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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第二十章 〈学園出世大戦〉勃発、Aランク戦〈拠点落とし〉!

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#942 12月24日は祭りの雰囲気。出店のメシが美味い!




 今日は12月24日火曜日。

 世間一般ではクリスマスイブということで盛り上がる聖なる日の前日だが。

〈ダン活〉の世界では残念ながらクリスマスという日は無い。しかし、今年はお祭りの日となっていた。


 理由はもちろん学園中で行なわれるギルドランク昇格戦〈拠点落とし〉があるからだ。

 その名も――〈学園出世大戦〉。

 勝てば出世、ギルドランクアップ!

 負ければそのまま。ノーリスクハイリターンの大チャンスだ!


 学園はある種の転換期を迎え、来年からは入学数を大幅に増加し、なんと倍近くの入学者を受け入れることを発表した。

 それに伴い、Cランク以上のギルドも席を増やし、そして大々的にその席を取り合うギルドバトルを行なうことも内外に発表したのだった。


 するともうお祭り騒ぎだ。

 数日前までここ、学園だったんだぜ? と言われるような変わりよう。

 学園の敷地はお祭り騒ぎでいくつもの出店が臨時で出張ってきて食べ物を売っており、学園祭が戻ってきたんじゃないかと思わせる雰囲気となっている。


 パレードはさすがに行なわれていないが、そこら中にポスターが貼られ、どこのアリーナでいつどんなギルドバトルが行なわれるのか、それがイラスト付きで描いてあった。

 このイラストのイメージキャラクターってもしかしてユミキ先輩だろうか? 一枚欲しいな。


 ギルドバトルだが、俺たちはAランク戦なので第二アリーナで行なわれる。

 基本的にSランク戦なら第一アリーナ、Aランク戦なら第二アリーナ、Bランク戦なら第三アリーナと、使用するアリーナは決まっているのだ。


 観戦する人たち、特に企業やお偉いさんが間違うといけないからだな。それに広さの関係もある。一説ではアリーナが七つだからギルドランクも7段階なのだとか。


 またアリーナが違っても同じ時間に行なうわけではない。片方しか観戦出来ないのだから同じ時間に開催されても困ってしまうだろう。結構ばらけて行なわれる。

 本日は午前9時にSランク戦が開始され、午後2時からAランク戦が行なわれる手筈になっている。


 帰省する学生もいるため日数をかけないよう、Bランク戦とCランク戦はSランクやAランクの決着を待たずに今日の午前中から予選を開始。第三アリーナと第四アリーナだけに留まらず第七アリーナまでフルに使って試合をするらしい。

 あっちは数が多いからな。遅くても明日には決勝戦をするようだ。早ければ夜に決勝戦を行なう予定とのこと。


 何しろ増えたギルドの席はBランクギルドで10席、Cランクギルドに至っては100席も増えるらしく、その競争率もまたすごいのだ。Cランク戦なんていったい何ギルド応募しているのか、毎日のように増え続けているらしい。


 俺たちの出場する予定のAランク戦〈拠点落とし〉は18のギルドしかいないので1戦で十分という判断がなされたらしく、なんと全ギルド参加型だった。嘆くギルドが多いこと多いこと。なぜ嘆くのかな? 知らないな~。


 Sランク戦〈拠点落とし〉は4ギルドしか参加しないので当然1戦で決着の予定らしい。


 ここまで説明すればこの〈学園出世大戦〉がどれだけ大規模なお祭りか分かるだろう。

 みんな出世に貪欲なのだ。気合い入りまくりである。


 当然これに食いつくギルドは後を絶たず、発表してからこの1ヶ月でDランクギルドが150ほど増えたらしい。すごい。

 なお、解散してしまったギルドはもっと多いらしいが、それには触れないでおこう。


 そんな、学生が爛々と目を光らせる中、俺とハンナは出店で色々と食べ物をつついていた。


「ねえゼフィルス君。本当にこんなことしていていいのかな~?」


「ハンナは出番無いんだからいいんじゃないか? これ、美味いぞ。ハンナもどうだ?」


「私は無いけどゼフィルス君はすごく大事なのがあるでしょ~もう。でも頂戴。はぐっ、ん! これ、すごく美味しい!」


「はは、だろ?」


〈上ミノ串〉と書かれた出店で買った肉串が絶品。

 ハンナにもあげると口を押さえてビックリしていた。

 分かる。これ柔らかいのにジューシーで、食べた瞬間口の中で溶けるんだよ。

 これって〈食ダン〉のボスミノの肉だろ? こんなの出店で売ってていいのか!? 良いって!? サンクス! 美味い!


「じゃあゼフィルス君にもこれあげるね。フォークが一つしかないから食べさせてあげる。はい、あーんして」


「あーん、ぱくり」


 そう言ってデミグラスソースのようなものに絡めたパスタをクルクルフォークに巻いてあーんしてくるハンナについぱくりとしてしまった。

 なにこれ? 俺、今幸せでいっぱいです!

 そしてハンナは今更自分が何をしたのか自覚したように真っ赤になった。


「はわわ! なんかとんでもないことしちゃった気がするよ!?」


「今頃かよハンナ」


 あーんしたフォークを見て震えるハンナを見て思わずツッコミを入れる。

 なんかハンナの「はわわ」は久しぶりに見た気がするな。

 学園に来たときや来る前はよく見たけど最近はご無沙汰だったから、なんかホッコリした。


 そんな感じに現在朝の7時半ではあるが、早朝から出店を回っていたりする。

 ハンナと2人でだ。

 とはいえそれももうすぐ終わってしまう。

 俺たちのギルドハウスが見えてきてしまったためだ。


 まあ、目的はデートじゃなくてただの集合だ。その途中にもう出店が開いていたので色々買い込んでしまったのだ。


 というわけで、俺とハンナは〈B街〉にある〈エデン〉のギルドハウスへと到着する。

 すると、ギルドハウスの前でシエラとバッタリ出会った。バッタリだよね?


「ゼフィルス、第二アリーナへ行くと言って別れた割にはずいぶんと楽しそうね」


「おう! 出店がたっくさん出ていてな。まだ7時半なのにもうやってんだよ! しかも良い肉を使っててなぁ」


「…………そう」


「は、はわわ!」


 そう、今日は出店が出ているのでいつものハンナのデリバリー朝ごはんは遠慮した。そして1人で寮を出たときにギルドハウスへと向かうシエラたちとバッタリあったのだが、今日は朝からやるべき事があったので一度別れたんだよ。

 その後は朝の用を済ませて戻る途中でハンナとバッタリ出会ったのでそのまま一緒に来たというわけだ。


 ついでに朝ごはんも買い食いしたかったので、仕方なかったんだ。


 でもあれ? なんだかシエラの笑顔に凄みが出ている気がする? いやきっと気のせいだろう。気のせいであってほしい。


「まあいいわ。入って。すぐにミーティングを行ないましょう」


「オーケー。そうだ、後でみんなで例の〈上ミノ串〉買いに行かないか? すっげぇ美味かったんだよ」


「……いいわよ」


 もう一度あの美味しかったミノの肉串を思い出しながら言うと、シエラも承知してくれた。いいぞいいぞ。これで美味かったお肉がもっと美味しくなる予感!


 だがまずはこちらに集中しよう。

 今日の〈拠点落とし〉、その初期配置と場所の説明だ。

 今回はあらかじめくじ引きで決められた箇所から各ギルドがスタートするルール。

 今朝の俺の用事はまさに、そのランダムフィールドと〈エデン〉の初期配置を決めに行っていたんだ。クジを引いただけだけどな。


 さぁて、どんなフィールドでどこからスタートなのかな?




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] この作品のエンディングが夢落ちじゃないと納得出来ないレベルでサイコパスだよね
[良い点] ハンナと夫婦しててとても良きです [気になる点] 前に食ダンで沢山集めた食材はもう使い切ったのかな?
[気になる点] ゼフィルスの女生徒に対するスタンス、ホントにサイコパスなんじゃないだろうかと思うわ。 [一言] 周りのキャラをNPCとして見ているのか人間としてみているのか、ハッキリさせてほしい。 人…
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