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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十一章 学園に五段階目ツリーを広げよう大計画。

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#1019 新〈エデン店〉開店! 合同攻略の準備。




〈キングアブソリュート〉が〈霧ダン〉を攻略した宴の翌日。


 ギルドハウスが完成した。

 実は昨日の夜には完成していたらしいが、宴会から寮へ直帰だったからな。俺はまだ見ていなかったんだ。

 早速足を運んでみると、正面には大きな店が出来ていた。まだ開店準備は整っていないので裏から回り込む。


「あ、ゼフィルス君おはよう!」


「おう、ハンナもおはよう!」


 お店ではハンナたちが忙しなく動き回り店の開店準備を進めているところだった。

 今日のハンナは忙しいことが分かっていたので朝は珍しく別行動だったからな。朝の挨拶を交す。


「おはようございますゼフィルス様」


「おはようございますわ」


「お、おはようございますです!」


 セラミロさん、アルストリアさん、シレイアさんにも挨拶を交す。


「店は、実際見るとかなり大きくなったなぁ」


「うん! Cランクの時はお客さんが中に入りきらなかったってことがたくさんあったけど、この広さならみんな入りきるよ」


 ハンナの言うとおりだ。

 以前は〈エデン店〉から外に長蛇の列が伸びていたが、Aランクギルドの店はかなり大きいため、その心配はなさそうだ。

 あの大エントランスホールの半分を使ってお店にしたからな。


 うん、エントランスホールがデカすぎという印象だったのでこれでいい。

 エントランスホールに飾るぬいぐるみもそれなりに少なくてすむだろう。少なくすんでほしい。


 今回のお店はたくさんレジを増やした。

 大量のお客さんを素早く捌くことを目的にしている。


 その理由は〈学園出世大戦〉。

 マッスラーズを始め、たくさんのギルドがハンナ特製の上級ポーションを使用していた。

 おかげでものすんごい宣伝効果を生み、中には「あの〈エデン〉を一度でも引かせたポーション」なんて言われているらしい。

 おそらくあのマッスラーズと一当てした時のことを言っているのだろう。


 なるほど。まさかあの撤退がこのような宣伝効果を生むとは。

 そんなわけで上級ポーションの需要が爆上がりしているとのことらしい。〈エデン店〉のオープンを待ちわびている学生は多いのだとか。


 そのため店内では商品棚のエリアと、(なら)ぶための列専用エリアが確保されていたりする。

 遊園地の並ぶ専用レーンかな? それがお店の中にあるイメージ。

 どんなお店なんだろうね。すごいぜ。


 またレジ員も確保。これは人を新たに10人雇った。

 セラミロさんの伝手で集めたらしいが詳しいことは不明。全員まだ職業(ジョブ)も持っていない女の子たちだった。社会経験を積ませたいとのことだったので許可した形だ。


 メイドさん仲間、ということはないはずだ。一番小さな子で14歳らしいが、働いても大丈夫なのかな? 大丈夫らしい。さすがは〈ダン活〉の世界。

 管理はセラミロさんに任せる。


 この子たちの種族は結構バラバラだ。

 おお、なんだい狐耳の子。え、なになに16歳になったら【巫女狐】になりたい?

 よーしよしよし、お兄さんに任せたまえ。俺が【巫女狐】に就かせてやろう!

 14歳と15歳の少女たちか……なんだか策略の匂いがする気がしたが、きっと気のせいだろう。



 またギルドハウスの中には最上級の鍛冶工房と錬金工房も作った。これは外せない。

 今後は上級職となったアルストリアさんとシレイアさんも使うので錬金工房はかなり大きく作ってある。

 後は男女別のシャワールームを女子のだけ大きく改装。〈エデン〉は女子が多いのでこれは必要不可欠。

 Cランクギルドハウスでは割と渋滞が多発していたからな。


 他は倉庫や会議室を作った程度。部屋はまだまだ余っているがとりあえずはこれでいいだろう。

 あ、後はトレーニングルームも作ったっけ。マッチョにだけはなるなよ。


 ギルドハウスの紹介はこんな所だろう。

 良い感じじゃないか。


 さて、続いて昨日ユーリ先輩たちと約束した5ギルド合同攻略についてだ。


「リカが居れば、連れて行きたかったんだがなぁ」


「ん。いないものはしょうがない」


 俺の呟きにカルアが答える。腕の中で黒猫のクミンとシナモンがにゃーにゃー言っているのが可愛い。

 リカが居ないからカルアも寂しいのだろうか?


「ゼフィルス、今戻ったぞ」


「おかえりメルト。すまんな」


「構わない。これ、〈フルート〉二つだ。ちゃんと回復してある」


「サンキュー」


 ギルドハウスにやってきたメルトから受け取ったのは回復済みの〈フルート〉だった。

 レンカ先輩のところにメルトも用があるとのことだったので、ついでに〈フルート〉の回復もお願いしておいたのだ。


「メルト様~、出発の準備出来てる? 馬車がそろそろ来るよ~」


「ああ、今行く。――それじゃあなゼフィルス。また来年だ。良き年載(としの)せを」


「おう、メルトもミサトも良き年載(としの)せを」


「みんなまた来年ね~! 良き年載(としの)せを~!」


 今日はメルトとミサトの出発日。

 軽い挨拶を交すとメルトはミサトを連れていつもと変わらない足取りでギルドハウスから去って行った。

 相変わらず絵になるなぁメルトは。


「これで男子は俺とラウとセレスタンだけか。寂しくなるな」


 ちなみにラウは今日もルキアと幾人かのメンバーでレベル上げ&攻略者の証集めに鋭意努力中だ。

 たまには男同士で語り合いたいが、向こうも早く役立ちたいと頑張っているのだから邪魔は出来ない。


「で、ゼフィルス。どうするの?」


「え~こほん」


 続いて話しかけてきたのはシエラ。

 どうするのとは昨日の合同攻略の話だろう。

 昨日は散々お説教されたが、なんとか利点を説いて納得してもらったのだ。

 ふう。大丈夫だ。ちゃんとメッセージを取り交わしてある。

 俺は自分の〈学生手帳(スマホ)〉を起動するとシエラに見せながら言った。


「集合は今日の13時に〈上下ダン〉を予定している。人数は各ギルドで2人までだ」


〈エデン〉〈キングアブソリュート〉〈獣王ガルタイガ〉〈千剣フラカル〉〈百鬼夜行〉。Aランクギルドが二つ、Sランクギルドが三つとあって大規模な攻略班が出来てしまったが、あまり多くの人を連れて行っても鍛錬にならないということで各ギルドで連れて来て良いのは2人までとなった。

 フットワークを考慮した人数にもなっている。


「…………〈調査課〉〈罠外課〉〈採集課〉も同行って書いてあるのだけど?」


「ああ。攻略班は10人なんだがな。それとは別に学園が〈岩ダン〉を調査しているだろ? それも混ぜてしまった方が目的に沿うと思って誘っておいた。ちなみに〈救護委員会〉からも人が出て、計20人での行動だな」


 俺の目的は〈岩ダン〉を五段階目ツリー開放のためのダンジョンにすること。管理は学園で。

 つまり学園が〈岩ダン〉のことを知らなくてはいけないわけだ。故に調査団にも声を掛けた。


 そして話を聞いた学園が是非私たちもサポートしたいと諸手を挙げて参加を表明。

 追加で〈救護委員会〉のメンバーが5人。〈ダンジョン攻略専攻〉の〈調査課〉〈罠外課〉〈採集課〉からも計5人が同行し、サポートするという話になった。


 また、ユミキ先輩やカイリの名前もある。〈採集課〉からはモナとソドガガが参加するぞ。これは俺の推薦。そして〈罠外課〉の学生はよく知らないが3年生が1人だ。


〈調査課〉からはユミキ先輩ともう1人、1年生が参加することになっている。1年生でこのメンバーに参加するなんてすごいな。見れば所属ギルドが〈ギルバドヨッシャー〉になっていた。誰だろ? ちなみにカイリは〈救護委員会〉枠だ。


「……こんなメンバーに引き連れられてカイリは大丈夫かしら?」


「〈救護委員会〉で揉まれたってこの前話していたし、大丈夫だろう」


 多分。


「というわけで〈エデン〉からもメンバーを選出しなければならない」


「枠はあなたを抜くと、1人ね」


「もちろんシエラに付いてきてほしい」


「……そうだと思ったわ。任せて」


〈エデン〉からは俺、そしてシエラが参加。そういうことになった。


 うーん今日の午後が待ち遠しいぜ。

 俺は首を長くして時間が来るのを楽しみにしていた。

 ――そしたら来訪者が登場。


「ゼフィルスお兄様! ルルと〈天道のぬいぐるみ職人・フラーラ〉お姉ちゃんのところへ行くのです!」


 え? 午前中はフラーラ先輩のところに行く? 上級職になってもらえるよう説得するって?

 あ、了解です。


 やっぱりぬいぐるみは増えていく運命なのだろうか……。




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[気になる点] ギルド活動に学園外部からの補助を容認する点 大人、企業との協力や依頼なら社会経験を積むためやダンジョン資源の活用という点から理解できます ですが入学前の年齢、覚職前の子供を使うのは違…
[一言] シエラに尻尾があったら絶対に全力で振っているな
[一言] 上級チケットを引いたのがルルだから、ルルからお願いに行くのは自然な流れだな。
感想一覧
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