先輩が上級職だからな。


「向かいにはマリーお姉ちゃんのお店なのです!」


「〈ワッペンシールステッカー〉もここに移転したのですね」


 ルルとシェリアの見る先には新しい新築のお店がリニューアルオープンしていた。

 ここはBランクギルド〈ワッペンシールステッカー〉。

 マリー先輩たちのギルドも〈学園出世大戦〉で勝ち、Bランクギルドになっていた。

〈彫金ノ技工士〉と真向かいとはなんかすごいな。


「〈彫金ノ技工士〉はその、お店が小さいのですね」


「クワァ」


「奥が車庫になってるんだよ。〈ワッペンシールステッカー〉と違って馬車みたいな大型のアクセサリー装備はそこそこあるからな。作製に広い空間が必要なんだ。その分店は小さくしているんだと思うぞ」


「その通りっす」


 アイギスの感想に答えていたら。〈彫金ノ技工士〉のお店から見慣れた職人が出てきた。ガント先輩の弟子のケンタロウだ。


「ようケンタロウ。新しいお店はどうだ?」


「おはようございまっす、ゼフィルスさん! 商売繁盛っすよ! なんか最近新しい〈馬車〉のレシピが発見されたみたいで、みんなそっちにかかりきり見たいっす!」


「ほう、新しい〈馬車〉か! どんな馬車なんだ?」


「それはお客様情報なので教えられないっすよ。ささ、立ち話も何なのでこっち来てほしいっす。裏の車庫でギルマスも待ってるっす」


「おう。みんな行こうか」


 ケンタロウに付いていくと、でっかい屋根付きの工場っぽい建物に通された。

 そしてそこには、完全体となった〈最上級浮遊戦車イブキ〉が――2()台置いてあった。


「「「「おお~!」」」」


 思わずみんな感嘆の声が出た。


〈高級品イブキ〉の時よりさらに豪華になったそれ。

 色は同じ白だし姿形は大きく変わっておらず、どこがどうとか具体的には言えないのだが、全体的に豪華になっているのだ。装飾とかがすごいのか。 

 一目で〈イブキ〉が進化してると分かる見た目にパワーアップしていた。


 すると声に気が付いたのか鉢巻きが似合う、片手に工具を持った男子がやってきた。


「来たか」


「ガント先輩。さすがだな!」


 もちろんガント先輩だ。

 この〈最上級イブキ〉を作れるということはガント先輩のスキルはかなりのものとなっているはずだ。LV15どころかLV20くらい行っていてもおかしくない。


「普通のを出せ」


「おう。ちゃんと持ってきてあるぜ。どこに出す?」


 なんともガント先輩らしく、早速次を要求された。

 出せと言われた普通のとは〈高級品イブキ〉のことである。普通では無いよ一応。

 ガント先輩に指で示されたところに〈高級品イブキ〉を置くと、これをガント先輩に預けた。残された素材で最上級にアップグレードしてもらえることになっている。

 後は〈最上級品イブキ〉の回収を、と思ったがすでに占拠されていた。もちろん〈エデン〉メンバーたちにだ。


「これはすごいわ。前よりも広々としているのね」


「これ+8って書いてありますよ? もしかしなくてもフル強化では?」


「最大16人乗りというのがほんと、なにこれ? なんだけどー」


 シエラ、アイギス、カイリの声が聞こえてきた。

 それもそのはず。


 ビフォー。

 ―――――――――――

〈浮遊戦車イブキ(高級品):攻撃力225。乗車人数12人〉

〈『空間拡張LV6』『フォルムチェンジ』『浮遊走行』〉

 ―――――――――――

 アフター。

 ―――――――――――

〈浮遊戦車イブキ+8(最上級品):攻撃力289。乗車人数16人〉

〈『空間拡張LV10』『環境対策モード』『浮遊走行』〉

 ―――――――――――


 いやぁ、うん。すごいなぁという感想しか出てこない。

 二つともこの数値だ。

 最上級品に加えて〈装備強化玉〉を最大の+7まで使って強化している。

 さらにそこから〈性能限界玉〉を使って+1して、限界まで+を稼いだ逸品(いっぴん)

 いや二品(にひん)


 うん。とりあえず攻撃力がすごいなぁ。64も増えているし。

 まあ、〈性能限界玉〉まで使っているからな。

 これは今後、最上級ダンジョンでも使う可能性があるため限界まで強化しておいたのだ。


 素晴らしい。

 あ、俺も乗らせてください。

 おお~、『空間拡張』が最大レベルのおかげですごい広々としてるな!

 クルーザーの大きさじゃ無いぜ。

 能力も大満足。さすがはガント先輩だ! これ、もっと欲しい。


 だが、とりあえず二つだ。

 レアボス素材も残り少なくなってしまったらしいので作れるのは後1つまで、それ以上増やすならまた周回しないといけないな。

 あとは預けた〈高級品〉。これもアップグレードして〈最上級品〉にしてくれるとガント先輩は請け負ってくれた。これは今ある素材で出来るとのことだ。

 能力の伸びが良さそうなら〈装備強化玉〉と〈性能限界玉〉を使ってほしいとガント先輩に渡しておく。


〈最上級イブキ〉を回収した俺たちは、早速性能を測るため、ダンジョンに潜って〈イブキ〉を走らせてみることにした。

 ちょっとだけちょっとだけ。うん。試すだけだから大丈夫。

 今運転が出来るのがアイギス、ロゼッタ、セレスタン、カイリの4人なので順番に運転してもらった。

 2台あるので今いるメンバー全員で乗れるのが素晴らしい。


 ルルが一生懸命名前を考えていたな。

 そうしてはしゃぎながら運転していると、いつの間にか正午になっていた。


 ―――帰省組が帰還した。





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